「卵は好きだけど、卵の白身がドロリとして苦手・・・」と思うことはありませんか?
生卵の白身の弾力やジュルっとした感じが好きになれない人は多いようです。
しかし、白身のこしを切るという作業だけで、白身の食感が変わりサラサラになります。
卵かけご飯もより美味しく食べられますよ。
この記事では、卵の白身のこしを切ってさらさらとした食感にする方法と、あまり知られていない道具をご紹介します。
目次
「白身のこしを切る」ってどういうこと?
「こしを切る」とは、料理用語で卵白をほぐしてサラサラの状態にすることです。
「こしを折る」「こしを抜く」といった言い方もします。
具体的には、弾力のあるドロッとした卵白を、切るように混ぜることで細かくし、黄身や他の食材と馴染みやすくする作業のこと。
基本的にはできるだけ泡立てないようにして行うものです。
料理によって丁寧に仕上げたいときは、さらに卵液を濾(こ)して泡や固まりを取り除いたものを使用します。
卵かけご飯に白身はいらない?白身と黄身の栄養素
白身の食感が好きになれなくて、卵かけご飯には黄身だけを乗せることにしている人もいるでしょう。
しかし、黄身だけでは熱いご飯に触れるとすぐ固まってしまったり、味が濃すぎる、量が足りない、と感じる場合もありますよね。
白身のあっさりした甘さもぜひ味わいたいものです。
黄身にはない白身の栄養素
味だけでなく、卵の白身には黄身よりも豊富に含まれている栄養素もあります。
代表的なものが良質のタンパク質。卵の白身に含まれているタンパク質には、悪玉コレステロール値の調整に役立つ成分もあります。
また、100gあたりのカロリーは黄身の1/8以下でかなりローカロリー。
水分量も黄身の倍近くあり、黄身と白身は一緒に食べることで栄養や水分をまんべんなく摂ることができると言えます。
そのため、卵かけご飯をいただくときも、白身のこしを切ってサラサラにして、黄身と一緒に混ぜて食べるのが良いのではないでしょうか。
【卵かけご飯向け】白身を効率よく切る道具と混ぜ方
白身には黄身にはない良さや栄養があることは前述の通りですが、黄身と一緒に混ぜて食べるには、しっかり「白身のこしを切る」必要があります。
白身を切るために使える道具はいくつかあります。
今回は主に「卵かけご飯にする卵(1個分)の白身を手早くほぐす」という視点で、この4つの道具を比較しました。
- ミニ泡立て器
- 箸
- フォーク
- 卵専用マドラー
卵専用マドラーの詳細はこちらでご紹介します。
卵専用マドラーって?
道具によって溶き方の工夫が異なるので、それぞれ詳しくみていきましょう。
ミニ泡立て器
小さいサイズの泡立て器は茶碗や小鉢などの小さな器でも卵を溶くことができます。
そんな小さい泡立て器で混ぜてみると…
白身と黄身を分け、白身だけをふわふわに泡立ててから黄身とともにご飯に乗せるとよいでしょう。
箸
今回は菜箸ではなく、食事のときに使う箸を使用。
いつも使っている食事用の箸で混ぜるなら…
何度か白身をつまんで持ち上げ箸で切る動作を加えると、次第に白身がほぐれてきます。
フォーク
三股、四股に分かれたフォークは、卵を混ぜやすいのでオムレツを作るときなど便利なアイテムでもあります。
そんなフォークを卵かけご飯用に使ってみると…
普通サイズのフォークを使って食卓に出すような小鉢で混ぜると、フォークの先端部分だけで混ぜることになり使いにくさがあります。
フォークを使うなら、子供用やデザート用の小さめのフォークがおすすめです。
卵専用マドラー
液体を混ぜ合わせる時に使用するマドラーの中には卵を混ぜるために開発された「卵専用マドラー」があります。
この卵専用マドラーを使ってみると…
卵を持ち上げるようにしたり前後に動かして混ぜているうちに、白身がほぐれてきます。
卵専用マドラーの使用感ですが、個人的には箸でほぐすより早く、フォークを使うより軽くて使いやすいという印象でした。
「卵専用のマドラーなんて馴染みがない」という方が多いと思いますので、卵専用マドラーについて少し解説します。
卵かけご飯に最適!卵専用マドラーの特徴
今回使用した「卵専用マドラー」は、金物で有名な新潟・燕三条にあるキッチンツールのメーカー「ヨシカワ」の販売する、「EAトCO(イイトコ)」シリーズのアイテムです。
卵をスムーズに溶くために開発されたグッズで「Toku」という名前がついています。
【卵専用マドラーの特徴】効率よく卵が溶ける形状
このマドラーの特徴は、なんといってもこの丸い形状。
ステンレスの清潔感、シャープさを活かしつつ、手や器を傷つけにくい設計がされています。
この卵専用マドラーで卵を混ぜると、輪の部分全体で卵の白身を切ることができ、効率よく卵が溶けます。
カラザは混ぜているうちにギザギザ部分に自然と引っかかってきますので、気になる方はこの段階で取り除きましょう。
卵専用マドラーでよく混ぜた卵液は、このように白身が小さく切れて、全体がよく混ざっています。
しっかり溶いておくと、さらに濾(こ)してから使うときにも白身が網目に詰まりにくく、簡単に作業ができます。
【卵専用マドラーの特徴】食卓にそのまま出してもおしゃれ
また、スプーンやフォークなどのカトラリーと同じくらいの大きさのため、食卓にそのまま出しても違和感がありません。
箸やフォークと一緒に用意しておき、食卓で使いたい人がすぐ手に取れるようにしておくこともできますね。
あると便利なおしゃれツールとしても注目です。
卵専用マドラーのお手入れ方法
この卵専用マドラーは、先端の輪と持ち手の接続部分にわずかなすき間があります。
水の侵入を防ぐため、浸け置き洗いは避けましょう。
使ったらすぐ個別にさっと洗ってしまうのがおすすめです。
このマドラーの先端は鋭利ではないので、スポンジや指先を切ってしまう危険はありません。
引っかかっている卵成分をきれいにとりたいときは、指先またはブラシでなでるように洗ってみてください。
卵成分は乾くと洗い落としにくくなります。
食卓で使った場合など、使ってすぐには洗えないときは、水を入れたコップに立てておくといいですよ。
今まで卵専用マドラーに馴染みがなかったという方も、卵を溶く機会が多いならぜひ試してみてくださいね。
白身が美味しい!卵かけご飯用「ねぎ塩卵」のレシピ
実は、わたしも生卵の白身がちょっと苦手。
そこで、黄身も白身も一緒に美味しく卵かけご飯にするための方法を考えました。
それが、白身と黄身を分けて白身に調味料を混ぜる方法です。
今回は中でもおすすめな「ねぎ塩卵」のレシピをご紹介しますので、ぜひ作ってみてください。
ねぎ塩卵の作り方
今回白身に混ぜるタレの材料はこちら。
- みじん切りネギ
- すりおろしにんにく
- ごま油
- 塩
- 白ごま
ネギ塩ダレができたら、さっそくねぎ塩卵を作っていきましょう。
- まず、卵の黄身と白身を分けます。
- 次に、白身にネギ塩ダレを入れよく混ぜます。

しっかり混ぜると、タレの油分と白身の水分が反応し乳化して白っぽくなります。
とろみも均一になり、ご飯ともなじませやすい濃度になりました。
黄身とともにご飯にかけて召し上がれ。
白身に混ぜると美味しい調味料・食材はたくさん!
この卵の白身に調味料を混ぜる方法では、いろいろな調味料で味に変化がつけられます。
いつもの醤油も美味しいですが、「何が合うかな?」とアレンジを考えるのも楽しいですよ。
- 塩昆布
- 納豆
- 岩塩
- 醤油+一味唐辛子
ぜひお好みの調味料や食材を加えて試してみてください。
卵専用マドラーを使うと便利な卵料理とは
今回ご紹介した卵専用マドラーは、卵かけご飯だけでなく他にもいろんな卵料理を作るのにも便利なアイテム。
白身のこしを切って、しっかり溶いた卵液を使う料理に活用できます。
例えば…
- 薄焼き卵
- フレンチトースト
- プリン
- 茶碗蒸し
卵のこしを切りすぎると膨らまなくなるので、ボリュームを出したい「厚焼き玉子」などには向いていませんが、混ぜ具合を控えめにすればOKです。
卵専用マドラーを使って溶いた卵でいくつか料理を作ってみました。
卵専用マドラーで作った薄焼き卵
卵専用マドラーで作った卵液を濾(こ)したりせずにそのままフライパンで薄焼き卵にしてみると、焼き上がりはこのようになりました。
よく見ると小さな白の点が見えますが、気にならないレベル。
多少の泡立ちがある状態の卵液を使いましたので、薄焼き卵の縁部分にキメの粗い部分があります。
しかし中心部はなめらか、きれいにできました。
この薄焼き卵なら茶巾寿司やデコ弁にもこのまま使用できそうだと感じました。
いちいち濾(こ)す手間が省けるのは嬉しいですね。
卵専用マドラーで作ったフレンチトースト
同じように卵専用マドラーで溶いた卵液を使ってフレンチトーストを作りました。
白身が細かく切れているため、パンへの吸い込みもよく、全体的にきれいな黄色に仕上がりました。
おわりに
卵の白身の「こしを切る」方法と道具についてご紹介しました。
卵専用に開発されたマドラーを使うと、効率的に混ぜられます。
卵かけご飯をよく食べる方、これまで白身が混ぜにくいと感じていた方におすすめです。
記事中で紹介した、白身に調味料を混ぜる卵かけご飯もぜひお試しくださいね。
参考資料
※文部科学省「食品成分データベース」検索日2020/11/18

