家事のコツや収納術、インテリアやおでかけにまつわる話などを通して「わたしらしい暮らし方」をご提案します。
かさばる布団を圧縮してコンパクトに収納しておける布団圧縮袋。でも「うまく圧縮できない」「せっかく圧縮したのにすぐにふくらんでしまった」などの悩みがつきものですよね。今回は3種類の布団圧縮袋を使って、圧縮方法の違いや48時間後の厚み(圧縮力)を比較検証してみました。
そこから、分かった布団圧縮袋をうまく圧縮するコツをご紹介します。
布団圧縮袋には大きく2タイプ。それぞれの使い方
布団圧縮袋は、よくある不織布の収納袋とは異なり、ほとんどがビニール製です。その種類は、「ジッパー式」と「バルブ式」の大きく2種類に分けられます。使い方もそれぞれ違うので、まずはこの2種類の特徴と使い方を把握しましょう。
「ジッパー式」の布団圧縮袋の使い方
まずご紹介するのが、こちらのジッパー式の布団圧縮袋。
使い方もとてもシンプルです。まずファスナー部分ををしっかり拭きます。
次に圧縮袋に布団を入れ、ファスナーを閉めていきます。このときファスナーは5~6cmほど隙間を開けておき、そこに掃除機のノズルを差し込みます。その後、掃除機で空気を吸って、中の空気を抜きます。
圧縮が終わったら、ノズルを抜きながらファスナーをサッと閉じます。せっかく抜いてしまった空気が入らないよう、素早くファスナーを閉めます。
バルブ式布団圧縮袋の使い方
こちらはバルブ式の布団圧縮袋。圧縮袋に丸いバルブが付いているのが特徴です。
バルブ式の場合は、このバルブに掃除機のノズルを当てて中の空気を吸い出します。このバルブは、掃除機で吸引している間は隙間が開き、掃除機のノズルを離すと自動的に弁が閉じるようになっています。
こちらも使う前にファスナーを拭き取るのは同じ。その後、布団を入れた圧縮袋のファスナーをしっかり閉めます。きっちり閉めたら、バルブに掃除機のノズルを当て、空気を吸引して圧縮していきます。
圧縮を始める前にファスナーがちゃんと閉じているか確認できるのがうれしい点。ジッパー式布団圧縮袋のようにあわててファスナーを閉める必要がありません。
ただバルブ式は圧縮しやすいのですが、若干お値段ははります。もし、たくさんの布団を圧縮したい場合は、リーズナブルなジッパー式布団収納袋を選んでもいいかもしれません。
【検証】布団圧縮袋で、優秀なのはどれ?
数種類の圧縮袋を使ったことがある人ならお分かりかと思いますが、アイテムによって圧縮時間や圧縮した後の厚さに違いがあって「あれれ?」と思うことがあるはずです。そこで今回はこちらの3種類の圧縮袋を使って、どれか一番優秀なのかを探っていきます。
<比較する布団圧縮袋>
- ①【バルブ式】レック株式会社の布団圧縮袋
- ②【ジッパー式】レック株式会社の布団圧縮袋(Mサイズ・2枚)
- ③【ジッパー式】100均一の布団圧縮袋(Lサイズ)
実験の様子はそれぞれの圧縮袋の使い方も含めて動画にまとめてあるので、こちらもぜひチェックしてみてくださいね。
▼動画で布団の圧縮方法を見る
【布団入れやすさ】手間取るかどうかで違いアリ!
まずは布団を入れていきますが、布団の入れやすさに大きな違いがあることに気づきました。
①バルブ式布団圧縮袋
①の布団圧縮袋には底マチが付いているおかげで、布団を入れるのも出すのもスムーズです
②ジッパー式布団圧縮袋2枚
②布団圧縮袋(Mサイズ)は2枚セットです。それぞれに1枚ずつ布団を入れることができるので、底マチがなくても入れにくさは感じませんでした。
③100均のジッパー式布団圧縮袋
③の100均で買ったジッパー式布団圧縮袋は、布団の出し入れがちょっと大変でした。
1つの圧縮袋に布団をまとめて入れる場合は、底マチがあるかないかでで入れやすさにかなりの違いが出ますよ。
【圧縮のしやすさ】逆流の心配があるかどうかで違いアリ!
①バルブ式布団圧縮
バルブ式布団圧縮袋は、ファスナーを閉めるときに空気が入ってしまう心配がありません。
しかも今回使ったアイテムは、吸引するとバルブで自動ロックがかかるので、逆流する心配もなく、圧縮しやすいと感じました。
②と③のジッパー式布団圧縮袋
ジッパー式の布団収納袋は、圧縮してからファスナーを閉めるのので、「せっかく圧縮したのに、空気が入って元に戻っちゃった!」というトラブルが起こりがちです。
ファスナーがちゃんとしまっていなくて、今回も1回失敗してしまいました。
【圧縮する時間】タイプによって30秒ほどの違いアリ!
それぞれ3つの種類の圧縮袋で、圧縮時間にも違いがありました。
①バルブ式布団圧縮袋
バルブ式布団圧縮袋にかかった時間は、だいたい90秒ぐらいで、ここまでペタンコになりました。
②ジッパー式布団圧縮袋2枚
ジッパー式の布団圧縮袋は、30秒で1/3ぐらいになりました。さらに60秒(1分間)空気を吸い出すと、ここまで小さくなりました。
同じく③の100均のジッパー式の布団圧縮袋もだいたい同じぐらいの時間で圧縮ができました。
<布団の圧縮にかかった時間>
- ①バルブ式布団圧縮袋:約90秒
- ②ジッパー式の布団圧縮袋:30秒~60秒
- ③100均のジッパー式の布団圧縮袋:30秒~60秒
バルブ式の布団圧縮袋はバルブを通して吸引するせいか、ジッパー式布団収納袋よりも圧縮に時間がかかりました。時間が何倍もかかるというわけではありませんが、ジッパー式布団収納袋を使っていた人がバルブ式に買い替えたときに、「ちょっと時間がかかる……」とモヤモヤするかもしれません。
【圧縮の継続】48時間後の布団の圧縮状態に違いアリ
圧縮袋を使っていると、「いつの間にか空気が入って元の大きさに戻ってしまっていた」ということはありませんか? そこで布団の厚みが10cm程度になるまで圧縮した状態で、48時間放置します。どのくらいの変化があったのでしょうか。結果は、こちら!
①バルブ式布団圧縮袋
バルブ式布団圧縮袋は、48時間後も変化なく10cmの状態をキープしていました。
②ジッパー式布団圧縮袋2枚
ジッパー式布団圧縮袋(2枚)は、24時間後には14cm、48時間後には19cmになっていました。
③100均のジッパー式の布団圧縮袋
100均の布団圧縮袋は、24時間後に19cm、48時間後には21cmになっていました。
まとめると以下になります。
圧縮直後 | 24時間後 | 48時間後 | |
①バルブ式布団圧縮袋 | 10cm | 変化なし(10cm) | 変化なし(10cm) |
②ジッパー式布団圧縮袋2枚 | 10cm | 14cm(+4cm) | 19cm(+9cm) |
③100均のジッパー式布団圧縮袋 | 10cm | 19cm(+9cm) | 21cm(+11cm) |
ジッパー式の布団収納袋は②と③のどちらも一晩置いただけでも少しふくらみが。特に100均の十把0式布団圧縮袋は48時間後に、21cmに。つまり、約2倍ふくらんだことになります。
バルブ式の布団圧縮袋は、48時間経った後も圧縮直後と厚みが変わりませんでした。この後、5日後までテストを続けましたが、ふとんの厚みは変わらず11cm。ビニール袋の中に空気が入った様子もなく、圧縮直後と様子が変わりません。すばらしい結果です。
【検証で判明】布団圧縮袋がうまく圧縮できない2つの原因
なぜこのような結果になったのか、分析してみます。
ファスナーがうまく合わない
②と③のジッパー式布団圧縮袋は、掃除機のノズルをファスナー部分に差し込んで空気を抜いていきます。そして、圧縮後は急いで残りのファスナーを閉めるという作業が必要です。
この作業中、掃除機のノズルを抜くのが遅れたり、ファスナーがうまくかみ合わなかったりしたことがありました。気をつけていても、あわてて作業するとどうしても空気が入ってしまいます。
ビニールの質が違う
もうひとつ考えられる点は、布団圧縮袋のビニールの質の違いです。布団圧縮袋は、ほんの小さな傷や隙間ができるだけで、圧縮直後の状態をキープできなくなります。
今回使った3つの圧縮袋は、どれもビニールの質が違いました。
- ①バルブ式の布団圧縮袋……ちょっと厚めで弾力がある
- ②と③のジッパー式布団圧縮袋……バルブ式より薄手で、さわった感じの弾力も小さめ
薄くて弾力性が低いということは、傷がつきやすく破れやすいということ。ファスナーを閉める際に爪で傷ついたり、掃除機のノズルを挿入する際に擦れてしまったりして、使っているうちに圧縮袋のビニールは破れやすくもろくなっていきます。圧縮状態を保てなかった理由は、気づかないうちにビニールが傷ついてしまったからかもしれません。
まとめると布団圧縮袋がうまく圧縮できない原因は
- ファスナーを閉じる際に空気が入ってしまう
- ビニールの質によっては、知らない間に小さな傷ができてしまい空気が入る
といったことが考えられそうです。
正しく使おう!布団を圧縮するときの4つのコツ
ここからは、布団圧縮袋を使うときに気を付けたいポイントをいくつかお伝えします。
【布団圧縮袋のコツ1】圧縮する前に、ファスナーを拭き取る
何度か圧縮作業をしましたが、ファスナーをちゃんと拭き取らないとパチッとファスナーが閉まらず、せっかく圧縮した後なのに口が空いてしまうということがありました。
掃除機で空気を抜く直前に、ファスナー部分をしっかり拭くことが意外に大事だと検証を通して実感しました。。面倒だと思うかもしれませんが、ファスナーに付いた小さなほこりやゴミを取っておく、このひと手間で、圧縮しやすさが違ってきます。
【布団圧縮袋のコツ2】掃除機を吸引しながら、ファスナーを閉める
ジッパー式布団収納袋の場合ですが、「しまった、せっかく圧縮したのに隙間が空いていて、はじめからやり直し!」となりがちです。それを防ぐには、ノズルを抜きつつ残りのファスナーをサッと閉じることも大事ですが、吸引しながらノズルを引くとうまくいきます。
【布団圧縮袋のコツ3】掃除機は、ノズルを抜いた後にパワーオフする
ふとんを取り出そうと圧縮袋を開けた時に、ぷ~んといやな臭いがすることってありませんか?実はこれ、掃除機の中の空気が逆流して起こる現象です。
ノズルの先にあるのは、掃除機内のゴミ袋。中にはゴミやほこりだけでなく、ダニやバイキンが潜んでいることもあります。汚れた空気が圧縮袋に逆流すれば、大事なふとんをほこりやダニと一緒に圧縮保管……なんていう恐ろしい事態になり、これが「いやなニオイ」の原因になるんです。
特に、掃除機のノズルが圧縮袋の中にあるうちにパワーオフしてしまうのはよくやりがちなミス。
掃除機はノズルを抜くまで吸引を止めないようにしましょう。
【布団圧縮袋のコツ4】圧縮は必ず1~2分以内で!
掃除機で圧縮する時間は、1~2分以内を心掛けましょう。
「ちょっと短くない?布団はもう少し圧縮できそうだけど……」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。しかし、圧縮しすぎると布団の生地を潰してしまうことになるので、次に使う時に布団がふわふわに戻らなくなるリスクがあります。
圧縮の目安は、布団のサイズが圧縮前の3分の1程度になるくらいまで。「まだいけそうだけど…」という気持ちを抑えるのが大切です。
また、布団を圧縮する作業は掃除機にも負担がかかります。最悪の場合、モーターが壊れて掃除機が動かなくなってしまうことも。商品パッケージにも使用上の注意が書いてありますが、長い時間をかけて圧縮しないように注意してくださいね。
布団圧縮袋のコツを抑えて、収納をコンパクトに!
布団圧縮袋はものによって使い方や耐久性が異なります。破けなければ繰り返し使えるので、多少価格が高くても使いやすく、ビニールがしっかりしたものを選ぶと、布団圧縮袋を使うときのストレスが減るはずです。
ただし、安い布団圧縮袋にも魅力はあります。圧縮した直後にまとめて大きな布団収納袋に入れてしまえば、圧縮状態が多少戻ってしまっても気にならなくなりますよ。
ちなみに、布団圧縮袋を使うときに他にも下記のような点に注意してください。
- 羽毛布団には使わない
- しっかり布団は乾燥させてから圧縮する
この記事が、自分に合った布団圧縮袋を選ぶときの参考になれば幸いです。