朝に作ったお弁当が、ランチタイムにも作りたてのようなホカホカな温かさをキープできたら嬉しいですよね。
でも、時間が経過しても冷めないお弁当箱って、本当にあるんでしょうか?!
お弁当箱の中には、「保温弁当箱」や魔法瓶のような構造のスープジャーなど、保温効果を謳っているものもあります。
見た目が構造が全然違うと、保温効果が同じかどうかって気になりますよね。
そもそも、保温弁当箱の効果って、ホントのところどうなの??
というわけで、今回は「保温弁当箱とスープジャーの保温力比較」実験企画、スタート!
目次
保温弁当箱の実力を比較実験でチェック!
さっそく、保温弁当箱とスープジャーの保温力を比べる実験を開始します♪
「保温弁当箱やスープジャーって何?」という方は是非、前回の記事「【保温弁当箱比較】スープジャー・ランチジャー・保温弁当箱の違いと選び方」を見てみてくださいね。
今回の実験の方法と手順
まずは、実験の準備から。
Let’s Try !
1. 100度の熱湯を注ぎます
今回用意したお弁当箱のサイズに合わせて、お湯は250ml。
2. 予熱後、お湯を捨てます
予熱を推奨している商品に合わせて、すべてのお弁当箱を予熱しました。
熱湯を注いでから1分後、お弁当箱の中のお湯を捨てていたのですが、事件発生!
「ozawaさん、容器が熱いです!」
なあにい~~?
中に熱湯を入れたせいで、魔法瓶タイプ以外のお弁当箱や計量カップが、外側までアツアツに!
というわけで、モデルさんは手袋を着用。
安全第一です!
ちなみに、魔法瓶タイプは、中に熱湯を入れても外側はまったく熱くなりませんでした。
こういうところにも違いがあるんですね!
3. 温度を測ります
実験スタート!
すべての弁当箱に熱湯を入れて、準備が整いました。
実験に使った熱湯は100度。
電気ポットで沸騰させたばかりのお湯を使いました。
弁当箱の保温力が低ければ、この100度のお湯がどんどんぬるくなっていくはず。
弁当箱の保温力が高ければ、温度が下がりにくいはず!
どの弁当箱のお湯に、どれだけ変化があるのか!?
今回も時間を追って計測していきます。
それでは、実験スタート!
保温弁当箱の保温力の実力はいかに?
実験をはじめてから1時間後。
さっそく温度を測っていきます。
今回のエントリーナンバー1は、ランチジャー。
「お父さんの大きな弁当箱」とはもう言わせない!
昔ながらの保温力も、デザインも進化しています。
測ってみると、水温は75.4度。
どんどんいきます!
次は、ランチジャー以外の保温弁当箱代表のTHERMOS(サーモス)のお弁当箱。
魔法瓶型のごはん入れは、なんと分離OK。
内側の容器だけなら電子レンジで温めOKなので、外側の魔法瓶ケースに入れる前にアツアツに温めておけば、炊飯ジャーからごはんを直接入れるよりも保温効果はアップ!
便利さ抜群の保温弁当箱です♪
温度は57.5度でした。
保温機能のないお弁当箱やスープジャーの結果は?
3番手は、こちら。
保温機能のないお弁当箱です。
いわゆる普通のお弁当箱ですが、このタイプの良さは価格と軽さ!
保温弁当箱に比べると格段に安く、軽いです。
デザインが豊富なのも魅力ですね。
このお弁当箱ですが、強力な助っ人付きです。
それが、こちら!
お弁当箱の友、ランチバッグです。
お弁当を持ち運ぶのに便利なランチバッグですが、中には、保温機能が付いているものがあります。
このランチバッグの場合、内側の布がアルミ加工されています。
このアルミ加工が、外の寒さをブロックして、なおかつ、お弁当の温かさをバッグの内側にキープ!
お弁当箱をランチバッグに入れて、1時間後。
温度を測ってみると、水温は55度でした。
ちなみに、翌日、ランチバッグを使わないで同じ実験をしました。
保温機能のないお弁当箱に250mlの熱湯を入れたところ、1時間後の水温は45.2度でした。
ということは、つまり?
ランチバッグがあると、10度近くも高い温度をキープしていた、ということ!
ランチバッグ、なかなかやりおるな。
最後は、スープジャー。
汁物もお任せ!の頼もしい保温弁当箱です。
スープジャーも、専用ポーチを用意♪
持ち歩くのに便利なだけでなく、こちらも保温機能付きです。
ポーチに入れて1時間後。
さて、温度は……?
79.2度!
これまでで一番高い温度をキープしていました。
もう1個のスープジャーは保温バッグなしで実験します。
保温バッグなしの場合、温度は76度でした。
こんな感じに、1時間後から24時間後まで、5回に渡って計測しました。
お弁当箱の保温力実験!気になる結果は・・・?
まずは結果発表から。
熱湯を入れて、1時間後から24時間後まで5回に渡って計測したところ、こうなりました。
↓ ↓
ここで、注意!
普通、1時間~数時間おきに保温弁当箱のフタを開けることはないですから、実際の保温力はもっと高いと思われます。
また、予熱に使ったお湯もすべて一律で250ml。
お弁当容器によっては、もっと多くのお湯を使うことを推奨しているものもあります。
商品への愛は高い山のようにありますが、実験においてはド素人のozawaがおこなっていますので、メーカーの示す保温効力とは異なります。
ご了承ください!
その上で、グラフを見てみます。
すると、「とくに温度をキープできていたグループ」、残念ながら「冷めやすかったグループ」、そして「中間」の3つに分かれました。
保温弁当箱の保温力をタイプ別にチェック!
それでは、さらに詳しく結果を見ていきましょう。
保温力ばっちり!魔法瓶型グループ
「とくに温度をキープできていたグループ」に入ったのは、3タイプ。
●スープジャー(+保温バッグ)
●スープジャー
●ランチジャー
この3つに共通するのは、魔法瓶型だということ!
そして、もう一つ。
密閉性の高さ!
汁物を入れるスープジャーは、密閉性を高めるため、しっかり閉まる工夫がフタにされています。
ランチジャーのほうも、フタはきっちり閉められる設計。
外の温度と内側の温度をきっちり分ける密閉性と、魔法瓶の保温性が、保温力の高さの秘密のようです。
保温力をとるか、運びやすさをとるか
同じ保温弁当箱ながら「とくに温度をキープできていたグループ」に入れなかったのが、こちら。
ランチジャーではないタイプの保温弁当箱です。
ごはん入れは魔法瓶型ですが、フタはカチッとロックするタイプではなく、容器をスライドさせて留めるタイプ。
密閉性は、スープジャーやランチジャーに劣るかも……。
ステンレスの保温力vs.軽さ&コンパクト
保温力ではランチジャーに及びませんでしたが、ランチジャーに勝る部分もあります。
それは、軽さと、コンパクトさ!
魔法瓶はステンレス製なので、大きければ大きいほど重くなってしまいます。
「持ち運びの便利さ」を重視するなら、ランチジャーではない保温弁当箱を選ぶほうがいいかもしれませんね。
ランチバッグの力に頼りすぎは×
最後は、残念ながら「冷めやすかったグループ」。
こちらに入ったのは、保温機能のないお弁当箱。
ランチバッグに入れても、温度キープは難しいようです。
保温弁当箱タイプ別保温力ランキング!
先ほどは、弁当箱の中に100度の熱湯を入れて、24時間後までの温度変化をグラフで紹介しました。
今回は、熱湯を入れてから3時間後のデータをもとにランキングを作成!
こちらです!
↓ ↓
実験に使った6つのアイテム、組み合わせのほかに、実は、もう一つスープジャーを使いました。
このスープジャーは、熱湯を入れた後にふたをせずに置いておきました。
熱湯を注いだだけでなにもしなかった場合、3時間後の水温は33.1度。
3時間後の段階で最も高い温度をキープしていたのは専用ポーチに入れたスープジャーでしたが、こちらの温度は70.4度。
スープジャーのふたをせずに放置したお湯の水温と比べると、その差は37.3度。
ふたをしない場合に比べて、かなり高い温度をキープしていることがわかります。
残念ながら最下位だった保温機能のないお弁当箱では36.6度。
ふたをせずに放置した場合は33.1度なので、その温度差はわずか3.5度!
ほとんど変わらない、ということがわかります。
3時間後の温度差は上のランキングでもわかるようにしました。
各アイテムの右側にある「+37.3℃」などの数字がその温度差ですので、ご参考までに!
保温力1位はスープジャー!
実験の結果、堂々の1位「キング・オブ・保温力」はスープジャー+保温ポーチの組み合わせでした。
保温ポーチを使わず、スープジャーのみで使っても3位です。
しかも、2位と僅差!
スープジャー並の保温力、ランチジャー
スープジャーと同じく魔法瓶型で、密閉性の高いアイテムです。
保温力の鍵は「魔法瓶型」と「密閉性の高さ」のようですね。
同じ保温弁当箱ですが、ランチジャーではない保温弁当箱は残念ながら4位。
魔法瓶型 vs. ランチバッグの結果は…
5位、6位はいずれも保温機能のない弁当箱。
保温機能付きのランチバッグに入れても、保温弁当箱に大差で敗れるとは、予想外!
実は、前に、水筒の保冷力を試す実験をおこなったのですが、「保温機能のあるペットボトルカバー+凍らせたペットボトル」
の組み合わせが、ステンレス製水筒に次ぐ2位にランクインしたのです。
しかも、3位以下を引き離して、絶大な保冷効果を発揮!
(詳しくは水筒保冷力比較へ)
きっと今回も威力を発揮してくれるに違いない!
--と、期待していたのですが、残念!
ランチバッグがあるか、ないか、だったら、もちろんランチバッグに入れておいたほうが保温効果は高いです。
でも、魔法瓶型には勝てないようですね。
それにしても、比べてみないとわからないものです。
保温弁当箱の保温力を、6通りの組み合わせでタイプ別に検証中です。
100度の熱湯で1分間予熱をして、100度のお湯を入れて水温をはかり、3時間後の段階で温度が高い順に順位をつけました。
もしも予熱をしなかったら?
ところで私(編集部ozawa)はとても面倒くさがりです。
保温弁当箱やスープジャーはこれまで自分でも使っていたのですが、お恥ずかしいことに、予熱をしたのは今回の実験が初めて。
ちなみに、ozawaの保温弁当箱はこのタイプ。
3つの容器付きで、容量は合わせて510mlです。
「メーカーが予熱をオススメしてるんだから、普通は予熱するものじゃないの?」
と、当店の保温弁当箱の担当バイヤーに呆れられたのですが、かたくなに拒否していました。
「だって、お弁当箱にごはんを入れる前に一度熱湯を入れて、1分待って、お湯を捨てて、水気を拭き取って、そこにごはんを入れるなんて、面倒ですよ!」
「でも、予熱したら、実際にお昼に食べる時の料理の温度がかなり違うよ?」
「少しくらい冷えたって、パッとごはんを入れたほうがラクじゃないですか!」
いやはや。面倒くさがりですね。お恥ずかしい(笑
でも、これで1つの疑問が浮かんだわけです。
果たして予熱は、意味があるのか?
予熱するか、しないかで、いったいどれだけ差が出るのか?
レッツ・くらべルート!
予熱はするべき? or 面倒くさい?
使ったのは、保温力ランキングのトップ2だったスープジャー(保温ポーチ付き)と、ランチジャー。
まずは、実験の準備から。
Let’s Try !
1. 予熱はメーカー推奨どおり!
今回は、メーカーが推奨するとおりのやり方でお湯を使いました。
魔法瓶型の保温ケースにも、ごはん入れにも熱湯を入れて、しっかり温めます。
予熱しないほうは、一切予熱なし!
2. 100度の熱湯を注ぎます
前回と同じく、今回も使ったお湯はそれぞれ一律で250ml。
3. 温度を測ります
予熱をせずに使った場合、予熱をした場合と比べてどれだけ違う結果がでるのか?
実験スタート!
結果、予熱はしたほうがいい!
さっそくですが、結果をグラフで表してみます。
↓ ↓
やはりといいますか、予熱をしたほうが保温力が高いです。
魔法瓶にお湯を入れて捨てた後は、触るのをためらうくらい表面がアツアツでした。
当然といえば、当然の結果。
でも、温度差は約4~6℃で、僅差のような気もするんですよ。
実際のごはんだったらどうなるのか??
気になったので、ozawaのお弁当で調べてみました。
トコトンやりますよ!
保温弁当箱の予熱はごはんを美味しくする!
まずは、予熱をしたお弁当。
お弁当箱にごはんを詰めたのは朝7時。
食べたのは12時過ぎなので、炊飯ジャーからお弁当箱に移して5時間後です。
ごはんの温度は39.9℃。
食べてみても、温かいと感じました。
冷たくなると硬くなりがちなごはんも、柔らかいまま♪
おかずもほんのり温かかったです。
レンジなしでも温かいお弁当が食べられるのは、おかずが大好物ばかりよりも嬉しいかも!
人気の秘密がわかる気がします。
そして、翌日。
今度は予熱をせずにお弁当を詰めました。
詰めてから5時間後のごはんの温度は…36.9℃!
ほぼ体温ですね。
ごはんはほんのり温かかったし、ちゃんと柔らかかったですが、「予熱をしたほうが温かかったなー」と、昨日のことを思って少し遠い目に。
3℃の違いは意外に大きい!
予熱なしでもちゃんと満足できますが、予熱するとなお良し!ということですね。
というわけで、美味しく温かいご飯を求める方は、是非!余熱もしっかりおこなってみてください♪