家事のコツや収納術、インテリアやおでかけにまつわる話などを通して「わたしらしい暮らし方」をご提案します。
モノを収納したり飾ったりする時に便利な「シェルフ」。でも「ラック」「キャビネット」など似たような家具もあり、自分が探している家具は一体どれのことなのか、分からない人もいると思います。
そこで今回は、インテリアバイヤーのNOZAKIに聞きながら、シェルフのことやラック・キャビネットに違いについてご紹介。シェルフの使い方も解説してもらうので、参考にしてください。
シェルフとは?
シェルフとは、棚板にモノを置いたり並べたりすることができる家具のことです。英語「shelf」は、「棚・棚板」という意味です。つまり「棚」にフィーチャーした家具のことで、一般的には扉のないオープンな構造のものを指します。
そのためインテリア性が高く、本や雑貨、小物、グリーンを置いて「見せる収納」にして楽しむこともできます。
<シェルフに収納するに向いているもの>
- 本
- 見せる収納をしたい雑貨
- グリーン
インテリアバイヤーNOZAKIいわく「シェルフは、棚の配置で大きく印象が変わる家具です。そのため、置くものや用途によって、大きく7つのタイプがあります」とのこと。
主なタイプは「ブックシェルフ」「オープンシェルフ」「ユニットシェルフ」「コーナーシェルフ」「ウォールシェルフ」。それぞれの特徴や使い方については、後ほど説明します。
ラックとの違いは? ほかの収納家具とシェルフ違いを解説
収納家具には「シェルフ」以外にも「ラック」や「キャビネット」「ボード」といった言葉もよく聞きませんか? 自分がほしいと思っている家具は、ラックなのかシェルフなのかキャビネットなのか迷っているなら、その違いを知ると探す手掛かりになるかもしれません。インテリアバイヤーNOZAKIが、シェルフとの違いをくわしく解説します。
ラックとは? シェルフとの違いを解説
ラックとは、モノを置く棚や台の総称のことで、モノを収納したり整理したりいろんな用途に使われます。「rack」を訳すと「棚、枠、台、架」で、特定のモノを支えたり整理・収納するスタンド、フレーム、バーでできた構造物という意味。シェルフと同じく、背面や側面がないオープン構造になった、扉がない家具のことを指します。
シェルフと大きく異なるのは、ラックの方がより広義の棚を指す言葉であるということです。ラックの中でインテリア性がたかいものをシェルフと呼ぶのが一般的。
また、インテリアバイヤーNOZAKIによると「シェルフは、インテリア性が高く装飾的な側面があるのに対して、ラックは機能面を重視しているものが多いと思います。シェルフは室内用ですが、ラックは室内だけでなくガレージや倉庫に置くものも含まれます」とのこと。
このようにラックは多目的に使われるため、種類も豊富です。収納するモノ、使う場所、デザイン、カタチなどを指していろんな呼び名があります。
- 収納するモノによる種類……「レンジラック」「スリッパラック」「シューズラック」「パソコンラック」「マガジンラック」「ハンガーラック」「ランドセルラック」など
- 使う場所による種類名……「キッチンラック」「バスラック」
- デザインのよる種類名……「オープンラック」「立て掛けラック」「ラダーラック」
- カタチ別の種類……「コの字ラック」「T字ラック」
このため、ラックと検索するだけでは、イメージしたお目当ての商品にはたどり着けません。「ラックをECショップで探すときには、置くモノ・場所を決めてから探すとスムーズですよ」とNOZAKI。
シェルフかラックか迷ったら、インテリア性の高いものを選ぶならシェルフ、置く場所や置くモノが明確ならラックと検索するとよいでしょう。
キャビネットとは? シェルフとの違いを解説
キャビネットとは、扉がついた収納家具を指します。扉が付いているというのが、ラックやシェルフとは大きく異なる点です。写真のように箱型になった扉の付いた家具はもちろん、鏡が扉になった建付け型の洗面台の収納棚もキャビネットの一種です。
キャビネットは、扉があるため中に収納したものが見えないというメリットがあります。そのため、「見せない収納」にして、部屋をすっきりと保つことができます。
「扉があるため、ホコリを防ぐことができるのもキャビネットのいいところです。食器棚やテレビボードがキャビネット式であることが多いのもこのため。パッケージの色や形が違うお菓子やホコリが付くとNGな趣味のアイテムは、キャビネットに収めるのがおすすめ」とインテリアバイヤーのNOZAKI。またガラス戸でないキャビネットを選べば、遮光性も期待できるため、大切な本や食品を保存するのにも向いています。
- 食品ストック
- 推し活グッズ、フィギュア
- CD・デジタルグッズ
ボードとは? キャビネット・シェルフとの違い
「カップボード」「サイドボード」という風にボードと呼ばれる家具もよく聞きますよね。ボード(board)を翻訳すると「板」。家具を指す場合には、特定の用途に使う家具を指します。
NOZAKIによると「主にインテリア性が高いものが呼ばれることが多いと思います。扉、棚、引き出しが組み合わさった食器棚をカップボード、ダイニングルームやリビングで使うサイドボードなどがあります」。見せる収納と隠す収納両方できるのがよい点。
- 食器
- 雑貨や本、お気に入りの小物
同じ戸棚でもキャビネットかボードか迷ったら、インテリア性を重視するなら「ボード」、機能面を重視する戸棚の場合は「キャビネット」と検索するとよいでしょう。ただし、「ボード」という言葉は広い意味で使われるため、家具を探しているときには「カップボード」「サイドボード」と検索して探すのが賢明。インテリア性の高いテレビ台が「テレビボード」「ローボード」として売られていることもあります。
シェルフの5つの種類。ぴったりの使い方は?
それでは、シェルフの5つのタイプ別を見ていきましょう。特徴を生かしたぴったりの使い方も紹介するので参考にしてください。
インテリアとしての本棚「ブックシェルフ」
「ブックシェルフ」とは、ずばり本棚のこと。重さがある本を収納できるよう、しっかりした作りになっているのが特徴です。また、漫画、文庫、書籍と様々な大きさの本を並べられるように棚板の高さを調整できたり、前後で収納できる引き戸が付いていたり、本棚ならではの使い勝手が考えられています。
本を収納することに特化した家具だけに、ブックシェルフにズラッと並べるとまさに壮観。自宅にプチ図書館を作るのは本好きの夢をかなえてくれるアイテムです。
インテリアバイヤーNOZAKIがおすすめする使い方は、本をびっしりに並べず、少し余白を作ること。「適度な空間が圧迫感を減らすだけでなく、そこに観葉植物や写真、雑貨を並べると本がインテリアのようになります」。
「またお気に入りの推し活コレクションを並べるのもおすすめです。ブックシェルフには、背板があるので後ろにモノが落ちるストレスがないのがその理由。さらに、背板が背景になってコレクションをすっきり際立たせて見せることができます」。
イギリスの書斎のような空間を目指すなら本を隙間なく詰め込んで、インテリアとして楽しむなら余白を作るとよいでしょう。
ちなみに、写真のような立て掛けスペースがある本棚を探しているなら「マガジンラック」と検索してください。ブックシェルフは扉のない棚板だけで構成された家具を指し、前面に本を見せる本棚はマガジンラックと覚えておけばよいでしょう。
間仕切り、ディスプレイに使える「オープンシェルフ」
背面の板がなくオープンになっているのが「オープンシェルフ」です。前からも後ろからもモノを出し入れできるのが、オープンラックの最大の利点です。
そのため部屋の間仕切りとして使えるのもうれしいところ。リビングとダイニングを区切ったり、子ども部屋で兄弟で区切るといった使い方をすることができます。ここでもブックシェルフと同じように、余白を作って好きな雑貨小物やグリーンを飾るとインテリア性が高くなります。
「最近では、オープンシェルフを引き出しに変えるインナーボックスも売られています。」とNOZAKI。こういったアイテムを組み合わせるとより使い勝手がアップするはず。
ただ棚板が固定されているので、高さを変えられないところが使い勝手が悪いと感じる可能性も。本や書類、ファイルを少しでも多く収納したいという機能面を重視するなら、ブックシェルフを選ぶ方がよいでしょう。
組み合わせが自由自在な収納棚「ユニットシェルフ」
ユニットシェルフは、パーツを組み合わせて自由に作れる棚のことを指します。置く場所や収納したいものに合わせて、カスタマイズできるのが特徴です。中でも1つ1つがバラバラになったものを特に「ブロックシェルフ」と呼ぶこともあります。
配置の仕方次第で、シェルフ自体もハイセンスなインテリアになります。引っ越しや模様替えで置き場所が変わっても、簡単に組み替えて使えるので、長く使いたい人にもおすすめです。
ただ積み重ねるだけでは、ズレたり倒れたりする危険が。金具で固定するなど、安心して使う工夫をしましょう。
部屋の角で使う三角型の「コーナーシェルフ」
シェルフの中でも角で使うものを「コーナーシェルフ」といいます。写真のように置いているタイプだけでなく、壁の角に取り付けて使うものもコーナーシェルフの一種です。
デッドスぺ―スになりがちなお部屋の隅に、ディスプレイスペースが作れる収納家具で、写真を飾ったりグリーンを置いたりして部屋を彩ることが可能です。
コーナーシェルフは家具に近いインテリア性を重視した棚、コーナーラックはより機能面を重視した棚のことをいいます。ただNOZAKIによると「ほとんど区別がないのが現状です。コーナーラックと検索されるお客様の方が多いので、コーナーラックと名前を付けている商品も多数あります」とのこと。
コーナーシェルフで見つからないときは、コーナーラックという名前で探してみるのもいいかもしれません。
壁をディスプレイ棚にできる「ウォールシェルフ」
「ウォールシェルフ」は壁に取り付ける棚板のことです。壁を利用して、モノをディスプレイするアイテムです。
板と支える部分だけでできていて、シンプルなデザインのものが多いので、ディスプレイしたモノが引き立つのがうれしい点。大きな家具を置くことができない場所にも、壁さえあれば設置できるのもメリットです。ただ、壁に取り付けるため地震の際に倒れる心配はありませんが、壁に穴が開くのがデメリット。賃貸物件では、設置が難しい場合もあります。
「収納スペースを増やしたくても場所がない玄関やトイレの壁面にぴったり」とバイヤーNOZAKI。
ちなみによく似ているのが「ウォールラック」。ウォールラックは、棚板・フック・バーなどが組み合わさった構造で機能的なもの、ウォールシェルフはシンプルでインテリア性の高いもの・ディスプレイ目的で使われるものをいいます。ECで探すときの参考にしてみてください。
失敗しないシェルフの選び方は?
シェルフを置いてみたけれど、なんだか使い勝手が悪い、イメージしていた使い方ができないといったことにならないよう、次のポイントをチェックしておきましょう。
どこに置くかをまず考える
シェルフは、同じシリーズ内にサイズや色展開が豊富であることもあります。そこでまずシェルフをどこに置くのか考えてサイズを決めます。
もし、トイレや玄関といった狭い空間に……というならウォールシェルフを検討するとよいでしょう。間仕切りの役割をもたせたいなら、オープンシェルフが最適です。
ただ、機能面を重視したいなら「ラック」としてアイテムを探す方が賢明です。シェルフはインテリアのことで、エクステリアである倉庫やガレージで使う棚も「ラック」として探すようにしてください。
何を収納したいか考える
置く場所と同じぐらい需要なのが、収納したいモノを考えることです。
例えば本を置くならブックシェルフが向いています。推し活グッズを飾りたいというなら、ユニットシェルフを選ぶのもひとつの手。推し活グッズがどんどん増えても買い足すことができるからです。
ただ本にしても推し活グッズにしても、ホコリから守りたいというならシェルフではなく「キャビネット」を選ぶ必要が。このように、自分が実際に使った時にストレスになる点がないかも確認しておきましょう。
シェルフにモノを飾る際に注意したいのが、収納したいモノの量です。あまりぎゅうぎゅうに詰めすぎると圧迫感がでてしまうので、モノの量より余裕をもったサイズのシェルフを選ぶようにして下さい。
部屋になじむデザインかを考える
木製のシェルフの場合は、木材の種類やカラーを床材や他の家具に合わせると統一感が出ます。例えばヴィンテージスタイルならウォールナットやチークを思わせる濃い茶色、北欧スタイルならオークやブナビーチを思わせるベージュ、フレンチなら白という風にです。
人気のスチール製シェルフも、ツヤ感があるかないかで印象が変わるので、どんな空間にしたいのかを考えながら選ぶことが大切です。
「見せる収納」にしたいなら、デザイン性の高いものを選ぶとシェルフ自体もインテリアとして楽しめます。ただ、引っ越したり模様替えをしたりすることが多いなら、飽きずに長く使えるデザインのシェルフを選ぶのが無難です。
地震の時に危なくないかを考える
シェルフは背が高いと、地震の時に倒れる危険が。特に重さのある本や割れやすい食器を置くなら、背の低いものを選ぶようにしましょう。
壁に取り付けるウォールシェルフや突っ張るタイプは、倒れる心配が少なくなります。ウォールシェルフは収納する量が限られたり、一見どこにでも設置できそうな突っ張りシェルフも、天井が水平でないなど、条件が悪いと設置できない場合が。必ず買う前に確認しておきましょう。
理想に合ったシェルフを選ぼう
理想の収納家具に出合うのは結構大変です。頭の中にイメージしていても見つからない! そんなときは、「シェルフ」「ラック」「キャビネット」「ボード」といった言葉の違いを考えて、探してみるとすぐ見つかるかもしれません。
シェルフはインテリア性が高い棚なので、ECショップで探す場合は「北欧」「ビンテージ」といったテイストワードと合わせて検索してみてもいいかもしれませんね。
この記事を参考に、自分の理想にピッタリのシェルフを見つけてくださいね。