えのきの栄養・旨味をアップさせるには冷凍保存がおすすめ!「えのき氷」の作り方も解説

「えのきダイエット」が一時期ブームになったときに、注目を浴びたえのき。
健康や美容のためにもおすすめの食材で、毎日の食事の中に手軽に取り入れることができるので、また注目を集めつつあります。

今回は長野県で生まれて話題になった「えのき氷」を始め、えのきの栄養をしっかり摂れる食べ方や保存方法についてご紹介しますね。

「えのき」ってどういうキノコ?

えのき
「えのき=安いキノコ」
そんなイメージを持っている人も多いのではないでしょうか?

えのきはその価格の安さから、日本で1番食べられているキノコで、スーパーなどで1年中手に入れることができます。

しかし、えのきの特徴はそんなお手軽さだけではありません。

えのきの一大生産地は長野県

えのきの一大生産地と呼ばれているのは長野県です。
長野県での生産量は、全国生産量のシェアの60%を占めていると言われ、その中でも長野県中野市だけで40%を占めています。

日本一のえのき生産地である長野県中野市では、えのきの加工も盛ん。
後程ご紹介する「えのき氷」を商品として販売もしているので、自分で作るのが手間に感じる人は通販などを利用して購入することもできますよ。

天然のえのきは白くない!

えのきといえば「白いきのこ」と思われている人が多いでしょうが、実は天然のえのきは茶色なのです。
カサも大きくて茶褐色であるため、初めて見ると「これがえのき!?」とビックリしてしまうかもしれません。

ちなみに、一般的に私たちが手にしている白色のえのきは品種改良により誕生し、今では一般的なえのきとして扱われています。
(今回「えのき氷」を作るのに使用しているのは、よく目にする白色のえのきです。)


他にも、えのきには旨み成分でもあるグルタミン酸やグアニル酸が豊富に含まれているため、旨み成分が強いという特徴もあります。

続いては、えのきに含まれる栄養素について詳しく解説していきます。

実は栄養豊富!えのきの栄養と効果

えのきの栄養
一見、栄養価が高くなさそうに見えるえのきですが、実はキノコの中でも栄養価が高いのが特徴
どんな栄養素が含まれているのか、順番に見ていきましょう。

えのきに含まれる栄養素|食物繊維

えのきの1番の特徴は、食物繊維が豊富に含まれていること。

食物繊維には腸内環境を整える働きがあります。
腸内環境が整えられることで、便秘改善や免疫力アップなどが期待できるのです。

中でも、β-グルカンキノコキサトンと呼ばれる食物繊維の一種が注目を集めています。
β-グルカンは発がん抑制物質、キノコキサトンは脂質の吸収を抑える物質とも言われています。

えのきに含まれる栄養素|ビタミン類

えのきにはビタミン類も豊富に含まれています。
特筆すべきは、水溶性ビタミンであるビタミンB1・B2ナイアシンと脂溶性ビタミンであるビタミンD
どんな効果があるのか簡単に見ていきましょう。


ビタミンB1は、疲労回復ビタミンと呼ばれるとともに、糖質の代謝をサポートしてくれる栄養素。
お米が主食である日本人には欠かせない栄養素です。

ビタミンB2は、三大栄養素1人間のエネルギー源になる栄養素である「糖質・脂質・タンパク質」をまとめて三大栄養素と呼びます。のエネルギー代謝をサポートしたり、皮膚の健康にも必要であったりすることから、「美容のビタミン」と呼ばれることもあります。

ナイアシンは、糖や脂質からエネルギーを生み出すサポートや、アルコールの分解を助けて二日酔いを予防する働きが期待できます。

ビタミンDは、日光(紫外線)を浴びることで、体内でも作られる栄養素です。
カルシウムの吸収力を高めたり、血中のカルシウム濃度を一定に保ったりすることで、元気な体作りには欠かすことができません。

えのきに含まれる栄養素|GABA

アミノ酸の一種であるGABAが含まれているのもえのきの特徴のひとつです。

GABAは神経伝達物質として働くことで、血圧を下げる働きが期待されています。

「ブラウンえのき」と普通のえのきはどこが違う?

ブラウンえのき
スーパー等でたまに目にするブラウンえのき。
ブラウンえのきは、一般的な白色のえのきと野生種の茶色のえのきを交配させることで作り出されたと言われています。

基本的には含まれている栄養素は同じですが、ブラウンえのきの最大の特徴はアミノ酸の含有量です

白いえのきに比べ、ブラウンえのきには約3倍の量のアミノ酸が含まれています。
アミノ酸とは、私たちの体を作る上で欠かせないタンパク質の構成成分であるとともに、グルタミン酸やグアニル酸などの旨み成分でもあります。

おいしくてアミノ酸たっぷりなので、ブラウンえのきを見つけたときには手にとってみるのもよいでしょう。


ちなみに、長野県JA産えのきに関しては、令和元年10月18日に、生鮮食品としては初めて機能性表示食品として認められています

体にうれしい効果・機能だけでなく、国が安全性を認める食材であるえのき。
ぜひ、毎日の食事に積極的に取り入れていきましょう!

続いては、えのきの栄養を余すところなく摂るための食べ方をご紹介していきます。


参考資料
※JA全農長野「「長野県JA産えのきたけ」機能性表示食品の届出受理について」検索日2021/8/24

えのきの栄養をしっかり摂るための食べ方・注意点

えのきの保存方法
えのきはそのまま加熱をして食べても栄養価が高い食材ではありますが、一番おすすめなのは一手間加えて冷凍すること

なぜ、冷凍するのがおすすめなのか、理由をお伝えしていきましょう。

冷凍するとえのきがもっとおいしくなる!?

実はえのきには、冷凍することで旨み成分であるグアニル酸や食物繊維の一種であるキノコキサトンが増えるという特徴があります

旨み成分のグアニル酸は、細胞の中にある核酸がヌクレアーゼと呼ばれる酵素で分解されることで作り出されます。
この過程が進むためには、細胞が破壊される必要があります。
冷凍したえのきを解凍するときにこの細胞の破壊が起きるため、冷凍することで旨み成分が増えるのです。

また、おいしさの面だけでなく栄養をしっかり摂るためにも、冷凍はおすすめです。
食物繊維のキノコキサトンもえのきの細胞内に含まれており、冷凍や加熱などをすることで細胞壁が破壊されるため、食べたときにより吸収しやすくなるのです。

水で洗う&水滴が付いたまま保存はNG

えのきに限らず、キノコ類は水に弱いです。
水がついたまま保存してしまうと、傷みやすくなってしまうだけでなく、栄養価も落ちてしまいます。

せっかくの水溶性ビタミン類が水に溶けてしまうので、基本的にはキノコ類は水で洗わずに調理しましょう
汚れが気になる場合には、乾いたキッチンペーパー等で軽く拭き取ります。

冷凍保存する際も、水滴が付いていないことを確認した状態で、できるだけくっつかないように広げて冷凍するのがおすすめです。

もっとも気をつけたいのが、冷凍えのきを調理するとき。
自然解凍してしまうと、ドリップとともに旨み成分も流れ出てしまいます。
そのため、冷凍えのきは凍った状態のまま使用しましょう

えのきを冷凍保存するときのポイントと保存期間

冷凍することで旨み成分も栄養価もアップするえのき。
ここからは正しい冷凍保存方法をお伝えしますね。

  1. えのきを袋から出したら、石づき部分を包丁で切り落とす。
  2. 調理しやすい長さにカットする。
  3. 根元の固まりになっている部分は、バラバラにほぐす。
  4. 保存袋にできるだけ重ならないように広げて入れる。
  5. 冷凍庫に入れ、約1時間に1度取り出して、軽く揉む。
  6. 再び冷凍庫に入れたら冷凍えのきの完成。

冷凍保存に使用する保存袋は、酸化や乾燥、臭い移りなどを最小限に抑えるために密閉できるものを用意しましょう。

冷凍えのきの保存期間は?

冷凍保存したえのきは、約1ヶ月は保存しておくことが可能。
すぐに使用しないならすべて冷凍してしまうのもおすすめですよ。

えのきを冷蔵保存した場合、購入してきたままの状態のままだと4~5日しか日持ちしません。
しかし、石づきを切り落とさず、キッチンペーパー等で包んでから保存袋に入れ、空気に触れないようにすることで、冷蔵保存でも1週間近くは保存可能です。

長野県で生まれた「えのき氷」とは?

えのきだけでなく、きのこの生産量が日本一をほこる長野県中野市。
この地域では、きのこの食べ方についての発信も活発におこなわれています。

えのき氷
中でも有名なのが、こちらの「えのき氷」。
JA中野市代表理事組合長の阿藤博文さんが生みの親だと言われています。

阿藤さんは18歳の時にえのき栽培をスタートして、試行錯誤の後にえのき氷を生み出しました。
そして、JA開催の料理教室などでそのえのき氷が紹介されていくうちに口コミで広がっていったのです。

今ではえのき氷は長野県だけにとどまらず、日本中で食べられるようになっています。

えのき氷の特徴とメリット

えのき氷の特徴は、えのきをペースト状にして作るため、見た目だけではえのきが使われていると気づきにくいこと。
キノコが苦手な人の中には、「キノコの見た目が嫌」という人もいるので、えのき氷にすることで食べやすくなるというメリットもあります。
ペースト状のえのき
えのき氷は味の主張も強くはないので、どのような食材とも相性がよく、いろんな料理に旨み付けとして使用できます。
毎日使用しても飽きがこないのはうれしいポイントですね。

さらに、先ほどご紹介した通り、えのきに含まれているキノコキサトンをはじめとする栄養素は、えのきの細胞壁に包まれています。
えのき氷を作る過程で、細胞壁を破壊することができ、普通に食べるだけでは吸収しきれない栄養をしっかり摂ることができます。


参考資料
※JA長野県「体に良く効く「えのき氷」はこうやって作る」検索日2021/8/24
※第一紙行「キノコに関するアンケート」検索日2021/8/24

「えのき氷」を作ってみよう!レシピと活用方法

えのき氷は、製氷皿を使用して作るレシピが多いです。
こちらでは実際に製氷皿を使ってえのき氷を作る方法を写真付きでご紹介していきます。

えのき氷の材料

えのき氷(製氷皿2つ分くらい)の材料

  • えのき 2袋(約300g)
  • 水 2カップ(400cc)

えのき氷の作り方手順

手順1
えのきの石づきを切り落とす
えのきの石づきを切り落とす
まずはえのきの石づきを切り落とします。
その後、ペースト状にしやすいように、包丁で3~4等分にざく切りに。
固まっている部分は手でほぐしてバラバラにしておきましょう。
手順2
えのきに水を加えてミキサーで混ぜる
カットしたえのきに水を加える
えのきをミキサーで混ぜる
えのきと水をミキサーに入れて、ペースト状になるまで攪拌かくはんします。

ミキサーがない場合は、ブレンダーやフードプロッセッサーなどを使用しても問題ないです。

手順3
ペースト状になったら火にかける
ペースト状のえのきを火にかける
ペースト状になったら、小鍋に移して火にかけます。
手順4
えのきを煮詰める
ペースト状のえのきを火にかける
ふつふつ沸騰してきたら弱火にします。
焦げないようにたまにかき混ぜながら、約1時間煮詰めてください。

1時間煮詰めたら、火からおろして粗熱をとります。

手順5
製氷皿に流し入れて冷凍
えのきを製氷皿に入れる
えのき氷の作り方
粗熱がとれたら、製氷皿に流し入れて冷凍したらできあがり。

製氷皿がない場合には、冷凍用の保存袋などでも代用できます。

保存袋に入ったえのき氷
製氷皿で凍らせてできたえのき氷は、使いやすいように製氷皿から取り出して、保存袋で保存しておくのがおすすめですよ。

えのき氷は冷凍保存で約2ヵ月は保存可能です。
1時間煮つめる作業に手間を感じてしまう場合、一度にたくさん仕込んでおくとよいでしょう。

えのき氷は1日に何個食べるといい?

えのき氷
調味料代わりにも使えるえのき氷ですが、1日3個を目安に毎日の食事に取り入れることをおすすめしています。
1度の食事で3個分を使用するのももちろん大丈夫ですが、3食に分けて取り入れてもよいでしょう。

このえのき氷3個分で、生のえのき約50g分に相当すると言われています。
食物繊維を豊富に含み、吸収力がアップしているえのき氷は、人によっては慣れるまでお腹がゆるくなる場合も。
そんなときは、1日3個ではなく、体の様子を見ながらまずは1~2個からスタートしてみてください。

えのき氷を毎日の食事に上手く取り入れよう

えのき氷は旨み成分であるグアニル酸を豊富に含んでいるので、料理の味付けに追加するだけで旨みがアップする優れ物。
味噌汁など、ぜひ毎日食べる料理に加えてみてください。

味にクセがないため、和洋中さまざまな料理に活用できますよ。

えのきの栄養を効率良く摂取するなら「えのき氷」

えのきに含まれる栄養素や、おすすめの食べ方についてご紹介してきました。
えのきの栄養を効率良く摂取し、より旨味を引き出すためにも、「えのき氷」はおすすめの食べ方です。

えのき氷は、一度仕込んでしまえば、その活用方法は無限大。
毎日の食事に加えるだけで、簡単に旨みと栄養をプラスできます。

お手頃価格のえのきは誰でも手に入れやすく、ポテンシャルも高い食材。
ぜひ一度、えのき氷を試してみてはどうでしょうか?

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