鉄やアルミニウムなどの金属の下地にガラス質の釉薬(うわぐすり)を塗り、高温で焼き付け融着させた鍋のこと。
ホーロー鍋とは
ホーロー鍋は、金属の強度と熱伝導のよさ、優れた加工性と、ガラスの錆や酸に強いという耐食性を持ちあわせています。
ホーロー素地といわれる金属は鍋の形に成形され、まず、ガラス質のうわぐすりがしっかり付着するように表面の錆や油が落とされます。そして、ガラス質のうわぐすりをかけて乾燥した後、高温で焼成されます。
ガラス質のうわぐすりとは、シリカ(二酸化ケイ素)を主成分としたもの。光沢が美しく装飾性に優れています。ホーロー鍋のカラーバリエーションが豊富なのはそのためです。
ホーロー鍋の種類とその特徴
鍋の材料や成形工程に違いがあることから、鋼板ホーローと鋳物ホーローに区別されることがあります。
どちらのホーロー鍋も、ガラス質のうわぐすりが金属の素地を守ってくれるので、丁寧にお手入れをすれば長く使うことができますよ。
それでは、ホーローの代表的な種類について、順番にご紹介していきます。
鋼板ホーロー
鋼板ホーローは、板状の金属を切断したり溶接したりして鍋に成形するため、厚みが薄く、熱の伝わりが早いのが特徴の鍋です。
鋳物ホーロー
一方、鋳物ホーローは溶かした鋳鉄を型に流し込んで成形されるため、厚みがあり保温性に優れているので煮込み料理に向いています。有名なル・クルーゼは、この鋳物ホーロー鍋になります。
調理器具として
その他では、調理面での長所は臭いが付きにくいということが挙げられます。
金属の臭いが食材につかず鍋にも食材の臭いがつかないので、料理がおいしく仕上がってお手入れも楽になります。
酸に強いため、酸味の強いお酢を使った料理や、果物のジャムなどにも向いています。
また、アルカリや塩分にも強いため、鍋だけでなく保存容器にもホーローは使われています。味噌や梅干しの保存にも最適です。
ホーロー鍋のメリットとデメリット
ホーロー鍋のメリットとデメリットにはどういったものがあるのでしょうか。ここではそれぞれのメリットとデメリットについて紹介します。
まずは、メリットについてみていきましょう。
- 熱が逃げない
- 焦げ付きにくい
- 中まで火が通りやすい
- 素材の甘みを感じられる
また、材料を入れても温度が下がりにくく、料理するのに使い勝手が良いというメリットもあります。
密閉率が高いため、中まで火が通りやすいです。ホーロー鍋で煮込むと、素材の甘みをひときわ感じることができます。
続いては、主なデメリットについてです。
- 急激な温度変化に弱い(熱していたものを急に冷やしたりすると割れてしまうことも…)
- 衝撃に弱い
- 重いので、扱いが難しい
ホーロー鍋は急な温度の変化が苦手です。
これはホーローという素材が急激な温度変化に弱いという特徴があるためで、急激に熱していたものを冷却すると容器が割れてしまう場合があります。
また、衝撃に弱いため取り扱いには十分に注意が必要です。
容量が大きいホーロー鍋はその分重さが増すので、扱いづらいというデメリットもあります。
ホーロー鍋のお手入れ方法
ホーローには焦げにくく丈夫な鍋という特徴がありますが、長年使用していれば、当然劣化してきます。
また、間違った使い方で鍋を焦がしてしまったり、洗う際に知らず知らずに傷を付けてしまっているかもしれません。
そうなれば、傷付いた箇所から汚れや色がついてしまい、色素沈着を引き起こす場合もあります。
ここでは、長く使うためのホーロー鍋のお手入れ方法について詳しく説明していきます。
重曹を使ったお掃除方法
ここでは、重曹を使用したお掃除方法をご紹介します。
鍋の汚れを無理やり落とそうとごしごし強くする方がいますが、無理やり取り除こうとすると、ホーロー面を傷つけてしまうかもしれません。なので、無理にこすらず、重曹を使ってゆっくりと丁寧に汚れを落とす必要があります。もし、ひどい汚れの場合は、この工程を2~3回繰り返すときれいに落とすことができます。
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セスキ炭酸ソーダを使ったお掃除方法
重曹を使った鍋掃除でも落ちなかったひどい焦げ汚れについてはセスキ炭酸ソーダを使ったお掃除方法がおすすめです。セスキ炭酸ソーダは重曹よりも強いアルカリ性のため、より強力に酸性の焦げを落とすことが可能です。先ほどの重曹でのお手入れと、ほぼ同じ手順でお掃除できます。
鍋の外側に付着した汚れには、キッチンペーパーを貼っておくのも効果的です。セスキ炭酸ソーダ水をつけたキッチンペーパーを貼っておいて、その後に重曹を使ったこすり洗いをすることで効果的に鍋の外の汚れを落とせます。
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ホーロー鍋を選ぶポイント
「臭いが付きにくい」、「金属の強度と熱伝導のよさ」、「優れた加工性と、ガラスの錆や酸に強い」という特徴を持ったホーロー鍋。
実際に選ぶとなるとデザインや機能性など、他のポイントについても気になるところですよね。
ここでは、ホーロー鍋を購入する前に、チェックしたいポイントについてまとめてみました。
・素材の確認をしよう
・使用方法で選ぼう
・お手入れが簡単な物を選ぶ
特に、サイズの問題はどうしても避けられないので、まずは部屋に置けるのか確認するところから始めましょう。
そして、素材の確認も重要です。
ホーロー鍋には先ほどご紹介したように鋳物タイプと鋼板タイプがあります。
それぞれに違いがあるので、用途にあったタイプを選びましょう。
IH対応や直火は大丈夫なのかなど、機器が熱源に対応しているのかも必ず確認をしておく必要があります。
非対応のものを使用すると、思わぬ事故に繋がって危険です。大変なことにもなりかねないので気を付けましょう。
ご自宅のコンロで使えるかどうか不安な方は、最近ではIH対応の製品も多いので、迷ったときはIH対応のものを選ぶと良いでしょう。
そして、ホーロー鍋の中には蓋を外せばオーブンが可能な物など、特別な機能のあるタイプもあるので、是非確認しておきましょう。
最後に、お手入れが簡単かということも大事ですね。
ホーロー鍋自体に重量があると、洗うのに大変です。特に、女性の方は洗い物の際に大変なので、なるべく軽量タイプがおすすめです。
さらに、アフターサービスが備わっている製品を選ぶと、より使いやすく安心でしょう。
ホーロー鍋のおすすめアイテム
最後に、オススメのホーロー鍋をご紹介します。
選ぶ上での参考にしてみてくださいね。
パール アミュレット ホーロー両手鍋
中が見えるガラス蓋付きのホーロー鍋です。ガス火や200VのIHクッキングヒーター、ハロゲンヒーターなどオール熱源に対応しています。
酸とアルカリに強く、腐食しにくいのが特徴で、表面はガラス質のため臭いが移りにくいため、清潔かつ衛生的です。
CB Alaw the casserole
世界中の琺瑯(ほうろう)製品を製造するALAW社の「The ALAW」シリーズです。
毎日使いやすく美しいます。シャープなフォルムとモノトーンが美しいデザインが特徴的なホーロー鍋です。
お手入れも簡単で毎日のキッチンウェアとしても使用できテーブルの上にそのまま出して卓上鍋としてもお楽しみいただけます。
「CB Alaw the casserole」についてはこちら
お気に入りのアイテムはありましたか。気になった方はこの機会一度詳しく探してみてくださいね。
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