シャンパンクーラーやボトルクーラーという名前でも知られるワインクーラー。
ワインクーラーはお店やパーティーなどで使用する大きなものだけではなく、家庭用の1本のみ入れることのできる小さめサイズのものもあります。
そのため、ご自宅でワインを保管したいという方にもおすすめ。
今回は、手早く適温で美味しいワインを飲むことのできるワインクーラーの選び方や、用途に合うおすすめアイテムをご紹介します。
目次
ワインクーラーとは?
ワインクーラーは、ワインが最も美味しく飲める最適な温度に冷やすことのできるアイテム。
ワインセラーとは異なり、氷と水の入った容器にワインを入れたり、あらかじめ冷やした保冷剤を用いてワインを冷やす仕組みです。
家でワインを飲む場合、冷蔵庫で冷やすという人も多いですが、ワインクーラーを使うことで、テーブルの上でも短時間でワインを冷やすことができます。
さらに、ワインクーラーに入れておくことでワインを適温に保ち続けることができるので、パーティやアウトドアにもぴったりです。
ワインクーラーの正しい使い方についてはこちらで紹介しています。
ワインクーラーの正しい使い方
冷蔵庫ではなくワインクーラーを使うメリット
「ワインは冷蔵庫で冷やしても一緒では?」と思っている人もいるかもしれません。
しかし、ワインクーラーには冷蔵庫にはない、さまざまなメリットがあります。
ここでは下記の4つのメリットについて詳しくご紹介します。
- 冷蔵庫よりも短時間で冷やせる
- 美味しく飲める温度に調節しやすい
- 冷蔵庫の収納にも困らない
- 電気が使えない場所でも利用できる
冷蔵庫よりも短時間で冷やせる
冷蔵庫の温度は4度前後となっており、常温のワインを適温まで冷やすには2~3時間ほどかかってしまいます。
飲みたいときに冷えておらず、後悔した経験もあるのではないでしょうか。
その点、ワインクーラーを利用すれば20~30分ほどの短時間でワインを冷やすことができます。
購入したワインをすぐに飲みたい時、いただいたワインをその場で開けたいときにも、ワインクーラーがあれば便利です。
美味しく飲める温度に調節しやすい
ワインには、それぞれに最も美味しく飲める温度があります。
冷蔵庫に保管するだけではなかなか温度調節は難しいですが、ワインクーラーを使用することで、適切な温度に調節しやすいという利点があります。
冷蔵庫よりも短時間で冷やせるので、「ワインを買ったあとにすぐに飲みたい!」なんて場面にも便利です。
また、ワインクーラーはワインだけではなく、ビールやシャンパン、日本酒などを冷やしたいときにも利用できます。家族や友人が集まってお酒を楽しみたいシーンで大活躍すること間違いないでしょう。
冷蔵庫の収納にも困らない
ワイン好きの方なら、お気に入りのワインをストックしている人も多いでしょう。
いつでも飲めるようにと冷蔵庫で冷やすとなれば、収納できるスペースが限られてしまい、食材や調味料が入らなくなってしまうことも。
バケットタイプのワインクーラーであれば、使用するときに氷と水を入れて使うので、冷蔵庫のスペースを取らずに済みます。
保冷剤内蔵のコンパクトなワインクーラーもあるので、収納に困らないという点が魅力といえます。
電気が使えない場所でも利用できる
ワインクーラーは冷蔵庫やワインセラーと異なり、電気を使わず利用することができます。
冷やすための氷と水があれば、テーブルやテラスなどへ持ち運びできるのがメリットといえるでしょう。
キャンプなどのアウトドアにも使えるので、シーンに合わせて大きさや持ち運びやすさを考慮しましょう。
また、テーブルの近くに置いておけるので、開けたワインが冷めてしまったり、わざわざ冷蔵庫までワインを取りに行く手間もいりません。
ワインが美味しくなる適温を知ろう
ワインクーラーを選ぶ前に、まずはワインを美味しく飲むための適温について知っておきましょう。
ワインは温度によって味わいや風味が変わるため、それぞれのワインに適した温度で飲むのがおすすめです。
ここでは、赤ワインと白ワイン、ロゼ、スパークリングワインの4種類の適温をまとめました。
赤ワインの適温
赤ワインは、濃厚で渋味や深い味わいが特徴的です。
お肉料理との相性が良いので、食事とともに飲まれる方が多いでしょう。
アルコール度数や含まれるタンニンなどを目安として、3つのボディに分けられています。
フルボディ
アルコール度数が高く、タンニンが強いため、重厚感があるどっしりとした味わいが特徴。
濃厚で果実感が強く、奥深い渋みを感じられます。
冷やし過ぎると渋味が強くなってしまうため、16度~18度前後に調整しましょう。
ほどよい渋味とコクをバランス良く味わうことができます。
ミディアムボディ
フルボディよりもアルコール度数が低く、タンニンが少ないため、濃厚過ぎない味わいが特徴。
深みがあるなかにも果実のフレッシュ感を感じられるため、フルボディよりも飲みやすいと感じる方も多くなっています。
13度~16度前後に調節することで、酸味と渋味のバランスが良くなります。
フライトボディ
3種のボディの中でもっとも口当たりが軽いのが特徴。
アルコール度数も低めなので、ワインを初めて飲む方にもおすすめです。
フルボディよりも渋味が少なくフルーティな味わいが特徴です。
10度~12度前後と少し冷たく調節することで、爽やかに飲むことができます。
フルーツを漬け込んでアレンジできるのも、ライトボディの魅力です。
白ワインの適温
白ワインは、フルーツの爽やかな香りと酸味が特徴的です。
シーフードとの相性が良いほか、チーズやガーリックを使った料理など白ワインを合わせる方もいます。
白ワインは、糖分の量やアルコール度数などによって、甘口と辛口の2種類に分けられることが一般的です。
甘口
酸味が穏やかで、アルコール度数が比較的低いのが特徴。
しっかり冷えていないと味がぼやけてしまい、締まりのない味わいになってしまうため、5度~8度前後まで冷やすのが適温といえます。
温度が低いほどさっぱりとした甘さになります。
飲む前にはワインクーラーでしっかり冷やすよう心がけましょう。
フライトボディ
フレッシュさと酸味が際立っており、アルコール度数も比較的高めなのが特徴。
口当たりがさっぱりしているので、さまざまなお料理にも合わせやすい特徴があります。
冷やしすぎると風味が失われてしまうので、7度~14度前後に調節するのがベストといえます。
また、夏は温度を低めに調節するのがポイントです。
ロゼの適温
ロゼとは、赤ワインで使われる黒ブドウをはじめ、白ブドウや赤ブドウを使ったり、混ぜたりして製造されるワインです。
薄いピンク色やオレンジ色をしていて華やかな印象があるので、パーティや結婚式などお祝いごとに飲まれる方も多いでしょう。
ロゼには辛口・甘口・スパークリングの3種類がありますが、いずれも7度~14度とよく冷やして飲むのがおすすめです。
温度を低くすることで、ブドウの酸味や風味が引き立ち、すっきりとした甘さになります。
スパークリングワインの適温
スパークリングワインとは、飲んだときにシュワシュワと微炭酸のように感じる、発泡性のワインです。
洋食や和食にも相性が良く、泡のフレッシュ感を楽しみたい方は、食前酒として1杯目にスパークリングワインを選ぶことも多くあります。
6度~8度前後にしっかり冷やすことで、爽やかな酸味とたくさんの泡でスッキリとした味わいになります。
冷蔵庫で保管したワインを取り出して常温に戻すだけでは、細かい温度の設定は難しいです。
一方、室温は正確に計ることができるので、ワインクーラーに適切な時間入れて置くことで、ワインを飲む前に美味しく飲める適切な温度にすることができるのです。
ワインクーラーの種類
ワインクーラーには、冷却方法によって大きく4つの種類があります。
それぞれ特徴が異なるため、用途や好み、収納スペースなどを考慮しながら選びましょう。
氷と水を入れるバケットタイプ
ワインクーラーと聞いて、多くの人が思い浮かべるのが氷と水を入れるタイプ。
飲食店やパーティーなどでもこのタイプがよく利用されています。
一本のみを冷やすコンパクトなものから、数本のワインを同時に冷やせる大きめのサイズまで、幅広いサイズやデザインがあるのが特徴です。
容器の素材については、ガラス製のものから木、ステンレス製のものなどがあり、材質を変えるだけで雰囲気が大きく変わります。
ワインボトルに巻き付けるタイプ
アウトドアやお土産など、持ち運びに非常に便利なのがボトルに巻き付けるだけのワインクーラーです。
保冷剤が内蔵されているので、あらかじめ冷蔵庫で冷やしてからボトルに巻き付ければ、2~3時間は冷たさを持続できるのが特徴です。
バケットタイプよりも場所を取らないので、テーブルがごちゃごちゃしないのも嬉しいポイント。
使うシーンに合わせて使い分けるとよいでしょう。
「テラコッタ」と呼ばれる自動冷却タイプ
一般的にあまり知られていないタイプとして、「テラコッタ」というワインクーラーがあります。
テラコッタとは素焼きの焼き物のことで、水の気化熱を利用して筒の内部を冷やす“自動冷却”が可能です。
あらかじめ筒を水に浸しておくことで、使用する際に表面の水分が蒸発して、一定の低温をキープしてくれます。
氷を使わずに冷却できる手軽さのほか、焼き物ならではの暖かみのあるデザインも魅力。ワインクーラーとして使用する時だけでなく、インテリアとして飾っておくのもおしゃれです。
ボトル1本分を冷やせるバッグタイプ
屋外でワインを楽しみたいときに重宝するのが、持ち運びタイプのワインクーラー。
ビニール製でできた持ち手のついたバッグタイプは、手軽にワインを持ち運びできるほか、低価格で購入できるものも多く販売されています。
使用後は畳んで持ち帰れるので、荷物がかさばらないのも嬉しいポイント。
キャンプやBBQ、ピクニックなどで気軽に使いたい人におすすめです。
失敗しない!ワインクーラーの選び方と3つのポイント
ワインクーラーには主に3つの種類がありますが、素材や構造によって冷却力や保冷力、機能性が異なります。
ここでは、失敗しないワインクーラーの選び方のポイントをご紹介します。
【1】素材ごとの保冷性能で選ぶ
一般的なバケットタイプのワインクーラーでは、アクリルやステンレス、木などさまざまな素材が使用されています。素材によって保冷力も異なるため、ワインの種類や使用するシーンに応じて最適なものを選びましょう。
ステンレス製
ステンレスは保温・保冷機能に優れています。
中でも2重構造になったタイプは保冷力が高く、1重構造よりも長時間冷たい温度をキープできます。
ただし、氷を入れ過ぎると冷たくなりすぎるため適量を心がけましょう。
保温・保冷には十分ですが、重さがあるため自宅用として使うのがおすすめです。
アクリル製
日本で最もポピュラーな素材とされているのが、透明なアクリルです。
氷やワインボトルが外から見えるため、スタイリッシュな見た目を楽しめるのも魅力。
ただし、保温・保冷性能はそこまで高くないため、氷をたくさん入れる必要があります。
適温をキープするために、氷はこまめに追加しましょう。
アルミ製
アルミは熱伝導率が高く、冷たさが伝わりやすい性質があります。
氷や水を入れて冷やすことで、スピーディに冷却し、冷たい温度を保つことができるのが特徴です。
常温のワインをすぐに冷やしたいときにも便利です。
また、アルミは非常に軽いので、毎日ワインクーラーを使う人にもおすすめと言えるでしょう。
木製
自然の素材でやさしい風合いを楽しめるのが、木製のワインクーラーです。
ヒノキ科のサワラや竹の素材を使ったものも販売されており、金属製にはないやさしい木の香りと高級感が魅力といえます。
また、木製は結露が付きにくい特性があるので、水滴でテーブルが濡れる心配もありません。
ワイン以外にも、日本酒や焼酎を冷やすのにもぴったりです。
【2】毎日使うなら強度・軽さも大切
ワインクーラーを選ぶときは、使うシーンに応じて強度や軽さにもこだわりましょう。
中でもステンレス製のワインクーラーは耐久性が高く、キズが付きにくい特徴があります。
毎日使用する人や、アウトドアやキャンプにも適しているでしょう。
また、ステンレスやアルミは錆びにも強いので、毎日のお手入れも簡単。アルミやアクリルは非常に軽いので、食事やパーティでの持ち運びもラクチンです。
木製については、水分を含むとカビや黒ずみが発生しやすいので、使った後はしっかり乾燥し、湿気の少ない風通しのよい場所に保管しておくようにしましょう。
素材によって強度や軽さ、お手入れのしやすさが異なるので、「頻繁に利用するか」「どのようなシーンで活用するか」を考慮して選ぶのがポイントです。
【3】シーンに適したサイズを選ぶ
ワインクーラーは自宅での使用だけでなく、大人数が集まるパーティーシーンなど、さまざまなシーンで活用することができます。
ワインクーラーを選ぶ時は、使用するシーンに合うサイズのものを選ぶようにしましょう。
例えば、自宅で使用する場合には1本用のものを、パーティーには一度に4〜5本冷やすことのできる大型のものを選ぶのがポイント。
氷と水で楽しめるワインクーラーは、キャンプなどでも活躍します。
屋外で使用する場合には、持ち運びやすいコンパクトなサイズを選びましょう。
また、ギフト用のカラフルなものや樹脂製のものなど、デザイン性のいいワインクーラーもあります。ワインと一緒にプレゼントするのもおすすめです。
おすすめのワインクーラー7選
以下では、タイプ別におすすめのワインクーラーを7つピックアップ。自分にぴったりなものを探してみてください。
プレゼントにもOKなおしゃれタイプ
ワインクーラーは見た目がおしゃれなものも多く、プレゼントにも喜ばれます。
まずはプレゼントにもおすすめなワインクーラーをいくつかご紹介します。
ル・クルーゼのアイスクーラースリーブタイプ
コンパクトで持ち運びのできる、スリーブタイプのワインクーラーです。
スリーブを事前に冷やしておき、ワインを入れて持ち運ぶことができます。
おしゃれな見た目と優れた保冷性で、お土産としてワインと共にプレゼントするのにぴったりです。
双円 ワインクーラー
こちらはステンレス製のワインクーラー。
ひょうたんのようなユニークな見た目と、ステンレス製ならではの高級感がおしゃれ。
二層構造になっているため、結露でテーブルが濡れることもありません。カラーバリエーションも豊富で、喜ばれること間違いなしです。
参考
双円 ワインクーラー 硯ブラック双円
山下工芸 ワインクーラー
竹を使った温かみのあるワインクーラーです。
山下工芸さんは、地元・大分県別府市の特産品である竹を使い、和風なワインクーラーを製作する製造メーカーです。
洗練されたデザインでワインはもちろん、日本酒やシャンパンを入れてもおしゃれに見えますよ。
日本ならではの和の雰囲気が、さまざまな人にウケの良いワインクーラーです。
ゆめぼかし ワインクーラー
宮内庁御用達の丸山久右衛門商店のワインクーラー。
職人が丁寧に手作業で製作している、漆塗りのワインクーラーです。
漆特有の高級感があり、特別な人へのプレゼントやお正月などにも活躍します。
漆を使用しているためコンパクトで持ち運びやすく、ワインと当たっても音がほとんど鳴りません。
庭先や屋外でも使える折りたたみタイプ
続いてご紹介するのは、屋外で使いやすいコンパクトタイプのワインクーラーです。
ROSENICE ワインクーラーバッグ
氷を入れて冷やすビニール製のバッグ型ワインクーラーです。
使用しない時には折りたたんで収納することができるため、持ち運びに最適。
氷をバッグに入れることで急速に冷やすことができ、保冷性も抜群です。
アウトドアにぴったりなワインクーラーですね。
佐藤金属興業 SALUS アルミ ワインクーラー
アルミ製でバケツ型が可愛いワインクーラーです。
ステンレス製に比べかなり軽量で、持ち運びにも適しています。
コンパクトなため収納スペースも取らず、洗浄も楽で手軽に使用することができます。
セラポッケ(cerapockke) 気化熱で保冷のできる陶器製ワインクーラー
テラコッタの素材を用いたワインクーラーです。
テラコッタの特徴を活かし、水分が蒸発する際の気化熱を使用して冷却します。
ワインクーラーを水で濡らすだけなので氷も必要なく、気軽に使用することができます。
ワインクーラーの正しい使い方
ワインクーラーには、主に2つの役割があります。
- 常温のワインを最適な温度に冷やす
- 冷えているワインを適温に保つ
ワインの種類によって、それぞれ美味しくなる適温があることはお伝えしましたね。
ワインを一番美味しい状態で飲むためには、ワインクーラーを正しく使う必要があります。
先ほどワインクーラーを7つピックアップしてご紹介しましたが、それぞれで形状や冷却方法が違い、使用方法も異なります。
ここでは、オーソドックスな氷と水を入れて使う「バケットタイプ」のワインクーラーの使い方をご紹介します。
ワインのラベルが隠れるまで水+氷を入れる
一般的に使用されている氷と水を入れて冷やす方法の場合、ワインボトルの半分よりもやや上辺りまで浸かる量の水と氷を入れましょう。
ワインラベルが隠れるくらいが目安です。
複数のワインボトルを冷やしたいときには、全てのボトルがしっかり隠れるように入れましょう。
ワインクーラーによって冷やせる本数が異なるので、製品に推奨されている本数を守るのがポイントです。
水と氷の割合は4:6
ワインを短時間で冷やすためには、氷だけよりも水を加えたほうが温度を早く下げることができます。
「水4:氷6くらいの割合」がベストとされています。
また、一般的なワインクーラーでは、1分ごとに1度ワインの温度が下がると言われています。
入れたまま放置すると冷えすぎることもあるため、飲むワインの種類や飲み方に合わせてボトルを取り出したり、入れたりして調節しましょう。
温度にこだわりたい方は、ワイン用の温度計を用いるのもおすすめです。
使用後はしっかり洗浄する
使用後は綺麗に洗浄し、しっかりと乾かしておくことが大切。
使用している材質によっては錆の原因になったり、劣化の早まりにつながっています。
洗浄したあとはタオルや台拭きなどで水気を取るのがポイントです。
ワインクーラーを清潔かつ長く使用するためにも、正しい使い方、正しい保管方法を心がけましょう。
まとめ
ワインは適温で飲むとより美味しく感じるもの。
適温まで素早く冷やし、長時間保冷してくれるワインクーラーは、ワイン好きには必須のアイテムです。
ワインクーラーには多種多様なデザインはもちろん、冷却方法などの機能性もさまざまなタイプがあります。
使うシーンや用途に合わせて、お気に入りのワインクーラーを見つけてください。

