北海道の庭で、野菜と共にハーブ・野草・山菜を育てる菜園家。また、それらの食材の楽しみ方・調理方法をプロとして、Yahoo!などの様々なメディアで発信している。Instagram・ブログ『料理+菜園づくり 食育インストラクターracssの日々の暮らし』で、その様子を公開中。
果物の味と栄養がつまっているドライフルーツ。
健康に良いと聞いて食べている人も多いですが「もっと別の食べ方はないのかな?」と思ったことはありませんか?
気に入ったドライフルーツの違う食べ方を試してみたくなったりするかもしれません。
実は、ドライフルーツはそのまま食べたりヨーグルトに入れるといった定番の食べ方以外にも、いろいろな食べ方にアレンジすることができます。
この記事では、ドライフルーツを料理やおつまみに使うアイデアをご紹介します。
実際に作ってみたコツや美味しくするための工夫もお伝えするので、ドライフルーツの活用法が広がりますよ。
ドライフルーツを砂糖の代わりに使ってみよう
ドライフルーツを広く活用するためには、まず「砂糖の代わりに使ってみる」ことがおすすめです。
ドライフルーツには自然の甘み、酸味が凝縮されています。
ですから、料理に使うと複雑な味わいが生まれるのがメリット。ドライフルーツの栄養もまるごと摂れるので一石二鳥ですね。
砂糖の代わりにドライフルーツを入れると、いつもの料理も新しい味になります。
いろいろなドライフルーツで試して味わいの違いを比べてみるのも楽しいと思います。
では、具体的なレシピを見ていきましょう。
ドライフルーツを調味料に!自家製ドレッシングやソース
ドライフルーツの甘みや酸味はソースやドレッシングにぴったりです。
市販のマヨネーズやドレッシングに刻んだドライフルーツを加えて、一味違ったものにすることもできます。
今回は「サラダ用ドレッシング」と「お肉のためのソース」をドライフルーツを使って作ってみましょう。
ドライフルーツ入りのサラダ用ドレッシングの作り方
野菜サラダのドレッシングは、少しとろりとさせて野菜にうまく絡むようにするのがコツです。
あっさりとしたフレンチドレッシングの材料に甘みをドライフルーツで足し、「食べるドレッシング」のように仕上げてみました。
すりおろし玉ねぎの辛さも活きています。
ドライフルーツ入りのサラダ用ドレッシングの材料
- プルーン 2個
- キウイ、クランベリーのドライ 大さじ1ずつ
- 玉ねぎ 4分の1個
- 酢 大さじ2
- オリーブオイル 大さじ4
- 塩小さじ半分
- 塩コショウ 少々
- はちみつ(お好みで) 少々
ドライフルーツ入りのサラダ用ドレッシングの作り方
手順1.玉ねぎをボウルにすりおろします。
手順2.ドライフルーツを細かく刻みます。3mm角くらいになるまで包丁で丁寧に刻んでください。
手順3.玉ねぎとドライフルーツを合わせ、よく混ぜ合わせながら水分をドライフルーツになじませます。
手順4.酢と塩を加えてよく混ぜます。
手順5.オリーブオイルを数回に分けて入れ、その都度よくかき混ぜます。油分が乳化(にゅうか)し、とろっとした状態になったらOK。
手順6.味見をし、塩コショウを振って味を整えます。甘みを足したい場合ははちみつ少々を入れてみてください。
手順7.スプーンですくえる「食べるドレッシング」のできあがりです。
ドライフルーツ入りのお肉用ソース
ドライフルーツの味は肉とも相性が良いです。
ローストビーフや豚肉ソテーにぴったりの、甘酸っぱさを活かしたソースを作ってみましょう。
今回のソースにはプルーンとデーツを使っていますが、レーズンやドライクランベリーを使ったり、アクセントにオレンジピールを少々足すのも美味しいですよ。
ドライフルーツ入りのお肉用ソースの材料
- 刻んだプルーン2個分
- 刻んだデーツ(ナツメヤシの実)2個分
- 水 50ml
- にんにく みじん切り 1個分
- 赤ワイン 200ml
- 醤油 大さじ3
- バター 15g
ドライフルーツ入りのお肉用ソースの作り方
手順1.細かく刻んだプルーンとデーツに水50mlを加え、なじませておきます。
手順2.鍋の用意ができたら、にんにくとバターの3分の1程度を入れ、弱火で炒めます。
手順3.そこへ水と合わせておいたドライフルーツとワインを入れ、弱火で煮立てます。
手順4.水分が半分ほどになり、プルーンやデーツが柔らかく煮崩れてきたら醤油を加えます。
手順5.ふつふつと沸いてきたところへ残りのバターを加え、よくかき混ぜます。
手順6.バターがしっかり混ざったら火を止めます。できあがり。
このソースは、ステーキなどお肉を焼いた後のフライパンで作って、肉汁をプラスするとさらに美味しくできます。
ローストビーフを焼いたときに出る多めの肉汁を加えるときは、別容器に肉汁を移しておき、材料の水のかわりに刻んだドライフルーツを浸しておくのに使うとよいでしょう。
生の果物の代わりにドライフルーツでジャム作り
ドライフルーツはジャムにすると使い方が広がります。
フレッシュな果物でジャムを作るときよりも短時間で濃厚なジャムになるというのが便利なところ。
少しだけ残ったドライフルーツの活用法としても便利です。
ドライフルーツでジャムを作る場合に覚えておきたいのは、生の果物を使うときと違ってカサはほとんど減らず、むしろ水分を加える分量が多くなるということです。
「この保存容器1つ分」など作りたい量が決まっているなら、その容器に八分目の量のドライフルーツを用意するのがポイントです。
ドライフルーツミックスジャム
ドライフルーツ数種類を合わせてミックスジャムにしてみましょう。
今回はドライフルーツ以外の甘みは加えていませんが、合わせるものによって甘みが足りないと感じる場合は、砂糖やはちみつをプラスしてもいいですね。
ドライフルーツミックスジャムの材料
- クランベリー カップ1
- プルーン カップ1
- オレンジピール カップ半分
- 水 600ml
- ラム酒 大さじ1
- レモン汁 小さじ1
ドライフルーツミックスジャムの作り方
手順1.プルーンはクランベリーの大きさに合わせて4分の1程度に切ります。オレンジピールも長ければ2cm程度に揃えておきます。
手順2.鍋にドライフルーツ全てと水400mlを入れ、中火で煮ます。
手順3.焦げ付かないよう時々かき混ぜながら、プルーンが煮崩れてくるまで煮てください。
手順4.水が少なくなってきたら残りの200mlを加えて更に煮ます。
手順5.水分がほとんどなくなったらラム酒、レモン汁を加えざっと混ぜます。
手順6.火を止めて冷まします。できあがり。
濃厚な「フルーツペースト」や「フルーツ餡」としても使えるジャムになりました。
トーストやクラッカーにそのまま塗っても美味しいですが、カスタードクリームと合わせてパイのフィリングにしたり、白あんと混ぜてお餅で包む和菓子にも。
また、チャツネ1代わりにカレーに入れるという使い方もおすすめ!
コクのあるドライフルーツバタージャム
フルーツジャムにバターを加えて作ると、トーストにぴったりのコクがあるミルキーな味に仕上がります。
水分の少ないドライフルーツならバターと分離することもなく、簡単にフルーツバタージャムができますよ。
特に柿やりんごのような味わいのデーツとバターはとても美味しい組み合わせ!是非試してみてください。
ドライフルーツバタージャムの材料
- デーツ 6個
- 水 200ml
- バター 100g
ドライフルーツバタージャムの作り方
手順1.デーツは種を取り、荒く刻みます(デーツはすぐ煮崩れるのでそれほど細かく切らなくてもOKです)。
手順2.水と一緒に鍋に入れ、中火でデーツの形がなくなるまで煮ます。
手順3.バターを加え、弱火で溶かしながらよくかき混ぜます。
手順4.ペースト状になったら火を止めて冷まします。できあがり。
味に深みが出る!ドライフルーツを使ったドライカレー
ドライフルーツは、カレーに入れると深い味わいになります。
市販のルーの原材料にも、なつめやデーツ、プルーンなどが使われていることがありますよ。
今回はカレー粉とドライフルーツで作る、シンプルなドライカレーの作り方を紹介しますね。
ドライフルーツ入りドライカレーの材料
- ひき肉 250g
- デーツ 2個
- プルーン 2個
- にんにく 1個
- 玉ねぎ 1個
- にんじん 1本
- 油 大さじ1
- 水 100ml
- トマトケチャップ 大さじ2
- カレー粉 大さじ1
ドライフルーツ入りドライカレーの作り方
手順1.材料のドライフルーツ、野菜類はすべてみじん切りにします。
手順2.フライパンに油をひき、にんにくと玉ねぎを炒めます。
手順3.次ににんじんを加え、さらに炒めます。
手順4.にんじんが柔らかくなったらひき肉を加えて炒めます。
手順5.デーツとプルーン、水、トマトケチャップを加えて混ぜながら弱火で煮ます。
手順6.最後にカレー粉を加え、水分を飛ばすようにして煮詰めたら完成。
ケチャップを使ったので甘さがあり、子どもも喜びそうなご飯に合う味に仕上がりました。
辛くしたい人には盛り付けてから市販の小瓶のガラムマサラを振っても◎。
温泉卵やチーズとの相性も抜群なので、アレンジトッピングもおすすめです。
さわやかさがアップ!ドライフルーツ+ポテトサラダ
ポテトサラダに缶詰のみかんや生のりんごを入れるレシピがありますが、代わりにドライフルーツを入れると水っぽくならずクリーミーな仕上がりにできます。
サラダに入れるドライフルーツと言えばレーズンが手軽ですが、レーズンが苦手な人も多いですよね。
それで、ここでは自家製ドライフルーツのりんごとはっさくを入れてみました。
きゅうり、ゆでたまごもプラスしていろいろな食感を楽しむのが我が家流。
ドライフルーツ入りポテトサラダの作り方
お好きなドライフルーツをいつものポテトサラダに加えて作ってみてください。大きいものはスライスします。
固いものは一度お湯で戻してからしっかり水気をとって加えます。
混ぜ込まず、トッピングとして乗せるだけでもいいと思います。
フルーツの爽やかさが加わり、一味違ったポテトサラダになりますよ。
ドライフルーツで作る【やみつきおつまみレシピ3種】
ドライフルーツはお酒のおつまみにとても向いています。
例えば、いちじくはタンパク質を分解する手助けをするので、お肉やチーズとの相性がいいです。
ついつい不足しがちな食物繊維補給のためにもドライフルーツのおつまみはおすすめですよ。
シンプルにそのままつまむのも良いですが、他の食材と合わせると後を引く絶妙な味わいになるので、おすすめレシピを3種類ご紹介します。
美味しすぎてたくさん食べてしまう場合は、食物繊維と水分のバランスをとるためお酒以外の水分も多めにとってください。
クリームチーズディップ
クリームチーズに刻んだドライフルーツとナッツを混ぜます。
クラッカーにもコーン系チップスにも合いますよ。
クリームチーズディップの作り方
レーズン、クランベリー、プルーンなどのドライフルーツはお湯につけて柔らかくしてからざく切りにします。
そのあと、常温に戻して柔らかくしたクリームチーズに混ぜます。
常温に戻しても固めのクリームチーズの場合は、200グラムのクリームチーズに対し、ラム酒小さじ1またははちみつ小さじ1を加えてよく撹拌すると塗りやすいディップにできます。
ドライいちじくのチーズのせ
ドライいちじくにいろいろな味のチーズをのせ、一緒に食べます。ワインも進む絶妙な味わい!
ドライいちじくのチーズのせの作り方
ドライいちじくは半分に切り、手で広げるようにして平らにします(大きいいちじくなら4分の1に切ります)。
そこに好みのチーズとナッツやミニトマトなどをのせてください。一口で食べられる大きさで作ります。
今回のチーズはおつまみ用のものでアーモンドやブラックペッパー入りのプロセスチーズを使いました。
また、スモークチーズやブルーチーズなど癖のあるものも合います。
食べる直前に電子レンジに数秒かけて温めると、柔らかくクリーミーな食感に変わりますので、ぜひそれも試してみてください。
プルーンのベーコン巻き
まるごと食べやすいプルーンをベーコンで巻いて焼きます。
ベーコンの塩気がプルーンと合い、オードブルにもぴったりの一品です。
プルーンのベーコン巻きの作り方
プルーンにベーコンを巻いたら、巻き終わりを下になるようにして薄く油をひいたフライパンに並べます。
弱火でベーコンに焦げ目がつくまで焼きます。
お皿に並べるときに爪楊枝を刺して取りやすくしましょう。
気軽に使いたいドライフルーツトッピングのススメ
ドライフルーツは普段のデザートのトッピングにすると見た目がおしゃれになるだけでなく、栄養を補うものにもなります。
生のフルーツと違って水っぽくならないのが嬉しいところです。
- アイスに
- パンケーキに
- あんみつに
レーズンやいちじくなど固めのドライフルーツは、お湯で適度に戻してからカットして使うのがおすすめです。
このとき、ラム酒やブランデーなどのお酒で戻すと大人の味にできますよ。
上の写真では自家製オレンジピールとドライレモン、くるみをチョコアイスに、クランベリーのウイスキー漬けと自家製キウイのドライをバニラアイスにトッピングしています。
いつものシンプルなアイスも、ドライフルーツを加えるだけでおもてなし風になりました。
おわりに
知れば知るほど奥の深いドライフルーツ。使い方も無限です!
家庭で料理やおつまみに使う際には、ドライフルーツの甘みを砂糖の代わりに活かしたり、ドライフルーツと他の食材を組み合わせて味の広がりを楽しんだりしてみましょう。
市販の調味料やいつものレシピにドライフルーツを加えるだけでも、目先が変わります。
いろいろアレンジして好きな味を見つけてみてはいかがでしょうか。