きちんと整理整頓したはずなのに、いつの間にかぐちゃぐちゃになってしまう、引き出しの中。
引き出し収納は「隠す収納」としても定番で、中に何を入れても見た目はすっきりできますし、出し入れも比較的カンタンで便利です。
でも、いざ必要なものを取り出そうとしたら・・・
「中がぐちゃぐちゃで使いづらい」
「どこに何がある分からない」
という失敗をしがちな、意外と難しい収納でもあります。
引き出しの中は、なるべくムダなすき間なくスッキリと収納をしたいもの。
上手に仕切って使いこなすことが出来たら、怖いものなしですよね!
今回は、整理収納アドバイザーやライフオーガナイザーなど、お片付けのプロによる「上手な引き出し収納の使い方」のアドバイスや、「仕切り方のコツ」などをご紹介します♪
目次
つっこむだけの引き出し収納を卒業しよう
きちんと自分なりに整理して入れているはずなのに、いつの間にか引き出しの中身がぐちゃぐちゃ……。
中身が乱れていても、忙しいときや気持ちに余裕がないと「今度また整理しよう」となって、「とりあえず今はつっこむだけ」というパターンにも陥りがちです。
せっかく、たくさんの収納スペースがあっても、あちこちこんな状態だと、ストレスも物もたまる一方ですよね。
引き出し収納は仕切り方が肝心!
大きな引き出しや深い引き出し、浅すぎる引き出し。引き出しにもいろんなタイプがあります。
家の中の場所によって、しまいたい物の種類や量も色々。
それぞれの場所・しまいたい物に合わせた収納の仕切り方を見直し、整理しやすい引き出し収納に変えてみましょう。
引き出しを整理して、収納スペースを上手に活用することができれば、嬉しいメリットがたくさんありますよ!
- 一目瞭然、出し入れ簡単でストレスがなくなる。
- いつもその場所に戻せるようになる。
- モノが増えすぎるということを防ぐ。
- 使い道がわからない空き箱や空き袋を活用できる。
- 見た目が美しく整う。
難易度が高い!?大きな引き出しの使い方をマスターしよう♪
引き出しのサイズが大きいほど、奥行きや幅、高さがある分、たくさんモノを収納できますが、うまく使いこなすにはコツがいります。
今回は、特に大きな引き出しや、深い引き出しに注目しました。
「衣類などのタンス・衣装ケースなど大きな引き出し」
「キッチンのシンク下の引き出し」
「リビングのキャビネットの引き出し」
などについて、それぞれのアドバイスや収納実例をご紹介していきたいと思います。
「大きな引き出し」仕切り方 -衣類の収納編-
引き出しタイプの衣装ケースや、タンスの引き出し、クローゼットの引き出しなど。
衣類を引き出しにしまっている方は結構多いと思います。
キレイにたたんで収納しても、出し入れしているうちに、いつの間にか乱れてしまうこと、ありませんか?
衣類をすっきりとしまうための畳み方や収納についての専門家のアドバイスをまとめてみました。
もう悩まない!【アイテム別】衣類収納の仕切り方のコツ
ここでは、専門家さんによる引き出しの仕切り方のアドバイスを中心にご紹介します。
整理収納アドバイザー・高尾さんのアドバイス
インナーやレギンスなどの収納には、少し幅が大きめの仕切りボックスが便利!ということで、ニトリの整理ボックスや無印良品の不織布ケースを使った収納実例を記事内でご紹介頂きました。
ニトリの整理ボックス

無印良品の不織布ケース

1枚1枚のインナーに独立した戻す場所があれば、そこに戻すだけ。
他のインナーに触れることがないので乱れることはありません。
高尾さん

整理収納アドバイザー・柳澤さんのアドバイス
大きな引き出しほど収納は難しいですが、奥行きや幅、高さを充分に活かさなくてはもったいない!
引き出しを仕切るお助けアイテムとして、箱やカゴをおすすめされています。100円ショップで買うもよし、また、おうちにため込んでいる空き箱も有効活用できます♪
贈答用の菓子箱や靴の空き箱

100円ショップなどのカゴ

柳澤さん

畳み方一つでも収納力はアップする!
インナーと違い、畳み方を工夫すると立てて収納できる衣類などは、必ずしも仕切らなくて大丈夫です。
畳み方一つ変えるだけでも、引き出し内の収納スペースを広く使うことはできますよ。
整理収納アドバイザー・まいさんのアドバイス
重なっていると、下のほうに入れた服の存在を忘れがち。下の服を取り出そうとすると、ぐちゃぐちゃになってしまうことも・・・。
でも、「クラッチバッグ風」の畳み方なら、上から見てどんな服があるか把握することができます。

まいさん

子ども目線で考える「引き出し収納」のポイントとは?
ここまでご紹介したのとは別に、お子さんの衣類や小物などを収納する場合のアドバイスも併せてご紹介します。
お子さん自身がしまったり使ったりしやすいように工夫してあげることで、引き出しの中のスッキリ感をキープできますよ。
ライフオーガナイザー・かのさんのアドバイス
引き出しの中が乱れてしまう理由は、「どんな服なのか出して見ないとわからない」から。
こどもが自分で洋服選びができるクローゼットにするためには、こどもが管理しやすい量にしておくことがなんと言っても大事です!
引き出しの横一列を安心量の目安にする

かのさん

整理収納プロフェッショナルコーチ・宮河さんのアドバイス
引き出しの中など、「散らかって見えるのは、「枠」が決まっていなくて収まって見えないから」という宮河さん。
「かご」という「枠」をつくり、あとはポイポイと「投げ込み収納」にすればOK!
日々の洗濯の家事ストレスからも軽減されますよ。
引き出しの中に「枠」をつくる



宮河さん

勉強机やタンスなどの引き出し収納 -日用品編-
文房具や救急セットなど家族みんなが使う日用品や、子供の勉強道具など、色々な種類のものを一段の引き出しに入れようと思うと、つい中身が雑多になりがち。
ここでは、子供部屋やリビングなどの小物の整理に役立つ引き出しの仕切りアイデアについてご紹介します。
家族みんなが使うリビングでの引き出し収納事例
薬など、いざというときに誰でもサッと出せるようにしておきたい物の収納場所の決め方として大事なのは、家族全員が使いやすい場所かどうか。
家の中で家族が集まる場所というと、一番多いのはリビングではないでしょうか。
来客時にはスッキリと見せたい場所でもあるので、引き出しの中に収納されるケースも多いかと思います。
整理収納アドバイザー・まいさんのアドバイス
薬の置き場所として、リビングのキャビネットの一番開けやすい引き出しを使われています。
「これはだれの?」とならないために、それぞれの使う塗り薬や飲み薬の管理を分かりやすく管理する工夫をいろいろと教えて頂きました。
ダイソーの積み重ねボックスを仕切り代わりに

「受診セット」をEVAケースで仕分け

まいさん

勉強がはかどる子供部屋での「小さな引き出し」の収納事例
お子さんの年齢や性格、勉強する環境によってベストな収納は変わってきます。
ここでは、いくつかの小学生のお子さんの事例をご紹介します。
整理収納アドバイザー・サチさんのアドバイス
引き出しの中身を使うのは子どもたち自身。
なので、どこに何を入れるかは、一か所ずつ親子で一緒に考えるのがおすすめです。
子どもが直感でわかるような収納に

仕舞うもののサイズ、量、使用頻度を複合的に考えながら分けていきます。
サチさん

ライフオーガナイザー・かのさんのアドバイス
勉強に集中できる環境をつくるためにも、子ども部屋の学習デスク周りには、おもちゃ類など「遊び」のものを混在させないように気をつけましょう。
学習デスクのすぐ横にある収納家具の引き出しなども、基本的には遊び以外のものを入れるとよいでしょう。
ざっくり仕切って戻す場所を分かりやすく

文房具はカテゴリごとに引き出しを分ける

一番使う頻度の高い鉛筆などは、一番下の段に入れることで、引き出しを開けっぱなしにしてもOKにしています!
かのさん

整理収納アドバイザー・高尾さんのアドバイス
お子さんが低学年の頃は、机の上に出しっぱなしのペン立てで十分だったそうです。
でも、高学年になるにつれて使う文房具が増えてきたということで、成長段階に応じて収納を見直しをされました。
引き出しの中の仕切りケース

無印良品の収納ケース

高尾さん

「深くて広い引き出し」の仕切り方 -キッチン編-
最近のシステムキッチンは、観音開きや片開きの扉タイプよりも、引き出しタイプがほとんど。
シンクの下やコンロ下の大きすぎる引き出しって、結構使いづらくありませんか?
ここでは、そんな「深くて広い」キッチンの引き出しを使いやすくする仕切り方のアドバイスを教えて頂きました。
深い引き出しには深さのある収納ケースが便利
キッチンなどの深い引き出しは、深さのある収納ケースで仕切れば、立てる収納にすることが可能になり、使い勝手がよくなります。
寝かせずに立てることで、上から見てどこに何があるか一目で分かるようになるため、ストレスが軽減されますよ。
整理収納アドバイザー・柳澤さんのアドバイス
大きさや形がばらばらのお鍋や鍋フタ、フライパン……。
積み上げてしまうと下の方が出しにくいので、すっきりと取り出しやすく収納したいですよね。
深くて広いキッチンの引き出しには、ファイルボックスが便利


柳澤さん
整理収納プロフェッショナルコーチ・宮河さんのアドバイス
深さがある引き出しを便利に使うには「立てる収納」にすることと、「上から見てどこに何があるか分かる」ようにするのがポイント。
引き出しタイプのキッチン収納には、深さのある収納ケースで仕切ることで、使いやすくできます。
ファイルボックスは「深さのある仕切り」

宮河さん

ライフオーガナイザー・かのさんのアドバイス
週に1回程度の頻度で使いたいものは、パッと手に取れてしまいやすい一軍エリアに置けたらベスト。
シンク下のキッチンの引き出しは、まさに一軍エリアですよね。
手に取りやすいように、引き出しを開けたときに引き出しの中は上手に仕切ってエリア分けをしておきたいところ……。
水回りでぬれた手で触るような器具はファイルボックスに

かのさん

モノの量や大きさが一定でない引き出しには可動式の仕切りがおすすめ
例えば冷蔵庫のように、食材の量が増えたり減ったりする所には、可動式の仕切りがおすすめ。
ブックエンドのように身近なアイテムを使って簡単に仕切ることができますよ。
整理収納アドバイザー・柳澤さんのアドバイス
ブックエンドを使った仕切りなら、モノの増減に合わせて引き出しの中身がバラつかないようにキープできます。

整理収納アドバイザー・高尾さんのアドバイス
キッチンに備え付けの食器棚などには、浅くて広い引き出しに仕切りケースが付属になっていることも多いのです。
が、必ずしも収納するカトラリーのサイズに合っているわけではありません。100均などに売られている収納ケースの方が使い勝手が良いケースもあります。
セリアの仕切りケース

高尾さん
簡単!ぴったりサイズの仕切りの作り方
これまでご紹介した仕切りは、形や大きさが決まっているので、今ある引き出しには合わない場合もあるかもしれませんね。
ここでは、整理収納アドバイザーの柳澤さんによる、ぴったりサイズの仕切りのつくり方をご紹介します。
柳澤さん

柳澤さん
手提げの部分を切り取って高さに合わせて折り曲げるだけです。
入れたいモノの大きさに合わせて自由自在にカスタマイズすることが可能です。

引き出し収納で気をつけたいこと
きちんと整理された引き出しはとてもスッキリと見えますが、何でも細かく仕切って分類することが全て正解とは言えません。
人によっては、「細かく分類すること」や「きっちり元に戻すこと」が得意でない場合もあります。
そんな場合は、引き出しの中を細かく分け過ぎてしまうことで、どの枠にしまってよいのかわからなくなるという失敗例もあります。
特に、お子さんなど自分以外の家族の収納を考える時は、本人に合った収納かどうか考えてあげることも大切です。
「整理したけど、なかなか片付けがうまくいかない」という方は、一度仕分け方を見直してみてもよいかもしれないですね。

引き出し一段一段のテーマを大切に
今回ご紹介したきたように、引き出しを無駄なく活用させるためには、いろんな仕切り方があります。
大きい引き出しは何かとたくさん入りそうだからと、とりあえず収納してしまいがち。
この機会に引き出し一段一段にテーマを持たせることを試してみませんか? きっと、出したいモノにすぐにたどりつける収納へと生まれ変わるはず!
あれこれと工夫を楽しみつつ、「我が家にぴったりの引き出し収納」を見つけてくださいね♪

