ポリ袋で湯せん調理!災害時に役立つパッククッキングの基本のコツと注意点

パッククッキング レシピ アイラップ

「もしものときも、温かいご飯を食べたい」

食事は人の命を守るために大切なもの。そして食事に温もりがあるだけで、人はどこか安らぎを感じるものです。

「パッククッキング」なら、万が一ライフラインが途絶えたときでも、温かい食事を作れます。

コツと注意点さえ押さえれば、誰でも失敗なく料理を作れる調理法です。

この記事では主に、

  • パッククッキングのメリット
  • パッククッキングのコツと注意点
  • パッククッキングにおすすめの袋

を解説します。

パッククッキングの献立とレシピも紹介するので、是非参考にしてください。

ポリ袋を使った調理方法「パッククッキング」とは?

今回ご紹介する「パッククッキング」は、耐熱性の高いポリ袋に材料を入れ、袋ごと湯せんする調理法です。

本来「一汁一菜」の食事を用意しようと思うと

  • みそ汁用の鍋
  • ご飯を炊く炊飯器(もしくは鍋)
  • おかず用の鍋

計3つの鍋を使う必要があります。

しかしパッククッキングなら、それぞれの材料を袋に入れて一つの鍋で湯せんするだけ。
一度に複数品を調理でき、洗い物も少なく済みます。

湯せんしたお湯は汚れないので使い回しも可能です。

パッククッキングのメリット3つ

パッククッキングの主なメリットは以下の3つです。

パッククッキングのメリット
  • 味の好みやアレルギーに対応しやすい
  • 保存食を買いそろえるよりも低コスト
  • 同時に複数の調理ができる
上記以外に「水が無駄にならない」「ゴミが少ない」などのメリットもあります。

ここでは、パッククッキングの主な3つのメリットを、さらに詳しく解説していきます。

【メリット1】非常食に比べて味の好みやアレルギーなどに対応しやすい

パッククッキングは、特別な食材を必要としません。

普段と同じ材料を使うので、食べ慣れた味の料理を作りやすく、好みの味付けをしやすい点がメリットです。

袋を分けて調理すれば、アレルギー食にも対応できます。

【メリット2】保存食を買いそろえるよりも低コスト

パッククッキングは、普段から家に常備してある食材が使えるため、低コストで食事を用意できます。

保存食とパッククッキングのコスト比較

実際に「白いご飯とみそ汁」を保存食とパッククッキングで用意した場合、どれだけコストがかかるか計算してみました。

コスト比較

保存食

レトルトのご飯とみそ汁

パッククッキング

ご飯とみそ汁

ご飯

レトルトご飯(パックご飯)

1パック約100円

ご飯

白いご飯 1人分30円
(※米:5kg2,000円の場合)

味噌汁

フリーズドライ

フリーズドライみそ汁 1個100円

乾燥野菜の味噌汁

みそ汁 1杯56円
(※みそ:750g300円、乾燥野菜100g1,000円)

コスト合計
200円 86円

保存食とパッククッキングのコスト比較
パッククッキングで食事を用意すれば、コストは保存食の半分以下。家計への負担はぐんと減ります。

【メリット3】一つの鍋で同時に複数の調理ができて手間が少ない

パッククッキングで3つの料理を同時に調理
パッククッキングはお湯を沸かした鍋に袋を入れるだけの調理方法。そのため、鍋に袋が入る分だけ同時に調理が可能です。

時間差をつけて調理を始めれば、すべての料理を同じタイミングで完成させられますよ。

また、日常生活においては「洗い物が減る・ガス代の節約・調理時間の短縮」というメリットもあります。

成功のポイント!パッククッキング3つのコツ

「食材入りの袋を湯せんするだけ」のパッククッキングですが、おいしく調理するためにはちょっとしたコツが必要です。

今回紹介するパッククッキング成功のコツは、以下の3つ。

  • 袋の中を真空状態に
  • 結び目はできるだけ上に
  • 油分・アルコール分は控える

それぞれのコツを詳しく解説していきます。

袋の中をできるだけ真空状態にする

パッククッキング_袋_真空状態
パッククッキング_袋_真空状態

1つ目のコツは、食材が入った袋の中をできるだけ真空状態にすること。
理由は袋が浮きにくくなり、かつ食材に熱が均一に伝わるからです。

袋の中に空気がたくさん入っていると、お湯に入れたとき浮力で浮いてしまい、しっかりと加熱ができません。

また空気は熱伝導率が低いため、食材へ熱が伝わりにくくなる原因になります。

袋の中を真空に近づけるためには、水圧を利用して空気を抜きましょう。

真空状態の作り方
  1. ボウルなどに水を張り、食材の入った袋をゆっくり沈める
  2. 袋を軽く押さえ、空気を抜く
  3. 空気が抜けたら食材に近い方から袋をぐるぐるとねじり、上部で縛る

袋の結び目はできるだけ上に

パッククッキング_袋の縛り方

2つ目のコツは、袋の結び目をできるだけ上にすること。
食材を加熱すると中に含まれていた水分が水蒸気となり膨張し、袋全体が膨らみます。

このとき袋を食材ギリギリの位置で縛ってしまうと、膨らむ力に耐えきれず破裂する危険があるんです。

また食材自体が膨らむもの(蒸しパンなど)を調理する場合は、中身が溢れることもあるので注意しましょう。

油分・アルコール分を避ける

パッククッキング_油分_アルコール
3つ目のコツは、油分やアルコール分の多い料理は避けること。

理由は以下の2つです。

油分やアルコール分を避ける理由
  • 油分が多く含まれていると高温になり、袋の耐熱温度を超えて溶けてしまう可能性がある
  • アルコール分が揮発して袋が膨張し、破裂する危険がある
パッククッキングをおこなう際は、油分を控えめにして調理しましょう。

また、アルコール分(酒やみりん)を使用する際は少なめにするか、煮切ってから使用してください。

正しく作って食中毒を防ぐ!パッククッキングの注意点2つ

パッククッキングは、業務用に開発された「真空低温調理」を家庭用にアレンジしたものです。

フライパンや鍋で直に加熱しないため、温度管理をしっかりおこなわないと食中毒のリスクが高くなります。

食事で命を危険にさらすことがないよう、調理の際の注意点をしっかりと理解しておきましょう。

ポリ袋は二重にしない

パッククッキング_袋_二重

「調理中に袋が破れないか心配だから」と、袋を二重にして調理するのはNGです。
重なった袋の間に空気の層ができ、熱が伝わりにくくなります

熱が伝わりにくくなると食材の中心まで十分に加熱できず、生煮えや細菌増殖の原因になるんです。

調理の際は袋を1枚だけ使用し、できるだけ内部を真空状態にして熱が伝わりやすい状態を保ちましょう。

ポリ袋の破れが心配な場合は、以下2つの対策を試してみてください。

袋破れの防止対策
  • 鍋の底にふきんや皿を置き、袋が直接鍋に触れないようにする
  • 鍋のふちから袋がはみ出さないよう、中央にまとめてひもなどで縛る(または沈めておく)

お湯は煮立った状態をキープ

パッククッキング_お湯_温度

弱火で加熱してガスを節約しようとするのも、衛生的にはよくありません。
理由は、食中毒菌の繁殖しやすい温度帯に食材がさらされてしまうから。

弱火で加熱すると食材の温度がなかなか上がらず、細菌が増殖しやすい40〜50度を長く保ってしまうことになるんです。

結果、加熱の途中で細菌が増殖して、食中毒発生のリスクが高くなります。

パッククッキングをおこなう際はお湯が煮立った状態を保って、細菌の増殖を防ぎましょう。

パッククッキングに適したポリ袋の選び方

世間ではあらゆる種類の袋が販売されています。
しかし、すべての袋をパッククッキングで使用できるわけではありません。
パッククッキングに適した袋の素材には、3つの条件があります。

「せっかく袋を買ったのにパッククッキングには使えなかった」とならないよう、しっかり条件を確認していきましょう。
また、調理しやすいおすすめの大きさとその理由なども解説します。

パッククッキングに適したポリ袋の条件

パッククッキング用の袋は、以下の3つの条件に当てはまるものから選びましょう。

  • 高密度ポリエチレン製である
  • 食品用と記載がある
  • 湯せん可の記載がある

パッククッキング_ポリ袋_高密度ポリエチレン
「高密度ポリエチレン」であることは必須の条件です。

高密度ポリエチレンの特徴は、耐熱性や耐油性の高さ。100度以上まで耐えられるので、パッククッキングに適しています。

反対に「低密度ポリエチレン」は、耐熱性や耐油性が低いためパッククッキングには向いていません。

調理に使えるポリエチレン袋の見分け方

市販の商品には「素材:ポリエチレン」としか記載されていない場合が多くあるため、以下画像を参考に種類を見分けてください
低密度ポリエチレン_高密度ポリエチレン_違い

また、商品を選ぶ際は、高密度ポリエチレンの袋でも「食品用・湯せん可*」と記載のあるものがおすすめ。
(※メーカーによって湯せん使用を推奨していない場合があるため)

特に「食品用」と記載がない商品は食品衛生法に適合していないので、衛生面を考えて使用は控えましょう。

大きさは25×35センチ以上がおすすめ

素材の条件をクリアしていれば、袋の大きさは好みのもので構いません。

ただし、ある程度の量の食材を入れつつ真空状態を作るためには、少し大きめの袋がおすすめです。

具体的には「25×35センチ」を目安にするとよいでしょう。マチ付きの袋なら、具材を入れやすいのでよりおすすめです。

【おすすめ3選】パッククッキング用のポリ袋

「パッククッキングに適したポリ袋」の条件を満たす袋を、3つご紹介します。

値段や厚み、大きさなどを参考に、お好みの袋を選びましょう。

岩谷マテリアル「アイラップ」

イワタニ_アイラップ

参考価格 128円/60枚(1枚あたり約2円)
厚み 0.009mm
サイズ 横25cm(うちマチが4cm)×縦35cm
耐熱温度 120度

岩谷マテリアルの「アイラップ」は、SNSやメディアでも取り上げられ、今人気を集めています。

マチつきで食材がたっぷり入るのはもちろんのこと、「冷蔵・冷凍」「湯せん」「電子レンジ」と幅広い用途に向いている点が魅力です。

私も実際に何年間か愛用しており、便利すぎて今や手放せません。

¥107 (2021/07/31 01:17:21時点 楽天市場調べ-詳細)

ワタナベ工業「食品用ポリ袋」

参考価格 764円/240枚(1枚あたり約3円)
厚み 0.015mm
サイズ 横26cm×縦39cm
耐熱温度 110度

ワタナベ工業の「食品用ポリ袋」は食品用かつ湯せん用に開発された袋で、パッククッキングにも安心して使用できます。

¥1,287 (2021/07/31 01:17:21時点 楽天市場調べ-詳細)
同社からは「食品用湯煎調理袋」も販売中。どちらも袋の厚さが0.015mmあるので、調理の際に袋が破れる心配が少なく安心です。

サニパック「フリーザー用ポリ袋」

参考価格 903円/200枚(1枚あたり約5円)
厚み 0.015mm
サイズ 横25cm×縦30cm
耐熱温度 記載なし(公式サイトで「湯せん調理OK」と記載)

サニパックの「フリーザー用ポリ袋」は冷凍専用ポリ袋ですが、公式サイトで「湯せん調理対応」と紹介されています。

また、サニパックで販売されている湯せん対応ポリ袋は、サイズ展開が豊富。

「少量だけ調理したい」「一人分だけ分けて調理したい」という場合は、小さいサイズのポリ袋も検討してみましょう。

はじめてでも失敗しないパッククッキングのレシピ

パッククッキングに関するあらゆるメリットやコツ、注意点をご紹介しましたが、

でも実際、どのように調理すればいいかわからない…

と不安を感じる方も多いのではないでしょうか?

普段とは違う調理なので、戸惑うのも無理はありません。

以下の記事では、パッククッキングのレシピと献立を写真つきで詳しく解説しています。
パッククッキングで作った洋食災害時にも温かいご飯を!包丁要らずで作れる「パッククッキング」の簡単レシピ 今回ご紹介した内容とあわせて、是非参考にしてください!

パッククッキングは災害時の救世主!

「もしものときも、温かいご飯を食べて安心したい」
パッククッキングは、そんな“もしも”のときの救世主です。

今回ご紹介したポリ袋選びのポイントやパッククッキングのコツを押さえれば、失敗する心配はありません。

他の記事でご紹介しているレシピと併せて、是非パッククッキングにチャレンジしてみてくださいね!
 
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