家事のコツや収納術、インテリアやおでかけにまつわる話などを通して「わたしらしい暮らし方」をご提案します。
「なんとなく寝心地が悪いのは布団のせい?」
そう思うことはありませんか?
布団は毎日使うものですが、見た目では、そろそろ寿命かなんて分かりにくいですよね。
布団を買い替えたいけどタイミングが分からない、そんな悩みを抱えている方は多いようです。
今回は寝具メーカーさんに聞いた、布団の買い替え目安となる年数や寿命がきた布団の見分け方などをご紹介します!
布団を買い替えるタイミングっていつ?
布団を定期的に買い替えているという方は、どのくらいいるでしょうか。
多くの場合、新居を建てたり引っ越したりするような、生活に変化が起こるタイミングで買い替えを検討する、という方が多いですよね。
また、布団は家具と同じで、価格も安くありません。古い布団を捨てるのも意外と大変です。
家族の人数が多いご家庭ほど、同じ布団を何年も使い続けている、という状態ではないでしょうか。
しかし、布団には寿命があるんです。
掛け布団や敷き布団など、布団の種類や用途によって異なりますが、布団の見た目や機能が劣化して、寝心地が悪くなってしまうタイミングが存在します。
寿命が過ぎた布団を使い続けるのは、寝心地が悪いだけではなく、健康や衛生的にもよくありません。
布団の寿命の目安を知って、買い替え時期を検討してみましょう。
布団の寿命の目安
今回は大阪の寝具メーカー株式会社ルナールさんに協力を要請。
眠りのエキスパートである澤本さんに、布団の寿命について聞いてみました。
澤本さんによると、布団の中で、最も長く使えるのは羽毛布団だそうです。
掛け布団として使われる羽毛布団の場合、5年を目安に点検し買い替えやリフォーム(打ち直し)を検討します。
それ以外の布団は、掛け布団として使っているか敷き布団として使っているかによって寿命(使用限界年数)が変わります。
綿布団(掛け布団) | 約5年 |
綿布団(敷き布団) | 約3年 |
合繊布団(掛け布団) | 約5年 |
合繊布団(敷き布団) | 約3年 |
羊毛布団(掛け布団) | 約5年 |
羊毛布団(敷き布団) | 約3年 |
※使用環境や保管方法により劣化度合いは異なるので、あくまでも目安です。
《 枕にも寿命がある》
ちなみに、枕も中の素材によりますが、おおまかに言うと2~3年が買い替えの目安だそうです。
寿命がきた布団は買い替えるしかない?
寿命を過ぎた布団は買い替えが必要ですが、場合によってはリフォーム(打ち直し)ができる場合があります。
澤本さん:羽毛布団や綿布団は、打ち直しによる再生が可能です。昔は町なかの布団屋さんで打ち直しできましたが、現在は布団屋さんも少なくなり、打ち直しをしてくれる場所も職人も少ないのが現状です。
もし、お使いの布団が買い替えが必要か知りたい場合は、最寄りの布団屋さんに持ち込んで状態をチェックしてもらうこともできますよ。
澤本さんのおっしゃるように、今では昔ながらの布団屋さんも少なくなっています。
最近では、Amazonや楽天市場などのネットショッピングモールで「布団の打ち直しサービス」を購入することができるので、こちらを検討してみるのも手です。
布団の寿命を左右するもの
布団の寿命は、使い方や保管方法によって大きく異なります。
詳しくは後述の「布団を長持ちさせるポイント」でご紹介しますが、例えば布団を使用する人の体重によっても寿命は変わります。
一般に、体重が重い男性が使う布団の方が、早く寿命を迎えるそうです。
また、年中同じ布団を使っている場合は、夏用・冬用など季節で布団を使い分けている場合よりも布団のへたりが早くなります。
布団の寿命はあくまでも「目安」です。
毎日布団を使っている中で、次の章でご紹介する布団の変化を感じて寿命を見極めることも重要です。
見た目と寝心地で分かる!寿命がきた布団の見分け方
布団の寿命の目安となる年数が分かれば、買い替えのタイミングを掴みやすいですよね。
しかし、中には布団を購入したのがいつだったのか、忘れてしまったという方もいるはず。
そんな方のために、寿命がきた布団の見分け方のポイントも聞いてみました。
澤本さん:布団は毎日使っていると、かさ高(ボリューム)は少しずつ低下してきます。それに伴い、保温性や放湿性といった機能が購入時より落ちてきます。
布団の機能が劣化すると、「なんとなく寝心地が悪い」と感じるようになってきます。
そのタイミングが、買い替えの目安でもあるのだそうです。
布団の寿命の見極め方を「見た目の変化」と「機能(寝心地)の変化」でまとめてみました。
寿命がきた布団の見た目の変化
- 布団のかさが減る
- 中の素材に偏りが出てくる
- 干してもふくらみが戻らない
- 表面の生地が痛んでくる
- 中の素材(羽毛布団の場合は枝羽など)が飛び出してくる
寿命がきた布団の機能(寝心地)の変化
- 保温性が落ち、布団をかぶっていても寒く感じる
- 放湿性が落ち、湿気を吸って布団が重く感じる
- 汗や汚れが蓄積され、カビくさいニオイがしてくる
日々のお手入れをしっかりしていたとしても、汗や汚れは中の素材まで届いて時間とともに蓄積されていきます。
そのため、衛生的にも寿命がきた布団をそのまま使い続けるのはNGなんです。
布団を長持ちさせる3つのポイント
ここからは、寝具メーカーさんに聞いた布団を長持ちさせるための使い方や保管のポイントをご紹介していきます。
布団は正しく使えば寿命を延ばすことができるので、ぜひチェックしてみてください。
定期的な湿気対策を忘れない
布団は湿気が大敵です。
湿気が溜まると、カビの発生やダニの繁殖にもつながり、体にも布団にも良くありません。
人間は季節に関係なく、眠っている間にコップ一杯程度の汗をかきます。そのため、毎日布団には湿気がこもります。
湿気を取り除くには、毎朝起きたら掛け布団を剥いで、布団の内側を換気することが大切です。
また、週に1~2回は布団を風通しの良い場所で陰干しするか、干せない時は布団乾燥機などを使って布団を乾燥させるようにしましょう。
収納するときは布団を労わる
布団を長期間収納しておく場合は、収納の仕方にも気を配りましょう。
大切なのは、布団の生地と中材を傷めないようにすること。
敷き布団は掛け布団よりも重いので、重ねて収納するときは掛け布団が上にくるようにして、布団が潰れないようにします。
布団が重ならないよう、布団収納ラックを使うのも手です。
また、収納場所の湿気にも要注意。
収納する前に天日干ししてしっかり湿気を発散させるのと、時々収納場所の扉を開けて換気をするようにしましょう。
敷き布団は表裏・上下を入れ替えて使う
掛け布団は季節ごとに使い分けても、敷き布団は年中使う、という方も多いですよね。
敷き布団は体を支えてくれる分、へたりが早いので掛け布団よりも寿命が短いです。
体重が集中する腰下にあたる場所は、特にかさ減りしやすいので、敷き布団に表裏や上下の指定がない場合は、定期的に表裏、上下を入れ替えて使うことをおすすめします。
布団の寿命を早めるNGな使い方と保管方法
布団の寿命を早めてしまう原因となる、NGな使い方と保管方法は他にもあります。
NGなことをしてしまっている人は、これを機に正しい使い方や保管方法に切り替えましょう。
- 干すときはむやみに布団を叩かない
- 直射日光に当てて干さない
- 布団を敷きっぱなしにしない
- 布団圧縮袋はできる限り使用しない
NG例【1】干すときはむやみに布団を叩かない
布団を干すときに布団たたきで布団を叩く行為は、実はホコリやダニの除去にはあまり効果がないと言われています。
澤本さんによると、「ホコリが出てきているように見えるのは、中のわたが千切れて出てきているだけ」なんだとか。
布団についたホコリやダニを落とすには、干した布団を取り込む前に軽く表面を払い、その後掃除機で吸い取るようにしましょう。
NG例【2】直射日光に当てて干さない
早く乾くからといって、布団を直射日光に当てて干すと、布団の生地を傷めてしまいます。
屋外に干す場合は、直射日光が当たらない日陰で干すか、直射日光が当たる場合は生地の痛みを防ぐために、布団カバーを付けたまま干すと良いでしょう。布団干しカバーに入れるという手もあります。
屋内に干す場合は、換気をしつつ最も風通しの良い場所に広げて干すと良いでしょう。
NG例【3】布団を敷きっぱなしにしない
布団は湿気に弱いとお話しましたよね。
布団を敷きっぱなし=通気性が悪い状態で放置してしまうと、どんどん湿気を吸ってカビてしまうことも。
特に、フローリングに直接布団を敷いている方は要注意。
畳に敷いている場合も油断せず、定期的に布団を上げたり、除湿シートを敷いたりと湿気対策をしましょう。
NG例【4】布団圧縮袋はできる限り使用しない
布団をコンパクトに収納する方法として、布団圧縮袋に入れるという方法があります。
中の空気を抜いて布団を圧縮させるのですが、この方法では布団の生地や中の素材を傷めてしまい、かさが減る原因になります。
羽毛布団は特に、布団圧縮袋に入れるのはNG。
どうしても使わないと収納できない、という場合は、圧縮しすぎないよう注意する必要があります。
まとめ
毎日何気なく使っている布団、あなたは正しい使い方ができているでしょうか?
何年も長く使える布団ですが、間違った使い方をしていると寿命を早めてしまうことになります。
布団をできるだけ長持ちさせ、買い替えのタイミングを逃さないようにしたいですね。