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ステンレス鍋を使っていると、ちゃんと洗っているのに茶色や虹色に変色したり、白や青茶色の斑点がついてしまうことってありませんか?実はそれぞれ原因も異なるので、落とし方も違います。
そこで今回は、ステンレス鍋の変色の落とし方を色別にご紹介します。
虹色・黒色・茶色で違う!ステンレス鍋の変色の原因とは?
鍋の焦げ付きや変色は、吹きこぼれや油汚れに気が付かず再び火にかけたりすることでできてしまうというのが一般的。ただ、ステンレス鍋は「毎回ちゃんと洗っていて身に覚えがない!」のにもかかわらず、特有の変色が起こる場合も。
色別にまずは原因を見ていきましょう。
ステンレス鍋が「虹色」に変色している場合
虹色の変色は、テンパーカラーと呼ばれています。
この変色の正体は、炎による加熱でステンレス表面にできた「薄い酸化皮膜」の一種。部分によって皮膜の厚さが違うため、虹色に見えています。
これは、ステンレス鍋を洗った後にしっかり水気を切っていないことが主な原因です。濡れたまま放置すると、水道水に微量に含まれているミネラル成分やイオン、鉄などの成分が水分が蒸発する際に鍋表面に付着してしまうことで虹色に。
特にこのまま使用しても問題はないのですが、気になる方は後程ご説明する方法で落としてみてください。
ステンレス鍋が「茶色」に変色している場合
茶色に変色しているのは、高熱による「ヤケ(焼け)」と呼ばれる現象です。これは空たきをしたり、鍋の内容物が少ないまま加熱して、表面が焼けてしまっため起こる変色。
鍋の表面に吹きこぼれや調理中に飛んだ食品などによる汚れなどがついていなくても発生します。
ちなみに、ヤケ(焼け)は、ステンレスの表面の不動態皮膜がコンロの火で加熱されたことによって熱変化したものなので、特に衛生上の問題などはありません。
ステンレス鍋が「黒く」変色している場合
鍋が黒く変色してしまう原因は、山菜、レンコン、ごぼう、ほうれん草などに含まれる「タンニン」。これがステンレス綱の主成分である鉄と反応して変色したものです。
特に新しく買ったばかりの鍋の場合は注意が必要です。まだステンレス鍋の表面が安定していないため、「残った分は明日食べよう」とこれらの食材をいれたまま保管しておくと変色してしまうことに。
残った料理は別の容器に移し、なるべく早くきれいに洗っておくのがおすすめです。
色が変わっても食材の味自体には特に変わりなく、そのまま食べても問題はありません。
また鍋についても変色後も問題なく使い続けられます。
ステンレス鍋に「白」「青茶色」の斑点がついた場合
水アカとは違う白や青茶色の斑点の原因は「孔食(こうしょく)」と呼ばれるサビの一種です。
これは、塩分や水道水に含まれる塩素などによって腐食することで起こります。
このまま使用していても問題はありませんが、腐食が進行すると穴が開いてしまうことも。
ステンレス鍋でパスタやほうれん草をゆでる際、塩をひとつまみ入れるといったことがあると思います。その際「塩はよく溶かす」、「使ったらよく洗ってしっかり水気を切る」といったことに気を付けるようにしましょう。
【虹色・白い斑点】になったステンレス鍋の変色を落とす方法
水道水に含まれる成分が原因なので、普通に水洗いや食器用洗剤などで洗っても落ちませんが、実はクエン酸(食酢でも可)を使うと簡単にきれいにできます。
編集部スタッフ、Uchidaの自宅にちょうど虹色の変色が気になっていた鍋があったので、実際に試してみました。
<レポートする人>
編集部スタッフUchida
司書の経験を活かし、日常生活に役立つ情報や疑問について文献調査や専門機関への取材・実験などを行いながら日々お役立ち情報を発信中。
虹色になったステンレス鍋を落とすのに必要なもの
- 水
- クエン酸(食酢でもOK)
クエン酸は約3%の濃度に薄めて使用します。食酢を使う場合は10%くらいの濃度でもよいでしょう。
虹色になった、ステンレス鍋の変色の落とし方
水にクエン酸あるいは食用酢を加えて、弱火で約10分間沸騰させるだけです。
たったこれだけで変色が消え、元のきれいな状態に戻りました。
【茶色・黒】になったステンレス鍋の変色落とす方法
高熱による「ヤケ」は、放置しても問題ありませんが、あまりに変色が目立つと見た目が気になることも……。
鍋の焦げつきは重曹などアルカリ性の洗剤で落とせますが、これらの洗剤では高熱によるヤケを落とすことはできません。更に重曹のように研磨性のあるもので強くこすると、ステンレスの表面が傷ついて、サビの原因になってしまうこともあります。
茶色く変色した鍋を元のようにピカピカの状態にしたい時には、ステンレス専用の焼け落としの洗剤を使ったお手入れがおすすめです。
そこで、人気お掃除ブロガーの「よしママ」さんにプロも試用している洗剤を使っていただきました。
<リポートする人>
よしママ
人気お掃除ブロガー。著作に『家族が笑顔になる おそうじの魔法』など。時短家事や節約を楽しみながら日々研究中。
【茶色】になったステンレス鍋専用クレンザー
ステンレス鍋の「焼け」は、専用のクレンザーを使うとゴシゴシこすらずに簡単に落とせます。
今回使ってみたクレンザーは鍋の表面に傷をつけずに磨くことができますよ。
今回はアーネストの「ステンレスの焼けを取ります!」というアイテムを使います。
こちらは、アルカリ性ではなく「酸性」の研磨剤を含んだクレンザーです。界面活性剤は使われていません。
まるで粘土のような柔らかさのクレンザーです。
50gですが、少量で広範囲が磨けるので、少しずつとって使っていきます。
乾燥して使えなくなったら、水を少し加えて練ると柔らかくなって、再び使えるようになります。
茶色になった、ステンレス鍋の変色の落とし方
1. 他の汚れを落としておく
アルカリ性の洗剤で、油汚れやコゲを先に落としておきます。
2. 専用クレンザーをすくう
専用クレンザー「ステンレスの焼けを取ります!」を湿った布きんやスポンジに少しのせます。
目の細かいマイクロファイバーを使うのがおすすめです。
3.こすりつけるよう磨く
ステンレス鍋が茶色く変色した「高熱焼け」のある部分に、こすりつけるようにして磨きます。
焼けがひどい場合は、塗ってから2~3分放置してから磨くとよいでしょう。
4. すすぐ
水でしっかりとすすいで終わりです。
ステンレス鍋「ヤケ専用洗剤」の効果と使った感想
薄い茶色の汚れのように見えるのが「焼け」の部分。
専用クレンザーを使って磨いてみると、鍋の外側に広範囲あった茶色の汚れを落とすことができました。
よしママさんに実際汚れを落として感じたことをレポートしていただきました。
「焦げ落し用のクレンザーや重曹など他の洗剤でなかなか落とせなかったのは、やっぱり高熱焼けによる変色だったんですね。
ゴシゴシと力いっぱい磨かなくても、クレンザーを置いた場所からすぐに色が変わっていく感じでした。少量でも効果があるので、少しずつ伸ばすようにつけていくと、無駄がありません。
「磨いたあとのクロスは真っ黒に。汚れたら拭く面を変えながら、少しずつ磨いていきました」。
磨くのに使うクロスは、古布などお手入れ後に捨ててもよい物を使うと、掃除後にそのままポイっと捨てられますよ。」
もし、クリームタイプのクレンザーだと効果を感じられないとお困りの方がいたら、もしかするとスポンジに吸収されて上手く研磨できてないことも。
そのときには、スポンジにラップを巻いてから使うといいですよ。
お気に入りのステンレス鍋の輝きを取り戻すために
長年愛用しているうちについた汚れは、結構きれいにするのに根気が必要で、ついゴシゴシと力任せにこすりがち。
でも、ステンレス鍋の「焼け」専用クレンザーがあれば、余計な力を使わず気軽にお手入れできそうですね。
ピカピカにはしたいけど表面などに傷をつけたくないステンレス鍋のお手入れにも、専用クレンザーはぴったりです!
変色してしまったステンレス鍋をもう一度新品のようなきれいな状態にしたい方は、ぜひ使ってみて下さいね。