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アルコール入り消臭・除菌スプレーの作り方

おうちで簡単!アルコール入り消臭・除菌スプレーの作り方

掃除

ドラッグストアなどでたくさんの種類が販売されているアルコール入りの消臭・除菌スプレー。
使い始めてから好みの香りじゃなくてガッカリしたことはありませんか?

実は、消臭・除菌スプレーは、おうちでも簡単に手作りすることができます。
家のあちこちで便利に使える消臭・除菌スプレーを、必要な分だけ好きな香りで作れたらとっても便利ですよね。

今回は重曹やクエン酸など身近な材料で簡単に作れる「アルコール入り消臭・除菌スプレー」の作り方とおすすめの使い方をご紹介します。

元小学校家庭科教諭。子どものハウスダストアレルギーをきっかけにおそうじにはまり、ブログ「節約ママのこだわり掃除」をスタート。時短家事や節約を楽しみながら日々研究中です。 著書「家族が笑顔になる おそうじの魔法」など。

気になるニオイに効果的な消臭・除菌スプレーを作るには?

ここではまず、どんなニオイにどういう成分のスプレーを作れば効果があるか知っておくために、ニオイの種類(性質)と主な「除菌・消臭」の仕組みについて簡単に解説します。

ニオイの正体は、雑菌によってニオイのもととなる成分が食べられ、分解されていくときにできる副産物です。
この「ニオイのもと」を除去することが一番ベストですが、ニオイのもとが取れにくい場合は、スプレーによって中和します。

ほとんどの汚れとニオイのもとの成分は酸性であることが多いので、アルカリ性の重曹を使った消臭スプレーで中和させてニオイを消すことができます。
例外的なアルカリ性のニオイは、トイレ、たばこ、魚のニオイ。
この3つは、酸性の性質をもつクエン酸を使った消臭スプレーで中和・消臭ができます。

除菌したい場合はアルコールが必須

手作り除菌スプレー

生活環境下のカビや細菌を減少させる方法が「除菌」です。
さまざまな方法がありますが、主に加熱や洗浄消毒、アルコールなどで殺菌することができます。

エタノールはアルコールの代表で、殺菌によく用いられます。
アルコール70%の溶液が最も殺菌力に優れています。

消臭・除菌スプレーを手作りするときに必要なもの

消臭・除菌スプレーを作る前に、まずは必要な道具や材料をそろえましょう。
必要な道具はこちら。

手作り除菌スプレーの材料
  • スプレーボトル
  • ろうと
  • 計量スプーン
  • 「重曹」か「クエン酸」
  • 無水エタノール
  • お好きな精油
  • ビーカー
  • 精製水

これらを選ぶ時に少し注意したいポイントがいくつかあるので、スプレーを作る前に必ずチェックしてみてください。

スプレーボトル

無水エタノールや精油を利用するので、スプレーボトルはガラス製か「耐油性」「耐アルコール性」のものを選びます。
プラスチックはエタノール原液を先に入れるとボトルが傷んでしまう場合があるので、ビーカーなどで作ってから、薄まった状態のものをスプレーボトルに注ぐようにしてください。

クエン酸スプレーは、有害なガスが発生するため、塩素系や漂白剤などの空きボトルで絶対作らないようにします。

ろうと(じょうご)

ボトルに移すときにはろうとがあると入れやすいです。
ビーカーがあれば注ぎ口があるので「ろうと」は不要です。

計量スプーン

スプレーボトルの項目でも説明したように、プラスチック素材のものはアルコールで変色したり変質する場合があるので、ステンレス製のものがオススメです。

「重曹」か「クエン酸」

どちらもナチュラル洗剤として有名で、100均やドラッグストア、ホームセンターなどで手に入ります。
スプレー作りの材料以外にも、家じゅうのあちこちで洗剤として使用できるので、常備しておくと便利です。

「重曹」が得意とする汚れやニオイ
重曹は、油汚れ、こげつき、ヤニ、湯あか、汗、手垢、せっけんかすなどの酸性の汚れを落とします。
キッチンの生ごみの腐敗臭、靴箱のニオイ、カーテンやラグの食べ物臭、ペット臭、寝具の汗くささに効果があります。

「クエン酸」が得意とする汚れやニオイ
クエン酸は重曹では落とせないアルカリ性の汚れを落とします。
トイレのアンモニア臭、魚の生臭さ、たばこの煙のニオイに効果があります。

無水エタノール

無水エタノール

無水エタノールとは、水を(ほとんど)含まないエタノールのことです。
ホームセンターの「衛生用品」などのコーナーに置かれていることが多いです。
エタノールは水にも油にも溶けやすいという性質をもっており、水溶性の汚れにも油汚れにもどちらにも効果を発揮するのが特徴です。

今回のスプレーでは精油や精製水と混ぜる必要があるため、どちらにも溶けやすい性質をもつ「無水エタノール」を使用します。

消毒用エタノールとの違いについて
無水エタノールと消毒用エタノールとの違いは「アルコール濃度」です。
無水エタノールはエタノール濃度が99.5%以上もあり、原液のままだと除菌する前に気化してしまいます。
これを精製水などで薄めることでエタノール濃度を70~80%まで抑えると、除菌(消毒)用エタノールとして使えます。

お好きな精油

精油

好きな香りのエッセンシャルオイルを準備します。
手に入りやすい消臭、防臭作用のあるオイルは、ユーカリ、レモングラス、ヒノキなど。
殺菌効果があるオイルは、ティートゥリー、ラベンダー、ペパーミントなど。

精油の濃度を1%までにして、好きなオイルをブレンドして使えます。
オイルは好みに応じて減らしてもOK。10滴でも香りを楽しめます。

ビーカー

ガラス製の容器が好ましいです。
エタノールに精油を溶かす際に利用します。

精製水

精製水とは、不純なものがほとんど含まれていない水のこと。
ドラッグストアなどで購入ができますが、手に入らない場合は水道水でも代用できます。

ただし、精製水ではなく水道水で作った場合は、ごく少量含まれることのある細菌が増殖する可能性もあるので、なるべく早めに使い切るように気をつけましょう。

重曹やクエン酸を使った消臭・除菌スプレーの作り方

それでは、ここからは実際に消臭・除菌スプレーの作り方と手順をご紹介します。
今回は「重曹スプレー(アルコール度60%)」と「クエン酸スプレー(アルコール度70%)」の2種類のスプレーのレシピを用意しました。
解消したいニオイに合わせて作ってみてください。

重曹を使った消臭・除菌スプレーの作り方

アルコール70%にすると重曹が溶けにくいので、60%にしました。
しっかり重曹を溶かしてからスプレーボトルに入れないと、スプレーの噴射口がつまるので要注意です。

重曹入り除菌スプレーの材料

使用した材料

  • 重曹小さじ2分の1
  • 無水エタノール120ml
  • 水(蒸留水)80ml
  • 精油40滴まで(今回はラベンダーとティートリーを入れました)

作るときの手順

重曹入り除菌スプレーの作り方

手順1.無水エタノールをビーカーに120ml入れます。

重曹入り除菌スプレーの作り方

手順2.精油を40滴加えて、しっかり混ぜます。

重曹入り除菌スプレーの作り方

手順3.精製水80mlを加えて、しっかり混ぜます。

重曹入り除菌スプレーの作り方

手順4.重曹小さじ2分の1を加えて溶けるまでしっかり混ぜます。

重曹入り除菌スプレーの作り方

手順5.溶けたのを確認したらスプレーボトルに入れます。
なんのスプレーか分かるよう、ラベルを貼っておくと便利です。

クエン酸を使った消臭・除菌スプレーの作り方

クエン酸入り除菌スプレーの材料

使用した材料

  • クエン酸小さじ1
  • 無水エタノール140ml
  • 精製水60ml(水道水でも可)
  • 好きな精油40滴まで(今回はペパーミントを入れました)

作るときの手順

クエン酸入り除菌スプレーの作り方

手順1.無水エタノール140mlをビーカーに入れます。

クエン酸入り除菌スプレーの作り方

手順2.精油40滴を入れて、しっかり混ぜます。

クエン酸入り除菌スプレーの作り方

手順3.精製水を入れてしっかり混ぜます。

クエン酸入り除菌スプレーの作り方

手順4.クエン酸をしっかり溶かします。

クエン酸入り除菌スプレー

手順5.スプレーボトルに入れて完成です。

消臭・除菌スプレーを手作りするメリット

消臭・除菌スプレーは、最近はスーパーやコンビニ、100均などでも見かけますよね。
わざわざ作らなくても買えばいいという方も多いかもしれません。

でも、自分で消臭・除菌スプレーを手作りをするといろんなメリットがあります。

好みの香りで作れる

市販されている消臭スプレーは、購入前に実際の香りを確認することができないできないため、使い始めてから好みの香りじゃなかった、ということもあります。
大きなボトルの場合は使い切るまでに、香りに飽きてしまうということも。

手作りであれば、お気に入りの精油など好みの香りで作れるので、失敗がありません。
加える精油の量を調整すれば、香りの強弱なども好みに応じて変えられます。

必要な分だけ作れる

市販の消臭スプレーは、トイレや寝室、キッチン、リビングなど、家の中の場所やモノ別にさまざまな種類が売られており、それぞれ目的別に購入するのも大変だったりしますよね。

その点、自分で手作りすれば、ニオイの元に合わせたスプレーを簡単に作ることができます。また、作る量も調節できるので、必要な分だけ作ることができ、無駄がありません。

アルコール入りなら除菌も可能

今回ご紹介した「除菌もできる消臭スプレー」なら、必要に応じてアルコール濃度を調整でき、好きな香りもつけることができます。

アルコールを入れることで除菌ができ、スプレーした場所が早く乾くというメリットもありますよ。

手作り消臭・除菌スプレーのおすすめの使い方

スプレーが完成したら、さっそく気になる場所に使ってみましょう。
ここでは、おすすめの使い方をご紹介します。

重曹入り消臭・除菌スプレーの使い方

手作り除菌スプレーで靴の消臭

玄関や靴に
靴や玄関のニオイ消しに使えます。スプレー後は10分ほどしっかり乾燥させます。

手作り除菌スプレーでソファの消臭

リビングに
リビングでは洗いにくいソファーやクッション、ラグのニオイ消しに使えます。

手作り除菌スプレーでカーテンの消臭

寝室のファブリック類に
寝室ではカーテンや寝具のニオイ消しに使えます。

スプレー後は嫌なニオイがとれ、アロマの香りが残るので爽やかです。
ほかにはお掃除ではキッチンの油汚れ落としに使えますし、除菌スプレーとして机の上や扉の取っ手などを除菌することができます。

ただし、アルコールが使えない素材には注意してください。

クエン酸入り消臭・除菌スプレーの使い方

カーテンやラグに
タバコのニオイのついたカーテンやラグにスプレーします。

トイレのマットに
トイレのマットのニオイ消しができます。またトイレの空間に向けて1~2回プッシュすれば、エアリーフレッシュナーとして活躍します。

手作り除菌スプレーでトイレの消臭

トイレの便器に
トイレの便器の除菌や、洗面ボウルの水垢取りにも使えます。

最近増えている有機ガラス系(アクリル樹脂製)などの便器の場合、ひび割れや白濁の原因になるため「使用できない洗剤」としてアルコールや重曹などが取扱説明書に掲載されている場合があります。ご使用前に必ずご確認ください。

クエン酸スプレーは、トイレなど狭い空間で一度にたくさんスプレーすると、吸い込んでしまい苦しくなることがあります。
換気をしながら少しずつスプレーしてください。

手作り除菌スプレーでキッチン掃除

キッチンに
魚焼きをしたあとの、ニオイ消しに使えます。コンロの火が消えていることを確認してから、クロスにスプレーしてふき取ります。クエン酸の成分が残っていると錆びるので、スプレー後はしっかり拭き取ってください。

手作り消臭・除菌スプレーを使わない方がいい場所・素材

この消臭・除菌スプレーにはエタノールが含まれているため、下記の場所や素材には使用しないでください。
変色、変質、表面塗装がはがれるなどの原因となります。

  • ニス塗装の家具
  • 木材のフローリング
  • 革グッズ・ゴム製品
  • 一部のプラスチック
  • 大理石

その他のご注意点
1.エタノールには引火性があり、近くに火の気があると発火してやけどしたり、火事になったりする可能性があります。

2.お掃除後も窓を開けたり、換気扇を回したりして換気し、完全に揮発(きはつ)させてください。

3.人によっては頭痛や手指の乾燥を起こすことがあります。しっかり換気して、掃除に使うときは炊事用手袋を着用するなどしてください。
塩素ガスが発生して危険なので、絶対に塩素系漂白剤と混ぜないでください。

手作り消臭・除菌スプレーや材料の保管方法

除菌スプレーとウェットティッシュ

無水エタノールは揮発(きはつ)性が大変高いので、容器はしっかり密閉しましょう。
また、小さなお子さんのおられる家庭では、特に間違って飲んだり目に入ったりする事故を防ぐため保管場所には十分にご注意ください。

温度の高くなる所では保管せず、基本は冷暗所に保管します。
ただし冬場だけは、重曹スプレーは室温で保管するようにしましょう。
気温が低い場所だと溶けていた重曹が結晶化し、スプレーが詰まってしまいます。

自分好みの消臭・除菌スプレーを作ろう

冬場は特に、窓を閉めた状態にしていることが多いので、ニオイがこもりがち。
自作の消臭剤でスプレーを作れば、簡単にニオイを減らすことができ、リフレッシュできます。

重曹水だけ、クエン酸水だけでも十分消臭できますが、エタノールや精油を加えることで好きな香りにすることができます。

今回はエタノール多めの配合をして、除菌もできるスプレーにしました。
香りのブレンドを楽しんだり、エタノールの配合を変えたりして、オリジナルの消臭スプレーが楽しめますよ。

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