冬になると、大根やキャベツ、白菜など、大きな野菜が売り場にも並び始めます。
重量があるので持ち帰るのも大変ですが、かさばるので冷蔵庫で保存するのも大変ですね。
今回は常温保存も含めた冬野菜の保存方法や、気になる栄養価について、詳しくご紹介します。
大きな野菜を使い切れないという方も、長期保存できるようになれば使い切れるかも!
上手に長持ちさせる方法を知っていると、カット野菜を買うより丸ごと野菜の方が割安になるので、経済的な面でも助けになりますよ。
目次
積極的に食べたい!おすすめの冬野菜と栄養
冬はお鍋やシチューなど、温かい鍋物が美味しい季節ですよね。
そんな中で、甘みのある冬野菜は欠かせない存在です。
まずは代表的な冬野菜にどんな栄養があるのかを見ていきましょう。
【大根】根よりも葉っぱの方が栄養価があるって本当?
大根の栄養と聞いてもピンと来ないかもしれません。
実際のところ、大根の根の部分には、ジアスターゼというデンプン分解酵素の他、辛味成分ラファサチンなどが含まれています。これらの成分に発がん性抑制などの効果があるとされていますが、栄養価はそれほど多くありません。
ただし、大根の葉には、ビタミンEや葉酸、カルシウムや鉄などのミネラルがたくさん含まれています。
あまり知られていませんが、実はカルシウム含有率の高い野菜でもあります。
大根の主な栄養成分
大根の主な栄養成分(可食部100gあたり) | ||||||||
タンパク質 | カリウム | カルシウム | ビタミンC | 鉄分 | 葉酸 | 食物繊維 | β-カロテン | |
大根の根 | 0.5g | 230mg | 24mg | 12mg | 0.2mg | 34μg | 1.4mg | – |
大根の葉 | 2.2g | 400mg | 260mg | 53mg | 3.1mg | 140μg | 4.0mg | 3900μg |
キャベツ(冬キャベツ)は胃腸がもたれやすい年末年始におすすめ
冬のキャベツはキュッとしまった重みのあるキャベツです。甘みが強いので、スープやシチューなどに入れると美味しく食べられます。
キャベツには、ビタミンC、ビタミンKなど栄養素も含まれますが、大根と同じデンプン分解酵素のジアスターゼも含まれます。
通称キャベジンと呼ばれるビタミンUは、潰瘍1皮膚や内臓の粘膜などが傷つき、深部までえぐれてしまうこと。を防止する効果があり、胃腸が持たれやすい年末年始にはありがたい野菜です。
他にも、イソチオシアネートという成分が、がんの発生を抑制するとして知られています。
独特の苦味が気になる場合は、下処理の段階で水にさらすことで苦み成分を抑えることが出来ますが、イソチオシアネートはもちろん、ビタミンなどの栄養素も水に溶け出てしまうので気をつけてください。
冬キャベツと春キャベツの違いは?
冬キャベツは寒玉ともいわれ、少し扁平で固くしまり、葉もしっかりしています。
一方で、3月~5月頃に旬を迎える春キャベツは、冬キャベツとは別の品種。冬キャベツに比べると、丸い形で巻きがゆるいのが特徴です。
こちらもおすすめ
季節を感じてカラダ目覚める ”苦味”がいい!春野菜の健康レシピ
白菜は大きめに切って食べるとよい
白菜は全体の90%以上が水と言われています。含まれる栄養価はビタミンC、カリウム、食物繊維などが代表的。
大根にもキャベツにも含まれているイソチオシアネートは白菜にも含まれていて、血栓ができるのを防止したり、消化を助けたりするなど、身体の健康を守ってくれます。
大きめに切って使うことで、栄養素をあますことなくいただけますよ。
冬の気になる喉の症状や風邪にはネギが効く
ネギの栄養としては、硫化アリルという成分が代表的です。
ビタミンB1 の吸収を助ける働きがあり、血行促進、疲労回復、消化を助ける効果が期待できます。
硫化アリルは、ほかにも殺菌作用や鎮静効果などがあり、ネギを食べると喉風邪などによいとされています。
身体もあたたまるので、風邪にはうってつけの野菜ですね。
ネギの青い部分にはカリウムがたっぷり。高血圧が気になる方にもおすすめです。
美味しくて栄養のある葉付きの冬野菜(にんじん、かぶetc…)
寒い時期になると、にんじんやかぶ、大根など、葉付きのまま売られることが多くなります。
かぶや大根は淡色野菜ですが、葉っぱの部分は緑黄色野菜。葉の栄養価も高いので、余すことなく丸ごといただきたいところです。
これらの野菜は根よりも葉の方がビタミン、ミネラルなどが豊富であることが多く、緑黄色野菜が枯渇しがちな冬には貴重なビタミン、ミネラル源となります。
おいしさを長持ち!冬野菜の基本的な保存のポイント5つ
ここからは、美味しさを長持ちさせるための基本をご紹介します。
どんな野菜も、この基本を押さえておけば大丈夫。おいしく保存ができますよ!
まずは、冬野菜の美味しい保存方法について、5つのポイントをみてみましょう。
- 【1】すぐに手入れして保存
- 【2】土付きはそのままでOK
- 【3】乾燥は大敵
- 【4】葉は切り落とす
- 【5】可能な限り「立てて保存」
【1】帰宅後すぐに手入れして保存を
美味しさを長持ちさせるには、野菜を買って帰ったらすぐに手入れをして正しく保管しましょう。
「秋冬の場合は寒いから腐らないでしょ?」と、思う方もいらっしゃるかもしれませんが、移動する車の中、家の中では暖房をつける人も多いでしょう。
スーパーマーケットなどの野菜売り場の気温は低いところがほとんどなので、すぐに手入れをして保管しなければ、温度変化によって傷むこともあります。
温度変化や湿度は野菜の鮮度を左右する要因に。すぐに、保存する作業に取り掛かる必要があるでしょう。
【2】土付きの野菜はそのままでOK
土付きのまま売っている野菜を買ってきたなら、ぜひ、土を洗い流さずにそのまま保管してください。
ついている土が適度な湿度を保つ役割をしてくれるので、野菜の鮮度が守られます。
ただし、保管場所は暖房が当たらないところに限ります。
保管する際は新聞紙で包み、ビニール袋などへ入れて、周りに土が落ちないようにすると清潔です。
【3】野菜にとって乾燥は大敵!
どんな野菜も乾燥は大敵です。乾燥から守るために、必ず新聞紙などで包んでください。ものによっては、濡れた新聞紙に包んでビニール袋などへ入れて保管します。
【4】葉付き野菜は葉を切り落として保管
大根、かぶ、人参など、葉がついたまま売っている野菜も多いですよね。
栄養価が高い葉の部分はぜひ食べていただきたいのですが、葉がついたままの状態で丸ごと保管するのはあまりおすすめできません。
買ってきたらすぐに葉と根の部分を分けるようにカットして、別々に保管しましょう。
葉は常温保存をせず、ビニール袋などに入れて冷蔵庫へ。なるべく早めに使い切ってください。
根の部分は野菜の状態や室温などの状況に応じて冷蔵庫や常温で保管します。
【5】可能な限り「立てて保存」
生育環境が立った状態の野菜――例えば、人参や大根、小松菜などの葉物野菜などは立てて保管したほうが新鮮さを保てると言われています。最近は深さのある野菜室を備えた冷蔵庫もあるので、できる限りで立てた状態での保存をするといいでしょう。
【大根、キャベツ、白菜、葉付き野菜】など、大きめ野菜の保存方法
ここからは、大根やキャベツ、白菜や葉付き野菜など、野菜ごとの保存方法についてご紹介します。
大根の保存方法とコツ
葉付きの大根などを目にすることがありますが、その場合は葉(茎も含む)と根の部分を切り、別々に保存するようにしましょう。
葉や茎がついたままの状態だと、養分を吸ってしまって大根の根の部分の栄養がなくなり、しなびてしまうためです。
大根を保存するポイントは、とにかく“乾燥をふせぐ”ことです。
乾燥を防いでビニール袋へ
大根を保存する場合は、乾燥を防ぐようにしてください。
濡れた新聞紙やキッチンペーパーでくるんで保管するか、大きめのビニール袋へ入れるなどして、乾燥を防ぎましょう。
カットしたものならラップ等に包んでもいいです。
大根は乾燥すると「たくあん」っぽい臭みが出てしまうので注意してくださいね。
カットしたものはエチレンガスが出る影響で、他の野菜たちをエイジング(成長)させてしまう原因にも……。
必ずビニールやラップで包むようにして保存しましょう。
大根の保存期間の目安
乾燥を防いで保管すれば、根の部分は1ヶ月程度鮮度を保つことができます。
ただし、水分が多い野菜ですので、凍結には注意してください。
キャベツの保存方法とコツ
スーパーでは外葉を捨てるかごが用意されていますが、できるだけ外葉はつけたまま保存するのがおすすめ。
5℃以下の場所なら、新聞紙にくるんで常温でも保存OKです。
芯へ切込みを入れて
キャベツやレタス、白菜などは、芯の部分に成長点があると言われています。
収穫後も野菜は成長=エイジングしていて、これが劣化の原因に。そのため、購入後は成長点を切断し、成長しないようにするのが大切です。
成長を止めるには、包丁で切り込みを入れたり、爪楊枝を刺したりするだけでもOK。芯の部分を切り落とす方法でも大丈夫です。
また、最近では成長点を止めるための専用のグッズも売っているので、活用してみてください。
濡れたペーパータオルでひと工夫
キャベツの新鮮さを維持したいなら、こんなひと工夫がおすすめ。
キャベツの芯をナイフ等でくり抜いて、そこへ湿らせたペーパータオルを入れます。
ビニール袋へ入れて冷蔵庫へ入れて保存します。これで葉っぱがしなびてしまうのを防ぐことが可能です。
キャベツはカットしてしまうと、その断面から乾燥していきます。
なるべくカットせずに、1枚1枚めくるようにして使うのが正しい使い方です。
キャベツの保存期間の目安
常温での保存期間は大体1週間程度。日が経つほどに美味しさは失われてしまいますので注意しましょう。冷蔵庫での保管ならだいたい2週間が目安です。
白菜の保存方法とコツ
鍋物などに活躍する白菜。
丸のままで売っているものもありますが、カットされているものを買うほうが多いかもしれません。
カットものは即冷蔵庫で保管しますが、一玉丸々なら0〜5℃程度の涼しい常温へ新聞紙に巻いて保存するのもOKです。
カットものはラップで包む
切断面から乾燥していくので、カットしてあるものはピタッとラップで包んで、乾燥を防ぐことが大切です。
成長を止める切り込みを
キャベツ同様、白菜も芯に切り込みを入れましょう。
成長点を断つことで鮮度の維持がしやすくなります。
玉のまま買ってきた場合は、外側から剥がすようにして使っていきましょう。
白菜の保存期間の目安
カットものなら数日から1週間程度、丸のままなら3〜4週間程度保存することができます。
葉付き野菜の保存方法
葉っぱ根の2つの味わいを楽しめる葉付き野菜。私は売っていたら必ず買ってしまいます。それぞれ保管方法が違うので注意してくださいね。
葉と根(実)を切り離す
まずは、葉付き野菜保存の鉄則として葉と根の部分を切り離します。
葉っぱはビニール袋等へ入れて冷蔵庫へ保存しましょう。根の部分は土付きなら新聞紙にくるんで常温保存もできますが、ビニール袋などに入れて保管することもできます。人参などであれば、立てて保存するのもおすすめです。
葉付き野菜の保存期間の目安
葉の部分は数日、長くても1週間程度しか持ちません。一方で、根の部分は3週間から4週間程度、鮮度をキープすることができます。
ネギの保存方法とコツ
味噌汁や鍋に重宝する長ネギですが、冷蔵庫の中ではその長さが保存を難しくすることもありますよね……。もし土付きのネギであれば、新聞紙でくるんで常温保存すすることもできます。この場合はカットせずに保存しましょう。
適度にカットし、ラップで包む
冷蔵庫の中で場所を取るなら、適度にカットしてラップで包んで保管します。青い部分と白い部分に切り分けておけば、使い分けるのも楽になります。
できるだけ立てて保存
立てた状態で保管すると、長持ちしやすくなります。
ネギの保存期間の目安
常温の場合は1ヶ月程度保ちます。しなびてしまう可能性がありますが、外葉を剥がせばみずみずしい部分が出てきます。冷蔵庫へ保存したものは1週間程度が限度です。
野菜の鮮度を保つおすすめの便利グッズ
ここからは、野菜保存に役立つおすすめの便利グッズをご紹介します。
【グッズ1】新聞紙がなくても大丈夫「Vegimage」
大きなキャベツや白菜を包むのには新聞紙が最適なのですが、家に新聞紙がないという方も少なくないはず。
そんな場合は、つつんで野菜保存ができる専用グッズがおすすめです。
この「Vegimage」には抗菌効果がある梅炭和紙が使われているので、野菜を清潔に保つことが可能。
ラップやビニール袋を使わずに済むので、とってもエコですよね。
【グッズ2】エチレンガスを吸着透過する「野菜保存袋」
野菜や果物から出るエチレンガスは、野菜や果物の成長を促進し、劣化させてしまいます。
ビニール袋へ入れて保存するのはもちろんおすすめですが、野菜は自分から出るエチレンガスにもやられてしまうため、袋の中で劣化が進んでしまうということもゼロではありません。
こちらの野菜袋はエチレンガスを吸着透過する素材のため、野菜自身が出すエチレンガスから野菜を守ることができます。
繰り返し使えるので経済的。
大きな白菜なども入るサイズなので、大型野菜の保存にもおすすめです。
【グッズ3】“立てて保存”が楽にできる「野菜スタンド」
野菜を立てて保存するのには、意外と難しいものです。
そんなときは専用の野菜スタンドを使ってみてはいかがでしょうか?
コロコロと転がることもないので、冷蔵庫内もスッキリ!
野菜等はラップで一つ一つ包んだほうがいいですが、乾燥さえ防げれば、こちらのラックを使用するのがおすすめです。
使い道に悩むドアポケットを有効活用するのにも、おすすめのグッズです。
さいごに
よりよい保存方法を知れば、野菜を今よりももっと美味しく食べられるようになります。
毎日つくる食事も腕を上げることに繋がるかもしれません。
最初のうちは「どう保存するんだっけ?」と、忘れてしまうかもしれませんが、慣れれば自然と身につきます。
便利グッズなどを上手に活用しながら、野菜ライフを美味しく楽しみましょう。
