栄養満点なにんにくを気軽に食卓へ!効率よく栄養を摂取できる食べ方とニオイ対策

香味野菜の代表選手でもあるにんにくは、料理をワンランク上に仕上げるために欠かせない食材のひとつ。
しかし、「ニオイが気になる」という理由で食べることをためらってしまうという人も多いですよね。

そんなにんにくですが、私たちの体にとっては嬉しい効果をもたらしてくれる一面ももっています。

そこで、今回はにんにくの栄養についての話や、にんにくを食べる時のニオイ対策にんにくを日々の食事に取り入る方法についてご紹介しますね。

にんにくの種類を知ろう!

国内でも生産されているにんにくですが、その生産量は決して多くなく、国内の市場に出回っているほとんどのものが中国産です。
ちなみに、国産にんにくの約80%は青森県で生産されていますよ。

そんなにんにくですが、実はさまざまな種類が存在しているのです。
まずは、分かりやすいにんにくの球の色での分類をご紹介しますね。

にんにくの種類|白にんにく

白にんにく
一般的に市場に出回っているにんにくであり、一度は口にしたことがあるでしょう。
その名の通り外皮は白色であり、1片が大きく調理がしやすいです。
また、強い香りと濃厚な味わいが特徴です。

にんにくの種類|赤にんにく

赤にんにく
白にんにくに比べると、1片が小ぶりであり、薄いピンク色をしています。
イタリアのシチリア産の名産とも言われている赤にくにくは、白にんにくよりも濃厚な味わいを楽しむことができて、香りが強いのも特徴です。

にんにくの種類|紫にんにく

紫にんにく
日本でも栽培されていますが、アルゼンチンなどの南米で栽培されているにんにくです。
ほんのりとした甘さがあるのが特徴です。

にんにくの種類|黒にんにく

黒にんにく
その見た目から全く別物であると認識している人も多いかもしれませんが、実は白にんにくを1~2ヶ月熟成・発酵させたものが黒にんにくなのです。
熟成させることによりまろやかになり、甘酸っぱさも出ます。果物のように食べることもでき、「フルーティーにんにく」と呼ばれることもあります。
もちろん、発酵熟成により含まれる栄養素が少し変わるのも特徴です。

にんにくの旬の時期と美味しいにんにくの見分け方

にんにくは1年中スーパーで手にすることができる食材ですが、旬の時期はもちろんあります。
ただし、生産地によって多少のズレがあることも知っておくとよいでしょう。

だいたい5~7月がにんにくの旬の時期と言われており、初夏は貴重な新にんにくを味わうことができます

旬の時期には新(生)にんにくをお試しあれ

生にんにく
通常、市場に出回っているにんにくは、農家さんで収穫されてから20~30日ほど乾燥させて水分を飛ばすことで保存性を高めたものです。

しかし、旬の時期には、収穫されたらそのまま出荷される新(生)にんにくを手にすることができる機会に恵まれます。

生で食べるとシャキッとした食感を楽しめるだけでなく、みずみずしく、香りも強いのが特徴です。
しかし、嫌な香りではないので、ぜひ一度は試してもらいたいです。
ただし、スーパーなどでは出回ることはないので、ネットで購入する方が確実でしょう。

美味しいにんにくを見分ける3つのポイント

にんにくの各部名称
スーパーでにんにくを買うとき、どれが美味しいにんにくか見極めるポイントもご紹介します。

ポイント【1】ズッシリしているものを選ぶ

にんにくをいくつか手にとってみて、重みを感じるものを選びましょう。
鱗片りんぺん同士の隙間がなくキュッとしまっており、重みを感じるものは、中身も詰まっているだけでなく水分もしっかりとあるのでおすすめです。

大きさの割りに軽いものは、中身がスカスカの可能性が高いので避ける方がよいでしょう。

にんにくは保存性を高めるために、乾燥をさせて出荷するのが一般的です。
しかし、必要以上に水分が抜けてしまっているものや古いものは風味が落ちているため、おすすめではありません。

ポイント【2】できるだけ白いものを選ぶ

品種によっては、少し黄みがかっていたり、ピンクや赤紫色っぽいものもあるので、真っ白でなければダメというわけではありません。
しかし、一般的な白にんにくなら、なるべく白っぽいものを選ぶとよいでしょう。
外皮もカサカサによく乾燥しているものがおすすめです。

茶色っぽくなっているのは、鮮度が落ちている証拠でもあるので、できれば避けましょう。

ポイント【3】芽が出ていないものを選ぶ

切り口部分から緑色の芽が出ているものは、鮮度が落ちてしまっています。
また、根のカット面にかびが生えているものは中までカビが広がっている可能性もあるので注意が必要です。

保存状態が悪い証拠でもあるので、手に取るのはやめましょう。

注目すべきにんにくの栄養素・効能とは

にんにくはなぜ体にいいと言われているのか、にんにくの栄養素や効能についてご紹介します。

にんにくには、糖質やアルコール代謝を補助してくれるビタミンB1や、タンパク質に関わり筋肉や血液を作るサポートをするビタミンB6が含まれています。
甘いものやお酒好きの人には嬉しい栄養素ですが、実は決して豊富ではありません。

注目すべきにんにくの栄養素はコレ!

にんにくの栄養素
にんにくに含まれている栄養素で注目したいのが、にんにく特有のニオイの元でもある「アリシン」と「スコルジン」、「セレン(セレニウム)です。

アリシンは、にんにくを刻んだりすりおろしたり潰したりすることで、アリインという成分が変化したものです。
ビタミンB1の吸収を促進することで、疲労回復や免疫力アップ、血液サラサラ効果などが期待できます。

にんにくを加熱した時に、アリシンが変化することでできるのがスコルジンです。
アリシンとは異なり、臭くないスコルジンは強力な抗酸化力があります。
そのため、体の酸化を抑えることで、新陳代謝を高めることが期待でき、疲労回復におすすめといわれています。

セレン(セレニウム)はガンや動脈硬化の原因となる脂質の酸化を防ぐ効果があるとされています。

にんにくに含まれている注目の栄養素
アリシン:ビタミンB1の吸収を促進する(疲労回復や免疫力アップ、血液サラサラ効果に)
スコルジン:強力な抗酸化力(新陳代謝を高めたり、疲労回復におすすめ)
セレン(セレニウム):ガンや動脈硬化の原因である脂質の酸化を防止

黒にんにくは白にんにくと栄養素が違う?

発酵熟成することでできあがる黒にんにくは、その見た目だけでなく、栄養素も白にんにくとは違うのです。

黒にんにくで注目されているのが、「アミノ酸」が豊富に含まれていることです。
その中でも、特に必須アミノ酸でもあるイソロイシン1疲労回復や筋力アップに効果があるやバリン2ロイシン、イソロイシンとともに筋肉や肝臓に働きかけて、筋肉で代謝され、エネルギー源の強い昧方になる。疲労回復や免疫力のアップにも効果があるは、通常のにんにくよりも含有量が多いことが分かっています。

また、青森県中小企業団体中央会の報告によると、体力増強に効果があると言われている「S-アリルシステイン」は通常のにんにくよりも約3倍含まれているそうです。

加えて、老化や病気の原因のひとつとされることが多い活性酸素を抑える働きをしてくれるポリフェノールも豊富に含んでいます。


参考資料
※青森県中小企業団体中央会「黒にんにく」検索日2021/5/19

にんにくの栄養をしっかり摂取できるおすすめの食べ方は?

にんにくから注目の栄養素を摂取したい時には、それぞれにおすすめの切り方・食べ方があります。

にんにくにはいくつか代表的な栄養素があるとご紹介しましたが、中でも「アリイン」は加工方法や調理方法によっていろんな栄養素に変化します。
これらの栄養素を効率的に摂取するためにはどうすればいいのかをご紹介していきますね。

アリインを摂取したい場合

アリインは生のにんにくに含まれている栄養素です。アリシンと同様、抗酸化作用があるため滋養強壮や疲労回復の効果があります。

アリインはにんにくの細胞が破壊されてしまうと、アリナーゼという酵素の働きによって、にんにく臭の原因であるアリシンに変身してしまいます。
にんにくを丸ごと使う
そのため、1番アリインを効率的に摂取するためには、にんにくを「切らない、すらない、潰さない」の丸ごと使用することをおすすめします。
もし、カットする場合には、半分にカットするくらいにおさえておく方がよいでしょう。

にんにくを丸ごと焼いたり蒸したりして調理をすることで、芋のようなほくほくした食感を楽しむこともできますよ。

アリシンを摂取したい場合

にんにく特有の臭みの元であるアリシンは、いわゆる「にんにくの効果」とされている疲労回復や免疫力アップが期待できます。
アリシンはアリインよりもビタミンB1と結びつきやすく、吸収効率を高める働きがあります。

生の丸ごとのままでは、アリシンはほとんど存在していません。にんにくの細胞を破壊することで、アリインから変身します。
そのため、アリシンを摂取したい場合には、細胞をしっかりと破壊することが必要です。

にんにくのアリシン効果を得たい場合には、最も効果的な方法である「にんにくのすりおろし」を取り入れるとよいでしょう

もしくは、みじん切りにしてあげることもおすすめです。
みじん切りも細かくすればするほど、アリシンは効率的に取り入れやすいです。

様々なにんにくの切り方
料理の種類によっては、すりおろしやみじん切りでない方がよい場合もあるかもしれません。
そんな時には、お好みに合わせて千切りや半月切り、縦切り、輪切り、つぶすなど、とりあえずにんにくの細胞をしっかり破壊できる切り方をやってみましょう。

スルフィド類やアホエンを摂取したい場合

にんにくはガンを予防する成分があることでも注目を浴びています。
しかし、このガン予防成分を摂取するためには、切り方や調理方法で気をつけなければならないことがあります。

ガン予防成分と呼ばれる「スルフィド類」や「アホエン」はにんにく臭の元であるアリシンが変化したものです。
そのため、まずはにんにくを切ったりすりおろしたりして、アリインからアリシンに変化させましょう。
にんにくを低温の油で加熱
そして、カットしたにんにくを低温の油で加熱してあげることが必要です。
鍋やフライパンに油とカットしたにんにくを入れて、弱火でじっくりと加熱してあげるとよいでしょう。
成分が油に包み込まれることで、スルフィド類やアホエンを効率よく摂取することができます。

POINT
高温の油では、酵素の働きが失活してしまうため、スルフィド類やアホエンに変化できません。油の温度は低温にするよう心がけてください。

栄養満点なにんにくを日々の料理に取り入れるアイデア

にんにくの栄養素や、その栄養素を効率よく摂取するための方法をご紹介しました。
続いて、そんな栄養満点なにんにくを日々の料理に取り入れるアイデアをご紹介します。

肉や魚の臭み消しとして使う

肉や魚の臭み消しとしてにんにくを使う
にんにくは特有の香りに注目がいきがちですが、その刺激の強い香りで肉や魚の臭み消しとして使用することができます

肉や魚を焼く時には、まずオリーブオイルなどの油とにんにくを弱火でじっくりと加熱します。
にんにくの香りがオイルにうつったのを確認できてから、肉や魚を焼いてあげるとよいでしょう。

実は、空気にさらされると、アリシンは空気に逃げてしまいます。
そのため、逃げないように油と混ぜてあげることがおすすめです。

ドレッシングの風味つけとして使う

にんにくのすりおろし
風味をつけるために、ドレッシングににんにくのすりおろしを加えてあげるのもよいでしょう。
空気にふれないようドレッシングと混ぜることで、しっかりとアリシンを摂り入れることができます。

生ものと一緒に食べる

かつおのたたきとにんにく
アリシンは殺菌効果も強いです。
そのため、馬刺しやかつおのたたきなどの生ものと一緒に食べるのもおすすめ。
薬味としてすりおろしたものを添えてあげるのといいでしょう。

食べる前に知っておきたい!にんにくを食べるときの注意点

その香りから料理のアクセントや風味付けのために使用されることが多いにんにくですが、食べる時にはいくつか注意が必要になります。
ポイントを抑えることで美味しく食べることができるので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

にんにくの過剰摂取は危険?

たくさんのにんにく
体にとって嬉しい効果も多いにんにくですが、食べ過ぎてしまうと腹痛や下痢、貧血、胃痛、めまいなどの不調を引き起こしてしまう原因になることもあると言われています。

にんにく臭の元でもあるアリシンは殺菌効果が強いこともあり、食べ過ぎると刺激が強すぎたり、善玉菌も殺してしまうことで、腸内細菌のバランスが崩れてしまう危険性もあるのです。

そのため、にんにくは適量食べることをおすすめしています。
いろいろ調べてみた結果、にんにくの適量は以下のように言われています。

にんにくの適量
  • 生で食べる場合:1片/日
  • 加熱して食べる場合:2~3片/日
  • 子どもが食べる場合:大人の食べる量の半分量
この量はあくまでも目安量です。
男女や体質などでも違いは出てくるので、少しずつ様子を見ながら食べるようにしてください。

にんにくの過剰摂取を特に気を付けた方がいい人

また、以下に該当する人は特ににんにくの過剰摂取には気をつけた方がよいので参考にして下さいね。

■妊娠、授乳中の人
気の巡りをよくすることで堕胎のリスクを高めたり、母乳にもにんにく成分が移行するといわれています。

■胃腸が弱い人
アリシンの殺菌効果により、胃の粘膜が傷つく恐れがあります。

■胃潰瘍、十二指腸潰瘍、慢性胃炎の人
薬膳では、アリシンが消化器系統に刺激を与えるということで、過剰摂取を避けるように言われています。

■血液凝固作用がある薬を服薬中の人
薬の効きを高めるためにも、にんにく自体の摂取を避けたいところです。

気軽においしくにんにくを食べるためのニオイ対策方法

お店のすりおろしにんにく
にんにくは過剰摂取をしなくても独特のニオイがしますよね。
そのにんにく臭のせいで、食べるタイミングに困っているという人も多いかもしれません。

気になるにんにくのニオイですが、ちょっとした工夫を取り入れることで緩和することができます。
今回、いくつかニオイ対策方法をご紹介するので、取り入れやすい方法を試してみるのもよいかもしれませんね。

にんにくを食べ過ぎるとニオイが取りづらくなる

にんにく臭の元であるアリシンは、血液に乗って体全体を巡り、体から排出されるまでに16~48時間もかかります
そのため、にんにくを過剰に食べてしまった場合には、にんにく臭を完全に除去するのは正直難しいです。

しかし、これらの食品を一緒に摂取することでニオイを抑えることはできます。

  • 牛乳
  • りんごやりんごジュース
  • 緑茶
  • ごま油

にんにくのニオイ対策ができる食品|牛乳

まずおすすめなのが、食後に牛乳を飲むことです。

他にも、乳製品であるヨーグルトやチーズ、卵などを食後に食べると、タンパク質が臭いの元を包み込んでくれることで、にんにく臭を抑えることができます。

にんにくの臭い対策ができる食品|りんごやりんごジュース

りんごに含まれているリンゴ酸やポリフェノールがニオイの元とくっつくことで、にんにく臭の発生を抑えてくれます。

りんごジュースの場合は、100%果汁のものを選ぶとよいでしょう。

にんにくのニオイ対策ができる食品|緑茶

緑茶に含まれているカテキンやフラボノイドが消臭効果を期待できます。

緑茶でなくてもカテキンを含んでいるウーロン茶や紅茶、ジャスミン茶などでももちろん大丈夫です。

にんにくのニオイ対策ができる食品|ごま油

ごま油を少量口に含んで、サラサラなるまで口の中で転がしてあげます。

口の中をごま油でゆすぐことで、水では取り切ることができない汚れも洗い流してくれるのです。


これらの食品がすぐに摂れない場合は、歯磨きや舌磨き、ブレスケア製品を取り入れるのもよいでしょう。
ただし、こちらは一時的な対処方法になります。
人と接する場合で、にんにく臭を相手にばれないようにしたい場合には、応急処置としてマスクをつけるのもよいでしょう。

調理方法の工夫でもにんにくのニオイ対策ができる?

にんにくを牛乳で煮込んだ料理
にんにくのニオイ対策と聞くと、にんにくを食べた後にできることに目がいきがちですが、実は調理をする段階で工夫することもできます。

にんにくを切らない、すりおろさない

にんにくの細胞が破壊されることで、アリインという成分が臭みの原因であるアリシンに変化します。
そのため、切ったり、すりおろしたりすることなく、丸ごと調理をすることで、にんにく特有の香りが気にならなくなるのです。

牛乳で煮込む

牛乳のタンパク質がニオイの成分を包み込んでくれます。
そのため、にんにくを食べた後のニオイを抑える効果が期待できます。

ちなみに、日本でも食べることが増えているイタリア料理のバーニャカウダーは、にんにくを牛乳で煮てから作られているそうですよ。

にんにくを素揚げする

にんにくに含まれるアリインはアリナーゼと呼ばれる酵素が働くことにより、にんにく臭の元であるアリシンに変身します。
そのため、アリナーゼの働きを抑えることでアリシが増えることを防ぐことができるのです。

アリナーゼは熱に弱いという特徴があるので、アリナーゼが働く前に高温の素揚げにしてあげるとよいでしょう。

にんにくを上手に取り入れていつもと違ったごはんを楽しもう

にんにくは切り方や調理の仕方で栄養成分や香り、風味などが変化する珍しい食材のひとつです。
主役になることは少ない食材ですが、主役をしっかりと引き立ててくれる食材としては欠かすことができないものでもあります。

いろいろな切り方や調理の仕方があるので、まずは気になるものから試してみてはどうでしょうか?
ただし、食べ過ぎてしまうと不調を引き起こしてしまうこともあるので、その点は気をつけてくださいね。

にんにくをプラスすることで、今までとは違った風味のごはんを楽しめること間違いなしですよ。

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