自家製ベーコンをつくるために、これまでピックル液をつくり、乾燥させるために干し、いよいよ燻製というところまできました。
これまでの作業工程については、「おうちで自家製ベーコンをつくろう」のそれぞれの記事をご覧くださいね。
さて、今回はいよいよ自家製ベーコンづくりのクライマックス、燻煙にかけますよ!
燻製に必要な道具
燻製と言っても、何も難しいことはありません。必要なものはたったこれだけです。
スモーカー
今回は価格がお手頃で入手しやすい「スモーカーログハウスミニ(キャプテンスタッグ)」を使います。小型のスモーカーなので容量に限界がありますが、一度にたくさん燻製したいという方はサイズ大きめの燻製器 燻製キット スモーカーブロックセット(キャプテン スタッグ株式会社)もありますので、そちらを使ってくださいね。もちろんもっと本格的に凝りたいという方には、つくりのしっかりしたスモーカーもオススメですよ。
スモークチップ
燻煙を出すための木材です。熱源が必要です。フライパンなどで簡易的に燻製をつくる際や、煙量をコントロールしたいときなどに使います。サクラやリンゴなどさまざまな種類があります。今回は使用しません。
スモークウッド(スモークブロック)
燻煙を出すための木材です。一度火をつけてしまえば熱源不要で燃え続けます。こちらもさまざまな種類があります。今回はオーソドックスにサクラのブロックを使います。
スモーカーを組み立てよう!
スモーカーを使用するにあたり、組み立てる必要があります。説明書が付属していますが、読まなくても組み立てられるほど簡単!
【手順1】スモーカー本体に空いている小さな穴に、付属のバー(2本)を取り付ける(画像の①)。
【手順2】アルミ皿に乗せたスモークウッドをバーの下に置き、バーの上には網を乗せる(画像の②)。
【手順3】網の上に肉を乗せる(画像の③)。
【手順4】風などで本体が動かないよう重し(今回はレンガを二個使用)をして完成!(画像の④)
スモークウッドに火をつけよう
いよいよスモークウッドに火をつけますが、今回はできるだけ簡単にベーコンを作るということで、スモークチップではなくスモークウッドを採用しました。
スモークチップとスモークウッドの違いって?
スモークチップは、熱源がないと火が消えてしまいます。ですから、フライパンなどを使って簡易的な燻製を作るのに向いています。また、量を調節しやすいので温度管理にこだわって燻製するときや、熱燻で一気に温度をあげたいときなどに使います。
一方スモークウッドは、熱源を必要としません。一度火をつけたら、蚊取り線香の要領で燃焼し切るまで燃えてくれます。安定感があり使いやすいですが、温度を上げにくいという弱点があります。
今回はスモークウッドを三つ使って、計5時間近く燻煙します。
スモークウッドの着火はしっかりと
スモークウッドに着火する際は、バーナーやコンロなどを使って片側一面の全面に、しっかりと火をつけます。
スモークウッドに火をつけても、しばらくすると消えてしまっていて「あれれ?」なんて経験をしたことがある方、たくさんいるのではないでしょうか。私もその一人。ちゃんと火をつけたつもりでも、実は意外と着火がうまくいっていないことがあるんですよね。
ですから、最初は片側1cmくらいを燃焼させるくらいの気持ちで、一気に着火してください。
最初にしっかり着火できていれば、後は安心です。不安なようでしたら、火のついた小さな木炭を1、2個程度添えてもいいですね。
燻製中にボヤが発生!?
燻製中にボヤを起こしてしまったという話、実はそれほど珍しくありません。今回のようなダンボール製スモーカーだと、スモーカーごと燃えてしまいますね。もちろん食材も焦げてダメにしてしまいます。
こうなる原因は、肉の脂にあります。
干した後の肉とはいえ、温燻や熱燻のように熱をしっかり通すやり方ですと、脂が溶けてしたたり落ちることがあるんです。スモークウッドに脂が落ちて発火し引火してしまう──。これがボヤの原因となるわけです。
こういう事故を防ぐために、肉の配置にも気をつけましょう。
写真のように、肉とスモークブロックをずらして配置すれば、脂が落ちてもブロックには引火しません。安全には十分配慮しましょうね。
自家製ベーコンついに完成!
スモークブロック、計3つを使って燻すこと5時間。気長な作業ではありますが、手はかかりません。やることはせいぜいスモークウッドの交換と、肉が汗をかく(表面に水分が浮いてくる)のでたまに拭いてあげる。たまに肉の向きを変えるくらいでしょうか。
そうして出来上がったのが、こちら!
上はハーブ多め、下はスパイス多めのピックル液で仕込んだものです。
とはいえ、これはまだ食べられません。燻製してからすぐは肉が煙くさくイガイガしているので、三日間ほど冷蔵庫で熟成させます。肉はまだ汗をかきますからできればラップをせず、キッチンタオルなどを巻いて熟成させたいですが、そうすると冷蔵庫の中に燻製の匂いが蔓延し大変なことに。匂いが気になるようでしたらアルミホイルに巻いて熟成させましょう。
最後に
自家製ベーコンのつくり方。いかがでしたか? 時間のかかる作業ではありますが、難しいことは決してありません。
自家製ベーコンのおいしさを知ったら、もう市販のものには戻れませんよ! 料理も格段においしく楽しくなります! ぜひチャレンジしてみてくださいね。



