食器と雑貨が大好きな元ライフスタイル雑誌編集者。カオス状態の部屋をなんとかするべくミニマムに暮らすことを目指しています。雑誌編集者の経験を生かしたコーディネート記事やミニマムな暮らしに関する記事を配信中。
洗剤がいらない、エコだということで一時期ブームになった「アクリルたわし」。キッチンスポンジやメラミンスポンジ、シリコンスポンジなどいろんなたわしがありますが、最もコスパに優れていると私が思うのが「アクリルたわし」です。
今回は、アクリルたわしを愛用している編み物作家「sopo(ソポ)」さんにその魅力を伺いました。
本当にエコ?洗剤いらずの「アクリルたわし」とは
一時期エコだとブームになった「アクリルたわし」。SDGsへの意識が高まったり、物価高で消耗品を節約したいということから、最近その存在が再度注目されています。
アクリルたわしとは?
「アクリルたわし」とは、その名のとおりアクリル100%の毛糸で編まれたたわしのことです。アクリルで作られた毛糸は、ウール製の毛糸に比べて、水をあまり吸収せず、丈夫で長持ちなのが特徴です。また、たわしの材料としてよく使われる、棕櫚(シュロ)や金属繊維と比べて、柔らかく弾力性に富んでいます。
アクリルたわしが、洗剤いらずなワケ
アクリル繊維は、「アクリロニトリル」が主原料の合成繊維です。「アクリロニトリル」は石油を原料としているため、油汚れを吸着する特徴を持っています。その糸を編むことで、凹凸ができ、この特徴を存分に生かしたのがアクリルたわしです。さらに編み上げることで摩擦が起きやすくなり、汚れを絡めとる力もアップ。そのため洗剤がなくても、汚れを落とすことができるのです。さらに編むことで、通気性もよくなるのもうれしい点です。
- 耐久性に優れ丈夫
- 水を吸収せず、汚れを絡めとる力がある
- 弾力性に富んでいる
- 摩擦力がある
- 通気性に富んでいる
アクリルたわしは、上記のような特徴を生かして、いろんな用途に使える便利アイテムなのです。
人気が再燃。アクリルたわしがおすすめのワケ
最近、私もメラミンスポンジからアクリルたわしに変えました。理由を含めて、なぜアクリルたわしにしているのかをご説明したいと思います。
手荒れがなくなる
アクリルたわしは、コップを洗う時には洗剤がいりません。そのため、洗剤によって手が荒れるという心配がありません。洗剤による手荒れを防ぐのに、ゴム手袋を使っている人もいると思いますが、年齢とともに「かゆくなる」といった悩みも。私もゴム手袋負けするようになったことも、アクリルたわしを使い始めた理由です。
洗剤を使う量が減るので、節約になる
油汚れがついた皿や鍋を洗う時にも、アクリルたわしを使えば、少量の洗剤ですみます。何層にもなったぶ厚いスポンジは、泡立ちがいいものの、その分洗剤を使いすぎてしまいがち。アクリルたわしは、泡で落とすのではなく、こすり落とすことで汚れを取り除きます。そのため、泡立ちはそこまで重要ではなく、少量の洗剤を付けて油となじませるだけで汚れを落とすことができます。
その分、油汚れがアクリルたわしに“移ってしまう”ので、油を使用した食器と使用してない食器でアクリルたわしを使い分けるのもひとつの手。油汚れがひどい食器を洗う場合は、あらかじめキッチンペーパーで拭き取ってから使うようにするとよいでしょう。
初心者でも簡単に作れる
編み物をしたことがない私もチャレンジしてみましたが、一番簡単に作れる四角いカタチなら、15分~30分程度で作ることができました。
下記の記事で、藤野ことさんが作り方をレクチャーしていますので、参考にしてみてください。
>>かわいくて一番簡単なカタチは?アクリルたわしの作り方【編み図付き】
材料は100均で買えるので、コスパ◎
アクリルの毛糸は、100均で買うことが可能です。だいたい1玉で、2~3つ作ることができます。
つまり小さなアクリルたわしなら、1つ35円~50円ぐたいという計算に! しかもアクリルたわしは丈夫で長持ち。
私が主に、コップの茶渋落しとシンク周り、お風呂掃除にそれぞれ使っていますが、どのアクリルたわしも半年以上はもっています。
かわいいデザインが豊富
自分で作るなら、色もカタチも自由自在。「丸や四角といった基本のカタチをマスターしたら、しずく型や花のカタチ、あるいは国旗にもチャンレジしてみましょう」とsopoさん。
市販のアクリルたわしも、カラフルな色合いのものがそろっているのも魅力です。自分の好きなインテリアテイストに合わせて選んでみてください。
アクリルたわしの使い方
では実際どのようなシーンで活躍するのでしょうか。使い方を見ていきます。
食器を洗う
一番オーソドックスな使い方が、食器を洗うのに使うという方法です。アクリルたわしに、ぬるま湯を含ませてこするだけ。とくに「茶渋」を落とすこととガラスの曇りを除くのに効果的です。
茶渋は水に溶けにくい性質をもっているため、洗剤で洗っても十分落ちません。そのためこすり落とす必要がありますが、キッチンスポンジ使われているポリウレタンフォームでは柔らかすぎてこすり落とすことが困難です。だからといって、固い面に使われているナイロン不織布や金属タワシでは傷がついてしまいます。私は以前、メラミンスポンジを使っていましたが、余計に汚れがつきやすくなったと感じて、アクリルたわしに変えました。
食器に残りカスがついているときには、洗い流してから使うようにすると◎。また油汚れがひどい場合は、洗う前にキッチンペーパーで汚れを拭き取ってから、少量の洗剤をつけて使えばOKです。
ただし、漆器や金・銀細工が施された繊細な食器は、傷がつく恐れがあるので使わない方がベターです。
フライパンや鍋を洗う
鉄製フライパンのように、洗剤を使って洗ってはいけない調理器具を洗う時にもアクリルたわしは活躍します。カレーや油汚れがこびり付いている場合は、先ほどと同じようにキッチンペーパーで拭き取ってから洗うようにしましょう。
コンロ周りの掃除に使う
食器を洗ったり、鍋を洗ったりしてヨレヨレになったアクリルたわしもまだ捨てないで! 使い古したアクリルたわしは、油が飛び散ったコンロ周りの掃除にぴったりです。
また、レンジフードや換気扇の掃除にも使えます。
洗面台の掃除に使う
陶器製やホーロー製でできた洗面台の掃除にもぴったりです。
実は洗面台は、水垢だけでなく、化粧を落としているとファンデーションが蓄積していて見た目よりもずっと汚れていることも。メラミンスポンジは傷をつけてしまう可能性があるので、台所用洗剤とアクリルたわしを使って落とすのがおすすめです。
蛇口の掃除に使う
ステンレス蛇口についた水アカ汚れを落とすのにも最適です。蛇口の水アカは、放っておくとなかなかとれないので、アクリルたわしを見えるところにおいて、気になったときにささっと拭いてしまうのがおすすめ。
なかなかとれなくなってきたら、クエン酸を薄めた液体か薄めた酢をアクリルたわしにしみ込ませて拭けばとれやすくなります。
お風呂の床掃除に使う
私は、主に床掃除に使っています。うちのお風呂の床は「樹脂素材」でできています。そのため、メラミンスポンジを使うと傷がついてしまう心配が。でも普通のお風呂用スポンジだと、シャンプーやコンディショナーが蓄積した石鹸カスが十分落ちない! そのせいで、よくシャンプーを流す場所が、ヌルついてくるんです。
そこでアクリルたわしの出番。ズボラな私は、足でアクリルたわしを踏みつけてこすりながら、シャンプーをしています。アクリルたわしを使った“ながら掃除”をするようになってから、石鹸カスが蓄積しにくくなりました。
窓ガラスや網戸の掃除に使う
窓掃除にもアクリルたわしはもってこい。アクリルたわしに滴るぐらい水をたっぷり含ませた状態で、上から下に向かって窓ガラスを拭き取っていきます。その後、乾拭きすればOKです! 網戸もやさしくこするとピカピカに。ただし強くこすると網戸がたわむ原因になりますので、注意してくださいね。
パソコンや家電のホコリをとる
摩擦力と静電気が発生しやすいアクリルたわしは、ホコリを絡めとるのにも向いています。乾いた状態のアクリルたわしで、さっと拭き取るだけ。特に、薄い布状に編み上げたアクリルたわしは、パソコンのキーボード部分やテレビ裏など、凹凸のあって隙間に入り込んだホコリを取るのにぴったり。
ただし液晶画面といった繊細な部分には、傷をつけてしまう恐れがあるので使用しないように注意しましょう。
アクリルたわしを使う時の注意点
アクリルが丈夫とはいえ、いくつか使う際には注意点があります。
使った後は、よく洗い乾かす
アクリルたわしは汚れを吸着することで落とすため、使った後そのまま放置すると、たわし自体が雑菌の温床になってしまいます。衛生的に使うためにも使ったら、「毎回しっかり洗って乾かす」ようにしましょう。
熱湯NG。なくぬるま湯か水で使う
アクリルは熱に弱いという性質があります。そのため熱湯ではなく、ぬるま湯か水を含ませて使うようにします。熱湯NGということは、熱湯消毒はできません。
アツアツの鍋を洗うのに使わない
熱に弱いので、アツアツの鍋に使うのも避けてください。アクリル繊維がとけてしまうと、鍋にくっつくことも。洗剤NGの鍋は高級なものも多いですよね。優しく洗うつもりでアクリルたわしを使ったのに、鍋を傷めてしまっては元も子もありません。調理器具を洗う時には、十分さめた状態になってから使うようにしましょう。
同じ理由で、コンロ周りを掃除する時にも、アツアツの五徳を拭くといったことは避けてください。
アイロンは使わない
もちろん、アイロンがけもNGです。縮んだり溶けたりする原因になってしまいます。
柔軟剤・漂白剤はNG
繊維を柔らかくする働きがある柔軟剤は、アクリルたわしの吸着力を弱めてしまいます。塩素系の漂白剤も繊維を傷めてしまうためNGです。
アクリルたわしのお手入れ方法と交換の目安
漂白剤も熱湯も使えないなら、どうやってお手入れしたらいいの?と疑問に思いますよね。
アクリルたわしのお手入れ方法
アクリルたわしは、汚れをたわし側に移してこすり取るので、使う度ににしっかりお手入れをしましょう。
<アクリルたわしのお手入れ方法>
- しっかり汚れを洗い落としてから、水ですすぎます
- その後「天日干し」してよく乾かします
汚れがひどい場合は、中性洗剤で洗ってから、上記と同じお手入れを行うと◎。特に食器を洗うのに使っている場合は、都度、しっかり乾かして雑菌をしっかり取り除くようにしましょう。2つ用意して、ローテーション使いするとよいでしょう。
アクリルたわしの寿命
「糸が汚れてきたな」「アクリルたわし全体がヨレヨレになってきたな」「弾力性がなくなってきたな」と感じたら寿命です。
私は洗面台を洗うのに使っていますが、だいたい半年程度はもつ、という印象です。
アクリルたわしを活用して、エコ&節約を
ちなみに私が一番、使いやすいなと思うカタチはしずく型です。サイズが小さめサイズが使いやすいなと思います。
食器を洗う時に、アクリル糸で吸着するだけでなく、泡でも洗いたいという人は、下記のアイテムもおすすめです。レビューでも「このサイズが使いやすい!」という声が寄せられています。
自分で編むのが面倒という人には、おすすめなので使ってみてくださいね。