気持ちよく晴れた日は、できるだけ赤ちゃんとお散歩をしたいものですよね。
道端の草花や虫などから四季を感じるなど、ずっと家にいるだけとは異なるコミュニケーションが取れることでもおすすめです。
一方で、赤ちゃんは大人より熱中症や脱水症状を起こしやすく、しっかりとした対策をしておく必要があります。
赤ちゃん向けの熱中症対策グッズにはさまざまな種類がありますが、手軽に使えるベビーカー用の扇風機などを検討している方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、お出かけでも家の中でも手軽に使える小型の赤ちゃん向け扇風機についてご紹介します。
正しく使う方法や注意点などを詳しく記載していますので、参考にしてくださいね。
目次
扇風機を赤ちゃんの熱中症対策に使うときの注意点
熱中症対策として扇風機を使う場合、赤ちゃんや小さな子どもが触れることによる事故の可能性を頭に入れておきましょう。
何にでも興味を持つ赤ちゃんや小さな子どもは、「危ない」ということよりも先に、とにかく手が出ます。
大人がいくら「危ないよ」と口で説明しても、なかなか理解できる子どもは少ないのが現状です。
赤ちゃんや子どもの小さな指が、高速回転している扇風機の羽根にあたってしまったら……。
大人なら「痛い!」で済みますが、柔らかく小さい赤ちゃんの指では大怪我に発展してしまうこともあります。
可愛い我が子がそんな目に遭うのは想像したくありませんよね。
ただし、注意して使えば、扇風機は赤ちゃんの熱中症対策や快適に過ごすためのツールとしてとても便利です。
暑い夏を乗り切るためにも、事前に気を付けるべきことを頭に入れておきましょう。
主な注意点は、以下の3つです。
【1】羽根の部分にカバーを付けるor柔らかい羽根の商品を選ぶ
先ほどもお話ししたように、扇風機を使う上で特に気を付けなければならないのが「高速回転している羽根」。
この羽根に触れないようにするには、扇風機にカバーを付けるのが一般的です。
ネット状になっているので、涼しい風はそのまま通して指が中に入らないようにガードすることができますよ。
自宅用の扇風機カバーであれば、電気屋さん、ホームセンター、100均などで購入できますので是非のぞいてみてくださいね。
子どもが好きだからと可愛いデザインやキャラクターものを選んでしまうと逆に興味を引いてしまうことに……。
子どもが近づきたくなるようでは意味がありませんよね。
羽根が柔らかい扇風機や羽根のない扇風機も
どうしても心配だという方は、スポンジなどを採用した「柔らかい羽根」の扇風機を選ぶことがおすすめです。
使用中は羽根には触らないことが一番ですが、万が一あたってしまっても怪我のリスクを減らせますよ。
「羽根のない」扇風機も販売されていますので、気になる方はそちらもチェックしてみてください。
【2】風の強さを調節する
気温が高い日は、早くクールダウンしたくて扇風機の風を「強」にしてしまいがち。
しかし、扇風機から送られてくる風って実はかなり強いものなんです。
肺や気管がまだ小さく、力も弱い赤ちゃんにこの風は強すぎます。
特に首が据わっていない新生児の場合は、首を自由に動かせないため、呼吸困難になる可能性もあるんです。
赤ちゃんに苦しい思いをさせないためにも、風の強さや扇風機の置く距離を調節して「緩やかな風」を浴びせてあげるようにしましょう。
【3】長時間風を当て続けない
赤ちゃんは体温調節がまだうまくできません。
そのため、長時間風を当て続けると体温が下がりすぎてしまう危険があります。
夜、扇風機をつけたまま寝て、夜中に寒くて起きた経験はありませんか?
大人でも寝ているときは体温が下がるものです。寝ている時間が多い赤ちゃんなら尚更でしょう。
また、身体の表面に風が当たることで水分が奪われます。
短時間なら心配ありませんが、長い時間風に当たり続けると、大人でも脱水症状になりえます。
扇風機は熱中症対策として夏の必需品ですが、赤ちゃんや小さな子どもにとっては、使い方を誤ると危険なアイテムにもなりかねません。
上手に使って快適に過ごしてくださいね。
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ベビーカーに取り付けできる「ベビーカー用扇風機」って?
赤ちゃんの熱中症対策に扇風機を使うときの注意点をしっかりと頭に入れたら、実際にどんな扇風機があるのか、特徴や選び方を見ていきましょう。
代表的なものが、ベビーカーやチャイルドシートに取り付けできて、お出かけに便利な小型扇風機。
「ベビーカー用扇風機」とも呼ばれます。
そのデザインや素材などにはさまざまな種類があります。
赤ちゃんとのお出かけでも安心して使えるアイテムを選ぶには、それぞれのメリット・デメリットを事前に押さえておくのがおすすめですよ。
それぞれ押さえておくべきポイントとそれぞれの特徴を載せておきますので参考にしてくださいね。
ベビーカー用扇風機選びのポイント【1】充電式or電池式
ベビーカー用扇風機には「充電式」と「電池式」が存在します。
■充電式の扇風機
充電式のメリットは、お出かけ前にあらかじめ充電しておけば長時間使用できるほか、電池交換のコストと手間がかからないということ。
デメリットは、商品の値段がやや高額なこと、充電し忘れると使えないことです。
また、バッテリーが内蔵されているので、電池式よりも本体が重くなりがちといった特徴もあります。
■電池式の扇風機
電池式のメリットは、電池を入れればすぐに動くこと、電池切れの際も交換すれば使用できるといった手軽さです。
一方デメリットは、電池交換の手間や電池購入のコストがかかること。充電式よりも比較的軽いので、持ち運びには適しています。
「長期間使いたい、電池交換の手間が面倒」という方には充電式がおすすめ。
しかし、「充電を忘れてしまいそう、短期間で使いたい、お試しで使ってみたい」という方には電池式がおすすめです。
ベビーカー用扇風機選びのポイント【2】あえて地味なデザイン
先述しましたが、赤ちゃんや小さな子どもは興味がわくものに手を伸ばします。
触らないようにするためには、あえて目立たない色や形を選ぶことが大切です。
目を引く色や可愛いデザインのものを選びたい気持ちは分かりますが、ここはグッとこらえて、赤ちゃん身の安全を優先しましょう。
色であればモノトーンや茶色、形であれば四角や丸、柄やイラストなどのないシンプルなデザインを選ぶと良いですよ。
ベビーカー用扇風機選びのポイント【3】安全性に配慮したもの
デザインや取り付け場所に気を付けていても、赤ちゃんが触ってしまうかもしれない可能性は捨てきれません。
万が一手が触れてしまっても怪我をしないように、羽根なしや羽根に柔らかい素材を使ったものなどを選びましょう。
中には赤ちゃんの小さな指が入らないように、目の細かい骨組みを採用した扇風機もあります。
これらのように安全性に配慮してあるものを選べば安心ですよね。
ベビーカー用扇風機の正しい使い方と使うときの注意点
次に、ベビーカー用扇風機の使い方を見ていきましょう。
快適度をアップさせるためのポイントは「効果的な場所」に取り付けること。
ベビーカーでもチャイルドシートでも「効果的な場所」に取り付けることで風のあたる位置や温度などが変わってきます。
正しい使い方をマスターして、赤ちゃんが笑顔で過ごせる快適なお出かけを楽しんでくださいね。
きちんと風があたる場所に取り付けることが大切
当たり前のことですが、夏の蒸し暑さを和らげ、快適度をあげるのは扇風機から送られる涼しい風。この風が当たらなければ意味がありません。
とはいえ、赤ちゃんや小さな子どもは汗腺(かんせん)機能が未発達です。
長時間、直接風が当たると、冷えすぎたり脱水を起こしたりといった危険もあります。
水で濡らした帽子に風を当てる、短時間で切りあげるなど工夫してくださいね。
気温が35度を超えると要注意
また、世界保健機関(WHO)は、酷暑時の健康を守るガイドラインとして「気温35度以上の場合、扇風機では熱関連の病気を防ぐことができない」としています。
より地面に近いベビーカーに乗った赤ちゃんや子どもの位置で気温が35度を超えるときは、扇風機に頼らず涼しい室内に待機するなどの注意してください。
※世界保健機関(WHO)「情報と公衆衛生のアドバイス:熱と健康」検索日2021/4/22
これらを踏まえた上で、ベビー用扇風機の使い方のポイントを詳しく見ていきましょう。
- 赤ちゃんに近づけすぎない
- 前から顔に当てない
- ベビーカーの上部から風が当たるようにする
使い方のポイント【1】赤ちゃんに近づけすぎない
扇風機の位置が近いと強い風が当たり、身体が必要以上に冷えすぎたり、赤ちゃんが興味を持ってしまう原因に。
触って落下し、壊れてしまったということにならないためにも、赤ちゃんの手が届きにくい場所に設置しましょう。
使い方のポイント【2】前から顔に当てない
扇風機の風を前から当てると、肺の機能が未発達の赤ちゃんは息苦しくなってしまうことがあります。
快適に過ごさせてあげるためにも、顔の前に設置するのは避けましょう。
どうしても前方から風を送りたい場合は、十分な距離を取り、手をかざして緩やかに風が当たっているか確認してくださいね。
使い方のポイント【3】ベビーカーの上部から風が当たるようにする
ベビーカーの下から風を送ると、アスファルトなどで熱くなった空気を送ってしまうことになります。
涼しくしてあげたいのに、これでは逆効果。
なるべく高い位置に設置して、地表付近から立ちのぼる熱気を退けるのがポイントですよ。
その他、ベビーカーの幌(ほ)(日よけの部分)に開閉式の窓がついている場合はそちらから風を送っても良いでしょう。
熱がこもりがちな内部の空気を換気することができます。
その際は、扇風機が万が一赤ちゃんに落下したりしないよう、幌(ほ)の枠(しっかりとした固い部分)に扇風機を取り付けて動かないように固定してくださいね。
ベビーカー用扇風機の取り付け方&コツ
取り付け方はそれぞれの商品で異なりますが、クリップなどで挟んで取り付けるタイプが主流です。
クリップが大きいものだと広範囲を挟むことになるので安定しやすく、小さいものだと狭い場所でも取り付けられるといった特徴があります。
一般的にクリップよりも羽根が付いた上部が重いので、歩いているうちに振動で斜めにズレてくることもあります。
ズレてしまうことで、せっかくの風が当たらなくなることも…。
クリップの内側に溝が施されていたり、ラバー素材などの滑り止めが付いているものだと安心して使えますよ。
車内でベビーカー用扇風機を使うなら
ベビーカー用扇風機はチャイルドシートに取り付けることもできます。
車内で使うなら、座席のヘッド部分やドア上部のグリップに取り付けると、エアコンで冷えた空気を赤ちゃんに送ることができますよ。
クリップタイプ以外の小型の扇風機も
手持ちで使いたいという方は、取り付け用の部品と本体が分かれている扇風機もありますので、そちらをチェックしましょう。
そのほか、抱っこ紐派でも使える小型の扇風機も販売されています。
エルゴなど、ポケット付きの抱っこ紐をお使いなら、ポケットに扇風機を設置することで、赤ちゃんだけでなくお母さんにも風があたります。
夏の抱っこは親子ともに暑いので、これだと快適ですよね。
扇風機の風で温度が下がっていることをお母さんも体感できるので、冷えすぎ防止にも役立ちます。
ベビーカー用扇風機のおすすめアイテム
扇風機の使い方をマスターしたら、実際にどんなアイテムがあるのか見ていきましょう。
おすすめアイテムを5つ紹介しますので、参考にしてくださいね。
手軽に使えるシンプル機能と柔らかい羽根の安心設計
ベビーカーに取り付けできる、お出かけに便利なサイズの扇風機です。
大きなクリップで5cmまでの厚みなら固定でき、ベビーベッドなどにも使える手軽さがポイント。アーム部分は360度曲がるので、さまざまな角度へ送風できます。
ON/OFFはクリップ部分のスイッチを押すだけ。
柔らかいスポンジ状のEVA素材を使った羽根と、穏やかな送風で赤ちゃんの安心にも配慮されていますよ。
コードがない電池式なので、移動も楽に行えます。
自由自在に動くアーム・4WAYで使えるマルチアイテム
巻く、吊るす、置く、持つの4WAYで使える小型扇風機です。
3本のアームが自由に曲がるので、ベビーカーだけではなく、さまざまな場所に設置することができます。
お出かけ時はベビーカーに、家ではデスク周りやキッチンで、など使い方の幅が最大のメリット。
USBケーブルをつなげば充電が可能なので、モバイルバッテリーやPCと合わせて使えますよ。
風の強さを3段階に調節でき、弱モードなら赤ちゃんも快適に過ごせそうです。
フル充電で48時間使用可能!うれしい首振り機能付き
卓上とクリップ式が一体となった2WAYで使える扇風機です。
左右に約90度の首振り機能付きで、風が当たり続ける心配がないのもポイント。
風量を無段階調節でき、欲しい強さの風で運転できます。
音が静かなので、お昼寝中も自然な風を感じながら気持ちよく過ごせそうですよね。
USB充電でフル充電すれば48時間使えます。
モバイルバッテリーやPCにつなげて使えるのもうれしいポイントです。
無駄を省いたシンプルでリーズナブルな扇風機
大きめクリップで簡単に取り付けできるシンプルな扇風機です。
本体にカバーはありませんが、スポンジのようなEVA素材を使った柔らかい羽根で安全に配慮されています。
ON/OFFはスイッチひとつで切り替えが可能。
価格がややリーズナブルなので、これから試してみたいというパパ・ママにもぴったりですよ。
安全性に配慮した2WAYポータブルタイプ
ベビーカーにも、抱っこ紐にもしっかり固定できる羽根なし扇風機です。
赤ちゃんの安全に配慮されている、羽根なしの安心設計。本体が360度回転するので、風向きを変えられます。
風量は「通常モード」「そよ風モード」の2段階に調節でき、「そよ風モード」なら、赤ちゃんに穏やかな風を送ることができます。
ベルトから本体を外せるので、ピクニックやキャンプ、室内など幅広いシーンで活用できそうですよね。
扇風機以外も!ベビーカーに乗った赤ちゃんの熱中症対策
ベビーカーの中は、想像以上に熱気がこもります。
ベビーカー用扇風機を取り付ける以外にも、可能な限りの熱中症対策をして、楽しいお出かけにしたいですよね。
ベビーカーに乗った赤ちゃん向けの熱中症対策には、以下のような方法もあります。
服はなるべく薄着にし、風通しの良い素材を選びましょう。
濡らしたタオルを頭の下に敷くのも効果的です。
他にも、保冷剤をタオルに包んでベビーカーの背中部分やお尻の下に入れたりと、工夫することで熱中症のリスクを下げることができますよ。
また、ベビーカーや抱っこ紐に設置できる保冷シートもあります。
扇風機と合わせて使うとさらに冷感効果があがりますのでぜひ試してみてくださいね。
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おわりに
ベビーカーやチャイルドシートに設置できる扇風機についてご紹介してきましたが、いかがでしたか?
日々の気分転換やピクニックなど、赤ちゃんにとってもお出かけは楽しみのひとつです。
暑い日は扇風機や冷感グッズでしっかりと対策をして、快適に過ごせるよう配慮してあげたいですよね。
手軽なベビーカー用扇風機を探していて、どの商品を選べば良いのか迷ってしまう場合は、是非こちらの記事を参考にしてみてください。
いつもとは違う匂いや外の風を肌で感じて、楽しみながら成長できるよう、パパやママができることをしてあげてくださいね。

