宅配ボックスで「置き配」トラブルは防げる?盗難に遭わない受け取り方の工夫

Amazonで「置き配」が標準的な配送方法に設定されたのが2020年3月のこと。
当時様々な波紋を生んだ置き配サービスも、この1年でかなり認知度が高まり、抵抗感を感じる人も少なくなってきたのではないでしょうか。

荷物を置きっぱなしにすることで心配なのは、盗難などの被害。
こういった置き配トラブルは、実際どのくらい起こっているのでしょう?
そして、置き配トラブルを未然に防ぐ方法はあるのでしょうか。

こちらの記事では、置き配トラブルの実状と対策についてご紹介します。

今更聞けない「置き配」の仕組み

玄関ドアの前に置き配
「置き配」とは、配送業者が荷物を届ける際、自宅の住所内にある指定の場所に荷物を置いて配達完了となるサービスを指します。

同じく荷物を確実に受け取るためのサービスである「配達指定」などと決定的に違うのは、家にいなくても荷物を受け取れる、ということ。
自宅以外をお届け先に指定して、代わりに受け取りを依頼する「コンビニ受け取り」などに近いサービスと言えます。

「コンビニ受け取り」の場合は、指定のコンビニまで荷物を取りに行く手間が発生しますが、「置き配」なら自宅での受け取りが可能となります。

置き配のもうひとつの狙い

さらに、置き配には「再配達を減らす」という狙いもあります。

国土交通省の行った調査では、2019年4月の段階で再配達率は16.0%もありました。
しかし、1年後の2020年4月には8.5%まで低下しています。

緊急事態宣言に伴う外出自粛の影響で、家にいる時間が増えたことが最大の要因でしょうが、同時期にAmazonを始めとする大手ネットショッピングモールで置き配サービスが定着したことも要因の一つに挙げられるでしょう。

置き配による配送業者の負担の軽減、という狙いはしっかりと達成されているようです。


参考資料
※株式会社BCN「コロナ禍で激減した再配達、置き配普及も後押し」検索日2021/10/1

置き配トラブルの現状と補償について

置き配と盗難
とはいえ、家にいない間に届けられた荷物は、帰宅するまでずっと置きっぱなしの状態。気になるのは盗難被害です。

実は、置き配による盗難被害は全国各地で報告されているようです。

置き配トラブルはなぜ起こる?

置き配に限らず、ネット通販では「届くはずの荷物が届かなかった」というトラブルは起こり得るものです。

荷物が届かない理由には「配達指定の間違い(指定日を違う日にしていた)」「お届け先の間違い(引越し前の住所になっていた)」などがあります。
ネット通販を利用したことがある人なら、「間違えたことがある」という人の方が多いのではないでしょうか。

盗難を疑う前にこういった注文時のミスを疑うことは大切ですが、「そのうち届くだろう」と放置するのはNG。
実際に、盗難に気づくのが遅れてしまうせいで、通報を受けた警察の捜査が難航するというケースも起こっているようです。

大手ネットショッピングモールによる補償サービスも

置き配がこういったリスクと隣り合わせだという側面だけを見ると、ネット通販を利用すること自体が怖くなってしまいますよね…。

そんな利用者の不安を払拭できるよう、大手ネットショッピングモールでは置き配トラブルに独自の補償サービスを行っています。
代表的な「Amazon」と「楽天市場」の2つの補償サービスを見てみましょう。

Amazonの置き配トラブルの補償

Amazonから届いた荷物
Amazonには「Amazonマーケットプレイス保証」が存在し、置き配によるトラブルの場合もこの保証の条件を満たせば補償を受けることが可能。
Amazonでの買い物以外に、Amazon以外のウェブサイトで「AmazonPay」を利用した場合のトラブルもこの保証の対象となります。

注文日から15日以降90日以内に申請をすると、最大30万円の返金補償を受けることができます

ただし、Amazonの場合は、申請前に「第三者販売事業者による問題への対応を依頼する」必要があります。
商品を購入した販売店に連絡した上で、問題が解決されなかった場合のみ申請が可能になります。

参考 購入者向けAmazonマーケットプレイス保証による保護Amazon

楽天市場の置き配トラブルの補償

楽天から届いた荷物
楽天市場の場合、楽天市場での買い物がすべて対象となる「楽天あんしんショッピングサービス」を置き配でも利用できます。

注文日の翌日から90日以内に相談すると、補償額上限である30万円以内であれば、現金もしくは楽天ポイントでの返金補償を受けることができます

参考 楽天あんしんショッピングサービス楽天市場

要注意!風雨による汚損・紛失は補償対象外

雨にぬれた荷物
置き配に関係するトラブルは盗難だけではありません。中には補償対象外となるケースも存在します。

Amazonは明記していませんが、楽天市場の場合だと「環境要因による商品の汚損・破損など品質劣化は対象外」と記載されています。

つまり、玄関先に置きっぱなしにされていた荷物が「急な雨でぬれてしまった」「突風で飛ばされてしまった」という理由で起きた荷物の汚損・破損の場合は、補償を受けられないことになります。

詳しくは次の項目でご紹介しますが、なんでもかんでも補償を受けられるわけではないので、置き配トラブルを未然に防ぐポイントを抑えた上で、置き配サービスを利用する必要があるのです。


参考資料
※日本経済新聞「「置き配」盗難相次ぐ 受取場所・方法に工夫を」検索日2021/10/1

置き配トラブルを防ぐ!荷物受け取りのポイント

高価なものを買ったときや、誰かへのプレゼントを買ったときに、もし荷物を盗られてしまったら…。
商品代金は返金されても、頼んだ荷物を受け取れないようでは困りますよね。

置き配で確実に荷物を受け取る、そして盗難などの置き配トラブルを防ぐための方法をまとめてみました。

荷物を置いてもらう場所を指定する

メーターボックスに置き配
配達方法が置き配の場合、配達業者に対して荷物を置いてもらう場所を指定することができるのをご存じですか?

指定場所には、

  • 車庫
  • 物置
  • メーターボックス
  • 自転車のかご
  • 宅配ボックス
  • (管理人常駐のマンションの場合)建物内受付
など、様々な場所を指定することができます。

指定場所選びのポイントは、「届いた荷物が人目に触れない」こと。
盗難のリスクを抑えるためにできる限り目立たない場所に荷物を置いてもらうという方法は、警察も提唱していることなので、よく考えて場所選びをしたいところですね。
屋根付きの場所なら、盗難だけではなく突然の雨風の影響も受けにくくなります。

おすすめの指定場所は「宅配ボックス」ですが、詳しくは後述します。

指定場所には大きな荷物も入れられるように

当然ですが、荷物を置く場所は届いた荷物より大きくなければなりません。

ネット通販を利用していて「思ったより大きな段ボールで届いて驚いた」という経験をお持ちの方は多いはず。
指定場所を選ぶときは、スペースに余裕があるかもしっかり確認しておきましょう。

配達指定+配達完了通知

配達完了メールをチェック
不在時でも配達してもらえる置き配ですが、万が一に備えるならやはり「在宅時に受け取る」のがおすすめです。

利用するネットショップや運送会社によりますが、置き配の場合でも配達日時指定を入れることが可能。
外出していたとしても、できるだけ早めに荷物を確認できる時間帯を指定しておくと安心です。
Amazonでの置き配の配送状況

▲Amazonでは置き配の配送状況を画像付きで確認することができます

 
とはいえ、配達指定は確実ではありませんし、多くの場合2時間区切りでしか指定することはできません。
置き配の場合に限らず、荷物が届かないといった内容で問い合わせをする際には、「いつ配達完了になったのか」や「不在表の有無」が重要になってきます。
そのため、配達完了通知(メール)は確実に受け取れるようにしておきましょう。

どうしても受け取れないなら受け取り先を変更

コンビニ受け取り
置き配で注文したとしても、後から受け取り場所を変更することができます。
帰宅時間が分からないときや、台風などで長時間悪天候が続きそうなときは「受け取り先を変更する」のが無難です。

コンビニ受け取りを選択する方が多いかと思いますが、多くの場合、コンビニでの保管期間は3日程度と短めなので、受け取りは早めに済ませるようにしてくださいね。


参考資料
※ヤマト運輸「置き配(EAZY)FAQ詳細」検索日2021/10/1

盗難を防ぐ!正しい宅配ボックスの使い方

留守中に届いた荷物を帰宅するまでしっかり守ってくれる頼もしいアイテムが、宅配ボックスです。

指定場所を「宅配ボックス」にしておけば、配送業者が届けた後に施錠してくれるので、玄関前に置きっぱなしにされるよりも確実に盗難リスクを抑えることができます。

ただし、宅配ボックスは正しく使わないと意味がありません。
意外と知られていない「宅配ボックスの正しい使い方」を、宅配ボックスのタイプ別に詳しく見てみましょう。

ソフトタイプは「宅配ボックスごと持ち去り」に注意

ソフトタイプの宅配ボックス
置き配用の宅配ボックスとして知られているOKIPPAに代表されるソフトタイプの宅配ボックス。
折りたたみも可能で、大きな宅配ボックスを設置しにくいマンションでも使いやすいという特徴があります。

こういったソフトタイプの宅配ボックスで気を付けなければいけないのは、宅配ボックスを持ち去られないように固定すること

セキュリティサービス会社「ALSOK」の公式サイトでは、宅配ボックスの盗難手口として「宅配ボックスごと持ち去る」ケースが紹介されています。
盗難防止ワイヤーで宅配ボックスを固定
ソフトタイプのように常設ではなく都度設置するものは、盗難防止ワイヤーを使ってしっかりと玄関ドアなどに固定しておくようにしましょう。

ハードタイプも油断は禁物

ハードタイプの宅配ボックス
マンションの中には、ロッカーのような共用の宅配ボックスが設置されているケースもありますよね。
戸建てのお家用に、アンカーを打ち込んで玄関前に固定する本格的な宅配ボックスもあり、これらハードタイプは造りも頑丈で盗難リスクは極めて低いとされています。

ただし、いくらハードタイプが「宅配ボックスごと持ち去られる心配がない」とは言っても油断は禁物。
盗難の手口には暗証番号を確認して開錠するというものもあるため、解錠番号を他人に知られないよう気をつける必要があります。

宅配ボックスの解錠番号
配達業者が荷物を入れた後に解錠番号を指定するタイプの宅配ボックスだと、配達業者は宅配ボックスの解錠番号を紙に書いて、郵便受けなどに入れてくれます。
この解錠番号が書かれた紙を見られてしまい、宅配ボックスを開けられてしまうケースもあるようです。

ハードタイプの宅配ボックスは特に進化が著しく、インターネット接続機能を持ち合わせたIoT対応の宅配ボックスも登場しています。
解錠番号がメールやアプリでしか分からなくなっているものも。

また、設置工事に費用と手間がかかってしまいますが、お家の壁に宅配ボックスを埋め込むこともできます。
これだと、家の中からでしか開錠できないので安心ですね。


参考資料
※ALSOK「宅配ボックスが狙われる?盗難手口と盗難防止対策について」検索日2021/10/1

おわりに

一時は世間を騒がせた置き配サービス。今後もネット通販利用者が拡大すると、多くのネットショップ、運送会社で「置き配が当たり前」になる時代が来るかもしれません。

置き配には「受け取りが楽になる」「再配達が減る」というメリットもありますが、盗難被害などのトラブルに遭いやすくなるというデメリットもあることが分かりました。
置き配トラブルを防ぐためには、宅配ボックスを活用するなど、荷物の受け取り方にも工夫が必要です。
安心して通販を利用するために、いろんな方法を実践してみてくださいね。


参考資料
※日本郵便「置き配」検索日2021/10/1
※東京新聞「ネット通販で広がる置き配、トラブルも…「直接受け取るはずが」「雨でぬれた」」検索日2021/10/1
※経済産業省・国土交通省「置き配の現状と実施に向けたポイント」検索日2021/10/1

宅配ボックスをマンションや戸建てに置くには?設置場所別の選び方とおすすめアイテム