食パン専門店が全国的なブームとなり、より豊富な種類の食パンを楽しめるようになりました。
しかし、食パンはサイズが大きく、一度に1斤食べきるのは至難の業ですよね。
食パンは買ってきた状態のまま常温保存しておくと、どんどんパサパサになっておいしくなくなります。
せっかくおいしい食パンを手に入れたのなら、上手に保存して長く楽しみましょう。
今回は、食パンの正しい保存方法などをご紹介します。
食パンの保存に適したおすすめの保存容器についてもお話しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
食パンの保存は常温?冷蔵?冷凍?
食パンを買ってきても、その日のうちに食べきるのは難しいですよね。
そこで、食パンの保存をするのはどんな方法がベストなのか検証してみました。
【冷蔵】×
【冷凍】◎
なぜこのような結論に至ったのか、ご説明します。
食パンを常温で保存する場合
食パンは常温で保存する方も多いのではないでしょうか。
しかし、食パンを常温で保存した場合、おいしく食べられるのは2日目までとも言われています。
実際、パン屋さんの食パンも、スーパーで買ってきた食パンも、2日以降は途端にパサついてしまいますよね。
※ただし、梅雨時期や夏場は最大2日を推奨
大手パンメーカーの食パンの消費期限が長い理由
パン屋さんに比べて大手パンメーカーの食パンの消費期限が長い理由は、衛生管理がしっかりされているからです。
パンを素手で触らないなど、衛生面を徹底管理した上で作られているので、微生物が混入しにくくなっています。
たまに「食品添加物が入っているから日持ちする」という噂も耳にしますが、実際は「食品添加物よりも衛生管理が徹底されているから長く保存できる」んですよ。
食パンを常温保存する時の注意点
もし、食パンを常温保存するのであれば、直射日光のあたる場所や、高温多湿を避けて保存しましょう。カビや品質低下の原因となってしまいます。
こうした問題を避けるために、見た目もオシャレな「ブレッドケース」を使って、保存するのもおすすめです。
また、食パンの袋の口を留める「バッグクロージャー」1食パン等の袋を留めるプラスチック製の留め具のことを使うのも、あまりおすすめできません。
袋の口を十分に閉められず、乾燥の原因となってしまいます。
代わりに輪ゴムなどで袋の口を閉めましょう。
食パンを冷蔵で保存するのはNG
「常温だとカビが心配。でもすぐには食べないから冷蔵庫で保存しよう」
そう考えたことはありませんか?
実は、食パンを冷蔵庫で保存するのはおすすめできません。
その理由は、食パンに含まれるデンプンが劣化するからです。
冷蔵庫に食パンを入れるとデンプンの劣化が進みやすくなり、水分が抜けて固いパンになってしまいます。
ちなみにデンプンは、0~4度の温度帯が最も苦手。まさに冷蔵庫の温度帯ですね。
たとえラップや保存袋に入れて乾燥を防いだとしても、デンプンの劣化は止められないので、意味がありません。
食パンを保存するなら、常温か冷凍で保存するようにしましょう。
食パンを冷凍庫で保存する場合
食パンを長期保存したいのであれば、ベストな方法は冷凍庫での保存です。
デンプンは0~4度までは劣化が進みやすくなりますが、逆に0度を下回ると劣化の速度がゆるやかになります。
そのため、長期保存しても食パン独自のふわふわ感が失われにくく、おいしさが保てるのです。
しかし、ただ食パンを冷凍庫に入れればよい、というわけではありません。
おいしく安全に保存するためのポイントがありますので、次でご紹介するポイントをしっかり抑えるようにしましょう。
食パンを冷凍保存するときのポイント
食パンを冷凍保存するときのポイントは、全部で5つです!
- 1枚ずつ切って素早く冷凍
- 1枚ずつ包んで食べきれる分だけ解凍
- 水分の蒸発を防ぐ
- 保存袋などに入れてにおい移りを避ける
- 賞味期限が分かるようにしておく
【保存のポイント1】1枚ずつ切る
切れていない状態の食パンを購入することもありますよね。
その場合は、1枚ずつスライスしてから保存するようにしましょう。
スライスした状態だと、冷凍するスピードが速く、解凍する際も少ない時間で済みます。
まるごと冷凍はNG
わたしもやってしまったのですが、1/2斤ほど残った状態でまるごと冷凍したところ、解凍にとても時間がかかりました。
外は焦げているのに中はまだ冷たい状態だったので、結局電子レンジで強制的に解凍するはめに…。
また、凍るまでに時間がかかるので、スライスした状態よりもデンプンの劣化が進む可能性が高くなります。
早く冷凍することも、食パンをおいしさを保つポイント。
面倒でも1枚ずつ切って冷凍保存するようにしましょう。
【保存のポイント2】1枚ずつ包む
「スライスしてある食パンだったら、袋ごと保存してもいいのでは?」と思いませんか?
1枚ずつラップに包むのが面倒で、つい袋ごと冷凍庫に入れる方もいますが、あまりおすすめできません。
その理由のひとつは、ラップに包んだ場合に比べて食パンが乾燥しやすいからです。
「水分の蒸発を防ぐ」というポイントについては後述しますね。
もうひとつの理由は、解凍した食パンを食べきれずもう一度冷凍すると、食パンの品質が劣化してしまうからです。
切った食パンを1枚ずつラップで包んで、食べきる量だけを解凍する方が、おいしさをキープできますよ。
【保存のポイント3】水分の蒸発を防ぐ
冷凍庫で食材を長期間保存すると、冷凍焼けを起こすことがありますよね。
食パンも同じように、冷凍焼けをする可能性があります。
冷凍焼けは、食材が乾燥・酸化することが主な原因です。
冷凍焼けを防ぐには、食材が乾燥しないようしっかりラップなどで包むことと、2週間以上保存しないことが原則。
水分の蒸発を防いで、おいしさをキープしましょう。
【保存のポイント4】保存袋や保存容器に入れてにおい移りを避ける
冷凍庫にはさまざまな食材が入っているので、ときにはにおい移りすることもあります。
そのため、食パンをラップに包むだけでなく、さらに冷凍用の保存袋や保存容器に入れるのがおすすめです。
【保存のポイント5】賞味期限が分かるようにしておく
食パンを冷凍庫で保存していると、いつのものだったか分からなくなりがちです。
実際、わたしもいつのものか分からない化石のような食パンを発掘したことも…。
そのため、賞味期限が分かるようにラベリングしたり、マジックで日付を書いたりしましょう。
ラップ・アルミホイルで食パンを冷凍保存する方法
ここからは、身近なものを使って食パンを冷凍保存する方法をお伝えします。
おすすめは「ラップ」か「アルミホイル」を使う方法。
やり方は似ていますが、一つずつ見ていきましょう。
ラップで食パンを冷凍する方法
ラップで食パンを冷凍保存するメリットは、「匂い移りがしにくくなる」ことと、「ラップごと電子レンジにかけられる」ことです。
ただし、ラップに包むだけだと乾燥しやすく冷凍焼けの原因となるので、保存袋に入れて冷凍してくださいね。
用意するもの
- 保存袋(Mサイズ以上がおすすめ)
- ラップ(大きめのものがおすすめ)

食パンをラップでぴっちりと包みます。

保存袋に入れ空気をしっかり抜いて口を閉じます。
この時、保存袋に保存した日付を書いておくとベスト。

冷凍庫に入れて完了。
急速冷凍できるところがあれば、そちらを使うとより鮮度が保てます。
【補足】2枚セットで冷凍もできる
ラップで包む場合は、食パンを2枚を重ねて冷凍しても大丈夫です。
重ねることでにおいを吸収しにくくなる、というメリットがあります。
冷凍するとくっつくかもしれませんが、隙間にナイフなどを差し込むと簡単にはがすことができます。
2枚を重ねるときは、マチがある保存袋がおすすめです。Mサイズでもマチがあるとちゃんと収納することができました。
アルミホイルで食パンを冷凍する方法
アルミホイルで包むことのメリットは、ラップより水分が抜けにくく、熱伝導がよいので早く凍るというところ。
アルミホイルに包んだ状態で凍らせてもよいのですが、より乾燥や匂い移りを防ぐために、保存袋に入れることをおすすめします。
ちなみに、アルミホイルに包んだまま食パンを焼くと、しっとりふわふわの食感に。
アルミホイルを開けた状態で焼くと、サクサクふわふわ食感になるのでぜひ試してみてください。
用意するもの
- アルミホイル
- 保存袋(Mサイズ以上がおすすめ)

アルミホイルで食パンを包みます。なるべくぴっちりと包みましょう。
アルミホイルに直接日付を書いても◎。

保存袋に入れ、空気を抜きながら口を閉めます。

冷凍庫に入れたら完了です。
冷凍した食パンのおすすめの解凍方法
こちらでは、冷凍した食パンをおいしく解凍する方法を3つお伝えします。
【方法1】凍ったままトースト
食パンを凍ったままトーストすることで、外はサクサク、中はしっとりとした食感になります。
このときのポイントは、高めの温度で焼くこと。
オーブントースターが簡単かつ高温で焼けるので、冷凍した食パンを解凍するのにピッタリです。
- トースターを1200Wで余熱しておく
- 食パン表面の霜を取ってから、トースターで2~3分焼く
トースターの種類によって、W数が異なります。
お使いの機種によって焼き加減が異なるので、焦げないよう様子を見るようにしてくださいね。
【方法2】自然解凍
3枚切りなど、分厚い食パンの場合、凍ったままトーストすると表面は焦げているのに中は冷たいこともあります。
中まで焼けるか心配なときは、自然解凍してからトーストするとよいでしょう。
また、サンドイッチなど生で食べたいときも、自然解凍がおすすめです。
- 冷凍庫から取り出し、食パン表面の霜を取り除く
- 乾燥を防ぐために、ラップに包んだまま常温で1~2時間置いておく
【方法3】急ぐときは電子レンジ
「サンドイッチなど生で使いたいけど、自然解凍する時間がない!」「生の食感が好き」というときは、電子レンジを利用しましょう。
電子レンジで解凍することで、焼きたてのようなふわふわ食感が復活しますよ。
- 冷凍庫から食パンを取り出し、表面の霜を取り除く
- ラップに包んだまま、電子レンジ500Wで1分加熱する(6枚切りの場合)
電子レンジは思いの外早く解凍できるので、時間設定に注意しましょう。
トーストと同じような感覚で加熱すると、パサパサになったり、焦げたりします。
食パンの冷凍保存に向いている保存袋や保存容器
ラップやアルミホイル以外にも、食パンを冷凍保存できる際におすすめの保存袋や保存容器があります。
ラップなどの消耗品をできるだけ減らしたいという方や、より手軽に食パンを入れて冷凍したい人は検討してみてはいかがでしょうか。
ここでは、おすすめのアイテムを5つご紹介しますね。
ラップいらずで経済的!驚きの使い方もできる「スタッシャー」
「保存袋を毎回捨てるのはもったいない」と感じる方におすすめしたいのが、「スタッシャー」です。
シリコン製の密閉保存バッグなので、洗えば繰り返し使えてエコですね。Mサイズを選べば、食パンもしっかり収まります。
また、こちらのアイテムの特徴は容器ごと加熱できるところ。
耐冷温度が-18度、耐熱温度は250度なので、冷凍庫からオーブンまで容器に入れっぱなしで使えるんです。
実際、スタッシャーの公式ブログでも、スタッシャーごとオーブンで焼く方法が紹介されていますよ。
マーナの「パン冷凍保存袋」は匂い移りナシ
ラップに包む手間を省いて、そのまま保存袋に入れられると楽ですよね。
そんな願いを叶えるアイテムが、マーナのパン冷凍保存袋です。
保存袋はアルミをはさんだ3層構造になっているので、匂い移りや乾燥を防いでくれます。
デザイン性の高さもポイント。
ベージュの袋に食パンのイラストが描かれていて、とっても可愛いんです。
1枚の袋に、5~6枚切り食パンが3枚収められる、収納力にも注目ですよ。
スケーターの保存容器でパンの型崩れを防止
冷凍庫で食パンを保存する際、ほかの食品に押しつぶされて変形してしまったことはありませんか?
スケーターの保存容器に入れれば、パンの型崩れが防止できます。
食パン5~6枚切りが2枚収納できるサイズなので、冷凍庫内でも邪魔になりません。
縦でも横でも置けるようになっているので、冷凍庫内のスペースに合わせて保存できるのもポイントです。
1斤まるごと冷凍保存できる容器
「1枚1枚ラップに包んで、さらに保存袋に入れるなんて面倒!」という方は、こちらの容器がおすすめです。
山形食パンが1.5斤入る大容量タイプなので、食パンをたくさん買い過ぎたときにもピッタリ。
常温保存したいときにも向いています。
銀イオンの抗菌効果で、いつでも清潔がキープできるのもうれしいですね。
ただし、こちらの商品で保管する場合は、必ずラップで包むようにしてください。
容器が大きい分隙間が多く、そのままだと乾燥してしまいます。
EASY CAREの密閉容器で匂い移りをガード
「1斤まるごと保存したい」「密閉できる容器がいい」という方は、EASY CAREの密閉容器はいかがでしょうか。
パッキンとフタが一体化しているので、お手入れも楽々。密閉タイプのなので、嫌な匂い移りも防げます。
山形食パンも保存できるサイズなので、大量に食パンを冷凍したいときに◎です。
ただし、こちらの商品も乾燥はしやすいので、冷凍保存する際にはラップに包むことをおすすめします。
食べきれない食パンは冷凍保存しておいしさをキープ!
食パンをおいしく、長く保存しておくには、冷凍保存が一番おすすめ。
食パンをパサパサにしてしまう前に、早めに冷凍保存して、できたてのおいしさをキープしましょう!
パンを冷凍保存する際は、とにかく「空気に触れる面を少なくして乾燥を防ぐ」ことと、「2週間を目安に食べきる」ことがポイントです。
ラップやアルミホイルに包んだ食パンを、保存袋や保存容器に入れて保存するというひと手間も大切。
食パンを正しく冷凍保存して、おいしく&かしこく食パンをいただきましょう♪

