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知って得する!味噌のおいしい保存方法&おすすめ保存容器と活用レシピ

知って得する!味噌のおいしい保存方法&おすすめ保存容器と活用レシピ

キッチン

日本の食文化にとっても馴染みの深い調味料「味噌(みそ)」。
せっかくなら風味を損なわずに上手に保存して、一番おいしい時期を逃さないうちに使い切りたいですね。

味噌の開封したての香りや味を保つためには、保存方法や保存容器の選び方がとても重要。
この記事では、味噌をおいしく保存する方法や「開封したらいつまでに食べればいいの?」「味噌を使い切れないんだけど……」といった味噌にまつわる疑問やお悩みに対しても解決していきたいと思います。

神奈川県在住。文章を書くのが苦手だったことから、克服するためにライティングを勉強。それがいつのまにか本職になってしまう。2016年、鎌倉市に引越したことをきっかけに、学生時代から勉強してきた知識を生かして写真教室の運営を開始。鎌倉を拠点にしながら各地でワークショップ、講演会を行う。趣味は韓国語、刺し子、編み物、ビーチコーミング、お料理等。2018年に出産し、現在は一児のママ。

味噌は腐らない?食べられる期間とは?

味噌の賞味期限

市販の味噌のパッケージを見ると、必ず「賞味期限」が書かれています。賞味期限とは、「おいしく食べられる期間」のことで、この期限を過ぎたら食べられなくなるわけではありません。
ただし、昔ながらの製法で作られた味噌であれば、3〜5年は食べられるものもあります。熟成されておいしくなる味噌もあるため「賞味期限が切れたから」といって捨ててしまうのはもったいないかもしれませんね。

味噌は腐らないって本当?

そうなると「味噌は腐らないの?」と不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません。
昔ながらの製法で作られたまじりっ気のない味噌は「こうじ菌」がいつまでも醸成(じょうせい)を続けます。こうじ菌が元気なうちは悪い菌が繁殖しにくいので、ずっと食べることができるのです。
しかし、これはあくまで「昔ながらの製法」で作られた味噌に限ります。

長期保存できない味噌も

減塩味噌、だし調味料など、現代では調合された味噌も売っていますよね。最近は液体味噌などの便利な調味料もありますが、長期保存ができないという観点ではおすすめできません。
ここでの話はあくまでも、一般的な昔ながらの製法で作られた味噌の話だと理解しておいてください。

捨てる捨てないの判断はどうしたら?

昔ながらのお味噌でも、必ず熟成しておいしくなるというわけではありません。なかには賞味期限を過ぎると味が落ちる味噌もあります。
「香りがない」「しょっぱい」「甘みがない」などと感じる場合は、おいしい味噌の食べ時が過ぎてしまった証。
風味が落ちるだけならいいのですが、味噌は保存状況や使い方次第では青や黒のカビが生えてしまうこともあります。
カビのような症状の味噌を発見した時は、賞味期限に関わらず、すぐに処分してくださいね。

長持ちさせるには?味噌の正しい保存方法

一般的にスーパーなどで手に入る味噌は、プラスチックの容器やビニール袋などに入って売られています。常温で売られているので、開封するまでは常温で保存しておいてもOKです。
ただ、問題は開封後。お味噌は基本的に常温で保存できるのですが、常温に置いておくと発酵が進んでしまいます。

開封後も味噌の風味を保つために

発酵が進めば風味が変化し、おいしさが損なわれてしまう可能性も。そのため、冷蔵庫へ入れて味や風味をキープさせます。
こうじ菌は20度以下では活動が弱まるため、冷蔵庫へ入れれば風味が保たれるからです。
風味にこだわらない場合は外へ出しておいても大丈夫です。ただし、その他の雑菌などが入り込まないように、清潔に扱うように注意しましょう。

アルミのふたや薄い紙のシートは残しておく?

市販の味噌の保存方法

プラスチック容器に入っている味噌のパックを開けると、アルミのフタや薄い紙のシートなどが入っています。
捨てずにそのまま使う人も見受けられますが、開封後はそれらをすべて取り除いてください。

薄い紙のシートは、酸化を防ぐ脱酸素剤が味噌の中に埋まってしまわないように敷いてあるものです。脱酸素剤は開封後は効果がなくなるため、捨ててしまっても問題ありません。

乾燥を防ぐためにするべきことは?

味噌の鮮度を保つ保存方法

プラスチック容器に入った味噌に限らず、風味を保つためには乾燥させないことが大切。
味噌を乾燥から防ぐには、表面をしっかりとラップで覆うといいでしょう。空気に触れないように密閉する感じです。

ビニール袋に入った味噌の場合は、清潔な保存容器に入れましょう。
私の場合は、アルコール消毒をした容器に味噌を入れて保管しています。
こちらの場合も、乾燥しないように表面をラップで覆ってください。

ねぎ味噌などの薬味味噌は保存方法が異なる?

<p>ミニ壺</p>

ミニ壺

アイテムを見る

最近は、スーパーなどでも「ねぎ味噌」や「ゆず味噌」など、薬味を混ぜた薬味味噌をよく目にします。瓶詰めなどに入って売っているものが多いですが、基本的には商品の表示に従って管理しましょう。
開封後は、味噌に含まれる塩分量や水分量などで傷みやすさが変わってきます。たいていの商品が「お早めにお召し上がりください」と記載してあると思いますが「開封○日後までは食べられる」と一概に言い切ることはできません。

市販のものは、なるべく早く食べてしまうのがベストです。
においや見た目に変化があれば、食べるのをやめてください。もし、長期で保存したいなら、ラップで包んで冷凍しておくと安心です。
それでも、2〜4週間のあいだに食べ切るようにすると、風味が落ちずに美味しく食べられるでしょう。

味噌の保存にぴったりな容器とは?選び方のポイント

さまざまな保存容器

ここからは、保存容器の選び方について見ていきましょう。
味噌を保存するときには、以下の点に注意して選んでくださいね。

【選び方のポイント1】味噌の容量とサイズがあっているか

空気に触れる部分が多いと、味噌が乾燥したり、風味が落ちたりします。そのため、味噌の容量と保存容器のサイズが合っていることは大切。
味噌の残量に合わせて、こまめに小さい容器へと移行させるのがベストです。

【選び方のポイント2】密閉できるか

空気が触れるのは味噌にとってよくないので、ピタッとフタが閉まる容器に入れるといいでしょう。ただし、手作り味噌などは発酵が続いているので、空気の逃げ場がない容器では爆発する可能性があります。

完全密閉ではなく、きちんとフタが閉まる程度の物を選ぶといいです。

【選び方のポイント3】 形が使いやすいか

これは好みかもしれませんが、冷蔵庫内に入れて保管するなら箱状のものが一番かなと思います。重ねて保管できるスタッキングタイプのものなら、味噌の種類ごとに保管することも可能です。
マスキングテープなどで中身を書いておけば、容器の中身も一目瞭然です。

また、取っ手がついたタイプの容器も便利です。味噌は重く、容器も大きいので、片手でつかもうとすると滑ってしまうことがあります。その点、取っ手のついている容器なら、片手でもラクラク取り出せますね。

ご家庭の冷蔵庫事情や保存している味噌の種類、味噌の使用頻度などに合わせて、使い勝手のいいように保存容器も選んでみましょう。

【選び方のポイント4】 素材が保存に適しているか

さまざまな材質の味噌の保存容器

保存容器の素材は、密閉できるタッパーや陶器、ホーローやガラスなどがおすすめです。ホーローやガラスであれば、色や匂いが移りにくいです。衛生的で長期保存にも向いています。
プラスチックのタッパーは手軽ですが、色移りなどがするので味噌専用として使う覚悟をしてください。

味噌の保存に向かないNG素材とは?

味噌の保存容器選びで、一点だけ注意点があります。
それは「金属製のものは避ける」ということ。
味噌には塩分が含まれるので、金属製のものは錆びる可能性があります。変質や中毒をさけるためにも金属製の容器は避けましょう。

味噌を使い分けている人に。祖母直伝の”味噌ハック”

二色の味噌

いくつかの味噌を使い分けている場合は、ひとつの容器にまとめてしまうという手もあります。
白みそや麦味噌、赤味噌など、味噌には様々な種類がありますが、混ぜて使えば自分だけの合わせ味噌もつくりやすいです。

実はこれは、私の祖母がやっていた“味噌ハック”
料理好きの祖母でしたが、いつも味噌はひとつの容器にまとめて入れていました。味噌汁や煮物、炒め物の味付けまで、味噌を調合しながら味付けしていたんですね。

いつも同じ容器を取り出すだけでいいので、「あれ?白みそはどこに行った?」と探すこともありません。
「今日は麦味噌の味噌汁にしようかな?」「八丁味噌を隠し味に入れてみよう」など、その日の気分で料理しやすくなります。
毎日の味噌汁の味にもバリエーションを生むことができて、飽きずに味噌を楽しめるかもしれません。

捨てる前にチェックしたい古い味噌の活用方法

味噌が古くなってくると、乾燥したり、風味が損なわれたりします。
味噌汁をつくっても、なんとなく物足りない……。そんなふうに感じることもあるかもしれません。
でも、古くなったからと言って捨てるのはもったいないですよね。
そんなときは、味噌漬けをつくってみましょう!

味噌漬けは、味噌に直接食材を漬け込んでつくる調理法で、家庭にある材料で簡単に作ることができます。
野菜やお肉など、試していただきたいレシピをいくつかご紹介します。

【活用レシピ1】手軽で簡単!味噌床でつくるお漬物

ぬか漬けのように床をつくって漬ける方法です。手軽で簡単。
常備菜にもなります。

きゅうりの味噌漬け

《味噌床でつくるお漬物の作り方》
1.まずは味噌床をつくります。味噌が100gに対して、酒・みりんを各大さじ2入れて混ぜます。あまり厳密にならなくても大丈夫です。(味噌に甘みが少ないけど甘いお漬物にしたい場合は、様子を見ながら砂糖を入れてみてください)
2.しっかり床を混ぜ合わせたら、味噌床のできあがり!
3.キュウリやキャベツなど、ぬか漬けのように入れて漬け込みます。 (水が出て味が薄まるので、漬ける前には簡単に塩をまぶし、水気を抜くと理想的)
4.数日(2~3日)置くとしっかりと漬かります。お好みで1週間ほど漬けてもOKです。
5.食べるときには味噌をしっかり水で落として、一口大に切っていただきます。

味噌床にはお好みで唐辛子などを入れても美味しいです。
チーズや豆腐なども漬けると味わいが濃厚で、おつまみにぴったりの一品ができあがるでしょう。

唐辛子入りのきゅうりの味噌漬け

ただ、水っぽくなると腐敗しやすくなるので、ぬか床のように何度も使うことはできません。1度野菜を漬けたら、その漬けた後の味噌はスープにしたり、炒め物や焼きうどんなどの味付けに使ったりして食べきってください。

【活用レシピ2】数時間で完成!セロリの味噌漬け(浅漬け)

数時間ほど漬けるだけでできあがる浅漬けの作り方です。
味噌を使って今晩のおかずをつくりたい!という方にぴったり。

セロリの味噌漬け

《セロリの味噌漬け(浅漬け)の作り方》
1.まずは下準備から。セロリ1本に対し、味噌は大さじ1〜2杯が目安です。たくさん入れすぎると味が濃くなるので、「少ないかな?」と、思うくらいの味噌ダレをつくりましょう。
甘みの少ない味噌の場合は、味噌大さじ1に対し、砂糖を小さじ1ほど入れてください。
2.セロリは筋を取って斜め切りにします。
3.ポリ袋にセロリと味噌ダレを入れたら、もみもみしてなじませます。
4.味が足りない場合は、味噌や砂糖を追加しましょう。コクが足りないと感じる場合は、豆乳やヨーグルトを小さじ1程度入れて味を見ます。
5.冷蔵庫で1〜2時間漬けたら出来上がりです。深めに使ったものがいい場合は、一晩置いてみるなど浸け時間を長くしてみてくださいね。

セロリの味噌漬け

もし、味噌がパサパサして漬けづらい場合は、水分を足すといいです。豆乳やヨーグルトだけでなく、水やみりんを少量ずつ入れてのばしてもいいと思います。
セロリの他にも、キュウリや玉ねぎ、トマトなどでも試してみてください。アクセントにごまやチーズを入れてもおいしいです。

【活用レシピ3】メインおかずにもぴったり!豚肉の味噌漬け

もしものときの1品になる、お肉の味噌漬けもご紹介します。冷凍保存もできますよ。
我が家では一つ作っておいて、何かもう一品ほしいときやメインのおかずに困ったときなどに活用しています。

豚肉の味噌漬け

《お肉の味噌漬けの作り方》
1.薄切りの豚肉(150〜200g)を用意します。
2.味噌、酒、みりんを各大さじ1、おろしにんにくを1/2かけ程度入れて混ぜます(おろしショウガを1かけ程度入れてもOKです)
3.ロースのお肉に味噌ダレを伸ばします。多すぎると塩辛くなってしまうので、少なめに伸ばすのがポイントです。(実は、写真の量では少々多すぎました……)
4.ビニール袋などに入れて30分〜1時間程度寝かせます。2週間ほどなら冷凍保存することも可能です。

えのきやキャベツなどと一緒にホイル焼きにしたり、フライパンでシンプルに焼いたり、スープの具にしたりと、食べ方も色々アレンジできます。
味が濃くなってしまったら、刻んで野菜と炒めるといいでしょう。

【活用レシピ4】絶品おつまみにもなる黄身の味噌漬け

こちらは試したことのある人も多いかもしれません。黄身の味噌漬けです。同じ要領でチーズなどを漬けることもできますよ。

味噌で味付け卵

《黄身の味噌漬けの作り方》

1.卵を冷凍させておきます。
2.味噌をタッパーなどの容器に詰めて、黄身の大きさ程度にくぼませておきましょう。
3.冷凍した卵から黄身を取り出し、ガーゼに包んで味噌のくぼみに置きます。味噌をかぶせておきましょう。
4.冷蔵庫で保管し、4日くらい置けばできあがりです。


もし味噌がパサパサしているようであれば、みりんでのばしてもOKです。卵は生のままでも漬けられますが、冷凍したほうが、黄身がきれいに丸く仕上がります。

【活用レシピ5】漬けるだけ!かんたん薬味味噌

薬味味噌はフライパンで加熱して作るレシピがほとんどですが、手間を省いて味噌に漬け込むだけでも、おいしくいただけます。

味噌漬け

《薬味味噌の作り方》
1.大葉、しょうが、みょうが、ねぎ、にんにく、唐辛子など、お好みの薬味を刻んでいきます。ポイントは、水気をしっかり切ることです。濡れている場合はキッチンペーパーなどでしっかり水気を取りましょう。
2.刻んだ味噌と和えます。味噌の量は、薬味のボリュームの半分くらいです。あとはお好みで調整してください。
3.しっかり和えたらできあがりです。清潔な容器で1週間〜10日ほど食べられます。

薬味味噌

この薬味味噌は、加熱していないので日持ちは短めです。ただ、簡単に作れる手軽さがあり、何より薬味の風味が落ちません。
もし水が出てきたら、こまめにすくって捨てましょう。傷む原因になるので、とにかくしっかり水気を切ってくださいね。

正しく保存して味噌本来のおいしさを味わおう

二種類の味噌

味噌に含まれる乳酸菌は、腸内を弱酸性に保ち、悪玉菌を減らしつつ善玉菌を増やすという働きを持っています。
腸には体内の免疫細胞のうちのおよそ6割~7割が集中しているとされているため、”免疫アップ”が叫ばれる昨今、積極的に取り入れたい食材ですよね。
今回ご紹介した保存方法や活用レシピなどを参考に、ぜひ毎日の食事に積極的にとり入れてみてくださいね。

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