スーパーやコンビニの買い物に必須アイテムとなったエコバッグ。
エコバッグには小さく折りたためる「コンパクトタイプ」やレジカゴにぴったり収まる「レジカゴタイプ」など様々な種類がありますが、中でも保冷機能を持った保冷エコバッグは暑い夏の味方!
気温が高い日でも食品の鮮度を保つには、保冷力のあるエコバッグは頼もしいですよね。
編集部ではエコバッグの保冷力の比較実験を行い、エコバッグの優れた保冷力を決定づけるものは何かを調査しました。
保冷エコバッグに合わせてほしい機能やおすすめアイテムもご紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
目次
エコバッグに保冷力は必要?
エコバッグには保冷機能がないタイプも多くありますが、保冷機能は本当に必要なのでしょうか?
気温が高い夏場は、スーパーで買った食品が家に帰るまでに傷まないかを気にする方が多いと思います。
編集部では「夏の暑い車内に置かれたエコバッグがどのくらいの保冷力を発揮するのか」を確かめるため、保冷機能があるエコバッグと保冷機能がないエコバッグを使って実験を行いました。
気になる方はこちらもチェックしてみてください。

保冷力の高いエコバッグを選ぶには?エコバッグ5種類を比較
保冷タイプのエコバッグは100均などでも販売されているため、気軽に手に入れることができます。
しかし、「保冷ができる」と言われていても、実際にどのくらいの保冷力があるのか気になりますよね。
編集部では、保冷力に優れたエコバッグを選ぶためのポイントとなる「エコバッグの保冷力のすごさを裏づけるものは何か」を詳しく調べるために、5種類のタイプの違うエコバッグを集めて比較・検証を行いました。
エコバッグの保冷力を比べてみよう
今回保冷力を比較するアイテムはこちらの5種類です。
- 【A】クーラートートバック BigBee L
- 【B】クーラートートバック BigBee M
- 【C】レジかごinバッグ Miketto SMOOTH
- 【D】ダイソー 折りたたみショッピングバッグ
- 【E】ダイソー エコカゴバッグ
【A】クーラートートバック BigBee L


【B】クーラートートバック BigBee M

【C】レジかごinバッグ Miketto SMOOTH

また、手提げカバンとしてもショルダーバッグとしても使えるのでかなり使い勝手が良いエコバッグです。
【D】ダイソー 折りたたみショッピングバッグ

ダイソーの中でも人気のエコバッグのひとつです。
【E】ダイソー エコカゴバッグ


比較するエコバッグのスペックの違い
比較するエコバッグのスペックをまとめてみました。
容量・耐荷重については、2Lペットボトル(1本あたり約2kg)が何本入ったかを示しています。
開け方や内側の生地、容量、厚みなどは、保冷力に関係してきそうな要素が少しずつ違うものを用意しました。
容量が大きいエコバッグは耐荷重に注意!
耐荷重は、エコバッグのメーカーさんに確認を取った数値です。
意外だったのは、AのエコバッグよりBのエコバッグの方が耐荷重が低かったこと。
メーカーさんによると、バックは大きいほど容量に対して負荷がかかるのだそうです。
容量的には2Lペットボトルが6本余裕で入るサイズ感ですが、使う時には詰め込みすぎない方がよさそうです。
100均のエコバッグの場合は、Dは8本、Eは6本入りました。
しかし、こちらも大創産業さんに確認した耐荷重をオーバーしてしまうため、入れすぎは禁物です。
この中で最も保冷力が高かったエコバッグはどれだったのでしょうか。
エコバッグ保冷力比較【1】袋に入れた氷はどのくらい溶ける?
まずは、凍っているものに対してどのくらいの保冷力があるのかを検証します。
エコバッグは本格的なクーラーボックスと違い、あくまでも日常使いしやすいカバンのため、どうしても密閉性には欠けます。
密閉できない保冷エコバッグでは、一体どのくらい凍ったものを保冷できるのでしょうか。
保冷力比較実験方法
実験に使用したのは、一般的な製氷皿で作った氷8個(約200g)が入った保存袋。
スーパーの中にはビニール袋に氷を詰めて持ち帰れるところもありますよね。今回はその氷袋を再現してみました。
この氷入り保存袋をそれぞれのエコバッグに入れ、2時間経過した時点での氷の解け具合を計測します。
溶け出た水の量が少ないほど、凍ったものに対しての保冷力が高いと言えます。
- 同じ量の氷(約200g)を用意
- 室温は20~21度の状態をキープ
- 2時間経過した時点での結果を確認
エコバッグ保冷力比較【2】冷蔵の水はどのくらいぬるくなる?
続いて、冷蔵のものに対しての保冷力を検証します。
普段の買い物では冷蔵で販売されているものを買うことが多いのではないでしょうか。
食中毒が気になるお肉類も冷蔵品なので、要チェックです。
保冷力比較実験方法
実験に使用するのは冷蔵庫で十分冷やした500mlのペットボトルの水です。冷蔵庫から出した直後の水温は7.4度。
これをそれぞれのエコバッグに入れ、1時間経過した時点での水温を計ります。
水温の上昇値が低いほど、冷蔵のものに対しての保冷力が高いと言えます。
- 同じ量の水(500mlのペットボトル)を用意
- 室温は20~21度の状態をキープ
- 1時間経過した時点での結果を確認
保冷力比較実験結果まとめ|エコバッグの保冷力を決定づけるもの
今回は5種類のエコバッグを使って、2種類の保冷力比較実験を行いました。
まずは実験の結果を見てみましょう。
実験結果【1】袋に入れた氷はどのくらい溶けたのか
【1】の実験の結果、どの保冷エコバッグの場合もバッグに入れなかった時に比べて氷は溶けていませんでしたが、氷の溶け具合には若干の差が出ました。
最終的な結果として、エコバッグに入れなかった時でも氷はある程度の塊の状態で残っていました。
室温が20度程度の状況では、すぐに氷が解けてなくなってしまうようなことはないようです。
とはいえ、真夏の車の中など、もっと暑い状況では保冷力の差は大きく開きそうですね。
実験結果【2】冷蔵の水の温度はどのくらい上がったのか
ペットボトルに入れた水の水温上昇を比較した【2】の実験でも、それなりの差が生まれた結果となりました。
特に、エコバッグに入れなかった時と最も優れた結果を残したBのエコバッグに入れた時を比較すると、3度以上の差が。
こちらも、もっと暑い状況下では、温度差がさらに広がるかもしれませんね。
【まとめ】最も保冷力が優れていたエコバッグは?
最も保冷力が優れていたエコバッグは、Bの「クーラートートバック BigBee M」。
なんと、BigBeeシリーズが上位2位までを独占する結果に。
ここまでの実験結果を元に、「エコバッグの保冷力を決定づけるものは何か」について、さらに詳しく確認していきましょう。
エコバッグの保冷力のポイント【1】開け方
上位2位までを占めたAとBのBigBeeシリーズが他のエコバッグと異なっていたのは「開け方」です。
巾着タイプは紐をぎゅっと縛ったとしてもわずかな隙間が空いてしまいますが、ファスナータイプならしっかり密閉することができます。
密閉させることでエコバッグの内部に冷たい空気を閉じ込めておくことができるのが、優れた保冷力の理由のようです。
エコバッグの保冷力のポイント【2】中材とその厚み
では、巾着タイプは保冷力が劣るのかというとそうではありません。
ファスナータイプの2つと同じく、中材がPEVA素材でできたCのエコバッグ「Miketto SMOOTH」は、100均のエコバッグ2種に比べると比較的保冷力があると言えます。

PEVAって?
PEVAは聞きなれない素材名ですが、「エチレン酢酸ビニル共重合樹脂」と呼ばれる合成樹脂のことを指します。EVAやEVA樹脂とも呼ばれます。
一般的な合成樹脂であるポリ塩化ビニルより強度が高く軽いため、様々な用途に用いられています。
メーカーである「株式会社オカトー」の営業・千田さんに、なぜこのPEVA素材をエコバッグに取り入れたのかを聞いてみました。
千田さん
クーラーバッグなどによく使用されているアルミ素材はギラギラと反射しますし、見た目も安っぽく見えてしまいます。
確かにアルミ素材でできた100均のエコバッグは、開けるとバッグの内側がギラギラ光っています。
買い物シーンにおけるエコバッグ、特にレジカゴタイプのエコバッグなどは、スーパーでものを詰める際、中材まで見えてしまいますよね。
見た目が落ち着いていて、汚れも拭き取りやすく目立たないPEVA素材は、見た目を気にする方にも使いやすい素材と言えるでしょう。
千田さん
エコバッグの中にたくさんものを入れた時、重みで底面が沈みこむことがありますよね。その時、真ん中に入れたものには特に負荷がかかってしまいます。
BigBeeシリーズの中材は特に分厚いので、たくさん入れても底面が沈みこまず、卵など割れやすいものを入れても安心ですよ。
しかし、中材の素材が違うだけで、内部のクッション性はこんなに違うんです。


形が異なる食品類を同じ分量詰めてみましたが、Dのエコバッグは特に底面が広いからか、かなり底面が沈みこんでいます。

Bのエコバッグにも同じ分量の食品類を入れてみたところ、差は歴然。
AとBのBigBeeシリーズの厚みを計測してみると、8.6mmと1cm近い厚みがありました。
一方、Cのエコバッグは、同じPEVA素材でも厚みは0.7mmとかなり違いがありました。
AとBのエコバッグは中材が分厚いことで、外からの熱がより伝わりにくくなっているようです。
※日本サニパック「エチレン酢酸ビニルとは?」検索日2021/4/19
エコバッグの保冷力を決定づけるものをまとめてみましょう。
- 開け方…ファスナータイプの方が優秀。
- 中材…アルミよりもPEVAの方が優秀。分厚いほど保冷力は高まる。
保冷力を重視してエコバッグを購入する際は、この「開け方」「中材(厚みも)」に着目してみましょう。
とはいえ、エコバッグは数多く販売されているため、「保冷力+αの機能」もチェックする必要があります。
実験を通して明らかになった、保冷力以外も注目したい機能についてご紹介していきます。
保冷力以外も注目したいエコバッグの機能
編集部では5つのエコバッグを使って保冷力の実験をしました。
優劣はあるとはいえ、どのエコバッグも一定以上の保冷力は持ち合わせていることが分かっています。
自分にとって最適なエコバッグを選びたいとき、保冷力以外に以下の3つの機能にも着目していただきたいと思います。
- 複数の使い方ができるか(持ち方のタイプ)
- コンパクトに折りたためるか
- 普段使いしやすいか(見た目のおしゃれさ)
複数の使い方ができるか(持ち方のタイプ)
今回実験で使用したエコバッグの中には、トートバッグとしてもショルダーバッグとしても使えるものがありました。
一度にたくさんの買い物をする人は、特に肩への負担を軽減できるショルダータイプがおすすめでしょう。
ショルダータイプには、車で買い物をする人に特におすすめしたいメリットもあります。
買い物帰り、車の後部座席にエコバッグを置く人は多いと思います。
カーブを曲がった時やブレーキを踏んだ時に、「エコバッグが傾いて、下に落ちてしまった!」なんて経験はありませんか?
ショルダータイプなら、画像のように座席のヘッド部分にエコバッグを引っ掛けることができるので、エコバッグがシートから落下するのを防ぐことができます。
レジカゴに入るかで利便性は大きく異なる
スーパーもセルフレジ化が進んでいるところは多いですが、対人のレジであれば、「レジカゴにピッタリのエコバッグにならそのまま入れてくれる」ところもあるはず。
自分で詰める場合でも、底面が広いレジカゴタイプなら買ったものを入れやすいですよ。
実験に登場したCのエコバッグ「Miketto SMOOTH」はレジカゴタイプ。
やや小さめではありますが、レジカゴに入れて口を広げれば買ったものを入れやすいです。
もう1つのレジカゴタイプはDの「折りたたみショッピングバッグ」。
こちらは高さまでレジカゴにピッタリ合うように設計されており、より中身を詰めやすい印象でした。
肩ひもの幅や素材によって重さを軽減できる
2Lペットボトルなど、重いものを一気に買い込む人は、エコバッグの耐荷重はもちろんですが、肩ひもの幅や素材にも注目しましょう。
今回の実験で使用したエコバッグの肩ひもの幅を計測しましたが、100均のエコバッグDとEはどちらも2.5cmで、厚みもかなり薄いです。
一方、A・B・Cのエコバッグは3.8cmと幅広で、厚みもありしっかりした印象でした。
肩ひもはものを入れた時の負荷も大きく、頑丈に越したことはないですよ。
コンパクトに折りたためるか
仕事帰りにスーパーに寄るという方もいらっしゃるでしょう。
エコバッグAとBは保冷力は優れていましたが、どちらも日常使いできる普通のバッグ感覚で使うことを想定されており、折りたたんでコンパクトにすることはできません。
中材に保冷素材を使用している保冷エコバッグは、保冷機能がないエコバッグに比べると折りたためるものは多くないのです。
今回の実験で使用したエコバッグの中では、CとDのエコバッグが保冷力+コンパクトに折りたためるという機能を持っています。
普通のエコバッグに比べて少し分厚い保冷エコバッグは、適当に折りたたんでもコンパクトにはならないので、最初にしっかりたたみ方を確認しておきましょう。
Cのエコバッグ「Miketto SMOOTH」のたたみ方

肩紐は外してエコバッグの中に収納し、巾着の紐も内側に入れておきましょう。

肩紐が付いた部分から折りたたみます。
だいたい1/3程度のところで折ってください。

今度は底面から折りたたみます。
このとき、折りたたんだ端と端をぴったり合わせておきます。

さらに1/3に折りたたみ、反対側を重ねるようにたたみます。

最後にエコバッグに付いているゴムで留めればOK。
Dのエコバッグ「折りたたみショッピングバッグ」のたたみ方

こちらもまずはエコバッグを広げます。
巾着の紐などは巻き込まないよう内側に入れておきましょう。

手順もほぼ同じで、だいたい1/3程度のところで折りたたんだ後、反対方向を半分に折りたたみます。

細長くなったら、両側を1/3ずつ折りたたみます。

こちらもエコバッグに留めゴムが付いているので、最後に留めて完成です。
車に常時積んでおく、デイリーバッグとしても利用するという方は「折りたためる」という機能は不要かもしれませんが、エコバッグをカバンに入れて持ち歩きたいという方にとっては必須の機能と言えます。
コンパクトになるエコバッグを探している場合は、今回ご紹介したCやDのエコバッグのように、たたみ方が難しくないものを選ぶと良いでしょう。
普段使いしやすいか(見た目のおしゃれさ)
PEVA素材の特徴でもご紹介した通り、エコバッグは外側の見た目だけではなく、内側の見た目にも気を遣うべきアイテム。
食材を入れる分汚れることも多いので、汚れがサッと拭き取れる素材であることも重要なポイントです。
エコバッグを誰もが持ち歩くようになった今、「いかにもエコバッグ」という見た目のものよりも、普段使いしやすいおしゃれな見た目かどうかを基準にエコバッグを探す人が増えています。
今回実験に登場したBigBeeシリーズは、デイリーユースのしやすさにこだわって作られているアイテム。
全て2トーン配色で、オリーブやネイビー、アイボリーなど男女問わず使いやすいカラー展開となっています。
財布やお弁当などを入れて普段使いのカバンとしても使いつつ、そのままスーパーに寄って冷蔵のものを入れることができるのはうれしいポイントですよね。
ピクニックなどのアウトドアシーンでも使えるのは言わずもがな。
「何でも使い」ができる万能なエコバッグを探しているなら、見た目にもこだわって選びましょう。
【編集部が厳選】保冷エコバッグのおすすめ5選
ここからは保冷エコバッグをお探しの方に、編集部が厳選した保冷エコバッグをご紹介します。
保冷力比較実験で好成績を残したBigBeeシリーズの他のタイプもあるので、ぜひ参考にしてみてください。
BigBeeシリーズのリュックタイプ

開け方は巾着タイプですが、中材はPEVAなので保冷力の高さが期待できます。
車を使わず徒歩や自転車で買い物に行くことが多いなら、より重さを軽減できるリュックタイプはかなりおすすめですよ。
BigBeeシリーズのショルダータイプ

開け方はファスナータイプ、中材はPEVAで保冷力もバッチリ。前面にはポケットが2つついているので、スマホやハンカチなどの小物も入れておけます。
旅行やレジャーシーンでも活躍する大容量タイプ

1週間分の食料のまとめ買いをする方にはうれしい大容量(耐荷重20kg)タイプで、2Lのペットボトルも立てて入れることができます。
最大の特徴はキャリーカートに装着が可能なこと。コンパクトにはなりませんが、旅行やレジャーシーンでも役立ちますよ。
持ちやすいスリムデザインのショルダータイプ

中材はアルミ蒸着シートなのでPEVAには劣りますが、底板付きで中身がズレにくいのがうれしいポイント。ピクニックなどでも活躍します。
内側防水のたためるトートバッグタイプ

結露が気になる食材以外にも、海やプールに持っていった水着やタオルを入れるなど、幅広いシーンで使用できます。
立てた2Lのペットボトルを6本入れることができる大容量タイプながら、スナップボタンで留めることで三つ折りにすることができ、使わない時もかさばりません。
夏の買い物も保冷エコバッグで乗り切ろう
今回、5つのエコバッグを比較することで、保冷エコバッグの構造や素材など「優れた保冷力を決定づけるものは何か」を検証してみました。
たくさんのエコバッグが販売されていますが、「開け方」と「中材(厚みも)」に着目すれば、どれが保冷力に優れているかを購入時に判断することができますよ。
それでもどれがいいか悩むときは、「複数の使い方ができるか」、「コンパクトに折りたためるか」、「普段使いしやすいか」もチェックして、自分に最適なエコバッグを見つけてくださいね。

