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いらない派も必見!拭けるキッチンマットと布製キッチンマットの違いを徹底比較
編集部でキッチンマットの使用に関する実態調査を行った際、4~5年前から普及し始めているPVC素材の「拭けるキッチンマット」を使用しているという人がかなり多いことが分かりました。
一般的な布製キッチンマットと「拭けるキッチンマット」はどう違うのか。
今回は布製キッチンマットと「拭けるキッチンマット」を比較実験し、あらゆる違いを明らかにしてみることにしました。
素材の違いによる汚れにくさや温かさの比較やどのくらいクッション性があるかなど、キッチンマットの気になる疑問についても色々と実験で検証します。
ぜひおうちのキッチンマット選びの参考にしてみてくださいね。

目次
実験に使用する4つのキッチンマットはコレ
拭けるキッチンマットと布製キッチンマットの違いを明らかにするべく、今回実験に使用したのはこちらの4種類のキッチンマット。

- (1)PVC素材のキッチンマット
- (2)100均のPVCキッチンマット
- (3)毛足が短い布製キッチンマット
- (4)毛足が長い布製キッチンマット
PVC素材のキッチンマットは100均でも「PVCクッションマット」として販売されています。
100均のものとメーカー品で差が出るのかも含めて調査すべく、今回の実験でも使用することにしました。
まずは、今回の実験に使用するアイテムを簡単にご紹介します。

PVC素材のキッチンマットとして用意したのがこちら。北欧柄が人気のキッチンマットです。長さは180cmを用意。PVC素材のキッチンマットは布製では表現しにくい細かい柄もプリントできるので、繊細な柄や複雑な柄が多いのも特徴の一つです。

100均で販売されているPVC素材のキッチンマットがこちら。前回のアンケートで「ダイソーの『PVCクッションマット』を使用している」という声があったので同じものをご用意。
ダイソーでは500円で販売されており、長さは最大で90cm。2つ購入して並べることで180cmのキッチンマットとして使用することができます。

まず1つ目は毛足が短いタイプのキッチンマット「ミラクルドット」。長さはPVC素材のキッチンマットに合わせて180cmを用意しました。
一番目を引くカラフルなドット柄で、キッチンに敷くとパッと目を引きます。インテリア感覚でキッチンマットを敷くという人の中には、こういった目を引く個性的な柄を好む人も多そうですね。

同じ布製キッチンマットですが、こちらの毛足が長い布製キッチンマット「marle」。こちらも長さは180cmを用意しました。
毛足が長いだけあって一番触り心地がもこもこしています。裏面には滑り止め加工が施されているのでマットがずれにくいのが特徴です。
キッチンマット比較実験【1】お手入れ方法を比較
さっそく、この4つを比較していきたいと思います。
一番の違いは「お手入れ方法」です。
拭けるキッチンマットのお手入れ方法

PVC素材のキッチンマットの最大の特徴であり、布製キッチンマットとの違いは、汚れがすぐに染み込まず、その場でさっと拭くことができる、ということ。
このお手入れの手軽さが、PVC素材のキッチンマットの人気の要因でもあります。
長時間の放置はNG
汚れがまったく染み込まないわけではないので、すぐに拭きとらなかった場合は痕が残ってしまう場合があります。
色の薄いPVC素材のキッチンマットの場合は、ケチャップなどの色の濃い汚れを放置すると痕が目立ってしまうので、できる限りすぐに汚れを拭きとるようにしてくださいね。
布製キッチンマットのお手入れ方法
一方、布製キッチンマットは洗濯して洗うことで綺麗になります。
大きいものだと「運ぶのが大変」&「洗って干すのに時間がかかる」というのがデメリットでしょう。
アンケートでもこのお手入れ方法がネックとなり、キッチンマットを敷いていない人が多いのが事実です。
布製キッチンマットのお手入れは大変?
「洗濯が必要だから」というだけで布製キッチンマットのお手入れが大変と決めつけることはできませんが、洗濯して干す、という手間がかかることに違いはありません。

編集部が気になったのは、洗濯して水分を吸ったキッチンマットは重くて運ぶのが大変なのではないか、という点。
オカトーの千田さんによると、現在のシステムキッチンの規格サイズで多いのは「255cm」。そのため、一番よく売れるキッチンマットのサイズは240cmだそうです。
2m以上のキッチンマットは洗濯も大変そうですが、実際に180cmの毛足が長い布製キッチンマットを洗濯してみると、その重さはわずか1kg。
想定していたよりかなり軽かったです。
しっかり脱水さえしていれば、布製キッチンマットのお洗濯が一人ではできないくらい重労働ということはなさそうです。
キッチンマット比較実験【2】クッション性
オカトーの千田さんから教わったPVC素材のキッチンマットのルーツによると、PVC素材の魅力は「クッション性」の高さとそれゆえの「疲れにくさ」にあると言えます。
そこで、布製のキッチンマットとPVC素材のキッチンマットのクッション性を比較してみることにしました。
比較の方法はとてもシンプル。キッチンマットを敷き、調理台とほぼ同じ高さの約80cmの高さから卵を落としてみます。
マットを敷かない状態で卵を落とすのは行っていませんが、床に直接落とすほうが、卵が割れたりヒビが入ってしまうリスクはかなり高いと言えるでしょう。
布製キッチンマットに卵を落としてみると…

まずは布製キッチンマット2種類に卵を落としてみます。
毛足が短いキッチンマットではさすがに割れるか…と覚悟していましたが、意外にも毛足が短いキッチンマットでも毛足が長いキッチンマットでも卵が割れることはありませんでした。
PVC素材のキッチンマットに卵を落としてみると…

続いてPVC素材のキッチンマット。100均のものにも落とします。
布製キッチンマットと同じく、メーカー品でも100均のものでも卵が割れることはありませんでした。
キッチンマットのクッション性比較実験結果
実験の結果、4種類どのキッチンマットでも卵が割れることはありませんでした。
心配だった毛足が短い布製キッチンマットや100均のPVCキッチンマットでも卵の悲惨な姿を見ることがなく、驚かされました。
キッチンマットを「敷いている」か「敷いていない」かでは違いがあるかもしれません。
その点、どんなキッチンマットでも、1枚敷いているだけで物を落とした時の衝撃を和らげることができるということが分かりました。
キッチンマット比較実験【3】足元の温かさ
前回編集部が行ったキッチンマットの使用に関するアンケートでは、「PVC素材のキッチンマットは見た目が寒い」「踏むとひんやりしそう」という声もありました。
確かに、布製キッチンマットに比べると、PVC素材のキッチンマットはつるつるした触り心地で、触ると何となくひんやり感を感じます。
キッチンマットの上に立つ時は、お料理や後片付けなど長時間になるケースがほとんど。
長く立っているのに、ずっと冷たいままなのは嫌ですよね。
そこで、キッチンマットの上に立った時を想定して、キッチンマットの温かさを比べてみることにしました。
用意したのは50度前後のお湯。これを同じ分量、容器に入れ、それぞれのキッチンマットの上に置きます。
同じ室温の状態で、お湯の温度の下がり幅を比較します。

手順1.4種類のキッチンマットを並べます。
この時点で室温は17.7度。実験が終わるまで17.7~17.8度を維持していました。
手順2.それぞれのキッチンマットの上にお湯が入った容器を置いていきます。
言うなれば、足の代わりです。
容器の中には50mlずつのお湯を入れました。
比較のため、キッチンマットを敷いていない床にも容器を置きます。
手順3.キッチンマット、もしくは床に置いた時点でのお湯の温度を計測します。

手順4.しばらく待ち、容器に入ったお湯の温度を5分後、10分後に計測します。
最初に置いた時点でお湯の温度にはわずかながらも差が生じていたので、最初に計った温度からどのくらい下がっていたのかをまとめていきます。
キッチンマットの温かさ比較実験結果
最初に容器を置いた時のお湯の温度と、10分後のお湯の温度を測り、どれくらいお湯の温度が下がったのか「温度差」を比べてみると、次のような結果に。

実験の結果、お湯の温度変化が最も少なく、高い温度を保つことができたのはPVC素材のキッチンマットでした。
他が8.5度以上温度が下がっている中、温度差を7.7度に抑える奮闘を見せました。
意外だったのは、触り心地もふかふかで温かみを感じる毛足が長い布製キッチンマットが100均のPVCキッチンマットと同じ順位だったこと。
拭けるキッチンマットと布製キッチンマットの比較まとめ
今回行ったキッチンマットの比較の実験結果を振り返っていきましょう。
お手入れ方法は大きく異なる

PVC素材のキッチンマットが汚れたらすぐに拭きとれるのに対し、布製キッチンマットは汚れが染み付き、洗濯が必要という違いが存在します。
すぐに汚れを対処したいならPVC素材のキッチンマットがおすすめですが、「汚れが染み込まない」ということはメリットばかりではありません。
例えば、食器を洗っているときにキッチンマットに飛ぶ水滴。
布製キッチンマットであればすぐに吸い込んでくれますが、PVC素材のキッチンマットの場合は吸い込まないので、知らずに踏んでしまうと「靴下が濡れた」、「素足が濡れて不快な思いをした」ということに…。
汚れや水滴が染み込むかどうかは、お手入れ方法以外に「使い心地」にも差が出てくるところ。
自分にとってどちらが使い心地がいいかを考えて選ぶといいでしょう。
クッション性はどちらも申し分ない

卵を落とす実験をしてみたところ、PVC素材のキッチンマットも布製キッチンマットも卵が割れることはありませんでした。
キッチンマットが1枚あるかないかで、足元の疲れにくさには確実に影響しそうです。

卵を落とす実験の後に、水の入った重い保存容器も落としてみました。
すると、いずれのキッチンマットの場合も水がこぼれることはなかったものの、布製キッチンマットの上に落とした時とPVC素材のキッチンマットの上に落とした時とでは「音」が少し違うということが分かりました。
布製キッチンマットの上に落とした時の方が、「ゴンッ」という激しい音がします。
PVC素材のキッチンマットでも大きな音はしましたが、布製キッチンマットに比べるとかなり鈍い音でした。
もっと重いものだと、床に傷がつく・つかないなどの違いが出ていたかもしれません。
PVC素材のキッチンマットは布製キッチンマットに比べると衝撃吸収能力は高そうです。
PVC素材のキッチンマットが「冷たい」は誤り
温かさを比較する実験の結果、よりお湯の温度を保つことができたのは布製キッチンマットではなく、なんとPVC素材のキッチンマットという結果でした。
つまり、「PVC素材のキッチンマットが冷たい」というイメージは、実は誤りだった!
・・・ということになります。

キッチンマットの上に乗った時にひんやりしていると感じるのは、冷たい床の温度がキッチンマット越しに伝わってくるからです。
マットの厚みを計ってみたところ、一番分厚かったのがPVC素材のキッチンマットで、厚みは8mmありました。
厚みがあるおかげで、床から伝わる冷たさを遮ることができ、お湯も冷めにくかったと予想されます。
キッチンマットの厚みはクッション性だけではなく、乗った時の温かさにも影響してくるということが分かりましたね。
ただし、手で触れた時の瞬間的な温かさは毛足の長い布製キッチンマットが一番!
長い毛の中に空気を含むことで、あたたかそうな見た目だけでなく、実際にぬくもりを感じることができるようです。
キッチンマット比較まとめ
布製キッチンマットについて分かったこと
- 【お手入れ方法】洗濯が必要。濡れた状態でも重すぎて運べないことはない
- 【お手入れ方法】吸水性には優れているので足元が濡れにくい
- 【クッション性】クッション性はPVC素材でも布製でも◎
- 【温かさ】キッチンマットの厚みは温かさと関係が深い
- 【温かさ】見た目の温かさ重視も重視するなら布製がおすすめ
PVC素材のキッチンマットについて分かったこと
- 【お手入れ方法】洗濯が不要。汚れたらすぐに拭きとることができる
- 【クッション性】衝撃の吸収力はPVC素材のキッチンマットの方が優勢
- 【温かさ】厚みがあるものほど床からの冷気を遮ることができる
布製キッチンマットも拭けるキッチンマットも、使い心地は一長一短。
自分が重視するポイントを考えながら、ぜひ、キッチンマット選びの参考にしてくださいね。
拭けるキッチンマットのおすすめアイテム5選
アンケートでもキッチンマットの比較実験でも存在感を発揮したPVC素材の拭けるキッチンマット。
最後にそんな拭けるキッチンマットの中でもおすすめのアイテムを5つご紹介します。
実験で使用したアイテムもご紹介しますよ!
厚さ8mm!クッション性抜群で疲れにくい

PVCキッチンマット 45×180cm 北欧風
今回の実験で使用した、暑さ8mmの北欧柄キッチンマット。柄も8種類あり、キッチンマットにインテリア性を重視する方にもおすすめです。
厚さ1cm!シンプルデザインで使いやすい

拭けるキッチンマット 厚さ1cm 45×180cm
実験に登場したキッチンマットよりさらに分厚い1cmの厚みがあるキッチンマット。この厚みならではのもちもちとした踏み心地が特徴的。無地のキッチンマットなので、ナチュラルなキッチンにも合わせやすいです。
幅60cmの幅広タイプ!めくれにくくズレにくい

拭けるキッチンマット 幅広タイプ 60×180cm
キッチンマットの幅は45cmのものが多い中、こちらは幅60cmの幅広い形状が特徴的。より広い範囲をカバーすることができます。厚みも6mmと申し分ないです。
ズレにくい裏面加工&ニオイを吸収

拭けるキッチンマット 60×180cm ウッド調
こちらは逆に厚みが2mmと薄いので、ハサミやカッターで簡単にカットすることが可能。オーダータイプのキッチンなど、既製品では微妙に合わない長さにも対応できます。裏面に吸着加工が施されているので床にぴたっと引っ付きずれません。
フランスの伝統的なストライプ柄がオシャレ

拭けるキッチンマット 45×180cm レ・トワール・デュ・ソレイユ
こちらはフランス政府が重要無形文化財に認定している伝統的な柄を再現したおしゃれなキッチンマット。高級感を演出したいキッチンにピッタリです。6mmと程よい厚みです。
キッチンマット比較のまとめ
今回、実験の中でご紹介した「洗濯不要」なPVC素材のキッチンマットは、お手入れの手間がネックになっているという人に、ぜひ一度使っていただきたいです。
布製のマットとの比較実験の中では、PVC素材だと本当に汚れがすぐに染み込まず、その場でさっと拭くことができるかどうかを検証してみました。
また、PVC素材のキッチンマットを1枚敷いておくだけで、足が疲れにくくなり、足元も温かくなるということもお分かりいただけたかと思います。
一方、布製キッチンマットは、水分などがすぐに染み込むので、汚れを拭き取ることができないのが大きなデメリット。
でも実は、その吸水性の良さは、水をこぼしても素足や靴下が濡れたりしないというメリットでもあります。
見た目の温かさはもちろん、敷くとキッチン全体が華やかになるのが、布製のキッチンマットならではの特徴や良さですよね。
素材によって一長一短はありますが、今はキッチンマットを敷いていないという人にもそれぞれの魅力が伝わると幸いです。