料理の材料に、ディナーのお供に、リラックスタイムに…さまざまなシーンで登場するワイン。
ワインのコルクを抜いて開けるためにはワインオープナーが必要です。
多機能なオープナーの中にはワインオープナーの機能がついているものもあるので、それを使っているというご家庭も少なくないでしょう。
しかし、実はワインオープナーにはいろんな種類があり、使い方も様々。簡単にコルクを抜いて開けることができるものもあれば、上級者向けのものもあるのです。
今回はワインオープナーの種類や選ぶときのポイントについて解説していきます。
さらに、ワインオープナーが無いときの代用品もご紹介しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
目次
ワインオープナーの種類と使い方
一口にワインオープナーといっても、スクリュープルやソムリエナイフ、電動式など、さまざまな種類があります。
代表的なものはこちら。全部で6種類あります。
では、それぞれの種類の特徴や使い方を見ていきましょう。
スクリュープル式ワインオープナーの使い方
スクリュープル式のワインオープナーは、コルク内にスクリューを埋め込み、そのスクリューを引き上げながら開栓していきます。
ハンドルなどを回すことでスクリューを引き上げることができるというシンプルな構造のため、ワイン初心者の人や握力が弱い女性でも開けやすいという特徴があります。
また、手動ではありますがコルクが割れてしまう失敗も少なく、初めてワインオープナーを使うという初心者には特におすすめ。
さらに、コンパクトなサイズなので収納スペースも取らず、屋外への持ち運びもしやすいです。
レバー式(ウィング式)ワインオープナーの使い方
レバー式ワインオープナーにもスクリューが付いており、このスクリュー部分をコルクにセットして、左右のレバーを上下に動かし開栓します。
レバーが翼に似ているため、「ウィング式」と呼ばれることも。
スクリュープル式と同じく、レバーを上下させるだけで誰でも簡単に開栓することが可能です。
レバーは何度か上下させる必要があるものと、一度上下させるだけで開栓できるものがあるため、購入前に機能を確認しましょう。
レバー式ワインオープナーは形状がスタイリッシュでデザインもおしゃれなものが多いため、ワインを開ける動作が見栄えするというメリットも。
ただし、特殊な形状をしているがゆえに収納スペースに困る場合もあるので、あらかじめ収納スペースは確保しておきましょう。
T字型スクリュータイプのワインオープナーの使い方
ワインオープナーの中では一番シンプルな形で、一般的に知られているのがこのT字型のワインオープナーです。
見た目通り、スクリュー部分をコルクに埋め込み、T字型のハンドルを回してコルクを引き抜きます。
使い方も分かりやすいですが、コルクを回して引き抜くにはかなりの力が必要。ワインを横にして抑えたりする必要もあり、かなり重労働でコツが必要です。
比較的安価で手に入りコンパクトに収納できるので、使い方にさえ慣れてしまえば…!というところ。
「ポンッ」という軽やかな音を立てて、かっこよく開栓する姿に憧れるなら挑戦してみるのも手です。
エアー式(ガス式)ワインオープナーの使い方
エアー式ワインオープナーの開け方は先に紹介した2種類とは異なります。
エアーを注入する針をコルクを刺し、ハンドル部分でエアーを入れて圧力をかけることでコルクが抜けます。
針をコルクに刺すというシンプルな操作のみなので、開栓に失敗するリスクも少ないタイプといえます。
さらに、コルクを抜く時の「ポンッ」という音も出すことができ、パーティーなどで盛り上がることができるのも特徴的です。
ただし、エアーの圧力によってコルクを上昇させるため、柔らかいコルクや古くなったコルクに使用すると、上手く圧力がかからない場合があります。必ず、コルクの状態を確認してから使用しましょう。
また、他のタイプのものと比べて価格が高めなものがほとんど。それほど使用頻度が多くない人は他のワインオープナーを選ぶのがベストです。
割れたコルクや柔らかいコルクを抜くには?
ソムリエナイフの使い方
ソムリエが好んで使うソムリエナイフも開け方は特徴的。そしてコツがいります。
コルクの中央にスクリュー部分を差し込み、支点となる部分をボトルの縁に引っ掛け、テコの原理を利用してハンドル部分を引っ張り開栓します。
ワインの扱いに慣れていない人の場合、コルクの中央にスクリューをまっすぐ差し込むのが難しく、手こずってしまうことも…。
ソムリエナイフには支点となるフック部分が1つの「シングルアクション」と2つの「ダブルアクション」があるため、使いやすさを重視するならダブルアクションがおすすめです。
また、折り畳んで専用のケースに入れ、コンパクトに持ち運べるものもあります。
栓抜きとして使えるものもあり、アウトドアシーンでは特に活躍します。
毎日ワインを飲む人やキャンプなどでワインを楽しみたい方にはおすすめのアイテムです。
電動式ワインオープナーの使い方
近年新たに登場したのが、電動式のワインオープナー。
ボトルの口にセットし、電源を入れるだけで簡単にコルクを開栓してくれます。電源は乾電池のものがほとんど。
力いらずで開栓できるだけでなく、コルクが壊れたり破片が中に入ったりといった失敗もありません。
安全に開けられるため、初心者の人はもちろん、ワインを一度に多く開ける場合でも大活躍します。
高価な商品もありますが、他のタイプとほぼ同じ価格で購入できるものも多いです。
一方で、サイズは大きめのため、収納スペースを確保しておく必要があります。
最適なワインオープナーを選ぶポイント
ワインオープナーはその種類の多さから、どれを使えばいいのかわからないという人も少なくありません。
こちらでは、最適なワインオープナーを選ぶためのポイントをご紹介します。
収納スペースに合うサイズ・形状か
ワインオープナーは種類だけでなく大きさも様々。
使用頻度が低いのに大きなサイズや形状が特殊なものを選ぶと、かさばって邪魔になってしまうこともあるので、どこにしまうかなど、状況を考えて選ぶことが大切です。
コンパクトに収納できるワインオープナーは…
特にソムリエナイフは手のひらにおさまるほど小さくコンパクトになるものも。
T字型スクリュータイプもソムリエナイフも、使い方には少しクセがありますが、収納スペースが限られている場合や、屋外に持ち運んで使うケースが想定される人にはおすすめです。
「使い方に慣れないといけないのはちょっと…」「力を入れずに楽に開栓したい…」という方は、スクリュープル式やエアー式、電動式の中でも自立できるものを選ぶと、高さに余裕のある場所に立てて収納しておくといいでしょう。
機能が充実しているか
ワインオープナーの中でも機能性が優れたものを選ぶと、他の用途にも使用できるため便利です。
例えば…
せっかくワインオープナーを買うのであれば、さまざまな場面で活躍できる機能性の高いものを選ぶのがいいですね。

要注意!スパークリングワインにはワインオープナーはNG
実は、ワインの種類によっては開ける時にワインオープナーを使わない方が良い場合もあります。
それは、スパークリングワインを開ける時。
スパークリングワインは発泡性のワインなので、ボトル内部に強い圧力がかかっています。
スパークリングワイン専用のコルクは、この圧力に負けないよう、普通のコルクより密度が高く作られています。
コルクだけでなくボトル自体に強い圧力がかかっているので、スクリュータイプのワインオープナーをコルクに刺してしまうとボトル自体が割れてしまう可能性が…。
スパークリングワインを開ける時は、ワインオープナーを使う必要がないケースが多いです。
普段からスパークリングワインだけを楽しみたい方は、ワインオープナーを焦って買う必要はありませんよ。
初心者にもおすすめなワインオープナー
「ワインはたまにたしなむ程度…」というワイン初心者は、コルク蓋の開栓に戸惑いがち。
使い方は分かっているのに、なぜかなかなか開けられない!ということもありますよね。
そこで、初心者でも簡単に使うことができるワインオープナーのタイプを4つまとめてみました。
特にボタンひとつで開栓できるタイプの電動式ワインオープナーは、誰でも簡単に使いこなすことができます。
割れたコルクや柔らかいコルクを抜くには?
長期熟成のために保管されているワインの中には、コルクが割れていたり痛んで柔らかくなってしまっていたりするものもあります。
そういったワインの場合は、コルクを抜く時に注意が必要です。
スクリューや針がうまくコルクに刺さらなかったり、抜く時の衝撃でコルクが割れ、破片がワインの中に入ってしまうことも。
あまり一般的に用いられることは少ないですが、画像のようなコルクを挟んで抜くタイプのワインオープナーが存在します。
コルクが丈夫でない時、割れそうな時はこういったタイプのワインオープナーが便利です。
ただし、硬いプラスチック製のコルクに使用するとコルクが割れてうまく取り出せなくなってしまうことがあるので、気を付けてくださいね。
プラスチック製のコルクを抜くには?
では、硬いプラスチック製のコルクはどうやって開ければいいのでしょう。
シリコンなどの樹脂で作られたプラスチック製のコルクは、天然素材のコルクに比べて密閉性が高く、滑りにくいのが特徴。
そのため、スクリューを刺してコルクを回して開けるスクリュープル式、レバー式(ウィング式)、T字型スクリュー式のワインオープナーは不向き。
開栓にかなりの力が必要になります。
また、電動式のワインオープナーの中には天然素材のコルク専用で、プラスチック製コルクには使用できない、などの制限があるものも。
そのため、テコの原理で開けられるソムリエナイフが一番最適と言えます。
ソムリエナイフの中でも開けやすい「ダブルアクション」を選ぶと比較的開けやすいです。
おすすめのワインオープナー15選
こちらでは、上記でご紹介した6つの種類のワインオープナーのおすすめアイテムをご紹介します。
どのタイプのワインオープナーを買うか決まった方、多機能なワインオープナーを見てみたい方はぜひ参考にしてくださいね。
初心者にもおすすめ!スクリュープル式
まずご紹介するのはスクリュープル式のワインオープナー。初心者でも扱いやすい操作性の手軽さがポイントです。
vacuvin(バキュバン)のワインオープナー

Le Creuset(ル・クルーゼ)のワインオープナー
ハンドルが波型で回しやすいデザイン。調理用品で世界的に有名な「ル・クルーゼ」のアイテムなので、プレゼントにも喜ばれます。
brabantia(ブラバンシア)のワインオープナー
4色展開のカラフルなワインオープナー。自立するので立てて収納できるのがうれしいポイントです。
見た目がかっこいいレバー式(ウィング式)
特徴的な見た目で開ける姿がさまになるレバー式(ウィング式)も、収納スペースに余裕があるなら候補に入れてみてくださいね。
OXO(オクソー)のワインオープナー

栓抜きとしても使えるワインオープナー

気軽に手に入るT字型スクリュータイプ
デザインやハンドルの形状も多種多様なT字型スクリュータイプ。気軽にワインを楽しみたい人は要チェックです。
うれしいキャップ付きのワインオープナー
ハンドル部分は握りやすい形状が特徴。スクリュー部分にキャップを付けておけるので安心です。
握り心地がいい木柄のワインオープナー
プラスチックではなく木でできたハンドルで温かみがあり、握りやすいです。通常のスクリューとまっすぐなスクリューの2本構造で、コルクを抜きやすい設計になっています。
力がいらないエアー式(ガス式)
スマートかつスピーディーにワインを開けたい方にはエアー式(ガス式)もおすすめです。
CorkPops(コルクポップス)のワインオープナー
人体に無害なガスを利用して瞬時にコルクを抜くことができるのが特徴。ボタンを押すだけなので操作も簡単です。たくさんのワインを開けたい時にも便利。
ワイングッズ4点セット
フォイルカッター・ポワラー・ストッパーも付いた4点セット。化粧箱もおしゃれなのでプレゼントにも最適です。
持ち運びしやすいソムリエナイフ
使い方にさえ慣れてしまえば、ソムリエナイフもぜひ候補に入れてみてください。初心者にはダブルアクションタイプがおすすめですよ。
vacuvinのスライドギア式ソムリエナイフ

木製のハンドルで持ちやすいソムリエナイフ
力を入れやすい木製ハンドルのソムリエナイフ。支店が1つのシングルアクションタイプなので上級者向きです。専用のケース付きなので持ち運びもしやすいです。
シャトーラギオールのソムリエナイフ
ワインの本場フランスに住むプロソムリエとの共同開発で生まれたソムリエナイフ。ハンドルには牛角や天然木が使われるため、唯一無二の味わいが生まれるのが特徴です。他のソムリエナイフに比べるとかなり高価ではありますが、これぞソムリエナイフと言われプロも愛用するほどの品です。
機能性抜群!力いらずの電動式
電池や電源が必要ではありますが、誰もが簡単に扱える電動式も魅了的ですね。
recolte(レコルト)の電動ワインオープナー
全6色から選べるカラフルな電動ワインオープナー。コルクが抜けていくところが見やすいスケルトン仕様なので、ボトルに対してまっすぐにセットできているか確認しやすいです。
スッキリした見た目の電動ワインオープナー

ワインオープナー以外にも使える多機能オープナー
最後に、ワインオープナー以外の機能を持ったオープナーをご紹介します。
VICTORINOX(ビクトリノックス)のオープナー
スイスの刃物メーカーVICTORINOXのマルチツール。9通りの使い方ができ、缶切り、栓抜き、ワインオープナーなど多様な使い方ができます。
ポケットに入るコンパクトサイズなのでアウトドアシーンで活躍するアイテムです。
ラージブレード(大刃)が付いているのをお忘れなく!バックパックに入れたまま空港はNGです。手荷物検査で引っかかってしまいます(経験者談)。
ワインオープナーがないときに使える代用品
「ワインを開けようとしたときに、ワインオープナーがなかった…」
「キャンプで使おうと思ったけど家に忘れてしまった…」
ワインオープナーはワインを飲む直前に使うもの。すぐに飲みたい時にワインオープナーがないと困りますよね。
そんなときは、身近なものでワインオープナーの代用をしてみましょう。
こちらではワインオープナーの代用品となる身近なアイテムを4つご紹介します。
コルク抜きの付いた缶切り
缶切りには、コルク抜きが付いているものがあります。それを使って、コルクにスクリュー部分を差し込み、真上に引っ張りながら抜いていきます。
スクリュープル式オープナーと似た開栓方法ですね。
代用として最も簡易的な方法ですが、コルク抜きの付いていない缶切りでは代用は難しいです。
ハサミ
次にハサミの刃を使った開栓方法です。
ハサミの刃をしっかりと開き、片方のみをコルクにしっかりと刺します。
差し込みすぎるとコルクが壊れてしまう場合があるため、慎重に差し込むようにしましょう。
適度に差し込んだ状態でハサミを回転させると、コルクも一緒に回転し、開栓することができます。
この時ハサミはなるべく小さめのものを使用すると、作業がしやすくなります。
刃物を扱うので手を怪我しないよう要注意。力の弱い方にはあまりおすすめできません。
住宅の鍵
戸締りするときに使う鍵。実はワインオープナーの代用品になります。
コルクに鍵をしっかりと刺し、ボトルを回転させながらコルクをゆっくりと引き上げていくとワインを開けることができます。
先端が尖っていない鍵をコルクに差し込むには、鍵をコルクに対して真っ直ぐではなく斜めに刺すことがポイント。角度は45度程度がベストです。
注意点として、差し込む力が強すぎると鍵が曲がってしまう場合があります。
ちなみに鍵は「ディンプルシリンダー」よりも、差し込み部分がギザギザな「ロータリーディスクシリンダー」や「ピンシリンダー」がおすすめです。
靴
鍵同様、誰もが持っている靴。
靴なら、空洞現象(キャビテーション)を利用してコルク蓋を抜くことができるのです。
まず、ボトルを底部から靴の中に入れます。この時、かかと部分にボトルの底部をしっかりと付け、靴とボトルの角度が90度になるようにします。
次にボトルが入った靴の底の部分を、壁に垂直に叩きつけてみてください。何度か叩きつけることで開栓できます。
実は靴を使った開栓は、ワインの本場であるフランスで一般的に行われている代用方法なんですよ。
靴は衛生的にちょっと…という方は、厚手のタオルや服などでも代用可能です。
ただし、古いワインの底に沈殿している澱(おり)が舞ってしまい、味と見た目に支障をきたすことも。
大事に飲みたいワインを開ける時にはおすすめできません。
空洞現象って?
空洞現象(キャビテーション)とは、水にかかっていた圧力が下がることで気泡が生まれる現象のこと。
コーラやラムネの瓶の栓を抜いた時に見られる発砲がこれにあたります。
この気泡が潰れることで大きなエネルギーが生まれ、ワインのコルクを抜くことができるのです。
自分にぴったりなワインオープナーを見つけて
ワインを楽しむのに欠かせないワインオープナー。
ワインオープナーにはいろんな種類があり、使い方も様々です。
使い方をしっかり確認して自分に合ったワインオープナーを選ぶことで、気軽にワインを楽しむことができるようになります。
ワインオープナー試したさに、ついつい開けてしまうなんてことも。
ぜひ自分に最も合うワインオープナーを見つけてみてくださいね。