焼き魚って普通の丸いフライパンで美味しく焼けるのでしょうか?
コツを抑えれば、魚焼きグリルを使わなくてもフライパンで魚を焼くことができます!
焦げ付きやすい西京(さいきょう)漬けや粕(かす)漬け、皮が薄くて剥がれやすいサンマやサバも、フライパンで上手に焼くことができますよ。
調理師racss
裏技テクニックもご紹介するので、ぜひ最後までご覧くださいね。
目次
フライパンで焼き魚は作れる?
魚が好きでも、家で焼くときには気になるポイントがいくつかありますね。
それに、そもそも家に魚焼きグリルがないという場合もあるでしょう。
そんなときにおすすめなのが、日常的に使っているフライパンで魚を焼くことです。
フライパンで魚を焼くメリットは?
実は、フライパンで魚を焼くメリットはたくさんあります。
- 焦げやすい魚や身崩れしやすい魚もきれいに焼ける
- しっとりした焼き上がりになる
- 煙が少ない
- 片付けが楽
フライパンだと焼き色のコントロールがしやすく、好みの焼き加減が見極めやすくなります。
また、網焼きよりもしっとり仕上がるのがフライパンで焼く魚の特徴です。
魚から出る脂をこまめに拭き取ると、魚焼きグリルで焼くときのように脂が燃えて煙が出ることがありません。
さらに、フライパンの場合は蓋を使うので、煙の臭いや煙たさもほとんど感じずに焼くことができるんです。
もちろん、直火や炭火焼きの味とは変わってきますし、大きい魚はフライパンのサイズに合わせて切らなくてはいけないのが残念ですが、それを差し引いてもフライパンを使うのはメリットだらけ!
一番家庭向きの焼き方と言えるのではないでしょうか。
フライパンで魚を焼くときに必要なもの
フライパンで魚をきれいに焼くには、シリコン加工されたクッキングペーパーもしくはフライパン用のホイル、そしてフライパンの蓋を使います。
フライパン用のホイルって?
各メーカーからフライパンの内側に敷いて使うホイルが販売されています。
食材に触れる面はこびり付きを防ぐシリコン加工がしてあり、通常のアルミホイルよりも厚手で穴が開きにくい特殊なホイルです。
また、クッキングペーパーよりも熱伝導率が良いため、きれいな焼き目が付きやすいという特徴があります。
クッキングペーパーは他の用途でも使用でき、比較的安価なので使いやすいですが、フライパンからはみ出す部分は火の燃え移りを防ぐためにカットするか折り込む必要があります(カットしなくてよい丸形タイプもあります)。
フライパンのサイズに合う蓋を用意するのも忘れずに。
蓋がない場合は、アルミホイルをかぶせて蓋代わりにしてもよいでしょう。
焼き魚の失敗を防ぐための下ごしらえと準備
魚をきれいに焼くためには、下ごしらえが大事です。
フライパンを使う場合に限らず、どの焼き方にも共通する下ごしらえの方法をご紹介しますので、確認しておいてください。
ポイント【1】魚を焼く前に常温に戻す
冷蔵庫で冷やしておいた魚は、焼く前に必ず常温に戻すようにします。
下ごしらえの時間を含めて、30分ほど出しておくとよいでしょう。
常温に戻すことによって、外側は焦げているのに中がまだ生という失敗を防ぐことができます。
また、急激な温度差による焼き縮み、パサつきの予防にもなります。
パッケージ等に調理法の記載があれば、そちらに従ってください。
ポイント【2】塩を振って身を引き締める
生魚の場合は、ひとつまみの塩を振り、15分ほど置いて身を引き締めましょう。
塩を振ることで、焼いたときに皮が剥がれにくくなる効果もあります。
臭みの元となるドリップが出てきたら、しっかり拭き取ります。
ポイント【3】漬魚は表面を拭く
漬魚1焦げ付きやすい西京漬けや粕漬けの場合は、表面の味噌や粕(かす)をきれいに拭き取るのが焦げないコツです。
量が多いときはゴムベラを使うと便利です。
水で洗い流すと簡単ですが、焼くと水っぽくなりがちなので、洗った後はクッキングペーパーなどで十分に水気を拭き取るようにしてください。
フライパンで魚を焼く方法とポイント
では、フライパンで魚を焼いてみましょう。

フライパンにクッキングペーパーまたはフライパン用ホイルを敷き、魚を乗せます。

中火にかけて蓋をします。
魚の身の6割から7割火が通るまでじっくり焼いていきます。
切り身であれば、側面も白くなり裏面には焼き色が付くのを目安にします。
フライパンの中に脂がたくさん出ていたらペーパーで拭き取り、余分な焦げができないようにします。

魚を裏返します。
このあとは蓋をせずに水分を飛ばしながら焼きます。

好みの焼き目が付けばできあがりです。
失敗しないポイント
盛り付けるときに見せたい面を下にしてフライパンに乗せましょう。
見せたい面を先に焼くことで、きれいな仕上がりが目指せます。
表面を焼くとき、時々蓋を開けて焼き色がどれくらい付いたかそっと持ち上げて確認しますが、何度もひっくり返したり刺したりはしません。
フライパンを軽く揺すって魚を滑らせるようにするとむらなく焼き目が付きますが、うまくできないときは動かさなくてもOKです。
魚を裏返すときは、いったんペーパーごとフライパンの外に取り出して、平らなところでひっくり返すと失敗しません。
クッキングシートやフライパン用ホイルを使わずに焼くには
クッキングシートやフライパン用ホイルが手元にないとき、使わずに焼きたいときは、ごく少量の油をひきます。
鉄のフライパンの場合は、先に強火にかけてフライパンを熱くしてから魚を乗せるのがこびりつかないコツです。
魚を乗せたら弱火に落とし、基本の焼き方と同じように蓋をしてじっくり焼きます。
樹脂加工がされたフライパンなら、最初から弱火から中火でじんわりと焼きます。
もしくは、普通のアルミホイルをくしゃくしゃにしてから魚を乗せることで代用ができます。
アルミホイルを敷く焼き方では熱の伝わり方は少々遅くなりますが、くっ付きにくいですし、余分な油がシワ部分に溜まるのがメリットです。
フライパンの蓋がなくても大丈夫!蓋なしで魚を焼く方法
基本の焼き方では蓋を使いますが、フライパンの蓋がないときは魚を包んで焼く方法をおすすめします。
一切れずつ包みますので、味が違う魚も隣で焼けるというメリットもありますよ。

クッキングシートまたはフライパン用ホイルで魚を包んだ状態にし、6~7割ほど火が通って焼き目が付くまで焼きます。

包みを開けて裏返して焼きます。
厚みのある魚なら側面も焼き付けると良いでしょう。
菜箸で挟み、立てた状態で1~2分焼きます。

できあがり。
焦げやすい粕(かす)漬けの銀だらがこんがりホクホクに焼けました。
ひっくり返さず家庭用バーナーで香ばしく焼く裏ワザ
身崩れしやすい魚は、ひっくり返さずに火を通すことができれば、失敗する確率がぐんと減るので安心ですね。
裏ワザですが、蒸し焼きでしっかり加熱したあと、最後にバーナーで炙る焼き方ならひっくり返す必要もなく、美味しくできます。
家庭用のハンディバーナーを使って、西京漬けのサバをこんがり香ばしく焼いてみました。

クッキングシートやフライパン用ホイルの後ろ側に水少々(50cc程度)を入れ、蓋をします。
高温の蒸気で蒸し焼きにして、魚にしっかり火を通します。

ホイルごと金属トレイの上に取り出し、バーナーで表面を炙ります。
好みの焦げ目が付いたらできあがりです。
バーナーを使うときの注意点
クッキングシートやシリコン加工されたホイルに乗せて魚を焼いた場合は、そのままバーナーを使うと燃える危険があるため、金属トレイの上などに取り出してから行います。
また、燃えやすいものを周りに置かないよう注意してください。
私は家庭で使いやすい、一般的なガス缶にセットできるバーナーを愛用中。
別記事でこのバーナーの使い方を詳しく解説していますので、合わせてご覧ください。
炙り料理ができるバーナーの使い方!サーモンとプリンの上手な炙り方のコツ
魚焼きグリルでフライパンを使えばお手入れが楽に
「魚焼きグリルが汚れるのが嫌で使っていない」という方には、魚焼きグリルにフライパンを入れる焼き方もおすすめです。
グリル庫内に入るサイズのフライパンに乗せて、その上で魚を焼きます。
グリルの下に落ちる汚れがないので、お手入れもぐっと楽になります。
魚焼きグリルはピザ窯と同じ対流熱で焼くことができ、焼き上がりの美味しさはやはり一番なんです。
両面焼きのグリルなら、ひっくり返さなくてよいのも魅力です。
今はグリルパンなどの専用の調理器具もありますが、スキレットや持ち手も金属になっているフライパンをお持ちなら、まずはそれで試してみては?
おわりに
フライパンで上手に魚を焼くコツを解説しました。
主なポイントは、
- シリコン加工されたクッキングシートやフライパン専用ホイルを活用すること
- 蓋を使ってしっかり火を通すこと
フライパンで上手に魚を焼くことができれば、焼き魚が食卓にのぼる頻度も増えそうですね。
私は魚好きなのでよく焼き魚をしますが、特に漬魚の切り身を焼くときは、フライパンの方が簡単に焼けるので気に入っています。
魚焼きグリルなど他の焼き方と使い分けするのもおすすめですよ。ぜひお試しください。

