塩麹の10倍のうま味が魅力!自家製醤油麹の作り方とおすすめの使い方

ここ数年は「発酵食品ブーム」で、いつもより食べる機会が増えたという人も多いのではないでしょうか。
そんな発酵食品のひとつに、醤油と麹だけで作られる「醤油麹しょうゆこうじ」があります。

醤油麹は、これだけあれば美味しい味付けをできる!という魔法の調味料。
手軽に自分で作ることもできます。

そこで今回は、醤油麹の仕込み方や普段の料理に活用するアイデアについてご紹介します。

醤油麹ってどんな調味料?

醤油麹は「醤油」と「麹」が原材料の調味料。
「しょうゆこうじ」や「醤油こうじ」という書き方をすることもありますが、同じものと考えてもらってよいでしょう。

醤油と麹を混ぜ合わせて、約10日間常温で発酵させるだけで作ることができます。
うま味成分がとても強い調味料で、少量で味が決まる、料理の強い味方でもあります。

塩麹とは何が違う?

塩麹と醤油麹
そんな醤油麹は、よく塩麹と比較されます。
塩麹との大きな違いは、うま味が10倍も強いことです。

醤油麹の原材料である醤油は、大豆から作られます。
醤油麹が作られる過程において、大豆のタンパク質が発酵により分解され、うま味成分である「グルタミン酸」が豊富に生み出されます。
このグルタミン酸の作られる量が、塩麹と比べると約10倍!そのため、うま味も10倍強いと言われているのです。

また、水の代わりに醤油を使用して作る醤油麹は、発酵の段階で腐敗もしにくいです。
そのため、初めての人が作るのにも1番おすすめの発酵調味料なのです。

塩麹についてはこちら
塩麹で料理がもっと美味しくなる?自家製塩麹の作り方・使い方を管理栄養士が解説

醤油麹には2種類ある

実は、醤油麹と呼ぶ時、2つのものを指しているので間違えないように注意が必要です。

1つは、今回ご紹介する醤油と麹を発酵させてできあがる醤油麹。
もう1つは、醤油を作る時の原材料の1つである醤油麹です。

醤油は、蒸した大豆と炒って砕いた小麦に種麹をまぶして発酵させた醤油麹によって作られます。
ただし、この醤油麹は一般的に流通はされていません。
市販されている醤油作りのキットなどで目にすることはあるため、気になる人は1度購入してみるのもおすすめですよ。

醤油麹を取り入れる3つのメリット

発酵食品である醤油麹には、大きく3つのメリットがあります。

醤油麹のメリット【1】時短料理にもってこい

うま味成分が豊富な醤油麹は、基本的に醤油と置き換えて使用することができます。
そして、うま味とコクが増している醤油麹は、他の調味料を使用することなく醤油麹だけでも美味しい味付けをしてくれるのです。

ただ焼いたり茹でたりしただけのお肉やお魚、野菜に絡めるだけで美味しい1品ができあがります。
料理に苦手意識がある方、忙しくて料理に時間がさけない方にこそ、おすすめの調味料です。

醤油麹のメリット【2】手軽に減塩ができる

食塩は高血圧の原因になるということから、近年は特に「健康=減塩」というイメージを持っている人も多いかもしれません。

これは、ミネラルの豊富に含まれている自然塩であれば、あまり神経質になる問題ではありません。
しかし、中にはそれでも気になるという人もいるでしょう。
そんな方にも、おすすめなのが醤油麹なのです。

醤油麹はうま味が強く、少量でもしっかりと味が決まります。
そのため、塩で味付けするところを醤油麹に置き換えることで、塩の使用量を大幅に減らすことが可能です。

醤油麹のメリット【3】腸内環境をよくするサポーター

醤油麹は発酵食品であり、その発酵の過程において、善玉菌のエサでもあるオリゴ糖が作られます。
そのため、醤油麹をたくさん摂り入れることで、善玉菌を増やすお手伝いをしてくれるのです。

MEMO
自家製醤油麹は酵素の働きが止まっていないことにより、消化の仕事の負担を減らしてくれることも期待できます。そのため、腸内環境をよくすることにも繋がります。

市販より自家製醤油麹をおすすめする3つの理由

醤油麹は大きく市販と自家製の2種類があります。
とても手軽に作れるため、一度は手作りにチャレンジしてみるのがおすすめですよ。

自分で作る自家製醤油麹をおすすめするのには、以下の3つの理由があります。

お肉やお魚を柔らかくして食べやすくしてくれる

醤油麹を唐揚げの下味付けに使用する
自家製醤油麹は、料理に使用するまでは加熱をしないため、ずっと発酵が続いています。
一方、市販で販売されている醤油麹の大半は、完成したものを加熱処理をしています。
つまり発酵が停止しており、豊富に含まれている酵素は失活してしまっているのです。

発酵が止まっていない自家製醤油麹は、お肉やお魚の漬け込み調味料として使用すると、酵素の働きで肉質を柔らかくしてくれます
消化の負担を減らしてくれるとともに、うま味をアップしてくれるのです。

肉質を柔らかくしたいという場合には、一晩以上漬け込むのがおすすめです。

市販の醤油麹にも発酵が止まっていないものがある

必ずしも市販のものが全て加熱済みで発酵が止まっているというわけではありません。
冷蔵の商品棚に置かれているものは、発酵が止まっていない場合もあります。
もしくは、加熱しているかどうかを確認してあげるのもよいでしょう。

決して、市販のものが悪いわけではありませんので、味付けだけに使用したいという場合は市販のものでも大丈夫ですよ。

オリジナルの醤油麹が作れる

醤油と醤油麹
自家製醤油麹の1番の魅力は、全ての原材料を自分の好きなもので揃えることができること。
世界でひとつのオリジナルの醤油麹を作れることです。

市販の醤油麹は、確認しなければどんな醤油や麹を使用しているのかを知ることができません。
しかし、自家製の場合は、自分で選ぶことができるのです。

麹も、米麹や玄米麹などの種類だけでなく、どこで作られたものかによっても味が変わります。
また、醤油もそれぞれ味が異なるため、好みのものを使用するとよいでしょう。

MEMO
ちなみに、醤油は「国産丸大豆・小麦・自然塩」などのシンプルな原材料で作られたものがおすすめです。

買うよりもコスパがよい

自家製醤油麹はとてもコスパがよいです。
一般的に、市販の醤油麹は少量でもそこそこの値段がするので、ちょっと手が出しにくい調味料かもしれません。

自家製にすると、安くたくさんの量を仕込むことができ、市販よりも日持ちさせることができます。

調味料にお金をかけるのには抵抗がある。
安いけど、体に優しく、美味しい調味料を使いたい。
そんな方にこそ、醬油麹を手作りしてもらいたいと思います。

初めてでも簡単!自家製醤油麹の作り方

塩麹とは違い、水を使用せずに作ることができる自家製醤油麹は、腐敗などの失敗が少ないため初心者向けです。
加えて、仕込みは材料を混ぜ合わせるだけという5分もあればできる手軽さです。あとは、1日1回混ぜるだけ。

簡単なので、ぜひチャレンジしてみてください。

自家製醤油麹の作り方手順

醤油麹の材料

自家製醤油麹の材料

  • 米麹(玄米麹でも可。生麹でも乾燥麹でも可) 100g
  • 醤油 100ml

基本的に、麹と醤油は同量(1:1)を用意します。お好みの量で作りましょう。
醤油麹を保存しておく容器は、ガラスやホーローなどがおすすめです。

手順1
麹をほぐす
ボウルなどに米麹を入れ、手でこすり合わせながら、固まりをバラバラにほぐします。
手順2
醤油と麹を混ぜる
醤油と麹を混ぜる
あらかじめ消毒をした清潔な保存容器に、1と醤油を入れ、全体的によくかき混ぜます。

この時、麹が醤油に浸らない場合には、ヒタヒタになるまで醤油を追加しましょう。
蓋をして常温で保管できる場所に置いたら、仕込みは完了です。

発酵するためには酸素が必要なため、容器は密閉せず、蓋は少しずらしておくとよいでしょう。

手順3
醤油麹を毎日混ぜる
毎日1回清潔なスプーンなどを使用して、かき混ぜます。
容器の底からしっかりとかき混ぜることで、空気と触れて発酵が進みます。

麹が醤油を吸収して水気がなくなってしまうことがあります。
その場合は、ヒタヒタになるまで醤油を追加しましょう。7~10日間この作業を繰り返します。

手順4
自家製醤油麹の完成
麹が指で挟んでつぶれるくらい柔らかくなり、甘い香りがしてきたら、発酵が完了した証拠なのでできあがりです。

自家製醤油麹を仕込むときのポイントと注意点

発酵にかかる目安の日数は7~10日間ですが、冬の寒い時期は、発酵に10~14日間ほど時間がかかってしまうこともあります。

毎日かき混ぜるうちに、途中で白いカビのようなものが生えてくることがあるかもしれません。
この白いカビは産膜酵母と呼ばれる体には害のない酵母の一種なので、一緒にかき混ぜても問題ありません。
ただし、気になる場合は取り除いてもよいですよ。

注意したいのは、途中で赤や緑、黒っぽいカビのようなものが生えてきた場合。
この場合には、もったいなく感じてしまうかもしれませんが、残念ながら廃棄が必要です。
ただし、しっかりと麹が醤油に浸っていれば、基本的にカビは生えないので、醤油は常にヒタヒタになるよう時々補充してくださいね。

半日で完成!もっと手軽に自家製醤油麹を作る方法

ヨーグルトメーカーなど、同じ温度を長時間維持できる家電をお持ちの方なら、もっと手軽に作ることもできます。
醤油麹の材料
材料は普通に作る場合と同じものを用意します。

手順1
醤油と麹を混ぜる
材料を全て混ぜ合わせます。
麹が醤油に浸らない場合には、ヒタヒタになるまで、醤油を追加します。
手順2
ヨーグルトメーカーで自家製醤油麹
ヨーグルトメーカーで自家製醤油麹
60℃の状態で6~8時間加温します。

余裕があれば、時々合間にかき混ぜてあげてもよいでしょう。
醤油が吸収されてしまっていたら、ヒタヒタになるまで醤油を追加してあげてください。
醤油を追加できなくて、ほったらかしになってしまっても問題はありません。

手順3
自家製醤油麹の完成
麹が指で挟んでつぶれるくらい柔らかくなり、甘い香りがしてきたら、発酵が完了した証拠なのでできあがりです。

ヨーグルトメーカーの代わりに炊飯器の保温機能を使用することも可能ですが、最近の炊飯器は保温効果が高く、温度が高くなりすぎてしまうことが多いです。

炊飯器を使用する場合には、蓋を完全に閉めずに、時々温度を確認しながら仕込むとよいでしょう。

自家製醤油麹の正しい保存方法と保存するときの注意点

醤油麹の保存方法
自家製醤油麹の完成後の保管場所は、基本的に冷蔵庫です。
冷凍保存もできますが、冷蔵保存でも約3ヶ月間は使用することができるので、長期保存のために冷凍する必要がないのが醤油麹の魅力のひとつです。

ただし、他の発酵調味料も同様ですが、醤油麹は保存期間が長期間にわたると味や風味が落ちやすいです。
そのため、味や風味のベストを考えると、仕込む量は「約1ヶ月を目安に食べきれる量」にするのがおすすめです。

仕込むのに、1週間程度時間がかかるので、醤油麹を切らしたくない場合には、余裕をもって用意するとよいでしょう。
醤油麹をかき混ぜるスプーン
醤油麹の腐敗を防ぐために大切なことは、清潔なスプーンを使うこと。
かき混ぜたり取り出したりするときは、必ず清潔なスプーンを用意しましょう。保存容器の中にスプーンを入れっぱなしにするのはNGです。

自家製醤油麹を毎日の料理に!おすすめの使い方アイデア

自家製醤油麹が完成したら、いつも醤油を使用しているところを醤油麹に替えて使ってみるのが基本。
醤油麹は、うま味も風味もコクもアップしているため、醤油から醤油麹に替えるだけでも、いつもとは違った味わいを楽しむことができますよ。
ペースト状の醤油麹
麹の粒々が気になる場合、フードプロッセッサーやブレンダーなどで滑らかなペースト状にしてから使用するのもおすすめですよ。
もちろん、粒々のまま使用するのも美味しいです。

わが家での定番の食べ方は、納豆にかけて食べる、です。
納豆のタレの代わりに、醤油麹を使用します。
納豆に醤油麹をかける

納豆=発酵食品=体に良い
こんなイメージをお持ちの方が多いですよね。
確かに、納豆はおすすめな発酵食品のひとつです。

しかし、市販の納豆に必ず添付されている納豆のタレは、別名「添加物の小袋」と呼ばれるほど、食品添加物や化学調味料がたっぷりと使用されているものがほとんどです。
そのため、この納豆のタレの代わりに醤油麹を使用するのがおすすめです。
うま味がアップして美味しくなるだけでなく、体にも優しく納豆を楽しむことができます。

自家製醤油麹のおすすめの使い方

温野菜に醤油麹をかける
その他にも、いろいろな使い方ができるのが醤油麹の嬉しいポイントです。
和のイメージが強い醤油ですが、醤油麹は和洋中さまざまな料理との相性も抜群です。

  • 刺身や、冷やっこ、たまごかけごはんの醤油の代わりに
  • スープの味付けに
  • 生野菜を漬け込んで即席の漬け物にも
  • 温泉卵やゆで卵を漬け込んで煮卵に
  • マヨネーズと混ぜ合わせて、風味の異なるマヨソースに
  • お好みの酢や油と混ぜ合わせて、自家製醤油ドレッシングにも
  • こんな風に、いろいろな食材との組み合わせを楽しんでみるのもおすすめですよ。

    醤油麹を唐揚げの下味付けに使用する
    また、肉や魚を一晩以上漬け込んで、低温で加熱するのも美味しいですよ。
    麹は焦げやすいので、低温で加熱するのがポイントです。
    唐揚げの下味付けに使用するのもおすすめ。

    MEMO
    漬け込むときは、基本的に漬け込む食材の10%を目安に使用してみるとよいでしょう。
    ただし、醤油麹に使用している醤油の塩分濃度や、仕込む時にどのくらい醤油を使用したかによって、多少差は出ます。お好みの味の濃さに合わせて調整してください。

    魔法の調味料「醤油麹」で美味しい食卓に

    醤油麹は、手軽に毎日のお家ごはんをワンランクアップさせることができる魔法の調味料です。

    とても簡単に作れて、コスパもよく、ごはんも美味しくなる、そして体にもよい!といいことづくめの醤油麹。

    まずは1回試してみて、醤油麹を毎日の食卓に取り入れてみてはいかがでしょうか。
    きっと、虜になること間違いなしですよ。

    醤油の保存方法と醤油差しの液ダレ防止の裏技&お手入れのタイミング 万能調味料「にんにく醤油」の作り方とにんにく醤油を使った簡単レシピ