北海道の庭で、野菜と共にハーブ・野草・山菜を育てる菜園家。また、それらの食材の楽しみ方・調理方法をプロとして、Yahoo!などの様々なメディアで発信している。Instagram・ブログ『料理+菜園づくり 食育インストラクターracssの日々の暮らし』で、その様子を公開中。
コンビニの夏の人気スイーツ、わらび餅。ひんやりつるんとした口当たりで、暑い時期のおやつにもぴったりです。
手づくりのわらび餅なら、できたてのやわらか食感を好きなだけ味わえます。
ただ、わらび餅は山菜の蕨(わらび)の根からとれるでんぷん「本わらび粉」で作りますが、本わらび粉は貴重で高価です。
本わらび粉にタピオカなどの他のでんぷんを混ぜた「わらび粉」は手頃な価格で販売されていますので、まずはそちらで作ってみましょう。
もちもち食感が魅力!基本のわらび餅のレシピ
わらび餅の材料
- わらび粉 50g
- 砂糖 150g
- 水 250g
- きなこ
- 黒蜜(お好みで)
基本のわらび餅の手順とコツ
1.水を数回に分けて入れながら、わらび粉の固まりがなくなるよう泡立て器を使ってしっかり混ぜる。
2.鍋を火にかけ、ヘラでかき混ぜ続ける。
3.徐々に生地が固くなってくるので、休まずヘラで混ぜ続ける。
粘りが強くなり半透明になるまでしっかり練り、火から下ろす。
《ここがポイント》
白っぽく不透明のうちはまだまだです。ヘラが重たくて少し大変ですが、休まず練っていると透明度が高くなってきます。
よく練るほど弾力の良いわらび餅になりますので頑張りましょう。
4.熱いうちに容器に流し入れ、上にきな粉をふりかけて固まるまで待つ。
《ここがポイント》
きな粉をかけておくと、切り分けるときに自然に切り口にきな粉が入り込み、生地を包丁で切りやすくなります。
5.固まったら容器から取り出し、きな粉をまぶしながら切り分けます。
ナイフで細長く切れ目を入れてから、キッチンバサミで一口大に切るととても楽。スプーンでちぎるようにしてもいいですね。
お好みできな粉を追加したり黒蜜をかけていただきます。
わらび餅作りのポイント
わらび粉を水に溶かす際、先に砂糖とわらび粉を指ですり混ぜるようにしておくと、わらび粉の固まりが細かくなり溶けやすいです。
わらび餅は、常温に置いて冷める過程ですぐに固まっていきますので、わざわざ冷蔵庫で冷やし固める必要はありません。
逆に冷たくしすぎると固くなり食感が悪くなるので、食べる前に軽く冷やすくらいにするとよいでしょう。
《 作りたてをおいしくいただく》
手作りのわらび餅は、作ったその日のうちに食べましょう。次の日になると食感がぱさついてしまいます。
わらび餅作りには樹脂製の流し函を使用
わらび餅を固めるのに、今回はこちらの樹脂製の「流し函」を使いました。二重構造なので、ひっくり返さずに中身を取り出すことができます。樹脂製のタイプは、電子レンジで作る蒸しようかんなどにも使えて便利です。
また、型を使わず生地を直接きな粉の上に出し、熱いうちに手で一口大にちぎるという方法も。
この方法で作ると丸みを帯びた形にできて「餅」らしくなります。
わらび餅に合う!黒蜜の作り方
黒蜜を少量作る場合は、電子レンジを使うと手軽です。
黒蜜の材料
- 黒砂糖 大さじ2
- 水 大さじ3
かき混ぜて溶かしてから、電子レンジ600wに1分半かけて煮詰めます。
このとき、吹きこぼれないよう大きめの容器で作ることが大切です。
加熱中もそばで見ていて、泡が盛り上がってきたら扉を開けて一時停止させ、泡が落ち着いたら再開するとよいでしょう。
熱いうちはサラサラしていますが、冷めると適度なとろみが出ます。
ひと味違う「本物のわらび餅」とは?
わらび餅は平安時代から続く歴史あるお菓子ですが、わらび粉はわらびの根からほんの少ししか採れないため非常に高価な粉です。
奈良県で多く生産されてきたため、わらび餅は奈良や京都の菓子店で多く作られるお菓子でもあります。
本わらび粉で作るわらび餅は黒っぽい色をしているのに対し、現在手頃な価格で流通する加工でんぷんを配合したわらび粉で作ると白っぽい色になります。
中国産の本わらび粉は手に入りやすいですが、より高品質なのはもちろん国産の本わらび粉。
本わらび粉100%のわらび餅は、口溶けも弾力も格段に違います。
わらび餅が好きな方は一度本わらび粉を取り寄せて、「本物」を作ってみるのも良いのではないでしょうか。
わらび餅は、できたてがおいしい
手づくりのわらび餅は、作ったその日のうちに食べましょう。次の日になると食感がぱさついてしまいます。
そのままでもおいしいですが、食べる30分ほど前に冷蔵庫で冷やすと、更にひんやりもっちりとした食感がアップしておすすめですよ。
作りたての味をぜひ楽しんでくださいね。