元小学校家庭科教諭。子どものハウスダストアレルギーをきっかけにおそうじにはまり、ブログ「節約ママのこだわり掃除」をスタート。時短家事や節約を楽しみながら日々研究中です。 著書「家族が笑顔になる おそうじの魔法」など。
冷蔵庫を使っていると、ふと嫌なにおいや汚れが気になる場合があります。
この記事では、効率的に行える冷蔵庫掃除の方法や汚れを取るポイントを解説します。
冷蔵庫を清潔に保つために、この機会にすみずみまできれいにしてみませんか?
しつこい汚れに効果的なセスキスプレーの作り方もあわせてご紹介しますので、ぜひチェックしてみてください。
実はこんなに汚れている、冷蔵庫
冷蔵庫は意外と汚れがたまりやすいってご存じですか?
冷蔵庫の内部は温度が低いので、常に清潔で掃除する必要がないと思われがちです。
でも実は、カビの原因菌が入り込みやすく、冷蔵庫の開け閉めが多いと温度や湿度が高くなるため、カビの繁殖を助けてしまいます。
冷蔵庫内は、食材クズや汚れなどで、カビにとって栄養豊富な状態。
定期的な掃除をおこたっていると、知らないうちに見えない部分でカビが繁殖していた……なんてこともありえます。
また、庫内だけでなく、冷蔵庫の上部や背面部、水受け皿(蒸発皿)など、冷蔵庫の外側にも知らないうちに汚れている部分はたくさんあります。
冷蔵庫を清潔で気持ちよく使えるよう、気になる汚れや嫌なにおいをすっきり落とす必要があります。
冷蔵庫を掃除する前に
冷蔵庫の掃除前にやっておいた方がよいことをまずまとめます。
冷蔵庫を掃除するタイミングや頻度について
冷蔵庫は食品をいれておくところなので、清潔に保ちたいですよね。
わが家の場合、冷蔵庫周りは一年中いつでも掃除できるので、特に虫の増える夏前の季節と、冬の大掃除の時期に、年に2回冷蔵庫を移動させて掃除をしています。
冷蔵庫の庫内掃除は、中を空っぽにして棚板や引き出しのケースまで外してしっかりと丸洗いするのは、年に1度。
あとは汚れたらその都度こまめに拭くようにしています。
- 普段→汚れが目についたら、その都度拭く
- 冷蔵庫の庫内の丸洗い掃除→年に1度
- 冷蔵庫周り(天面や背面)の掃除⇒年に2回
今回は、丸洗いを含めた庫内の掃除と、冷蔵庫を移動させて背面や天面など冷蔵庫周りもしっかりと行っています。
全ての掃除にかかった時間の目安は、冷蔵庫周り(外側)の掃除は半日、庫内の掃除は1日。
かなり大がかりに思えるかもしれませんが、2日間あれば、一人でも掃除することができますよ。
事前準備をする
今回は冷蔵庫の中の食材を全部出し、庫内の丸洗い掃除も行います。
冷蔵庫内に入っていた食材が多いので、ダイニングテーブルに全て出していきます。
冷蔵庫内の食材を全部出せば、奥の方にあって忘れかけていた賞味期限の切れた食材なども捨てられますよ。
お肉や魚のみ、野菜室へ移動させて腐らないようにしています。
夏場にお手入れする場合は、クーラーボックスがあれば、安心かもしれないですね。
事前にやっておくこととして
- 賞味期限切れや使いきれないものなどを処分し、庫内の中身を減らしておく
- (夏場は)一時保管場所としてクーラーボックスを用意する
- パーツを外す
- 電源を抜く
をやってから掃除を行いましょう!
冷蔵庫掃除の前に確認しておきたいこと
冷蔵庫の機種によっては、使用できない洗剤があります。
掃除する前には、必ず使用可能な洗剤であるかを取扱い説明書で確認しましょう。
わが家の冷蔵庫の場合は、アルコール、ベンジン、タワシ、アルカリ性洗剤が使用不可でしたので、基本的に台所用の中性洗剤で洗っていきます。
製氷機の中の掃除にも、「フィルター」など洗剤を使用してはいけないパーツがあるかどうかを確認します。
また、冷蔵庫の水受け皿(蒸発皿)が取り外しできるタイプかどうかを事前に確認してください。
もし水受け皿が取り外しができるのであれば、この機会にお掃除していきましょう。
冷蔵庫を掃除するのに必要なもの
冷蔵掃除にあると便利な道具を準備しましょう。
今回は、下記のような道具を使って掃除していきます。
冷蔵庫掃除に必要な道具
- マイクロファイバークロス3~4枚(庫内用は清潔なもの)
- 台所用洗剤(中性)
- スポンジ
- アルコール除菌剤
- セスキスプレー
- 洗濯用固形石けん(あれば)
- 拭き取り用のタオル
- 綿棒
冷蔵庫の部品(プラスチック)の素材によっては、エタノールやアルコール除菌液を使用すると変質やひび割れが生じることがあります。取扱説明書でも推奨されていない洗剤のため、今回の掃除ではゴムパッキン部分にのみ使用しています。
また、アルカリ性洗剤も本来は使わない方がよいのですが、どうしても落ちない油汚れの部分にだけ市販のセスキスプレーを使用しています。
手づくり「セスキスプレー」の作り方
今回は市販のセスキスプレーを使っていますが、以前の記事でご紹介したように、粉末のセスキ炭酸ソーダと水でセスキ水を作ることもできます。
<セスキスプレーの作り方>
- 水500㎖に小さじ1のセスキ炭酸ソーダを入れる。
- ボトルを軽く振って溶かす(だいたい5分以内で溶けますが、早く溶かしたい場合はぬるま湯を使いましょう)。
- スプレー容器に入れ、1~2週間程度で使い切る。
セスキスプレーは重曹よりもアルカリ性が強く、タンパク質を落とすという性質をもっています。
そのため、手肌が弱い方や長時間使う場合は手荒れしないように炊事用手袋(ゴム手袋など)を着用してください。
効率のよく冷蔵庫を掃除するための方法
それでは、実際に庫内の掃除を始めましょう。
冷蔵庫の外側も同じ日に掃除したい場合、庫内掃除でさまざまな食材のカスなどが床にたくさん落ちてくるので、先に庫内掃除から行うのがおすすめです。
まずは、庫内掃除の中でも一番大変な、メインの冷蔵室からお掃除していきます。
【冷蔵庫内】の掃除手順
1.棚板を外す
冷蔵庫内の取り外しできる棚板を全て取り外します。
2.棚板を洗う
外した棚板を、台所用洗剤を利用してスポンジで洗っていきます。
シンクで洗いにくい大きな棚板は、お風呂場で洗っています。
調味料などの液だれや、ポケットの隅の食材くず等を取り除いていきます。
3.油汚れを拭き取る
べたべたした油汚れが落ちなかった部分だけ、アルカリ性の洗剤を利用して拭き取りました。
取扱説明書で推奨されていない洗剤なので、材質等の変質を避けるため、長時間つけおきせずに短時間で拭き取ります。
4.庫内を拭く
汚れは下に落ちるので、一番下の棚がとても汚れていました。庫内はぬるま湯200㎖に台所用洗剤を数滴たらしたものをマイクロファイバークロスにしみ込ませています。水気を絞って、クロスが温かいうちに拭きます。
<ポイント>
短時間で済ますために、複数枚クロスを洗剤液で浸しておいたものを用意しておき、一気に拭くと庫内の冷気が逃げにくいです。
棚以外に側面や、チルドケース内もふきます。
5.仕上げに水拭きし、棚板を戻す
最後に、きれいなクロスで水拭きします。
乾かしておいた棚を戻すと、こんなにピカピカの状態に戻りました。
【冷凍室】の掃除手順
続いて、冷凍室も同じように洗っていきます。
引き出しからケースを取り外して丸洗いすることで、ふだん気がつかない場所まできれいに掃除できるのでおすすめです。
1.ケースを洗う
冷凍室の引き出しをケースごと外し、ぬるま湯で汚れを浮かせてから洗うと簡単に汚れが落とせます。
汚れがひどい場合は中性洗剤で洗いましょう。
2.本体側の内部掃除
ケースを乾かしている間に、ケースを外した冷凍室の本体側の内部を掃除します。
内部に食材のカスが落ちているので、かきだすようにして拭きます。
3.引き出しの裏側の掃除
引き出しの裏側にもホコリがたまっていました。冷蔵庫の引き出し自体も、ケース内だけでなく、レールや引き出しの裏側まで汚れていることが分かりました。
4.ドアパッキン部分の掃除
扉についているドアパッキン部分のみ、アルコールをしみ込ませた綿棒で汚れをかきだすとスッキリします。
(アルコール除菌液を使用するのが不安な場合は、台所用の中性洗剤でも代用できます)
<ポイント>
パッキンは冷蔵庫の中でも特にカビが発生しやすい部分。
アルコール除菌液を使ってお手入れすることで、パッキン表面のカビ菌を除菌&カビ予防にも役立ちます。ただし、アルコールには漂白効果はないため、パッキンの中まで浸食したカビや黒く変色した部分の色を取り除くことはできません。
5.ケースなどのパーツを元に戻す。
洗ったケースを乾かしてから、本体に戻します。
お手入れ前の冷凍室には、意外と食材のにおいがついて残っていました。
しっかりと丸洗いをして掃除した後は、無臭になりスッキリしました。
わが家は冷凍室が2カ所あるので、解凍したくない食材はもう一カ所の方へ移動させながら掃除しました。丸ごと取り外せる冷凍室は、ケース部分を丸洗いするだけなので、意外と短時間で済ませることができました。
【野菜室】の掃除手順
野菜室は冷蔵庫のなかでも特に汚れがひどい場所。野菜くずや泥で汚れやすく菌も発生しやすい環境なので、しっかりと掃除しておきましょう。
野菜室も引き出しタイプなので、ケースを取り外して簡単に掃除ができます。
1.ケースを洗う
野菜室の引き出しをケースごと外し、ぬるま湯で汚れを浮かせてから洗うと簡単に汚れが落とせます。台所用の中性洗剤でほとんどの汚れは落ちますが、底にこびりついた頑固な泥汚れまでは落ちませんでした。
<ポイント>
泥汚れがある場合は、アルカリ性の洗濯石けんを使って洗うことできれいになります。
ただし、わが家の冷蔵庫の取扱説明書ではアルカリ性の洗剤は推奨されていないため、石けんで洗うのは短時間ですませ、きれいにすすぐようにしました。
2.本体側の内部掃除
ケースを乾かしている間に、ケースを外した冷凍室の本体側の内部を掃除します。
3.引き出しの裏側の掃除
レールや引き出しの裏側まで汚れていることがあるので、しっかりと拭き掃除しましょう。
4.ドアパッキン部分の掃除
扉についているドアパッキン部分のみ、アルコールをしみ込ませた綿棒で汚れをかきだすとスッキリします。(アルコール除菌液を使用するのが不安な場合は、台所用の中性洗剤でも代用できます)
【製氷室】掃除の手順
氷は冷凍室へ一旦移動させて、ケースごと取り出して洗います。
クッションシートは洗剤などのにおいも残りやすいので、水洗いのみにしています。
水気は霜の原因になるので、しっかり拭き取って乾かしてから戻します。
自動製氷機の内部の掃除には、専用の洗浄液を利用して掃除しています。
「放置すると氷がにおう?簡単!自動製氷機のお掃除方法」という記事で、くわしい掃除手順や洗浄液の使い方をご紹介しているので、ぜひチェックしてみてください。
【冷蔵庫】の外側の掃除
冷蔵庫の庫内だけでなく、外側もしっかりときれいにしておきましょう。
ここでは、汚れが目につきやすいドアなど鏡面部分はもちろんのこと、普段なかなか掃除できない背面部や、意外と汚れが溜まりやすい天面部分などのお掃除方法について解説します。
冷蔵庫のドアなど表面部分のお手入れ
取っ手付近やドア表面は触れる機会が多く、手垢やほこり、油汚れ等がついています。
台所用の中性洗剤をしみこませたマイクロファイバークロス等でしっかりと拭き掃除をします。
意外とベタついていることも多いので、なるべくこまめにお手入れしたいですね。
冷蔵庫の上部(天面)の汚れ防止方法
普段見る機会がない冷蔵庫の天面は、油がたまりやすく、べたべたしやすい場所です。
手が届きにくく掃除がしにくい場所なので、手芸店で手に入れた透明のビニールシートをカットしてカバーしています。
掃除をする時は外して丸洗いできます。
掃除の手間を省きたい場合は、新聞紙やラップを敷いておくのでも良さそうです。
セスキスプレーで油汚れを除去
油汚れによるベタつきが酷い場合は、酸性の油汚れに強いアルカリ性のセスキをまんべんなくスプレーします。
画像のような状態でしばらくおいてから、お湯で流すとスッキリと油汚れを落とすことができました。
水受け皿(蒸発皿)と脚カバーの掃除
冷蔵庫の足元にある脚カバーを外して、奥に手をいれると水受け皿(蒸発皿)がある機種もあります。
台所用の中性洗剤で軽く洗い、よく乾かしてから戻します。
水受け皿(蒸発皿)はすぐ戻さないと、冷蔵庫下が水浸しになるので、急いで乾かして戻すようにしましょう。
【冷蔵庫の裏側(背面部)】の掃除手順
1.調整脚をゆるめる
脚カバーをはずすとクルクル回る調整脚が両方についているので、ゆるめます。
緩めると冷蔵庫が移動できるので、手前に動かします。ゆっくりと背部から押しながら前進させます。
2.掃除機をかける
冷蔵庫の背面部にはホコリがたまりやすいので、冷蔵庫の内部にホコリが入らないように、掃除機のノズルで丁寧に吸い取ります。
【最後に】冷蔵庫掃除が終わったら、床をきれいに
冷蔵庫掃除を終えた後の床(フローリング)は、食材や油で汚れています。
油汚れが気になる場合は、セスキスプレーで床の掃除をします。
セスキはアルカリ性の洗剤なので、無垢材や生木など木材がそのまま使われているような、こだわりのフローリング材には使えません。
また、樹脂ワックス以外の種類のワックスを使用している床にも使えませんのでご注意ください。
洗剤を使用したあとは、床に洗剤成分が残らないように、水拭きと乾拭きで仕上げましょう。
冷蔵庫の掃除は今がおすすめ
食材を全て外に出して、冷蔵庫の内部までしっかりと掃除をしたい場合、外気の温度の低い冬が特におすすめ。
どうしても暑い季節にお掃除したい場合は、冷蔵室の物を野菜室へ移動するなどして、冷蔵室や野菜室など庫内のエリアごとに少しずつ掃除するようにしましょう。
ちなみに、冷蔵庫の天面や背面など冷蔵庫周りの掃除については、食材が入った状態でもできるため、時期を問わずにお手入れできますよ。
冷蔵庫を掃除した後は、庫内の嫌なにおいがほとんどなくなります。
冷蔵庫周りなど外側もなかなか掃除する機会はないと思うので、庫内の掃除を行なうときに、ぜひ挑戦してみてくださいね。