毎日、お湯やお茶を沸かすのに大活躍する「やかん」。
多くの家庭で定番のキッチンアイテムですね。
やかんにはさまざまな種類があり、ステンレス製・ホーロー製など素材に違いがあるだけでなく、容量(サイズ)や形状(デザイン)も豊富です。
「使いやすいやかんが欲しいけど、どんな基準で選べばいいか迷ってしまう」という方も、結構多いかもしれませんね。
やかんは、使う目的やシーンに合ったものを選ぶことが大切。
そこで今回は、やかんの選び方のポイントやおすすめのアイテムについて紹介していきます。
素材や容量、本体や取っ手の形状など、さまざまなポイントを確認して、あなたにとって一番使いやすいやかんを見つけてくださいね。
目次
電気ケトルよりやかんがおすすめ?-やかんのメリット-
お湯を沸かす道具として、やかん以外に「電気ケトル」や「電気ポット」などを活用している人も多いかもしれません。
特に電気ケトルは、スイッチを入れるとお湯を沸騰させてすぐに電源が切れるため、噴きこぼれや空焚きの心配がありません。
お湯が沸くまで見張らずに済むのが、電気ケトルの便利なところ。 また、火を使わないため、ガスコンロで沸かす場合と比べて安全でもありますね。
しかし、やかんには、電気ケトルにはない素晴らしいメリットがあるんです。
やかんのメリット【1】白湯を作るのに最適
健康のために白湯を飲んでいる人も少なくないことでしょう。
そんな白湯の正しい作り方は、やかんに入れた水を火にかけ、沸騰したらふたをとって10~15分ほど沸かし続けること。
しばらく沸騰させることで、水道水に含まれる塩素を取りのぞくことができます。
この沸かし続ける作業は、やかんでなければできませんよね。
おいしい白湯作りには是非、やかんを用意しておきたいところです。
やかんのメリット【2】丸洗いできて、お手入れしやすい
やかんは、フタを外して中まで丸洗いできるので、お茶を沸かした時の茶渋もきれいにできて衛生的に扱えます。
ほとんどの電気ケトルは丸洗いできないので、お手入れが手間になってしまいますよね。
毎日使うものだからこそ、お手入れのしやすさは重要です。
やかんのメリット【3】ストーブでお湯を沸かせる
暖房器具として石油などのストーブを使う場合は、その熱を利用してお湯を沸かすことができます。
そんな時にもやかんが大活躍!
ストーブの天板の上にやかんを置いている様子はなんだかほっこりしますし、部屋の加湿にもなって一石二鳥です。
やかんを選ぶときの重要ポイント4つ
それでは次に、やかんを選ぶ時にチェックしておきたいポイントを紹介します。
素材によって異なる特徴や必要な容量の目安、使いやすい形状かどうかなどをチェックしていきましょう。
- 素材(耐久性、熱伝導率など)
- 容量
- 形状やデザイン(注ぎやすさ、収納しやすさなど)
- 洗いやすさ(乾きやすさ)
選ぶ前に要チェック!コンロに対応しているかの確認
やかんを選ぶときには、まず対応コンロを必ずチェックしましょう。
特にお家がIHコンロの場合は、欲しいやかんがガス火専用のものではないか(IH対応しているか)どうかの確認が大切です。
素材だけでなく、やかんの底の部分の形状チェックも大事です。
ガスコンロの場合は、ほとんどのやかんが使えますが、五徳にしっかり乗るかどうかを見ておきましょう。
ドリップ用のやかんなど細長い形状のものは、五徳の形によっては安定して置けないこともあるので注意が必要です。
ここからは、先ほど挙げた「素材」「容量」「形状・デザイン」「洗いやすさ」の4つのポイントについて、さらに詳しく解説していきます。
【選び方のポイント1】やかんの主な素材
やかんの素材としては、主にステンレスやアルミ、ホーローなどが一般的です。
ほかにも銅や鉄といった素材のやかんもあり、それぞれの特徴を理解してから選ぶのがおすすめです。
ステンレス製のやかん
ステンレス製のやかんは耐久性が高く、長く使い続けられるのがメリット。サビにくいので気軽に洗えて、衛生的に保てます。
やかんに広く使われている素材なので、商品の種類やデザインもさまざまです。
最近では、スタンダードな銀色一色のものだけでなく、色やデザインも豊富なので、好みのものを選べるのも魅力です。
アルミニウム製のやかん

ちょっとレトロなイメージのあるアルミニウム素材のやかん。
アルミ製のやかんは軽量なので、たくさんのお湯が入っていても扱いやすい特徴があります。
また、熱伝導率がよいため、早くお湯を沸かしたい時にもおすすめです。
傷がついたりへこんだりしやすいというデメリットがありますが、他の素材よりも比較的リーズナブルなものが多いので、気軽に買い替えられます。
ホーロー製のやかん
ホーロー製のやかんは保温性が高いので、沸かしたお湯がしばらくの間はあたたかいまま使えます。
また、色にバリエーションがあってデザイン性の高いものも多く、見た目にこだわりたいという人にもおすすめです。
ただし、ホーローは金属の表面にガラス質の釉薬を焼き付けたものなので、衝撃には弱く、ぶつけたりすると欠ける恐れがあります。
銅製のやかん
熱伝導率が高く、早くお湯を沸かすことができるのが銅製の特徴。殺菌作用もあるため沸かしたお湯を清潔に保てます。
また、使えば使うほどに変色していく様子を楽しめるのも銅ならでは。
ただし、ほかの素材に比べて高価なものが多いので、一生ものとして選ぶ時におすすめです。
鉄製のやかん
南部鉄器などで知られる鉄製のやかんでお湯を沸かすと、鉄分がお湯に溶けだすので、健康を気にする人にもおすすめです。
さらに、塩素が抜けてまろやかな味になるため、白湯を作りたい時にもぴったり。
熱に強くて耐久性もありますが、重量があって価格が高いのが難点です。
また、水分が残ったままだとサビてしまう心配もあるので、手入れをしっかり行う必要があります。
セラミック製のやかん
こちらはちょっと珍しいセラミック製のやかん。
遠赤外線効果で、ふっくらまろやかなお湯が沸きます。
陶器素材ですが吸水率が低く、ニオイが残りません。カビも発生しにくく、衛生的でお手入れも簡単です。
ただしセラミックは、茶碗や湯呑みなどと同じ陶器なので、金属製のものに比べると衝撃には弱いのが難点です。
【選び方のポイント2】使いやすいやかんの容量とは?
やかんを選ぶ時は容量も必ずチェックしましょう。どんなシーンでやかんを使うのか、何人暮らしなのかによって適した容量は異なります。
やかんの容量の目安
たとえば、1人分のコーヒーを淹れたり、カップ麺を作ったりするためなら0.5~1Lほどの容量で大丈夫。
3~4人の一般的な家庭で、麦茶などを作りたいなら2~3Lの容量だと使いやすいでしょう。
また、スポーツをする家族がいて毎日大量のお茶が必要になるなら、5~10Lくらいの大容量のものがあると便利です。
やかんの容量と実際に沸かせる量は違うので注意
やかんの商品には容量が表記してありますが、これは「満水容量」であることが、ほとんど。「満水容量」とは、その名の通り、やかんが満タンになる量のことです。
満タンで沸かすとふきこぼれるので、実際には満水容量の7割くらいが沸かせる量と考えておくといいでしょう。
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【選び方のポイント3】形状とデザインの選び方
やかんの形は縦に長い円筒形や底が広いドーム型などさまざま。
細い円筒形のものは置き場所が省スペースに済むので、狭いキッチンでも使いやすいです。
また、底が広いタイプのものは熱源のムダが少なく、比較的早くお湯を沸かすことができます。
そして、やかんのデザインにも注目しておきたいところ。
キッチンに出しっぱなしにしておきたい場合、インテリアになじむようなデザインのやかんを選ぶと、見せる収納ができますよ。
取っ手の形や素材もチェック
やかんの取っ手は沸かした時に熱くなってしまうので、形や素材をチェックしておきましょう。
取っ手がふたから離れているものや、樹脂製や木製になっているものは熱が伝わりにくくて加熱直後も持ちやすいです。
鉄製やかんなど、本体と取っ手が同じ素材のものは熱くなってしまうので、持つ時には鍋つかみなどを用意する必要があります。
用途に合わせて選びたい「注ぎ口の形」
やかんをどんな時に使うのかにあわせて、注ぎ口もチェックしておきましょう。
コーヒーをドリップしたり、マグカップにお湯を注いだりしたい時は、急須のように注ぎ口が細いタイプが使いやすいです。お湯の出る量や注ぐ位置をコントロールできるので、こぼすことなく楽に注げます。
一方で、鍋や大きなピッチャーなどに一気に注ぎたい時は大きな注ぎ口がおすすめです。
また、注ぎ口に笛がついていて、お湯が沸いた時に音で知らせてくれる笛吹タイプのやかんもあります。「いつも、お湯を沸かすときにふきこぼしてしまう」という人は、笛吹タイプを選ぶと安心ですね。
【選び方のポイント4】洗いやすさ
やかんのふたが大きなものだと手を中に入れて洗えるので、隅々まできれいにできます。
注ぎ口が太いものも、専用ブラシなどで洗いやすいので清潔に保てますね。
そして、取っ手が倒せるかどうかもチェック。
取っ手が倒れると内部が洗いやすい上に、ひっくり返しても安定して乾かせます。
おすすめのやかんを紹介
それではここで、おすすめのやかんを紹介していきます。
コーヒーをドリップしたい時や、たくさんの量を一気に沸かしたい時など、シーンにあわせたおすすめ品をピックアップしました。
コーヒーをドリップするなら、注ぎ口が細いもの
毎日コーヒーを淹れるという人には、注ぎ口の細いやかんがおすすめ。
注ぐお湯の量も調節しやすく湯切れもよいため、コーヒーのドリップに最適です。

表面がガラス質のため、洗浄効果が高くてお手入れが簡単なのも嬉しいポイントですね。
一般的な「ドリップケトル」と呼ばれるタイプには珍しい天然木素材の取っ手なので、本体の熱が伝わりにくく安心して使えます。
一度にたくさんのお茶を作りたいなら大容量タイプ
家族の人数が多かったり、スポーツなどで毎日たくさんのお茶が必要だったりする場合は、大容量のやかんがおすすめです。

ステンレス製で耐久性があり、毎日フル活用したい人にぴったりです。
また、茶こしが付属しているのでお茶の葉をそのまま入れて煮出すこともできます。
ふたが大きいため洗う時も楽で、持ち手は熱くなりにくいタイプです。
デザインを重視するならホーロー製
ガラス質のホーローは着色が自由にできるため、カラーバリエーションが豊富なところが魅力。
白や黒といったシンプルなものから、赤や緑などのカラフルなもの、キャラクターなどのモチーフがデザインされたものなど、好みの見た目を選べます。
キッチンのアクセントになるようなデザインのやかんを探している人は、ぜひホーロー製のものからチョイスしてみてはいかがでしょうか?

取っ手を畳めるので、冷蔵庫や棚などの高さの限られた場所にもスマートに収納できるのがおすすめポイントです。
実用性だけでなく、見た目の美しさやデザイン性も魅力です。

おいしい白湯を飲むなら鉄製
美容や健康のために白湯を飲みたいという場合は、鉄製のやかんがあるとおいしい白湯作りができます。
まろやかな味わいになるのでおいしいお茶や料理作りにもぴったり。
また、鉄分補給もできるため、より健康的なライフスタイルを送りたい人におすすめです。

キャンプで使うなら鍋にもなる2wayタイプが便利
キャンプなどのアウトドアでやかんを使いたいなら、取っ手を付け替えて片手鍋としても使えるタイプが便利です。
こちらはアウトドアブランドの「キャプテンスタッグ」の製品で、取っ手をねじで固定しているのが特徴。
ねじを緩めて取っ手の向きを変えられるので、片手鍋とやかんの2wayで使えます。
荷物をコンパクトにしたいアウトドアシーンで活躍しますよ。
まとめ
今回はやかんの選び方や、おすすめの商品についてご紹介しました。
お茶やコーヒーを淹れたり、カップ麺を作ったりと日常で使うことの多いやかん。
電気ケトルとは違った魅力のあるアイテムなので、ぜひとも使いやすいものを見つけたいですね。
やかんを選ぶ時は素材や容量、デザインなどに注目して、自分にあったもの見つけることが大切です。
この機会にぜひ、いろいろなやかんをチェックしてみてくださいね。
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