鹿児島在住の3児の母で整理収納アドバイザー。快適にすごせる空間づくり、効率よく動ける仕組みづくり、家事のしやすいしかけづくりを考えることが趣味。暮らしにまつわることを中心としたブログ、コラム、連載執筆中。著書『片づけ日和』『めまぐるしい毎日でも暮らしが回る 50点家事』など。
整理収納アドバイザーとしてたくさんのお片付けの現場を見てきましたが、「クローゼットをうまく活用できない」と悩んでいる方が多いことに気がつきました。
クローゼットは、掃除も洗濯も衣替えもからんでくる場所なので、より難しく感じるのかもしれませんね。
そこで今回は、家事がラクになる「快適クローゼット」づくりの3つのポイントについて、くわしくご紹介します。
【1】ざっくり仕切って「取り出し」と「戻す」をラクに!
いろいろなシーズンの衣類をただ掛けているだけ、仕舞っているだけでは総量がわかりません。服の総量がわからなければ「服が足りないかも」と不安になって過剰に買い足してしまう可能性が……。
不安感による買い物というムダを防ぐためにも、衣類はシーズンごとにざっくり仕切り、だいたいの量を把握できるようにしておくことが大切です。
シーズン別管理におすすめなのが「ケーブルクリップ」でざっくり仕切るという方法です。
ケーブルクリップはホームセンターや100均ショップなどでも見かける、コード類を束にしてまとめるためのアイテムですね。
例えば、「クリップの右側には秋冬物」、「クリップの左側には春夏物」という感じでクリップを境界線にすると、ラクにシーズンごとに分けることができます。夏物か冬物かひと見でわかりにくいスーツも、クリップを目印にすれば取り間違えることもなくラク!
春夏物と秋冬物の総量をざっくりと把握できるので、「服が足りない気がする」という買い足しを防ぐことができます。
【2】「置く」を避けて掃除をラクに!
衣類の住みかであるクローゼットは、ホコリがたまりやすい場所のひとつ。
特に寝室と隣接しているとホコリっぽさが増し、掃除が億劫(おっくう)になってしまいますよね。
例えば、左側の写真の「床置きの鏡周り」。写真ではうまく隠せていますが、ホコリがかなり集まっていて大変なことに!掃除機をかけようとしても、いちいち鏡を持ち上げるのが面倒で、鏡周りは適当な掃除になってしまい、常にホコリっぽさが残っている状態でした。
ところが、右側の写真のように鏡を壁掛けタイプにしただけで周囲にホコリが集まりにくくなり、掃除機もかけやすくなりました!
鏡と同じように、衣類もできるだけ掛けて収納するようにしています。
掛けると形が変わってしまう冬のニットをのぞいて、ほとんどの衣類は全て掛ける収納にしている我が家では、画像のように、チェストやケースを動かすことなくスイスイ掃除できる状態になっています。
掃除の大敵 「床置き」を少しずつなくしていけば、クローゼットはもっと快適に、もっとキレイを保てるようになりますよ。
【3】適正量を守って管理をラクに!
衣類をざっくり仕切ったり、掛け収納にするには、衣類そのものの適正量を守ることが前提になります。適正量とは言い換えると「暮らしに適した量」のこと。
押入れやクローゼットなどの天袋に仕舞いっぱなしの服や、もう何年も着ていない服、チェストからあふれている服はありませんか?
もしあれば、それは適正量をこえているサインです。
「ここにも仕舞えるから」と衣類の量から収納場所を考えるのではなく、例えば「衣替えという家事を最小限にしたい」、「管理しやすい量にしたい」などの気持ちを最優先にして衣類を整理すると「暮らしに適した量」に近づくことができます。
これはクローゼット内に掛けている筆者の衣類です。
ほぼ全て掛けて収納できているのは、暮らしに適した量=「自分にとっての適正量」に近づけられたから。
適正量に近づけば、「自分の手持ちの衣類がどのくらいあるのか」、「どんなデザインのものを持っているのか」を常に把握することができ、買いすぎ防止にもつながります。
服を選びやすく、掃除もしやすく、管理もしやすいクローゼットにするためには、何よりもまず衣類を持ちすぎないことが大事。
結局、収納の工夫やテクニックに頼るより、自分が管理できる分だけ持つことが一番のラク家事につながるのです。
やりたいことの時間を確保するために、時短クローゼットで!
管理できる数は人によってそれぞれなので、判断基準を「まだ着られるかどうか」ではなく「管理できるかどうか」を基準にしてみるとよいかもしれないですね。
衣替えなども、「量」と「管理の手間」は比例するので、単純に少ない分ラクになりますよ。
暮らしの中では、仕事や育児、趣味など、大切にしたいことがたくさんあります。
収納のちょっとしたコツや、ものの持ち方でクローゼットの管理をラクにして、本当に大切なことをするための時間を確保しましょう!
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