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りんごを長期保存するには?カットりんごやすりおろしりんごの保存方法も

キッチン

スーパーや八百屋でも年間通して手軽に手に入れられる果物のひとつ、りんご。
一般的にはりんごの旬は秋から冬と言われていますが、貯蔵技術の発達により、正しく保存すれば半年以上鮮度を保つことが可能と言われています。
そのため、春や初夏でも食べられるようになりました。

私たちにとって身近な果物でもあるりんごは、一度に大量に購入する人も多いのではないでしょうか。
りんごは生でも加熱してもおいしく食べられる貴重な果物ですが、短期間でたくさん消費するのは大変です。

そこで今回は、りんごの上手な保存方法とカットしたりんごの変色を防ぐコツなどをご紹介します。

コンビニなどの商品開発業務に従事し、食の大切さに気づく。双子の男の子を育てながら、「食べ方」と「出し方」、ゆるいナチュラル生活の実践の仕方をお伝え中。

りんごを上手に保存するための3つのポイント

食べごろの林檎

りんごは他の果物に比べて比較的長く保存できる果物です。
上手に保存することで、1か月はおいしさを楽しむことができます。

しかし、それにはちょっとした3つのポイントを押さえておく必要があります。

【ポイント1】適切な保存温度をキープする

秋冬に旬を迎える果物であることから、りんごには暑さに弱いという特徴があります。
理想の保存温度は0~5度。そのため、秋から冬など涼しい季節であれば、常温保存できます。

一方、18度を超えてしまうと急激に傷みやすくなってしまいます。そのため、夏の暑い季節では常温保存は避けたいところです。
また、冬場でも暖房器具の使用などで室温が18度以上になる室内の場合は、常温保存を避ける必要があるのでご注意下さい。

風通しがよく、なるべく温度を一定に保つことのできる保冷暗所で保存するのがおすすめです。

冷蔵庫でりんごを保存する場合は、野菜室もしくはチルド室を利用するのがよいでしょう。正しく冷蔵保存することで、常温で保存する場合と比べて約2倍の1か月はおいしさを保つことができます。その際、りんごを新聞紙やキッチンペーパーで1個ずつ包んだあと、ビニール袋に入れて密閉して保存しましょう。

【ポイント2】乾燥から守るために「丸ごと保存」する

りんごは乾燥にも弱いため、長期保存をするためには温度と水分管理に注意する必要があります。
りんごの長期保存のポイントは、簡単に言うと冷やしすぎずに腐らない範囲で「水分保持」をしてあげることです。

りんごの鮮度・おいしさを保つためにしていただきたいのが、1個ずつ新聞紙やキッチンペーパーなどで包んであげること。
りんごを包んであげることで乾燥を防ぐことができます。

りんごは新聞紙でくるんで保存

もしりんごが大量にありすぎて全部を1個ずつ包むのは難しいという場合には、りんごの入っている箱の上に新聞紙を乗せてフタをしてあげるだけでも構いません。何もしない場合に比べると乾燥を防げるので、おいしさを保つことができます。

【ポイント3】エチレンガスに注意する

果物の保存

りんごは他の果物や野菜と一緒に保存してしまうと、それらの熟成を促して傷みやすくしてしまう場合があります。これは、りんごが出すエチレンガスという物質によるものです。
他の果物や野菜の熟しすぎや傷みやすくなるのを避けるためには、通常以上に管理に気を付ける必要があります。
たとえば、エチレンガスの影響を受けやすい果物には、メロンやラ・フランス(洋なし)、キウイフルーツ、プルーン、プラムなどがあります。熟し過ぎになるのが心配な場合、りんごと一緒に保存するのを避けることは、ぜひ覚えておいてくださいね。
ちなみにこの働きを逆に利用することで、熟しきっていない他の果物や野菜と一緒に保存して完熟させる、ということもできますよ。

カットりんごの変色を防ぐには?上手に冷凍保存するポイント

カットしてしまったりんごは、その時点から酸化がスタートするため傷みやすいです。カットしたりんごを長期保存するには、冷蔵庫もしくは冷凍庫で保存しましょう。

ここでは、カットしたりんごを冷凍保存する場合の手順をご紹介します。

1.まず、りんごをよく洗ってから水気をしっかりと切ります。

カットしたりんご

2.くし切りにして、芯を取り除きます。
皮は好みでむいてもむかなくてもどちらでも大丈夫です。後で紹介する「変色を抑える方法」をここでやってあげると、よりよいでしょう。

ラップでくるんだ林檎

3.りんごのカット面が空気に触れないないように、ラップで包みます。
1回に食べる少量毎に包んであげると再冷凍を防ぐことができます。
複数を一緒に包む場合には、重ならないように並べましょう。

りんごをラップで包んでから保存袋に入れる

4.カットりんごを保存袋に入れます。金属製のバッドなどに重ならないように並べて急速冷凍すると、より質を保てます。
温度変化が激しいと質が低下しやすいので、なるべく一定の温度に保たれやすい冷凍庫奥で保存しましょう。

冷凍したカットりんごを解凍するときのコツ

冷凍保存の場合、りんごのシャキシャキ食感はなくなってしまうので、その点を注意して使用するとよいでしょう。
また、冷凍保存した場合には、解凍の仕方もおいしく食べるためには大切です。冷凍庫から取り出して、常温で自然解凍しましょう。

冷凍りんごはシャキシャキ食感がなくなってしまいますが、自然解凍をする途中で半解凍でも食べることができます。半解凍状態の場合はシャリシャリのシャーベットのような感覚を味わえます。

また、冷凍したりんごは食感がやわらかくなってしまうので、加熱して使うのがおすすめです。
冷凍したまま加熱することができ、味も染み込みやすいので、ぜひ試してみてください。

丸ごとりんごは冷凍できる?意外と知らない注意点

りんごは冷凍保存することで、約1か月は保存可能です。
「りんごを丸ごと冷凍保存したい」という方もおられるかもしれませんが、これはおすすめできません。りんごの冷凍は丸ごと保存する場合には向かないです。
理由としては、冷凍庫の場所をとること、保存期間が冷蔵の方が長いこと、食味が落ちることなどが挙げられます。
りんごを冷凍保存したい場合は、カットかすりおろしにしましょう。

すりおしたりんごを長期保存するには?

すりおろしたりんごも冷凍庫で保存するのがおすすめです。
解凍後に使いやすいよう、製氷皿や冷凍保存可能な保存袋を使うといいですよ。

1.りんごをよく洗い、水気をしっかりと切ります。

すりおろし林檎

2.りんごをすりおろします。
この時、変色防止のためにレモン汁と混ぜ合わせましょう。

製氷皿ですりおろし林檎を冷凍

3.すりおろしたりんごを製氷皿や冷凍保存袋に平らにして入れ、そのまま冷凍します。
製氷皿を使う場合には、凍ってから冷凍保存袋や他の容器などに入れて保存しましょう。

すりおろし林檎の冷凍保存

《ポイント》
冷凍保存袋の場合は必要な分だけ使えるように、凍らせてから軽く折っておくと便利です。
後で折りやすいように、薄めに広げて保存することをおすすめします。

カットしたりんごの変色を抑えるには?

色々なカット林檎の変色を防ぐアイデア

カットしたりんごの表面が茶褐色に変化するのを、1度は見たことがありませんか?
これはりんごに含まれるポリフェノールという成分が酸化することで起きてしまいます。

見た目が悪くなるのはもちろん、少し味も落ちてしまうので、変色を抑えるための方法を3つご紹介します。

りんごの変色を抑える方法【1】塩水につける

塩水につけたカット林檎

約2カップの水にひとつまみの塩を加えた塩水に約2~3分つけ込みます。その後、水気をしっかりと切ってから保存しましょう。
塩がききすぎていると、食べるときに塩気を強く感じるので注意してください。

りんごの変色を抑える方法【2】レモン水につける

レモン汁でりんごの変色を防ぐ

約2カップの水に小さじ2ほどのレモン果汁を加えたレモン水に約2~3分つけ込みます。
その後、しっかりと水気を切ってから保存しましょう。

酸味が強くなるかもしれませんが、そのままカット面にレモン果汁をつけるでももちろん大丈夫です。
レモン果汁がない場合には、代わりに酢を使用しても問題ないですよ。

りんごの変色を抑える方法【3】砂糖orはちみつ水につける

砂糖水でりんごの変色を防ぐ裏技

約1カップの水にはちみつ大さじ2を加えたはちみつ水に約2~3分つけこみます。その後、水気をしっかり切ってから保存しましょう。
砂糖でも代用することができます。砂糖の場合には、約1カップの水に大さじ1の砂糖を加えた砂糖水に約10分つけ込みます。

塩気や酸味を感じるのが苦手な人は、砂糖やはちみつを使ってあげるとよいでしょう。
ただし、1歳未満の子が食べるりんごに関しては、はちみつ以外の方法にしましょう。
はちみつに含まれる「ボツリヌス菌」が赤ちゃんの腸内で増えることで「乳児ボツリヌス症」という感染症を引き起こす可能性があるので、ご注意下さいね。

また、どの方法でもりんごはしっかりとつかる量に調整してから行うようにしましょう。空気に触れている部分があると、そこの部分が変色してしまいます。

上手な保存で、りんごを「長く・楽しく・おいしく」

カットしてしまったりんごは、その時点から酸化がスタートするため傷みやすいです。
少しでも長く常温保存をしたい場合には、必ず丸ごと保存する必要があります。
また、丸ごとのままのりんごでも傷があるものは傷みやすいので常温保存は避けましょう。

りんごは大量に手に入る機会が多い果物でもあるので、ぜひ試しやすい方法でりんごを「長く・楽しく・おいしく」楽しんでみてはいかがでしょうか?