【フライパンの材質比較】鉄vsステンレス!焦げつきの有無や熱伝導率を実験で検証

鉄フライパン

何となく料理上級者向けの印象で、扱いが難しそうに思われがちな鉄やステンレスのフライパン。

フッ素樹脂加工などコーティング系の物に比べて「くっつきそう」というイメージの方が多いのではないでしょうか?

また、本体の素材がアルミであることが多いコーティング系のフライパンに比べて、熱伝導率がどのくらい違うのかも気になるところ。

そこで今回は、コーティング加工の無い鉄フライパンやステンレスフライパンについて徹底調査!
調理実験で実際に薄焼き卵なども焼いてみたいと思います。

コーティング無しのフライパンが気になっている方、是非チェックしてみて下さいね♪

加工無しのフライパンでも焦げ付かせずに調理できる?

今回比較を行うのは、コーディング加工のないフライパン・・・「鉄」と「ステンレス」。
以前のフライパンのコーティング比較の時と同様に、薄焼き卵を焼いてくっつかずに調理できるかを実験したいと思います。

「コーティングがないとお料理がくっつきやすそう」
「焦げ付きやすいのでは?」

・・・さて、本当のところは?
どんなふうになるのか、実際に比べていきましょう。

コーティングなしのフライパンの素材の種類って?

ところで。
コーティングされていないフライパンには、どんな素材のものがあるんでしょう?
フライパンに使われている主な材質としては、アルミニウム、チタン、ステンレス、鉄、銅など色々とあります。

「ハウジー」(旧くらべルート)では、その中でも特に人気の高い2つの材質「鉄」と「ステンレス」のフライパンをピックアップ。
実際に実験に使うのは、下記の2つです。
fpan-59

  1. ネオキャスチール(株式会社タマハシ) 鉄製
  2. ビタクラフト オレゴン(ビタクラフトジャパン株式会社)ステンレス製
(カッコ)の中はメーカー名、以降省略します。

鉄とステンレス!存在感たっぷりですね。
これらはコーティングがはがれるといった心配がないので、一生ものともいわれるフライパン。

使う前に要チェック!コーティング無しのフライパンの使い方とポイント

まずは、それぞれのフライパンを使う時の簡単なポイントからみていきます。

鉄製フライパンを使う時のポイント

鉄のフライパンを使いはじめる時は、「空焼き」をしてから「油ならし」をするという、ちょっとした準備が必要。
カンタンにご紹介しておきます。

  • 空焼き(からやき)の方法

  • 酸化被膜をつくり、油をなじみやすくするために、フライパンが玉虫色になるまで、強火で空焼きし、火を止めます。
     

  • 油ならしの方法

  • フライパンが手で触れるくらいに冷えたら、油をフライパンの3分の1くらいそそぎ、弱火で5分くらい熱します。そのあと、油を油ポットに戻して、キッチンペーパーで、油をすりこみます。

詳しくはこちら
鉄のフライパンを使いこなそう!意外と簡単な「空焼き」と「油ならし」の方法 これらは、くっつかない鉄フライパンにするための大事な作業。
強火や、空焼き、油をすりこむなど…フッ素樹脂加工などの、コーティングがあるフライパンの使い方とは、真逆。ちょっと手間だなとも思うことも…

空焼きがいらない鉄フライパンもある

先ほど実験に使うフライパンとして紹介した、鉄製のネオキャスチール
このフライパンはシリコンが塗装してあるので、「空焼き」と「油ならし」がいりません。
鉄フライパン
予熱をしてから、油を塗って使うことを繰り返すうちに、酸化皮膜ができて、くっつきにくいフライパンになっていくんだとか。
これなら、特別な手間はいらないですね。

また、あらかじめ空焼きされてある鉄フライパンもあるそうですよ。ちょっとおっくうだなと思っている方は、ぜひチェックを!

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ステンレス製フライパンを使う時のポイント

ステンレス製フライパンの代表として実験で使うのは、ビタクラフト オレゴン
ビタクラフト
持ってみると、鉄フライパンも重いですが、こちらは、さらにずっしりという感じ。

こちらはステンレス製とはいうものの、実は2層のステンレスの間に3層のアルミがはさまれている全面多層フライパンです。
fpan-64
熱伝導のよいアルミと、耐久性のよいステンレスが合体したフライパンなんですね。

水滴が転がったら予熱OK!

ビタクラフト オレゴンのパッケージを開けて、目に飛び込んできたのはこちら。
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水滴がコロコロ転がる状態が、予熱OKのサイン!なんだか、楽しくなりますね♪

この予熱の仕方はビタクラフトに限らず、ステンレス製の多層フライパンでは共通のポイントです。

下記の画像は、フィスラーというブランドのフライパンの説明書。同じ内容が記載されています。
フィスラー
なるほど……水滴が転がる=予熱完了なので、とてもわかりやすい合図。
これなら、迷わずに調理がスタートできますね♪

さらなるポイント!油は引く?引かない?

コーティングのないフライパンには、材質によって、調理前の下準備や、予熱の方法が様々だということが分かりました。

「でも、コーティングがないから、油は引いて調理しないといけないはず?」
「これは、鉄やステンレスも同じ?」

いえ、そうでもないんです!そこには、さらなるポイントが……!!

鉄製フライパンは油を必ず引きます ↓ ↓
鉄フライパン

ステンレス製フライパンは、料理によって油を引くときもあれば、引かないときもあります。
・・・えっ?どういうこと?

ステンレス製フライパンの無油調理とは?

実は、ステンレス製のビタクラフト オレゴン無油調理ができるフライパン。
お肉などを焼くときは、お肉自体の油のみで調理ができるので、はじめに油を引かなくてもいいのです。
ビタクラフト無油調理
余分な油を使わないので、ヘルシーですね。ただ、食材自体に油分がないものはダメ。
例えば、たまご料理や、ホットケーキなどは、油を引くのが必須
です。

【調理実験】ポイントをおさえれば、加工なしでもくっつかない?

さて。鉄製、ステンレス製のフライパンを使う時のポイントをおさえたところで・・・
いよいよ、くっつかないかを調べるために、薄焼きたまごを焼く実験をします!

実際の実験の様子はこちら ↓ ↓


実験内容

手順1
たまごを割り、菜箸でときます。
卵をとく
手順2
フライパンに油を引いて予熱し、中火でたまごを焼きます。
鉄フライパン卵
さて、どうなる?くっつかない……?

それぞれの「正しい使い方」で実験

この実験では、それぞれのフライパンの正しい扱い方に沿って使っています。

鉄製の「ネオキャスチール」は、油を引いて、中火で140度になったら、たまごを入れました。
鉄フライパン
フライパンの温度測定には、デジタルサーモメーターという赤外線を当てて温度を測る道具を使用。
デジタルサーモメーター
たまごの表面が固まったところで、フライ返しを、そーっと入れてみました。
鉄フライパンたまご
くっついていない様子。お皿にスムーズに移すことができました。

さて、薄焼きたまごの仕上がりは……?
鉄フライパン
少し、焦げ目ができていますね。中火だと、火力が強いのかもしれません。

次は、ステンレス製の「ビタクラフト オレゴン」
油を引いて、2分たったら、水を落としてみました。
ビタクラフト
本当に水滴が、コロコロ転がったー。予熱OKのサイン出ました!

ということで、たまごを入れて焼いていきます。
ビタクラフト薄焼きタマゴたまごの表面が固まったところで、フライ返しを入れてみると……
ビタクラフト
ビタクラフト オレゴンも、薄焼きたまごはくっつかず!お皿にスムーズに移すことが出来ました。
ビタクラフト
焼きムラもなく、きれいな仕上がり。とてもおいしそうです(^^)

フライパンで調理完了!気になる仕上がりの結果は……?

鉄製フライパンも、ステンレス製フライパンも、ポイントをおさえれば「くっつかない!」はクリアできそうですね。

実験結果を、表にまとめて見てみましょう。
薄焼きたまご仕上がり表
仕上がり結果には、ずいぶん差が出ました。
フライパンの材質によって、熱の伝わり方に違いがあるようですね。

その違いが分かれば、もっとうまくフライパンを使いこなせるはずです。

【実験結果】どちらも見逃せない!フライパンの熱伝導&熱効率

鉄とステンレスでは、調理の仕上がりにだいぶ大きな差が出ましたね。
ここからは、さらに詳しく熱伝導性や熱効率についても実験しながら調査していきます。

先ほどの調理実験では、コーティングのない2つのフライパンで薄焼きたまごを焼きました。
fpan-59

結果をおさらいすると、どちらのフライパンもくっつくことはなかったものの、薄焼きたまごの仕上がりには、ずいぶん差がありました。
薄焼きたまご仕上がり表
同じ中火で焼いたのに、鉄製フライパンの「ネオキャスチール」で焼いた薄焼きたまごには、焦げ目がつきましたね。

焦げ目がついたらダメ!ということではないですよ。少し焦げ目がついたほうがおいしいメニューもありますもんね。
例えば、ハンバーグとかステーキとか♪

でも、どうして焦げ目がついたのか気になる……。

無視できないのは、フライパンの材質。
材質によって、熱の伝わりやすさが違うんです。

ということは、焦げ目がついた鉄のほうが熱が伝わりやすいってことなのかも?

鉄vsステンレス!熱の伝わりやすさを比較してみよう

鉄のほうがステンレスより熱が伝わりやすいって、ほんと?ということで、いざ実験!

実験内容

鉄製の「ネオキャスチール」と、ステンレス製の「ビタクラフト オレゴン」を1分間熱して、温度を計測してみます。
鉄の方が温度が高ければ、熱が伝わりやすいといえますね。

温度計測には、デジタルサーモメーターという、赤外線を当てて温度を測る温度計を使用。
デジタルサーモメーター
実験の手順はこちら。

手順1
フライパンを、1分間中火で熱します。
中火
手順2
フライパンの中央と、ふちに近い部分の温度を測ります。
中央とふちに近い部分の2ヶ所を計測することで、フライパン全体に、熱が伝わっているのかどうかをみます。

赤い光が見えますね!ふちに近い部分はこのあたり。
フライパン温度計測

こんなにも違う!衝撃の結果

結果はこうなりました。

鉄製の 「ネオキャスチール」

鉄製の 「ネオキャスチール」は、中央の温度が、169.0度、ふちに近い部分の温度が、113.6度でした。
中央とふちに近い部分の温度差を計算すると、169.0-113.6=55.4なので55.4度
鉄フライパン
温度の差が結構ありますね。
でも、ガスの火元から近いフライパン中央と、ガスの火元から遠いフライパンのふちに近い部分に、温度差があるのは当然といえば当然。

ステンレス製の 「ビタクラフト オレゴン」

ステンレス製の 「ビタクラフト オレゴン」は、中央の温度が、42.9度で、ふちに近い部分の温度が、37.5度
中央とふちに近い部分の温度差は、5.4度でした。
あまりにも温度が低くてびっくり!
fpan-71
それに、中央とふちに近い部分の温度の差が5.4度ですよ!
温度差が小さいことにもびっくりです。

熱が伝わりやすいのはステンレスより鉄!

実験結果を表にまとめました。
熱の伝わりやすさ実験
鉄製の「ネオキャスチール」は、ステンレス製の 「ビタクラフト オレゴン」より、圧倒的に熱が伝わりやすいということが分かります。

中火で1分間熱すれば、食材を入れる予熱温度としては最適。
ただ、このまま中火で熱し続けると、熱が伝わりやすいので、どんどん温度が上昇するということに……。
鉄フライパン
調理する際、食材を入れると、いったんフライパンの温度は下がりますが、火加減には注意が必要。焦げの原因になります。

熱効率に優れたステンレス!

ステンレス製の 「ビタクラフト オレゴン」の、中央の温度は42.9度と、手で触れるくらいの温度。鉄製の「ネオキャスチール」より、温度が伝わりにくいことが分かりました。

でも、中央とふちに近い部分の温度差5.4度に注目!
鉄製の「ネオキャスチール」の温度差55.4度とは、比べものになりません。
ビタクラフト
温度差が小さいのは、フライパン全体に、まんべんなく熱が伝わっている証拠。
これって、実はすごいことなんです!

薄焼きたまごの、きれいな仕上がりもうなずけます。
ステンレスは、熱は伝わりにくいけど、熱を効率よく伝えてくれる材質なんですね。
特に、 「ビタクラフト オレゴン」のようなステンレス製で多層のものは、なおさらです。
ビタクラフト

「予熱に時間がかかりそう」と心配されるかもしれませんが、中火で2分間熱すれば、調理がスタートできます。
ご安心下さい♪

熱伝導が良い=熱が伝わりやすい

実験では、フライパンを熱して温度をはかり、熱の伝わりやすさを比べたわけですが、熱の伝わりやすさは、熱伝導率という値で表され、物理の公式で計算できるそうです。

フライパンのキャッチコピーで、「熱伝導が良い」「熱伝導性に優れた……」って、よく目にしませんか?
熱伝導がよい
熱伝導とは、温度の高いほうから低い方へ、熱が移動するということ。
実験に当てはめると、ガスの火の熱が、フライパンへ伝わって移動していくということです。

「熱伝導が良い」とは、熱が伝わりやすいということ。
今回の実験では、ステンレスより鉄のほうが熱伝導が良いということが分かったわけです。

鉄よりも熱伝導が良いアルミ

他に熱伝導が良い材質は?いうと、アルミがあげられます。
実験でも使用していたフッ素樹脂加工のチェリオットフライパン(株式会社コーベック)の本体の材質はアルミ。
中火で1分間熱した時の中央の温度は、201.7度でした。
フッ素樹脂加工フライパン
コーティングのあるフライパンは、本体にアルミが使われていることが多く、こちらのグランマーブル(和平フレイズ株式会社)も本体はアルミ。
マーブルコートフライパン
中火で1分間熱した時の中央の温度は、200.4度だったので、鉄よりもアルミは熱伝導が良いといえますね。

まとめ

今回のさまざまな実験を通して、「フライパンの材質によって熱の伝わり方に違いが出る」こと、「熱伝導(熱効率)の実験では熱が伝わりやすいのはステンレスよりも鉄」だということが分かりました。
こうした違いで、調理の仕上がりにも差が出てくるのですね。

今度新しいフライパンを探す際には、普段作られる料理にぴったりの材質はどれかというポイントにもぜひ着目して探してみて下さい♪
 
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