毎日のように食べる「お米」は、私たちにとって身近な食品の一つですよね。
お米は実はとてもデリケートな食品で、保存の仕方一つで、その風味は大きく変わってしまいます。
なるべく精米したての美味しさや鮮度を損なわないためにも、お米の保存するための米びつ(ライスストッカー)選びは、とっても重要。
でも、米びつにはさまざまな素材や形状、容量(サイズ)のものがあって意外と種類が多く、どう選べばよいか迷ってしまうという方も多いのではないでしょうか?
今回は、お米を美味しく保存できる米びつの選び方のポイントと、サイズ・保存したい場所・素材別におすすめの米びつをご紹介します。
目次
お米の保存に米びつって必要?どんなメリットがあるの?
「わざわざ米びつに移し替えるのは面倒」「買ってきた袋のまま置いておけばいいのでは?」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
そもそも、なぜお米を保存するのに米びつを使うのでしょうか?
――実は、ちゃんとした理由があります。
お米の美味しさを損ってしまう条件とは?
お米は精米したてが最も美味しい状態。
でも、お米は一日に食べる分だけを少量買うという事が難しい食品なので、ある程度の期間は家で保存しておく必要がありますよね。
お米を保存するときに、特に気をつけたいのは・・・
- 乾燥(お米が割れる)
- 湿気(カビの発生)
- 高温、直射日光(虫の発生、米の酸化)
- におい移り
- 空気に触れる(酸化による米の劣化)
これらからお米を守らないと、美味しさや鮮度はどんどん失われてしまいます。
お米をパッケージ(袋)のまま保管してはいけない理由
購入してきたパッケージ(お米の袋)には、袋の破裂や荷崩れを防止するために開いている空気穴があります。
湿気の多いところに置いておけば、袋の中のお米がカビてしまったり、虫が発生したりというトラブルのもとに……。
そうでなくても、空気穴があるとそこから入る空気で酸化してしまうため、お米の風味はどんどん劣化してしまうのです。
米びつでお米の鮮度を保とう
買ってきたお米を、米びつのようなお米の保存に適した機能を持つ容器などに移し替え、涼しい場所で保管することは、とても重要。
少しでもお米の美味しさや鮮度を長持ちさせるためにも、お米は必ず米びつなど密閉性のある容器に入れて保存しましょうね。
編集部スタッフ


米びつ選び【STEP1】米びつの容量の決めよう
意外と、米びつの大きさって重要なんです。
米びつの大きさ(容量)を決める時、「大は小を兼ねる!」とか、「場所取りそうだから小さめで!」など、適当に決めてしまわないようにしましょう。
米びつは普段買うお米の量に合わせよう
お米は精米後、時間が経てば経つほど、風味が落ちてしまいます。
なので、あまり大量に買い過ぎないように気をつけたいですね。
お米には精米した日付が書かれていますが、賞味期限は書かれていません。
でも実は、美味しく食べられる期間というのは存在します。
春 | 約1ヶ月 |
---|---|
梅雨頃(5-7月) | 20日-25日 |
夏頃(7-9月) | 15日 |
秋冬 | 約2ヶ月 |
特に気温や湿度の高い季節は要注意ですね。
もちろん、上記の表は常温でお米を保管した場合の目安なので、冷蔵庫内などで冷蔵保存する場合には当てはまらないですよ。
各家庭のベストサイズを考えよう
普段の食生活(外食が多い、パンを主食にすることが多いなど)や、家族構成によっても、お米の消費ペースは異なりますよね。
美味しくお米を食べられる期間と一度に購入する量を目安に、どのくらいの米びつの大きさが必要かを考えてみてくださいね。
冷蔵庫内で保管したいときは、しまう場所によって大きさを考える
通常は一度に購入するお米の量に合わせて米びつの大きさを考えますが、「冷蔵庫内にお米を保管したい」という場合は、そういうわけにもいきません。
冷蔵庫内に入らないサイズの米びつを選んでも本末転倒ですからね。
庫内のスペースは限られていますし、他の食品もいっぱいあるため「ここにしか入らない」という制約もあると思います。
冷蔵庫内で使える米びつには縦型と横型のタイプがあるので、冷蔵室・ドアポケット・野菜室など、使いたい場所に応じて選びましょう。
なお、冷蔵室に置く場合は高さにも気をつけてくださいね。
冷蔵庫で使える「米びつ」を見る
米びつ選び【STEP2】米びつの置き場所を決めよう
米びつの必要な容量によって、ある程度大きさのイメージが出来ると思います。
お米の量=米びつの容量(サイズ)が決まれば、次は置き場所を考えていきます。
先ほどのお米の保存で気をつけたいポイントを踏まえると、お米を美味しく保存する理想の場所は限られてきます。
- 乾燥しにくい場所
- 温度変化が少ない場所
- 湿度が高くない場所
- 直射日光が当たらない場所
- におい移りの心配がない場所
使い勝手を考えると、お米はやっぱり炊飯する近くには置いておきたいもの。
つまり、基本的にはキッチンのどこかに置くというのが前提になると思います。
よくある置き場所としては、食器棚の下段、パントリー(食糧庫)、調味料や鍋などと一緒に引き出し収納にしまう、吊戸棚、キッチンラックなどの収納棚、コンロ下などです。
なるべく避けたい置き場所
キッチン内のスペースは限られているので、難しいかもしれませんが、お米の保存場所としてできれば避けたい場所があります。
例えば、電子レンジやトースターなどの調理家電のすぐ横などは、温度変化があるので適していません。
シンク下は、湿度が高めなのと、すぐ近くに水道管が通っているため温度変化もあります。シンク下に洗剤のストック等をしまっている場合は、におい移りにも気をつけないといけません。
とは言え、どうしてもこの場所にしか置けないということもあるかと思うので、その場合は米びつを選ぶときに、材質や密閉性に気をつける必要があります。
ベストな置き場所は冷蔵庫
冷蔵庫はお米にとっては高温多湿や直射日光を避けられる保存場所なので、とてもおすすめです。
気をつけたいのは庫内は乾燥しやすいということと、他の食品のにおいが移りやすいということ。
なので、容器の密封性はとても大事なポイントです。
密封性のある米びつに入れることで、酸化やにおい移りなども避けやすくなりますよ。
冷蔵庫内で、一番ちょうど良い温度・湿度に保たれているのは「野菜室」。
お米も野菜と同じく生鮮食品と言えるので、なるべくここで保管できるのが理想です。
キッチン以外の置き場所
ちなみに、実家からお米を送られてきた場合など、大量にお米を購入したとかいう場合もあるかと思います。
その場合は、さすがに冷蔵庫はもちろんキッチンに全部置くのは難しいため、納戸など家の中の「湿気の少ない冷暗所」を探して保管してください。
すぐに食べたい分だけをキッチンに置くというふうにしてもよいでしょう。

米びつ選び【STEP3】米びつの材質をチェックしよう
最後は材質の選び方です。
例えば、キッチンの目につく場所だと、見た目も気になるかもしれませんし、湿気の多い場所だと水気に強い材質のものがよいですよね。
好みにもよりますが、置き場所にあった材質かどうかもきちんとチェックしましょう。
ここでは簡単に、米びつの主な素材についてご紹介します。
桐製の米びつ
昔からある米びつと言えば、桐で作られた米びつを一番に思い浮かべる方も多いでしょう。
桐には虫除け効果や湿度調節機能があります。このため、よほど温度の高いところでなければ、常温でも十分においしく保存することができます。
プラスチックのものよりは高価ですが、しっかりとした作りで耐久性もあるため、一生ものとして長く使えます。
お米を長期保存する場合に、最もおすすめのアイテムです。

プラスチック製の米びつ
米びつの中でも、もっとも主流の材質です。
桐のような特性はないですが、湿度の高くない場所を選び、虫除け材を活用することで、こちらもおいしくお米の保存が出来ます。
何より、正確にお米を計量できる計量機能付きの米びつなど機能性が高いものが多いのも魅力。
デザインや形状などのバリエーションも多く、冷蔵庫内で使えるものはほとんどがプラスチック製の米びつです。
ガラス製の米びつ
お手入れが簡単なことや、中身を確認しやすことがメリット。
密封性のあるものは湿気や虫の侵入もシャットアウトできますし、お米の収納場所がシンク下しかない!という方は、ガラス製の密閉容器も候補としてアリだと思います。
ただし、他の素材に比べてかなり重く、割れやすいというデメリットもあります。
そこが気にならなければ、カウンターなどに置いておきたい方にも、見た目がオシャレなものが多いのでおすすめです。
思わずインテリアのように飾りたくなるかもしれませんが、窓辺など直射日光の当たる場所は避けてくださいね。
金属製の米びつ
気密性があり、昔から便利な米びつとして親しまれてきた材質の一つです。少しレトロなイメージですが、最近ではお洒落なカラーや柄入りのものまで見られるようになりました。
金属製なので、洗った後に直接日光に当てて天日干しが可能です。日光消毒が出来るので衛生面でも安心ですね。サイズも大きめのものが多いので、大量のお米を保管したい方に特におすすめです。
失敗しない米びつ選びの重要ポイント3つ
お米を乾燥や湿気などの大敵から守り、おいしさを保ってくれる米びつ。
容量や置き場所、材質などのイメージが決まったところで、他にも米びつを選ぶときにチェックしておきたいポイントが3つあります。
どれにするか迷ったときは、是非これらの条件を満たしているものを選んでみてくださいね。
- 密封性
- 使いやすさ
- お手入れのしやすさ
使いやすさは、例えば冷蔵庫内で使える米びつなどの場合、持ち手がついていて出し入れしやすいとか、中のお米をすくいやすい形状かなど、人によって使いやすさの基準やポイントは色々とあるかもしれませんね。

また、お手入れのしやすさも大事。
例えば、1合ずつお米をはかれる計量機能付き米びつは人気ですが、中があまりに複雑な構造になっている十分にお手入れが行き届かないことも……。
米びつは意外と汚れていることも多いので、プラスチック製の計量米びつを選ぶときは、分解のしやすさや洗いやすさなどもしっかりチェックしましょう。
分解してまで、お手入れが面倒だと言う方は、他のタイプの米びつを選んだ方がよいでしょう。
【ハウジー編集部】おすすめの米びつ23選
ここまでのポイントを元に、編集部スタッフがご家庭によって色々な場所・容量・材質などを選びやすいように、さまざまなおすすめの米びつをテーマ別に選んでみました。
米びつ選びの参考に、是非チェックしてみてくださいね♪
#冷蔵庫で使える米びつ#桐製米びつ#シンク下でもOKな米びつ#計量できる米びつ#オシャレな米びつ#大容量の米びつ
冷蔵庫内にスッキリと収まる米びつ
夏場のお米は特に、冷蔵庫内で保存するのがベスト。冷蔵庫で快適に使える米びつが増えてきました。
ペットボトルや保存容器などで代用するのとは、使い勝手の面で全然違うので、是非お試しくださいね。
ワンプッシュで簡単オープンできる横型米びつ 2.5kg

必要な分だけ取り出せる、1合ずつ分別された縦型米びつ 1.8kg

しっかり密閉できるパッキン付きの縦型米びつ 2kg

冷蔵庫のポケットにも入る桐製の米びつ 2kg

縦置きも横置きもできるシンプルな米びつ 2kg

お米の保存にもっとも適した「桐」の米びつ
お米の保存に欠かすことのできない抗菌と防虫効果のある米びつといえば、やっぱり「桐」の米びつ。
桐には防腐剤としての効果のある「タンニン」がたくさん含まれています。腐りにくい材質なので、長く使えるのも魅力ですね。
5kgのお米が余裕で入る無地の米びつ 5kg

お米を出しやすい大きな開口部と1合枡付きの米びつ 5kg

幅20cmのスリムサイズで隙間に収まる米びつ 10kg

気密性抜群の美しい桐製米びつ 10kg

シンク下でも安心!湿気から守ってくれる米びつ
どれも気密性が高く、蓋をしっかりと閉めておくことで、お米を湿気と酸化から防いでくれます。
どうしてもシンク下しか置き場所がない!という方におすすめの米びつです。
システムキッチンの引き出しにぴったり収まる米びつ 5kg

引き出しを全開にしなくても開閉できる米びつ 6kg

片手でもすっきり計量できる米びつ 10kg

機能性重視なら、便利な計量機能つき米びつがおすすめ
毎回お米をすくって計量して、という手間を省いてくれる、計量機能付きの米びつで、必要な分量のお米を簡単に計れます。
なるべくお手入れの手間がかからず、衛生的に使えるものを中心に選んでみました。
大きめのパーツで分解洗いも簡単な米びつ 6kg

お米の残量が見える透明ケースの米びつ 12kg

職人が作る気密性の高い米びつ 5kg

インテリアとしても映えるお洒落な米びつ
キッチンの目立つ場所に置いておく場合、やっぱり見た目も気になりますよね。
こちらは、生活感が出にくいお洒落な米びつをお探しの方におすすめのアイテムです。
まるで雑貨屋やカフェのような雰囲気の米びつ 5kg

少しレトロでお洒落なトタン素材の米びつ 6kg

隙間に収まるスリムな米びつ 6kg

真っ白で清潔感あふれるホーロー製の保存容器

たくさんのお米もお任せ!大容量の米びつ
「買ってきた袋のまま詰め替えずに入れたい」「コイン式精米機で使いたい」など、20kg以上の大量のお米を保存したい方向けのアイテム。
ナチュラルデザイン&スリムな見た目の桐製米びつ 20kg

ご飯をたくさん食べるご家庭でもたっぷり保存できる計量米びつ 22kg

錆に強く、丸洗いもできて清潔に使えるトタン製の米びつ 30kg

たっぷり30kgをしっかり保存できる桐製米びつ 30kg

保存場所に気をつけてお米をおいしく保存
米びつには様々な材質のものがありますが、どれもお米を美味しく保存することを目的に作られたもので、それぞれに優れた部分や良さがあります。
大切なのは、なるべく風通しの良い涼しい所を選んで置くということ。
あとは、あなたのご家庭にあった米びつを選べば、きっと美味しいご飯を楽しめますよ♪
是非、お気に入りの米びつを見つけてくださいね。
お米を美味しく保存!カビや虫に悩まない保管方法と米びつ・保存容器の選び方
マスターすれば味が変わる!ご飯がおいしくなる正しいお米の研ぎ方
[ 参考資料 ]
社団法人 日本精米工業会「米袋への「お米の取扱い説明」表示に関するガイドライン」
吉田・渡辺・尊田著「図説 貯蔵食品の害虫」
東京山手食糧販売協同組合 公式サイト「精米を長く保存するとなぜ食味が低下するのですか?」(検索日:2020/9/15)
大郷グリーンファーマーズ 公式サイト「米袋で密閉されている間は、長期間保存しても大丈夫ですか?」(検索日:2020/9/15)