「おいしいに国境なし!」──を合言葉に、料理の「?」や「!」を探しながらご家庭で役立つ知恵やアイデアを探求中! 料理のイロハを先生に師事して学びながら、ワンランク上のこだわり料理にもアクセル全開で挑戦します! たまには先生が記事に登場することも?
栄養価が高くお値段もお手頃な大豆。でも意外と処理が面倒だったり献立作りが難しかったり……。
「子どもたちがなかなか大豆を食べてくれない……」とお悩みのお母さんも多いのでは?
今回は、大豆の栄養をムダなく摂取できる調理方法や乾燥大豆と水煮大豆のコスパを検証。
大豆が苦手な人でも食べられるおすすめのレシピもあわせてご紹介します。
自分で水煮大豆を作ったら? コスパを検証してみた
高タンパク低カロリーで「畑のお肉」ともいわれている大豆は、自然が生み出す健康食品と言っても過言ではありません。たっぷりの栄養を蓄えている乾燥大豆を水で戻して煮るだけで、簡単に水煮大豆は作れちゃうんですよ。ただ「乾燥大豆って水煮大豆より少し割高なのでは?」と疑問に思う方も多いかもしれません。
そこで、乾燥大豆と水煮大豆のコスパを検証してみます。
水煮大豆と乾燥大豆の値段比較(水で戻す前)
- 水煮大豆 45~90円程度/100gあたり
- 乾燥大豆(国産) 78~111円程度/100gあたり
こちらは、いくつかのメーカーから販売されている水煮大豆の平均価格と、数種の乾燥大豆の平均価格を算出したものです。
この値段だけを見ると確かに乾燥大豆の方が高く感じますが、重要なことを忘れてはいけません。
乾燥大豆は水で戻すと、およそ3倍の重さにまで膨れるんです!
水で戻す前に、小粒の乾燥大豆10粒を計量してみました。ちょうど1gです。
そして、こちらは同じ小粒大豆を一晩水につけて戻してから計量したもの。
およそ3倍の重さになっていることが分かりますよね。
市販の納豆の重さが1パック40gとすれば、それに必要な乾燥大豆の量は約13g程度。
乾燥大豆を水に戻して3倍に膨らむのなら、逆算すると値段は1/3になるということです。
これを元に計算し直すと……。
<水煮大豆と乾燥大豆の値段比較(水で戻した後)>
- 水煮大豆 45~90円程度/100gあたり
- 乾燥大豆(国産) 26~37円程度/100gあたり
このようになります。
市販の水煮大豆を購入するよりも、乾燥大豆を買って家で戻す方が圧倒的にコスパがよいのがわかりますね。
市販の水煮大豆はどうしても栄養が失われてしまっている場合が多いため、大豆の栄養を効果的に摂取するなら乾燥大豆から自分で蒸して戻したいところです。
ところが、水煮大豆にも意外な落とし穴が!
水煮大豆の意外な落とし穴! 乾燥大豆を戻す意外な方法
たんぱく質に食物繊維、イソフラボン、カリウムなど、大豆にはたくさんの栄養素が含まれていますが、実は水で煮てしまうと栄養素が流れ出てしまい、栄養価が下がってしまうという報告も。
特にイソフラボンは、水で煮ることで半量近くも失われてしまうのだそうです。
そこで水煮にするよりもおすすめなのが、大豆の栄養価をムダなく摂取できる「蒸す」という方法。
大豆を水にさらさず高温で蒸すことにより、栄養素をしっかりと閉じ込めることができます。
乾燥大豆を戻した水を蒸し用の水に使えば、風味もアップ!
大豆の香りと味、栄養を余すところなく活用できるおすすめの方法ですよ。
<乾燥大豆の蒸し方>
乾燥大豆を水でさっと洗い、豆の4〜5倍の水とともにボールなどに入れて一晩吸水させます。
あとは、蒸し器などに入れて、お好みの柔らかさになるまで蒸すだけです。
豆嫌いの子どもにもおすすめ! 乾燥大豆を使ったレシピ
「蒸し大豆」を使った、簡単なレシピをご紹介します。
大豆が嫌いな子どもは意外と多く、小学生が給食で嫌いなメニューワースト1になってしまっているほど。
「子どもたちがなかなか豆料理を食べてくれない……」とお悩みのお母さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな場合は「唐揚げ」や「フムス」にすることで、豆が苦手な子どもでも食べやすくなります。
コスパと栄養価、そして子どもの好き嫌いをクリアした「完ぺきな大豆食」を実現できる……かも?
【レシピ1】新食感! 栄養たっぷりな「大豆の唐揚げ」
子どもたちが大好きな揚げ物料理。大豆だって例外ではありません。
おいしい唐揚げにすることで、豆が苦手な子でも抵抗なく口に運んでくれます。
<材料>
- 蒸し大豆…200g
- おろししょうが…1片分
- おろしにんにく…1/2片分
- しょうゆ…大さじ2
- みりん…大さじ1
- 片栗粉
- 油
1.蒸した大豆をつぶす。
2.手順1の大豆に、おろししょうが・おろしにんにく・しょうゆ・みりんを加えて、混ぜ合わせる。
3.手順2で味付けした大豆を適当な大きさにまとめて丸めてから、片栗粉をまぶす。
4.熱した油でからっと揚げる。
このレシピはわが家でよく作りますが、3歳の息子もお気に入りの様子。
食べやすく小さくカットしてあげると黙々と食べてくれまました。
【レシピ2】大豆でも作れる中東料理の「フムス」
中東では前菜や付け合わせとしても日常的に食べられているフムス。
本来はひよこ豆のペーストで作りますが、水煮大豆や蒸し大豆でも十分においしいフムスができますよ。
<材料>
- 柔らかい蒸し大豆…200g
- オリーブオイル…40ml
- にんにく…1/2片
- すり白ゴマ…大さじ2
- 塩…2つまみ
- レモン汁
1.指でつぶせるくらい柔らかく蒸した大豆200gを用意する。
2.レモン汁以外の材料を全て一緒に混ぜ合わせる(フードプロセッサーなどを使うと効率よく作れます)。
3.食べる直前にレモン汁を混ぜる。
材料の配分量はお好みでアレンジして頂いてかまいませんが、レモン汁は食べる直前に混ぜる方が風味が立っておいしいですよ。
仕上げにエクストラバージンオリーブオイルやハーブ・スパイスなどを振りかけて、トーストしたパンやピタパンなどにつけてお召し上がりください。
もちろんチーズやベーコンなどとの相性もばっちり。
子どもたちもそのおいしさのとりこになるに違いありません!
家計にやさしい乾燥大豆で元気な毎日を
栄養たっぷりでコスパ最高、何よりも料理のアレンジ幅が広い大豆は、毎日の食卓にぜひとも取り入れたいもの。
ただし外国産の大豆や大豆加工食品などは遺伝子組み換え食品である可能性があるため、なるべく国産のものを選ぶようにしてください。
国産の大豆は外国産よりもやや割高ですが、乾燥大豆なら100gあたり30円前後で手に入りますよ。
家計にも身体にも優しい大豆の力で、健康的な日々を送りましょう!