失敗しない!基本のシュトーレンの作り方【日持ちする保存方法と食べ方も解説】

シュトーレンのかたまりとスライスを乗せた木の板とサンタの置物、ミモザを並べたテーブル

ここ数年、日本でも知名度をあげているクリスマスのお菓子「シュトーレン」。

ドライフルーツやナッツがぎっしり入っていて、バターや粉砂糖をたっぷりまとわせたリッチな味わいは、クリスマスにぴったりですよね。

そんなシュトーレン、お店で買うものというイメージがあるかもしれませんが、コツを押さえれば家庭でもおいしく手作りできるんです。

この記事では、調理師が家庭でも失敗しないシュトーレンの作り方を解説♪
初めてでも失敗しないためのコツ長持ちさせる保存方法も、あわせてご紹介します。

満畑ペチカ(調理師)

手作りのシュトーレンで、クリスマスを “おいしく” 待ち望んでみませんか?

シュトーレンってどんなお菓子?

スライスしたシュトーレン
作り方の前に、そもそも「シュトーレン」がどんなお菓子なのか、簡単にご紹介します。

「シュトーレン(ドイツ語:Stollen)」は、元々ドイツの伝統的なパン菓子

正しい発音は「シュトレン」で、ドイツ語では「坑道」という意味があります。
焼き上がりがトンネルのような形をしていることから、この名前がつけられたそうです。

また、たっぷりと粉砂糖がかかっている様子から、おくるみに包まれた幼いイエス・キリストをイメージしているとも言われています。
アドベントカレンダー
シュトーレンを食べるのはクリスマスより前、キリストの降誕を待ち望む「アドベント」という期間。

イーストを使い、洋酒漬けのドライフルーツとナッツをたっぷりと入れて焼き上げたシュトーレンは、日が経つごとに熟成されて味が変化していくのが特徴です。

クリスマスを待ち望みながら味の変化を楽しみつつ、少しずつスライスして食べるのが伝統となっています。

日本でも近年シュトーレンの知名度が上がっており、有名ベーカリーやパティスリーのシュトーレンは、瞬く間に売り切れてしまうことも。

またフルーツとナッツがたっぷり入った伝統的な味から、ショコラや抹茶など、さまざまなフレーバーのものが登場しています。

初心者向け!簡単シュトーレンの基本の作り方

この記事で紹介するシュトーレンは、生地の配合もフィリング1ケーキなどの具材もオーソドックスなもの。
昔から本場ドイツで食べられていたような、甘くてスパイスの効いた味わいに仕上がるレシピです。
シュトーレンのかたまりとスライスを乗せた木の板とサンタの置物、ミモザを並べたテーブル
片手に乗るくらいの、プレゼントにもぴったりな大きさに焼き上げます。

生地を分割せずに大きく焼いて、家族みんなで楽しむのもおすすめ。
その際は焼き時間を10~15分ほど長くしましょう。

さらに本格的な味わいに近づけるポイントは、のちほどご紹介しますね。

材料

このレシピで作れるシュトーレンの大きさは、17×8センチ2本分
材料は以下のとおりです。
ボウルに入った小麦粉とビーカーに入ったミルク、袋入りのドライイーストを並べた様子

中種用の材料

  • ミックス粉(※1)……50g
  • ドライイースト……3g
  • 牛乳……40g

容器に入れてテーブルに並べられたシュトーレンの材料

本ごね用の材料

  • バター……60g
  • 砂糖……30g
  • 塩……2g
  • 卵黄……20g(1個分)
  • アーモンドプードル……20g
  • ミックス粉(※1)……100g
  • 洋酒漬けフルーツミックス(※2)……200g
  • お好みのナッツ(アーモンドやくるみなど)……20g
  • シナモン、ナツメグなど(※3)……合計3g
仕上げ用の材料

  • 無塩バター……60g
  • グラニュー糖……50g
  • 粉糖(粉砂糖)……50g

※1 ミックス粉について

シュトーレン作りでは、本来は準強力粉を使用しますが、スーパーでは手に入りにくく、ほかのお菓子や料理に使う機会も多くありません。

そこで、この記事で紹介するレシピでは、準強力粉の代用として強力粉と薄力粉を7:3でブレンドした「ミックス粉」を使用します

ミックス粉は以下の手順でつくります。

【ミックス粉の作り方】
 
  1. 強力粉105gと薄力粉45gをビニール袋に入れよく振って混ぜる。
  2. 混ぜた粉を50gと100gに計量し直したものを中種用と本ごね用のミックス粉として使用。

※2 洋酒漬けドライフルーツについて

あらかじめ洋酒に漬け、ダイス状にカットされた商品を使用しています。

シュトーレンに入れるドライフルーツは、主にオレンジピール、レモンピール、レーズン、りんごなど。

ただし、あまりこだわりすぎずに、好みのドライフルーツを加えていただいても大丈夫です。
アプリコットやいちじくもおすすめです。

洋酒漬けのものを購入できない場合は、あらかじめドライフルーツを洋酒に漬けて、1週間ほど熟成させておきましょう。

※3 スパイスについて

スパイスはお好みで1〜6種類(シナモン、カルダモン、ナツメグ、スターアニス、ジンジャー、クローブ)を組み合わせて使用してください。

シナモンを多めに、そのほかのスパイスは少量ずつ配合するのがおすすめです。

シュトーレンの下準備

シュトーレンを作り始める前に、以下の下準備を済ませておきましょう。
前もって準備しておくことで、あとの作業がスムーズに進みますよ。

【下準備】
 

  • 本ごねに使うバターと卵は室温に戻しておく
  • 生のナッツを使う場合は、オーブン160度で10分間ローストして、フルーツと同じくらいの大きさに砕いておく。
  • 使用するスパイスを混ぜ合わせ、ミックス粉と一緒にしておく。
  • 仕上げ用のバターは溶かしておく。溶かしバターの上澄みだけ(澄ましバター)を使うと、保存性が高まる。

作り方

手順1
中種を作る
粉が入ったボウルにイースト液を注ぐ様子
ボウルの中でまとめられた中種
人肌より少しぬるいくらいに温めた牛乳にイーストを溶かし、粉が入ったボウルに加え、粉気がなくなるまでこねます。表面がなめらかな状態でなくてもOKです。

ボウルの中できれいに丸めたら、2倍くらいの大きさになるまで発酵させます。目安は28度で50分です。電子レンジの発酵機能などがない場合は、日が当たる温かい場所においておきましょう。

中種の発酵時間が残り10〜15分になったら、本ごねの用意(手順2の作業)を始めます。

手順2
バターと砂糖を混ぜ合わせる
バターが入ったボウルの中に塩と砂糖を加えている様子
泡立てたバターを泡立て器で持ち上げている様子
常温に戻したバターをゴムベラで軽く練り、砂糖と塩を加えて泡立て器に持ち替え、白っぽくなるまで混ぜ合わせます。
手順3
卵黄を加えて混ぜる
泡立て器と泡立てたバター、卵黄が入ったボウル
手順2に卵黄を加え、しっかりなじむまでよく混ぜます。
手順4
粉類を加えて混ぜる
泡立てた卵黄入りバターにアーモンドプードルを混ぜ込んでいる様子
バターに粉類を全て混ぜ終わった様子
手順3にアーモンドプードルを加えて切るように混ぜたら、ミックス粉とスパイスを加えて粉気がなくなるまでゴムベラで混ぜます。
手順5
中種を加えてこねる
ボウルの中に発酵させた中種をちぎりながら入れている様子
こね終わった生地が入ったボウル
手順4に中種をちぎりながら加えたら、中種がしっかりと混ざり、生地がひとまとまりになるまでこねます。

あれば、こね台やマットの上でこねましょう。

手順6
フルーツとナッツを混ぜ込む
ボウルの中で広げたシュトーレン生地の上に、洋酒漬けフルーツとナッツを乗せた様子
ボウルかこね台の上で生地を広げ、フルーツとナッツをのせます。

周りの生地をたたむようにかぶせ→生地を広げ→さらにたたむ、という動作を繰り返し、生地全体にまんべんなく混ぜ込みます。

手順7
生地を発酵させる
洋酒漬けフルーツとナッツを混ぜ込み、丸くまとめたシュトーレン生地が入ったボウル
生地にまんべんなくフルーツとナッツが混ざったら、一度きれいに丸めてボウルに入れ、30度で30分発酵させます。(日当たりの良い場所においてもOK)

発酵後は少しふくらむ程度です。

手順8
生地を分割して休ませる
打ち粉をしたマットの上に、二等分して丸めたシュトーレン生地を置いた様子
発酵が終わったら打ち粉をふった台の上に生地を取り出し、包丁やスケッパーで2等分します。

台の上で丸くまとめたら、オーブンシートをのせて布巾をかけ、生地を10分休ませます。

手順9
生地を成形する(1)
マットの上でシュトーレン生地を楕円形に伸ばした様子
休ませた生地の裏面を上にして、めん棒を使い横12cm×縦18cmくらいの楕円形に伸ばします。
手順10
生地を成形する(2)
楕円形に伸ばしたシュトーレン生地を両側から折り返した様子
シュトーレン生地を半分に折り畳んだ様子
楕円形の生地を手前から3cm、奥から4cm折り返します。

そこからさらに二つ折りにします。このとき完全な二つ折りではなく、上にくる生地が少しずれるように折りたたんでください。

手順11
最終発酵
形を整えたシュトーレン生地を天板の上に乗せ、最終発酵している様子
折りたたんだ生地がくっつくように軽く押さえたら、天板にのせて30分発酵させます。

同時にオーブンを180度に予熱してください。
(オーブンを予熱するので、発酵は室内の温かい場所で)

手順12
オーブンで焼く
発酵させた生地を、天板のまま予熱したオーブンに入れ、180度で30〜40分焼きます。
手順13
バターを塗り、グラニュー糖をまぶす
焼き上がったシュトーレンにシリコンハケで溶かしバターを塗っている様子
グラニュー糖がたっぷりまぶされた焼き立てのシュトーレン
焼き上がったらすぐに、溶かしバターを全面にまんべんなく塗ります。
グラニュー糖も全面にたっぷりとまぶします。
あら熱が取れたらラップに包み、完全に冷まします。
手順14
粉糖をふりかけ、寝かせる
完全に冷めたら、粉糖を全面にたっぷりとふりかけます。
ラップを広げて粉糖をふるい、その上にシュトーレンをのせ、上から粉糖をふりかけるとまんべんなく付きます。

そのままラップに包み、冷暗所または冷蔵庫の野菜室で2〜3日寝かせて完成です。

本格派は“マジパン”でさらにリッチな味わいに

より本格的なシュトーレンを作りたい場合は、「マジパン」を使うのがおすすめです。

マジパンとは、アーモンドと砂糖を練り合わせた製菓材料のこと。
用途ごとに2つの種類があります。

  • マジパン……主にマジパン細工に使われる。砂糖の比率が高い。
  • ローマジパン……主に焼き菓子に練り込んで使う。砂糖の比率が低め。

スーパーではなかなか手に入りませんが、製菓材料専門店では取り扱っていることが多く、通販でも購入できます。

シュトーレンでは生地に混ぜ込むほか、棒状に伸ばしたローマジパンを中心に巻き込んで仕上げるレシピも。

より本格的でリッチな味わいのシュトーレンにチャレンジしたいときは、ぜひ試してみてください。

シュトーレン作りが初めてでも失敗しないコツ

ここでは、シュトーレンを作るのが初めてでも、失敗せずにうまくできるコツをご紹介します。
シュトーレンを作る前にぜひチェックしておいてくださいね。

初めてでも失敗しないコツ
  • 「中種法」で作る
  • “バターが白っぽくなるまで” とは?色や質感の目安
  • かたくならないフィリングの混ぜ方
  • 上手に成形する方法
  • 仕上げのバターと砂糖の役割
  • 「中種法」で作る

    今回ご紹介したレシピは「中種法」というパンの作り方のひとつ。

    本ごねをする前に中種(発酵種はっこうだね)を作ることで、小麦粉に水分がしっかりと行き渡り、しっとりした食感や日持ちする効果があります。
    ボウルの中でまとめられた中種
    中種は、本格的なパン生地のようにしっかりとこねる必要はありません。

    生地の粉っぽさがなくなり、ひとまとまりになればOKです。

    “バターが白っぽくなるまで” とは?

    お菓子作りでよく目にする「バターが白っぽくなるまで混ぜる」工程、いまいちイメージできないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
    ボウルに入ったバターをゴムベラで練っている様子
    バターが白っぽくなるまでというのは、つまり「空気を含んだ状態になるまで」ということ。

    色だけではなく、質感もふんわりとして“かさ”が少し増えるので、その点も目安にしてみてください。

    かたくならないフィリングの混ぜ方

    シュトーレンはフィリングをたっぷり入れるので、生地に混ぜ込むとき少し手間取ってしまうかと思います。
    ボウルの中で広げたシュトーレン生地の上に、洋酒漬けフルーツとナッツを乗せた様子
    フィリングを混ぜるときは、丸めた生地にそのままフィリングを乗せるのではなく、「生地を伸ばしてフィリングを乗せ、折りたたむ」という作業を繰り返し、焦らず少しずつなじませていくのがコツです。

    ただし、生地を切って重ねると、せっかくつながったグルテンが切れてかたい食感になってしまいます。
    切るのではなく、伸ばして畳んでなじませるようにしてください。

    上手に成形する方法

    シュトーレンの生地を成形したところ
    紹介したシュトーレンの成形方法は、型を使わないシュトーレンのオーソドックスな形。
    ですが、めん棒を持っていなかったり、成形できるか不安だったりするときは、別の方法でも成形できます。

    めん棒を使わない場合は、まず生地をコッペパンのようにまとめ、真ん中に包丁で浅く切り込みを入れたら完了。

    どちらの方法でも、焼き上がりに大きな違いはないので、安心してくださいね。

    仕上げのバターと砂糖の役割

    シュトーレンの仕上げに使うバターと砂糖には、味だけでなく保存性を高める役割があります。

    バターをたっぷり染み込ませることで、外気からシュトーレンをガード。
    (澄ましバターにしてタンパク質や水分を除去すると、さらに保存性が高まります)
    天板の上に乗った焼き立てのシュトーレンにグラニュー糖をかけた様子
    さらにグラニュー糖と粉糖をまぶすことで、バターの酸化を防ぎ、細菌が繁殖しないようにしてくれるんです。

    加えて、生地に混ぜ込んだ洋酒漬けフルーツが、内側からも雑菌の繁殖を防いでくれます。

    外側と内側、両方の効果で、シュトーレンは日持ちしてくれるんですよ。

    シュトーレンの日持ちは?長持ちさせる保存方法

    シュトーレンは、基本的に室内の冷暗所(10〜15度)で保存します。

    ただし冬場は暖房などで室内の温度が高くなっていることも考えられるので、保存は冷蔵庫の野菜室でおこないましょう。

    冷蔵庫に入れる場合は、におい移りに注意してください。
    ラップに包んでジップ付き保存袋に入れたシュトーレン
    このように、ラップで二重に包んだあと、ジップ付きの袋に入れるなどして保存すると安心です。

    仕上げにバターや砂糖を使い、正しく保存した場合は、手作りでも2〜3週間日持ちします。

    冷蔵室やチルド室はNG
    冷蔵庫に入れる場合、普通の冷蔵室やチルド室では冷えすぎるのでNG。小麦粉に含まれるでんぷんが劣化して味や食感が落ちてしまいます。

    期限内にシュトーレンを食べ切れない場合

    保存期限内に食べきれない場合は、厚さ1センチ程度にスライスして1切れずつラップに包み、ジップ付きの保存袋に入れて冷凍しましょう

    室温で30分ほど解凍すると、おいしく食べられます。

    もしくは、冷凍のままオーブントースターで軽く焼くと、解凍しつつ表面がカリッと香ばしくなりますよ。

    冷蔵庫で解凍すると、上記で説明したとおり小麦粉のでんぷんが劣化してしまうので、常温で解凍するように注意してください。

    シュトーレンの食べ方(切り方)とおいしく食べるアレンジ

    シュトーレンは焼いた日よりも2〜4日置いて熟成させてからのほうが、味がなじんで美味しくなります。
    シュトーレンのかたまりとスライスを乗せた木の板とサンタの置物、ミモザを並べたテーブル
    厚さ1センチくらいにスライスして、(冷蔵庫で保存していた場合は少し常温に置いてから)いただくのがおすすめです。

    冷えた状態では甘味を感じにくいので、電子レンジで10秒ほど温めてもよいでしょう。

    また、シュトーレンを切るときは真ん中からスライスしていき、切り口を合わせるようにして保存すると、乾燥と雑菌の繁殖を防げます。

    きれいにカットするコツ

    黒いまな板の上でシュトーレンを波刃包丁を使いカットしている様子
    ドライフルーツやナッツがたっぷり入っているシュトーレンは、切るときにポロポロと崩れてしまいがちです。

    波刃包丁やパン切り包丁を使い、小刻みに動かしながらカットすると、比較的崩れずに切り分けられます。

    普通の包丁しか持っていない場合も、小刻みに動かしてカットしてみてください。

    ちょい足しアレンジでシュトーレンを違った味わいに

    そのまま食べるだけでも、日ごとに味わいが変わっていくシュトーレン。
    でもおいしさのあまり、日が経つ前に食べたくなってしまうこともありますよね。
    シュトーレンが盛り付けらたプレートとマグカップのドリンク
    そんなときは、ちょい足しアレンジで、シュトーレンの違った味わいを楽しむのもおすすめです。

    簡単にできるアレンジ
  • スライスしたあと、軽くトーストして
  • やわらかくしたクリームチーズをトッピングして
  • ほんのり温めて無糖のホイップクリームを添えて
  • このほかにも、有塩バターやレモン果汁でマリネした生ハムを合わせて、あまじょっぱい味にすると、前菜やおつまみにもなりますよ。

    手作りシュトーレンでクリスマスを迎えよう!

    クリスマスの雰囲気の室内のようす
    ドイツの伝統的なパン菓子「シュトーレン」。

    イーストを使いますが、必死にこねる必要はないため、パン作りをしたことがない方でも比較的作りやすいお菓子です。

    材料や保存方法をきちんと守れば2〜3週間は日持ちするので、たくさん作ってプレゼントするのもいいですね。

    紹介した作り方や失敗しないコツを参考に、ぜひ「手作りシュトーレン」にチャレンジしてみてください。

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