道具を買うとき、一番気になってしまうのは「使い続けられるかどうか」ですよね。
みじん切りだけに使いがちなフードプロセッサーですが、実は使い方次第で色々な調理ができるんです。
今回はおかずやスイーツなど、フードプロセッサーを使ったレシピを6つご紹介。
フードプロセッサーを使った下ごしらえ・加工のコツも解説しています。
この記事を読み終える頃には、きっとフードプロセッサーを使いたくなりますよ。
是非、ご覧ください!
目次
フードプロセッサーで【下ごしらえ・おかず作り】
みじん切りが得意なフードプロセッサーは、みじん切りが必要なおかず作りにとても便利。
こちらでは、自家製ミンチの作り方と、みじん切り野菜をたっぷり加えるおかずのレシピを2つご紹介します。
鶏むねミンチ|脂肪カットでヘルシーなひき肉
ダイエット中や健康のために油分を控えたいとき、「フードプロセッサーで作る鶏むねミンチ」がおすすめです。
市販の鶏ひき肉には脂身や皮が含まれており、脂肪分によるコクや旨味を感じられます。
しかし、脂肪分があるぶん、カロリーはやや高め。
「一般的な鶏ひき肉」と「自家製鶏むねミンチ」の栄養成分の差は、以下の通りです。
項目(100gあたり) | 鶏ひき肉 | 鶏むねミンチ |
カロリー | 166kcal | 108g |
たんぱく質 | 20.9g | 22.3g |
脂質 | 8.3g | 1.5g |
鶏むね肉を買ってきてミンチを作れば、カロリーと脂質のカットにつながります。
ミンチをまとめて作っておいて冷凍保存することもできるので、ヘルシーな料理を作りたいときは、是非試してみてください。
フードプロセッサーを使った鶏むねミンチの作り方手順

鶏むね肉の皮・脂肪分を切り取り、一口大にカットします。
大きな塊のままフードプロセッサーに入れると、刃に重い負荷がかかるので注意してください。

肉を容器に入れ、フードプロセッサーでカットします。
連続運転でカットすると、団子のような塊になってしまうので注意してください。
「回しては止め」を繰り返して、好みの荒さになったら完成です。
フードプロセッサーを使ったおかずレシピ|野菜たっぷり餃子
刻んだ野菜がまな板まわりに飛び散りがちな「みじん切り作業」も、フードプロセッサーに任せれば、周りを汚さず簡単です。
餡をこねる作業もフードプロセッサーでおこなえば、肉に手の熱が伝わらず、ジューシーに仕上がります。
キャベツとニラたっぷり餃子(約30個分)の材料
- 餃子の皮 … 30枚
- ひき肉 … 250g(合挽き肉・豚ひき肉・鶏ひき肉など)
- おろしにんにく・おろし生姜 … 各小さじ1
- 塩コショウ … 少々
- 酒・醤油・オイスターソース・ごま油 … 各大さじ1
- キャベツ … 200g
- ニラ … 100g
- 熱湯 … 100ml(焼きに使用)
- ごま油 … 適量(仕上げ)
キャベツとニラたっぷり餃子の作り方手順

鶏むねミンチを作ったあと、引き続き作業をしています。
ミンチの状態からさらにフードプロセッサーにかけ、粒がなくなり粘りが出るまで練りましょう。

粘りが出たひき肉に調味料を加え、それぞれ加えるごとにしっかりと練ります。
調味料は『おろしにんにく・生姜→塩コショウ→酒→醤油→オイスターソース→ごま油』の順で加えてください。

キャベツは一口大、ニラは5cm幅程度にカットし、フードプロセッサーにかけます。
フードプロセッサーは、一度に入れる量が多いほど細かい仕上がりになります。また、量が多すぎると均一に刻めない原因にもなります。
好みの仕上がりになるように、一度に入れる量を調整してください。
切った野菜は、ボウルなどに移しておきます。

肉と野菜を同じボウルに入れ、なじむ程度に混ぜ合わせます。
全体に馴染めばよいので、こねる必要はありません。
皮に餡を平たく乗せると、たっぷり包みやすくなりますよ。
底をカリッと焼き上げるために、軽く押し付けながら並べてください。

中火にかけ、フライパンからかすかにチリチリと音がしてきたら、熱湯を加えて蓋をします。
火加減は中弱火に落としましょう。
目安は100mlですが、鍋底から2~3mm浸る程度に適宜調整してください。

蓋をしてから4分後、蓋を外します。お湯が残っているようなら、火を強めて水分を飛ばしてください。
水分が飛んでパチパチ音がし始めたら、ごま油をフライパンの淵からまわしかけます。1~2分焼いて、こんがりした焼き色が付いたら完成です!
餃子はまとめて作って冷凍しよう!
一度に食べきれない量の餃子をまとめて作った場合は、焼かずに生の状態で冷凍保存しましょう。
金属トレーに少し間隔をあけて並べ、冷凍庫で急速冷凍します。
凍ったあとは、保存袋などに入れて保存してください。
フードプロセッサーを使ったおかずレシピ|あっさりミートソース
人参と玉ねぎをたっぷり入れたミートソースです。
香味野菜を控えめにして、大人から子どもまで食べやすいあっさり味に仕上がっています。
あっさりミートソースの材料
- ひき肉 … 250g(合挽き、豚、鶏むねミンチもおすすめ)
- 玉ねぎ … 150g~(小さめ1個、大なら1/2個が目安)
- にんじん … 中1本
- にんにく … 1片
- トマト缶 … 1缶
- オイル … 約小さじ1
- (A)塩コショウ … 少々
- (A)小麦粉 … 小さじ2
- 水 … 100ml
- (B)塩 … 小さじ1
- (B)砂糖 … 大さじ1
- (B)ウスターソース … 小さじ1
- (B)ケチャップ … 大さじ1
あっさりミートソースの作り方手順
一口大にカットして、フードプロセッサーにかけましょう。
できるだけ同じ大きさにカットするのがおすすめです。
玉ねぎに軽く火が通るくらいで大丈夫です。
焼き付けながら炒めることで、肉感と焦げ目の旨味が加わります。
塩コショウは具材の下味、小麦粉はとろみの元になります。
ホールトマトの場合は、ヘラなどで軽くつぶしてください。
火加減は中火のまま、軽く沸騰するまで待ちます。
焦げつかないように時々混ぜながら、水分を飛ばしましょう。
煮詰め具合が足りない場合は様子を見つつ、2~3分ずつ時間を足しましょう。
味見をして塩味が足りなければ少し塩を足して、完成です。
フードプロセッサーで【調味料作り】大葉ジェノベーゼソース
フードプロセッサーは、調味料作りにも活躍します。
今回ご紹介するのは、バジルの代わりに大葉を使ったジェノベーゼソースです。
パスタ以外に蒸したじゃがいも、チキンソテー、カルパッチョなど様々な料理に使えますよ。
- 大葉 … 4束(40枚)
- オリーブオイル … 80+20ml
- 粉チーズ(パルメザンチーズ) … 大さじ2
- にんにく … 1片分(すりおろしにんにく小さじ1でも可)
- 塩 … 小さじ1/2~
- くるみ … 20g(その他お好みのナッツでも可)
大葉ジェノベーゼソースの作り方手順
生くるみを使う場合はローストして冷まします。

フードプロセッサーに大葉、粉チーズ、にんにく、くるみを入れ、フードプロセッサーにかけます。

オリーブオイル100mlのうち80mlと塩を加えて攪拌します。
すぐに使いきる場合は、オリーブオイルを全量加えてください。
味見をして適宜塩を加え、調整したら完成です。
大葉ジェノベーゼソースの保存方法
ジェノベーゼソースを一定期間保存したい場合は、煮沸消毒した瓶に詰め、オリーブオイル20mlを蓋をするように表面に流してください。
そうすることで、ソースの色や風味が長持ちします。
フードプロセッサーで【お菓子作り】手間のかかる作業も簡単に!
お菓子作りが好きな人は、ぜひフードプロセッサーを使ってみてください。
フードプロセッサーを使うと、かき混ぜる作業やバターを切り混ぜる作業が簡単におこなえます。
今回は3つお菓子系レシピをご紹介します。
朝食やおやつにぴったりなので、ぜひ作ってみてください。
フードプロセッサーを使ったお菓子レシピ|ベイクドチーズケーキ
シンプルなベイクドチーズケーキです。
材料を混ぜていくだけの簡単なケーキですが、フードプロセッサーに任せればあっという間に生地を作れます。
- ビスケット … 100g
- バター … 40g
- クリームチーズ … 200g
- 砂糖 … 60g
- 卵 … 1個
- 生クリーム … 100ml
- レモン汁 … 小さじ2
- 小麦粉 … 大さじ2
ベイクドチーズケーキの作り方手順

先に以下の3つの下準備をすませましょう。
- 材料はすべて室温に戻しておく。
- 型にバターなどを塗り、型紙を敷いておく。
- オーブンは160度に予熱しておく。

ビスケットを厚手の袋に入れ、めん棒などで細かく砕きます。
この手順もフードプロセッサーで可能ですが、洗い物を減らすために別でおこなっています。

砕いたビスケットに柔らかくしたバターを加え、揉んでなじませます。
溶かしバターを使ってもOKです。

ビスケットを型に入れ、できるだけ平らにしっかり押し固めます。
型はフィリング1お菓子作りにおいては「挟むもの」や「中身」のこと。この場合はビスケットを指します。が完成するまで、冷蔵庫で冷やし固めておきましょう。

常温に戻したクリームチーズと砂糖をあわせて、フードプロセッサーで攪拌します。
砂糖が側面や底に溜まっている場合があるので、その場合はゴムベラでそぎ落としましょう。

残りの材料を『卵(a)→生クリーム(b)→レモン汁(c)→小麦粉(d)』の順に加え、その都度攪拌します。
小麦粉を加えた後は、攪拌しすぎないようにしましょう。

冷やしておいた型にフィリングを流し入れます。
爪楊枝や竹串などを生地の中に刺し、ジグザグに動かして空気を抜きましょう。
空気を抜いたら、160度に予熱したオーブンで45分焼成します。

焼きあがったら網の上で型に入れたまま粗熱を取ります。
粗熱が取れたら、冷蔵庫で一晩しっかり冷やして完成です。
フードプロセッサーを使ったお菓子レシピ|くるみスコーン
イギリスの伝統的なお菓子「スコーン」。
手のかかるお菓子というイメージがあるかもしれませんが、フードプロセッサーを使えば10分ほどで生地が完成します。
くるみスコーンの材料
- (A)薄力粉 … 100g
- (A)ベーキングパウダー … 4g
- (A)砂糖 … 20g
- (A)塩 … ひとつまみ(有塩バターを使う場合は無し)
- バター … 25g
- 牛乳 … 40ml(豆乳でも可)
- くるみ … 30g
くるみスコーンの作り方手順
牛乳は計量したら冷蔵庫に入れるか、直前に計量するようにしてください。
※フードプロセッサーを使わない場合の「粉をふるう作業」の代わりです。

バターを加え、粉全体になじむまで攪拌します。
大きなバターの塊が見えなくなるなるまでが目安です。

牛乳を加え、少し粉っぽさが残る程度まで攪拌します。
回しては止めを繰り返し、混ぜ過ぎないよう気をつけましょう。

くるみを加え、全体になじむまで攪拌します。
こちらも「回しては止め」を繰り返して混ぜましょう。

台に取り出し、2cm程度の厚さに伸ばします。
生地を4等分したらすべて重ね、上から押すようにして再度伸ばしましょう。
これを2回繰り返すと生地に層ができ、ぱっくりと横割れしやすくなります。

再度2cm程度の厚さに伸ばし、ラップに包んで冷凍庫で10分ほど寝かせます。時間があるなら2時間程寝かせるのがおすすめ。
時間がない場合はそのまま次の工程に移っても大丈夫です。

生地を取り出し、包丁で切るか型抜きします。
切り口が鋭利なほど、縦に膨らみやすいです。

お好みで生地の表面に分量外の牛乳を塗ると、焼き色がつきやすくなります。
200度に予熱したオーブンで15~20分焼き、良い焼き色がついていたら完成です。
フードプロセッサーを使ったお菓子レシピ|ショートブレッド
ショートブレッドはスコットランドの伝統的なお菓子で、いわゆる「バタークッキー」です。
バターたっぷりのクッキーは生地が柔らかくなりやすいですが、フードプロセッサーを使えば簡単に作れます。
- 薄力粉 … 180g
- 砂糖 … 50g
- バター … 100g
- 塩 … 1.2g(バターが有塩の場合はなし)
ショートブレッドの作り方手順

フードプロセッサーに材料をすべて加え、粉チーズのようにサラサラになるまで攪拌します。

生地をボウルに取り出し、上から抑えるようにしてこねます。
手の熱が伝わりすぎないように力を加減しながら、生地を押してまとめましょう。

生地の表面が滑らかになってまとまれば、ラップで挟んで1.5cmの厚さに伸ばします。

伸ばした生地をカットします。
ショートブレッドの定番は、縦長の長方形です。
カットしたら焼きムラ防止の穴を開け、冷凍庫で10分休ませましょう。
こうすることで、焼いたときの型崩れを防げますよ。

冷凍庫から生地を取り出し、180度に予熱したオーブンで20分焼きます。
程よい焼き色が付いたら完成です。
【フードプロセッサー豆知識】下ごしらえ&加工の3つのコツ
フードプロセッサーはとても手軽に使える道具ですが、理想の仕上がりにするためには少しコツが必要です。
調理師として毎日フードプロセッサーに触れていた筆者が、フードプロセッサーを使うときのコツと注意点をご紹介します。
【1】食材は一口大に切ってから
「どうせ切るのだから」と、食材を大きなままフードプロセッサーに入れていませんか?
確かにカットはできますが、故障の原因になったり仕上がりにばらつきが出たりする原因になります。
肉や野菜にかかわらず、食材は一口大にカットしてから加工しましょう。
【2】具材を入れる量で切れ具合が変わる
フードプロセッサーは一度に食材を入れる量によって、具材の切れ具合が変わります。
一度にたくさんの食材を入れると、食材は細かくなります。
逆に、食材を少なめに入れると、ほどほどの大きさで全体を均一にカットすることが可能です。
下ごしらえはもちろん、離乳食や介護食の加工の際には、入れる量も意識してみてください。
【3】氷やコーヒーなど固いものは基本NG
フードプロセッサーは、氷やコーヒー豆など硬い食材には使えません。
無理な使い方をすると故障の原因になるので、取扱説明書をよく確認してください。
しかし、中には氷やコーヒー豆を加工できるフードプロセッサーも販売されているので、気になる人はチェックしてみてください。
まずは目的に合ったフードプロセッサーを選ぼう!
フードプロセッサーがあれば、今回ご紹介したレシピはすべて調理可能です。
とはいえ、フードプロセッサーも千差万別。
フードプロセッサーを選ぶ際は、目的にあわせて選ぶことがポイントです。
フードプロセッサー選びのポイントやおすすめのフードプロセッサーなどは、以下の記事でご紹介していますので、是非あわせてご覧ください。
目的にあわせたフードプロセッサーを選びましょう!
ミキサーとの違いは?料理が楽になるフードプロセッサーの選び方とおすすめアイテム
まとめ
フードプロセッサーは、工夫次第で料理やお菓子など様々な料理に活用できます。
料理のみじん切りや、こねる作業はもちろんですが、お菓子作りの繊細な作業もフードプロセッサーを使えば、とても簡単です。
是非、ご紹介した内容を参考に、フードプロセッサーでレパートリーを広げましょう!

