雨の日や湿度の高い日、花粉・黄砂が気になる時、防犯のため……など、さまざまな理由で洗濯物を部屋干しすることがありますよね。
部屋干しは生乾きのニオイが気になったり、乾くのに時間がかかったり、干すスペースが少なかったりと、外干しに比べて色々な悩みがつきもの。
そんな時は、部屋干しでもしっかりと洗濯ものを乾かせる「室内物干し」を取り入れてみてはいかがでしょうか?
今回は、室内物干しの種類や選び方のポイント、シーンに合わせたおすすめのタイプを紹介していきます。
部屋干しをもっとスマートにしたい人は、ぜひ参考にしてくださいね。
室内物干しの種類と特徴
室内物干しと呼ばれるものには、多種多様な形状があります。
定番の床置きスタンドタイプや、天井や窓枠に取りつける突っ張りタイプのもの、最近ではワイヤーやマグネットタイプまで、非常にたくさんの種類があり、どう選べばいいのか迷ってしまうという声も……。
そんなときは、普段の洗濯物の量や干し方などに合ったものを選ぶのが、上手な部屋干しへの第一歩です。
まずは、どんなタイプの室内物干しがあるのか、主な種類と特徴について解説していきます。
【1】床に置いて使うスタンドタイプ
スタンドタイプは床置きする室内物干しで、折りたたみができるものや伸縮できるものが豊富。
使う時だけ広げて、普段はコンパクトに収納できるタイプなら、ワンルームのマンションなど狭い部屋でも使いやすいですね。
コンパクトタイプから大容量なものまで幅広い種類があります。
- X型
- パラソル型
- コンパクトタイプ
X型などの折りたたみできるタイプ
「X型」と呼ばれるタイプは、とてもオーソドックスな室内物干しです。
幅のサイズによって干せる量が異なり、伸縮できるタイプも豊富。大きなものなら布団を干したい時にも役立ちます。
ハンガーを組み合わせて使えば、服やタオル、靴下などいろいろな種類の洗濯物を干せるのも特徴。
使わない時は折りたたんでスリムになるので、家具などの隙間に収納しておけます。
また、上下に折りたたみできるクロスタイプの室内物干しもあります。
タオルや子どもの洋服をたくさん干したい時などに便利で、たたむと小さくなるので、押入れのような高さのない収納スペースにもしまいやすいですよ。
タオルや靴下など小物をたくさん干せるパラソル型
その名のとおり、傘のように放射状に広げて使う「パラソル型」は狭いスペースでたくさん干せるのがメリット。
下着やハンカチ、フェイスタオルなどを干したい時に便利です。
2段タイプや3段タイプなどがあり、高さを活かしているので、大容量タイプを選んでも必要なスペースがあまり変わらないのがメリット。
ピンチ付きで靴下やマスクなどの小さなものも楽に干せます。こちらも折りたためばコンパクトになりますよ。
ちょっとした洗濯に便利なコンパクトタイプも
洗濯物の量が少ない場合は、部屋の片隅に置いておいても邪魔になりにくいコンパクトタイプもあります。
背の低いものなら、狭い部屋でも圧迫感が出にくいのがメリット。
持ち運びやすいので、ベランダと室内で移動させたい場合にもおすすめです。
【2】物干し竿を掛けられるつっぱりタイプ
つっぱりタイプの室内物干しは、スタンドタイプよりも部屋の限られたスペースを有効活用できるため、たくさんの洗濯物を部屋干ししたい場合にも向いています。
- 上下タイプ
- 左右タイプ
- 窓枠タイプ
上下つっぱりタイプ


布団を干したい時にも便利。
左右つっぱりタイプ
壁や柱との間を左右につっぱる最もシンプルな形状の室内物干し。
使い方は突っ張り棒と同じで設置がとても簡単なので、使う時だけ取り付けるのもおすすめです。
廊下やドア枠、家具と家具の間など、ちょっとしたスペースを有効活用できます。
窓枠つっぱりタイプ
腰高窓の枠内につっぱり棒を設置するタイプです。
窓際なら太陽の光を当てることもでき、風も通りやすいので外干しに近い感覚で干せますね。
また、干していない時はカーテンの中に隠せてすっきりするので、来客があるお家でも安心です。
【3】天井取り付けタイプ
室内物干しで部屋を狭くしたくない人におすすめなのが、天井に取り付けるタイプ。
床にものを置かないので部屋を圧迫せず、小さなお子さんやペットが洗濯物に触れてしまう心配もありません。
また、高い位置に干せるのでエアコンの風を効率よく当てられるメリットも。
ただし、天井に穴を開けて設置するので、天井材の下地1天井材の下地(木材)部分のこと。石膏ボードなどの天井にネジや釘などで留めるために必要な土台。の確認も必要です。DIYされる場合は、下地センサー(検知器)などがあると便利です。
下地以外の部分に設置すると物干しが落下してくる恐れがあるため、取り付け前に注意事項をよく読んで設置しましょう。
- ポール吊り下げタイプ
- 昇降タイプ
天井からポールをぶら下げるタイプ
天井からポールを2本ぶら下げ、物干し竿をかけるとたくさんの洗濯物を干せるスペースに。
おしゃれなデザインのものならインテリアにもなじみやすく、部屋干ししない時はグリーンを飾ったりオープンクローゼットにしたりとアレンジができますよ。
普段は天井にしまっておける昇降タイプも
普段は天井にしまっておけるのがメリットの昇降タイプもあります。
収納時はシーリングライトのようにフラットになって目立たないので、来客がある場合も気になりません。
取り付ける際は、しっかり場所を選んでからがおすすめです。
【4】鴨居・ドア・引き出し・エアコンなどにちょい干しできるハンガー
少量の洗濯物をちょっとした場所に部屋干ししたい時に役立つアイテムもあります。
わざわざ物干しスタンドを出すほどでもないという時や、下着だけ室内に干したいという時に便利ですよ。
鴨居やドア枠を活用できるフック
鴨居やドアなどの枠に引っかけて使うフックがあると便利。
1つずつ使えばそれぞれにハンガーなどを吊るせ、2つ使ってポールを渡せば、簡易の室内物干し竿が完成します。
ドアや引き出しにちょい干しできるハンガー
ドアや家具の扉、引き出し、持ち手などに引っ掛けられるハンガーもあります。
水平に保てるように調節できるので、しっかりと安定するのがポイント。
ドアや家具にあまり負荷がかかるといけないので、軽量な服やタオル、下着などをちょっと干したい時に使うといいですね。
家中のいたるところがちょっとした物干しスペースに早変わりするので、いくつか持っておくと便利ですよ。
エアコンハンガー
エアコンの風を効率よく受けられるハンガーもおすすめです。エアコンと壁の間に引っかけるだけなので設置も簡単。
暖房やドライ機能で洗濯物を乾かしたい時に便利です。
使わない時はフラットにたたんでおけますよ。
室内物干しを選ぶ前に知っておきたい!部屋干しのコツ
部屋干しは生乾きのニオイが気になるもの。このニオイは洗濯物に残った菌が原因と言われており、洗濯物が湿った状態が続くことで菌が活発になってニオイを発生させています。
生乾き臭を軽減するためには、なるべく早く乾かすことが大切。
ここでは、部屋干しでも早く乾燥させるためのコツをお教えします。
風を当てて乾かす
風があるとないとでは洗濯物の乾きが大きく異なります。部屋干しするなら、できるだけ風を当てるように工夫しましょう。
窓を開けて風の通り道に干す
窓を2カ所以上あけて、室内に風を通すことができるなら、風の通り道になる場所に物干しを設置するのがベスト。
戸建ての場合は階段の吹き抜け部分に物干しがあると効率よく乾かせそうです。
扇風機やサーキュレーター、エアコンの風を当てる
扇風機やサーキュレーターの風を直接当てる方法も手軽でおすすめ。その場合は、電源のある場所や物干しと扇風機が一緒に置けるスペースが必要ですね。
エアコンを活用したい場合は、風が届く位置に物干しが置けるかチェックしましょう。
あたたかい風で乾かす
風を当てて乾燥させるのがおすすめとお伝えしましたが、より早く乾かすなら温風が効果的です。
温風が出る乾燥機があるなら、ぜひ活用しましょう。
浴室乾燥機で乾かす
浴室乾燥機がある場合は、浴室で乾かすのがもっとも早いでしょう。
電気代はかかりますが、部屋に洗濯物が溢れないので見た目もすっきりします。早く乾くので、生乾き臭軽減にも効果的。
布団乾燥機で乾かす
衣類乾燥の機能が備わった布団乾燥機があるなら、それを使う方法もあります。乾燥機からの温風を洗濯物に当てれば、扇風機より早く乾かせるはずです。
この時、パラソルハンガーに乾燥カバーが付属したものを併用するのもおすすめ。
乾燥機の温風を効率よく洗濯物全体に当てられるので、より早く乾きます。
洗濯物から出た湿気を溜めない
洗濯物を室内に干すと、湿度が上がってしまいます。
そうするとカビやダニの原因となったり、ソファや布団が湿気てしまったりとデメリットが…。
また、湿度が上がり過ぎると洗濯物がしっかり乾きません。
そのため、湿気をうまく逃がしながら部屋干しすることが大切です。
干し方を工夫する
外が晴れていて、窓を開けて風が通るならそれでOK。
しかし、屋外の湿度も高い場合は、換気扇をつける・エアコンのドライ機能を使う・除湿器を使うなどの対策をしましょう。
リビングで干す場合は、キッチンの換気扇を使うのも1つの方法です。浴室に干して、換気扇だけ使う方法もありますよ。
服同士の間隔をあけて干す
洗濯物を干す時は間隔をあけるのが鉄則。
スペースに余裕があれば、10~15cmは離しておきたいところです。
また、厚手の生地と乾きやすい生地を交互に干すなど、素材にも気を配ってみましょう。
並んだ服の長さがアーチ状になるように干す
ハンガーにかけた服を並べる場合は、丈の長さがアーチ状になるように干すのがおすすめ。
両端が一番長いものになるようにし、真ん中になるにつれて短くなる並べ方です。
こうすると、風通しがよくなり、効率よく水分が蒸発します。
浴室乾燥機の真下に乾きにくいものを干す
浴室乾燥機を使う場合、乾燥機が中央に設置されているなら、その下に一番乾きにくいものを。
パンツならピンチハンガーなどを使って、裾の中に空気が通るようにすると早く乾きます。
ポールに並べてかけた時に、真ん中が長く、端になるにつれて短くなるように干すのがおすすめです。
室内干しでも大丈夫?気になる生乾き臭の原因・対処法&おすすめアイテム
室内物干しの選び方と選ぶときの5つのポイント
室内物干しの種類と部屋干しのコツがわかったところで、次は室内物干しを選び方について詳しく解説します。
どう選べばいいか迷ったときに参考になるように、ここでは5つのポイントに分けてみていきたいと思います。
【1】部屋干しする頻度で選ぶ
部屋干しの頻度が少ないなら、コンパクトに収納できるタイプが最適。X型やパラソル型などが向いているでしょう。
X型は上の写真のように、折り畳むととてもスリムになるので、使わないときにクローゼットや洗面所の隙間などにも片付けやすいです。
一方で、ほとんど毎日部屋干しをするなら、天井に取り付けるタイプや上下つっぱりタイプ、出しっぱなしにしても見た目が気にならないタイプなどがおすすめ。
毎日物干しを出し入れするのは手間になるので、出したままかサッと取り出せるものが使いやすいです。
【2】どんな種類の洗濯物を干すのかで選ぶ
バスタオル、ハンガーにかけた服、フェイスタオルや靴下のような小物など、干すアイテムによってもどんな室内物干しがいいのか異なります。
バスタオルが多いならタオルバーがいっぱいあるタイプ、小物が多いならピンチがついたものといったように選んでいきましょう。
また、たまに布団を干すこともあるなら、耐荷重があり、伸縮して大きくできる物干しがあると便利です。
【3】どれくらいの量を干すのかで選ぶ
家族全員分の洗濯物を一気に干すのか、少量を干すのかでも必要な室内物干しの大きさが変わってきます。
その日によって洗濯量が異なるなら、伸縮式でサイズを調節できるものが便利です。
大量の洗濯物を干すことが多いなら、つっぱりタイプや天井吊り下げタイプで物干し竿を設置するか、大きなスタンドタイプが使いやすいでしょう。
少量の場合は、コンパクトなスタンドタイプやドアなどに引っ掛けられる「ちょい干しグッズ」がおすすめ。
【4】移動させるかどうかで選ぶ
晴れた時はベランダへ、雨が降ってきたら室内へといったように室内物干しを移動させるなら、持ち運びやすさも重要です。
移動させることを前提にするなら、持ち運びやすいスタンドタイプの物干しがおすすめ。
重たいものだと移動も大変。キャスター付きやアルミ製の軽量なものが使いやすいでしょう。
また、コンパクトタイプも片手でサッと持ち上げられて便利です。
【5】おしゃれな見た目で選ぶ
部屋干しをするときに生活感が漂うのが苦手と感じる人は、見た目がおしゃれな室内物干しを見つけるのもおすすめ。
例えば木製のものなら、どんなお部屋にもなじみやすいので、おすすめです。
出しっぱなしにしておいても、ちょっとしたクローゼット代わりにできますよ。
こんな時にはこのタイプを!シーン別おすすめアイテム
お家によって異なる部屋干しスタイル。ここでは、さまざまなシーンにあわせた、おすすめの室内物干しを紹介していきます。
部屋干し頻度が少なく、普段は収納しておきたいなら「X型」を
「基本はいつも外干しだけど、天気が悪い時だけ部屋干しする」くらいの頻度なら、収納性に優れた室内物干しがおすすめ。
特にX型ならハンガーなどを組み合わせて服からバスタオル、小物までいろいろ干せるので、洗濯物の種類を選ばずに使いやすいです。
開閉も簡単でサッと収納できるのもポイント。
参考
木目調 室内物干し X型 ブラックCAINZ
タオルの生乾き臭が気になる時は、広げて干せる形状のものを
さまざまな洗濯物の中でも、特に生乾き臭が気になってしまうのは、毎日使うタオルではないでしょうか?
できるだけタオルを早く乾かしたいなら、タオルバーが何本もあるような形状の室内物干しがおすすめ。
タオル同士が触れないように広げて干して、扇風機の風を送ればより早く乾かせます。
窓から差し込む日光を活用したい時は、つっぱりタイプを窓際に
花粉や黄砂で外には干せないけど、なるべく太陽の光で乾かしたいという時もあるはず。
そんな場合は、光の入る窓際につっぱりタイプの物干しを設置するのがおすすめです。
窓際なら部屋のスペースも圧迫せず、太陽の光で手早く乾かすことができます。
乾ききらなかったものを干したいなら、ちょい干しアイテムを
冬になると晴れの日に外干しをしていても、日中に乾ききらない場合がありますよね。
室内に取り込んでから最後までしっかりと乾かしたいという時は、ドアや鴨居、取っ手などにちょい干しアイテムを取り入れるのがおすすめ。
湿りがちなフード付きパーカーも、上の写真のように引っかければしっかり乾かせます。
コンパクトなので、普段はハンガーなどと一緒に収納しておけますよ。
浴室で物干し竿を使いたいならマグネットのアイテムを
そんな時は、マグネットでくっつくタイプの物干しホルダーがあると便利です。
磁石がつくユニットバスならどんな位置にも取り付けられるので、ベランダの物干し竿や突っ張り棒などをかけて、干せるスペースをプラスできます。

まとめ
いかがでしたか?
今回は室内物干しの種類や選び方、おすすめのアイテムを紹介しました。
種類が多い室内物干しは、どんな種類があるのかを知って、お家の部屋干しスタイルに合ったものを探していくことが大切です。
家のどこで干したいのか、どれだけの量の洗濯物を干したいのかなど、目的に合わせて使いやすいものを選びましょう。
手早く乾かすコツもあわせてチェックしながら、あなたに合った使いやすい室内物干しを見つけてくださいね。

