素材のうま味をギュッと凝縮!ヘルシー料理が叶う「無水鍋」の使い方や選ぶポイント

皆さんは、「無水鍋」をご存じでしょうか?
無水鍋とは、水をほとんど使用せず調理できる鍋のこと。
 
無水鍋を使えば、野菜やお肉、お魚などの素材の旨味を最大限活かした調理ができます。なおかつ栄養素も失うことなく摂取できるため、料理好きの間で人気が高まっています。
 
ただ一言に無水鍋といっても、様々な種類や特徴、デザインがあるため、初めての人は選び方に困ってしまうことも。自分の目的にあった鍋を選ばなければ、無水鍋の特徴を最大限に活用できなくなってしまいます。
 
そこで本記事では、無水鍋の特徴やメリットを紹介しつつ、調理の参考例や素材の違い、おすすめの鍋メーカーを紹介します。

必要なのは食材と調味料だけ!無水鍋の特長とメリット

無水鍋を使うと、煮込み料理やカレーなども、水を加えることなく素材と少しの調味料だけで調理できます。
無水鍋で煮込みハンバーグ

▲無水鍋で作る煮込みハンバーグ

 
素材としてはアルミニウムやステンレスなどの複数の構造でできており、密閉性や蓄熱性、保温性が高いことが特徴です。

MEMO
「無水鍋」は「HALムスイ」の登録商標です。本記事では無水調理のできる鍋のことを「無水鍋」として解説します。
無水鍋のメリットは、主に下記の5つ。
無水鍋のメリット
  • 光熱費や調味料の節約になる
  • 壊れにくく長持ち
  • 一台八役の優れもの
  • 栄養を逃さない
  • 手入れが簡単
以下では、メリットをそれぞれ解説します。

光熱費や調味料の節約になる

無水鍋はアルミやステンレスなど複数の素材から構成されているため、保温性や熱伝導に優れています
水蒸気が鍋と蓋の間に膜を作るため、火の通りも早いという特徴があります。そのため、少しの光熱費で調理できるのです。
 
また、素材そのものの旨味が抽出されるので、調味料を必要以上に多く使う必要がありません。光熱費のみならず、調味料も少なく済むメリットがあります。

壊れにくく長持ち

前述の通り、無水鍋は複数構造です。複数構造は丈夫なつくりであるため、壊れにくいという利点もあります。購入から数十年、孫の代まで使用しているという方もいるほど。
初期費用はかかるものの、長期的な視点でみると安くなる可能性が高くなります。

一台八役の優れもの

無水鍋は一台八役の優れもの
無水鍋は一台八役を担うことが可能。
詳しくは後述しますが、炊く、蒸す、煮る、茹でる、焼く、炒める、揚げる、天火(オーブンとして使うこと)」の8通りで使用できます
 
例えばご飯を炊く場合、炊飯器よりもおいしく炊け、なおかつ早く炊くことが可能。お焦げをつけることもできますよ。

栄養を逃さない

野菜などの栄養素を逃さずに摂取できるというメリットもあります。

武庫川女子大学でも、無水料理ではより多くの栄養が摂取できるという研究結果を発表しています(※)。
特に、旨味成分やビタミン、ミネラルなどを逃さず得られることはありがたいですね。時短で栄養も効率よく摂取できる鍋なのです。

手入れが簡単

無水鍋は手入れが簡単なことも特徴。
油をひかずにお肉を焼ける無水鍋ですが、余熱ができていないと焦げがついてしまうことも。
そんな時でも、スチールウールで優しくこすれば簡単に取れてしまいます。綺麗な状態を保てることも大きなメリットでしょう。

なぜ水がいらないのにおいしく仕上がるの?

なぜ水を使用せずにおいしく調理できるのか気になりますよね。
これは上記でも紹介しましたが、野菜やお肉、お魚などの本来の味を調理に活かせるからです。

通常の鍋には、水蒸気を逃す穴があります。
沸騰した後に、蒸気によって水があふれてしまうことを防ぐためにあるのですが、同時においしい素材の出汁を逃してしまうことにもなります。
無水鍋でおいしくなる仕組み

▲写真提供:「和平フレイズ株式会社「クックシェア」

 
無水鍋はそうした仕組みがないだけでなく、そもそも水を使用しないため、鍋の中にある水分はすべて野菜由来のものです。
純度100パーセントの出汁を利用するため、水入らずでおいしくできあがるのです。

なんと1鍋8役!無水鍋はいろんな料理に使える!

前項でも紹介したように、無水鍋は「炊く、蒸す、煮る、茹でる、焼く、炒める、揚げる、オーブン代わりに利用する」の8通りの使い方があります。
本来なら鍋を数種類とフライパンなどがないとできない料理でも、1台で全てできてしまうほど便利な器具です。
 
できたてのごはんやみそ汁、カレーなどはもちろん、多種多様な料理に対応していることも特徴。簡単にできてしまうため、初心者でも使用しやすいです。
 
ここでは、それぞれの調理法にあった、おすすめの調理方法を解説します。

蒸し&茹で料理には効果絶大!

無水鍋で蒸し&茹で料理
蒸し料理は無水鍋に最適。
少ない水と熱量、時間で素材そのものの良さを出していきます。
無水鍋で作る蒸し野菜の作り方

手順1
玉ねぎや人参、じゃがいも、キャベツなどを大きめにカットし、無水鍋を余熱。
手順2
少量の水と野菜を入れ、弱火でじっくり蒸していきます。
手順3
およそ10分から15分ほど蒸せば、それだけで蒸し野菜の完成。
野菜本来の味が引き立ち、甘みがあります。そのままでもOKですし、お好みで塩をかけてもよいでしょう。
茹で料理も同じような手順で作ることができます。
無水鍋で作る茹で野菜の作り方
手順1
ほうれん草やブロッコリーなどをカットし、あらかじめ余熱しておいた無水鍋に入れます。
手順2
弱火で熱し、大さじ3杯ほどの水を入れます。
手順3
茹であがったらできあがり。
短時間で茹であがり、旨味や栄養が凝縮しているため、無水鍋のポピュラーな使用方法と言えるでしょう。

煮込み料理やスープにも◎

無水カレー

▲無水鍋で作る「無水カレー」

 
煮込み料理といえば、カレーや肉じゃがが代表的ですよね。
子どもに人気の料理はやはりカレーですが、肉じゃがも簡単においしく作ることができるので、簡単に作り方をご紹介します。
無水鍋で作る肉じゃがの作り方

手順1
ジャガイモと人参は乱切りにしてアクを抜き、玉ねぎはくし切りにします。
手順2
オリーブオイルやサラダ油を余熱した無水鍋に垂らし、牛肉を炒めます。
手順3
先ほどの野菜と簡単な調味料を入れて中火強くらいの火力で加熱します。
手順4
沸騰してきたら弱火にし、10~15分ほど煮て完成。
料理初心者の方でも非常に簡単です。
スープも無水鍋で簡単にできます。
無水鍋で作る野菜のスープの作り方
手順1
ジャガイモや人参、ほうれん草などを入れて、少しの水を入れて沸騰するまで熱します。
手順2
弱火で温めながら少量の調味料を入れて味付けをしたら完成。
野菜の旨味を十分に出すように、弱火でじっくり熱していくことがおすすめ。
素材の旨味がダイレクトに伝わるスープとなるでしょう。

無水鍋を使えば、なんとオーブンでお米も炊けます!
オーブンで使えるタイプの無水鍋である必要はありますが、とってもおいしく炊けるのでぜひ試してみてください。
無水鍋でご飯を炊く

油を使わないからお肉料理もヘルシー

無水鍋でヘルシーなお肉料理
本来であれば、お肉を焼く際には油を使用します。
オリーブオイルなどは健康的とも言われていますが、いずれにせよヘルシーな食事にしたい方は油の使用はできるだけ避けたいですよね。
そういった際に、無水鍋の無油調理がオススメです。
鍋底にあたった熱が鍋全体に伝わるので、油を使わなくても素材の脂だけでお肉が焼けるのです。
無水鍋で作るステーキの作り方

手順1
フライパンに蓋をして中火にし、ある程度温めたら肉を入れ、蓋をして弱火にします。
手順2
お肉の脂が十分に出たタイミングで裏返し、蓋をしつつ両面を焼きます。好みの焼き加減にできあがれば完成です。
この他にも無水鍋で作れる料理は多岐に渡ります。
他の調理器具ではひと手間余分にかかるところが、無水鍋を使うと誰でも簡単に作れるのも魅力的ですね。

無水鍋を選ぶポイント。使うシーンや素材を比較しよう

無水鍋と一言でいっても、様々な種類があります。後述するメーカー別による違いや、使用シーンによる違い、素材による違いなど様々です。
無水鍋でチキンライス

▲無水鍋で作るチキンライス

 
特にガス対応なのか・IH対応なのか、あるいはライフスタイルによって合う無水鍋はどれなのか、という点については気になるところでしょう。
ここでは、使用シーンに基づく違いと、素材別による違いについて比較していきます。
 
無水鍋は繊細な鍋なので、鍋に対する十分な理解をしてから使用しましょう。

ガス・IH両方に対応していること

IH対応の無水鍋
近年ではIHを使用している住宅も増えていますよね。
火災リスクも少なく、手入れが簡単なため、特に戸建てを購入される方にはIHを選ばれる方が多い傾向にあります。

現在の無水鍋をみると、たいていはガス利用を前提としたものですが、おおよそ4割ほどはIH対応の製品もあります
種類は限られてしまいますがあることはあるため、購入する際はどちらに対応しているのか確認しましょう。

素早く加熱&お手入れも楽な素材「鋼板ホーローとセラミック」

のちに紹介するアルミや鋳物に、ガラス質の釉薬を焼きつけて作られる鋼板ホーローとセラミックは、デザインとしての発色が良く、見た目も温かみがあります。
おしゃれに無水鍋を活用したいという方に、特にオススメしたい種類です。

表面がツルツルしており滑らかで、汚れなどが付きにくく手入れしやすい点もメリット。

鋼板ホーロー製の無水鍋のメリット
  • デザイン性がありおしゃれな見た目のものが多い
  • 汚れが付きにくくお手入れ簡単
セラミックは電子レンジで温めなおしができるため、蓄熱性が高く、余熱調理で節約ができます。
セラミック製の無水鍋のメリット
  • 鋼板ホーロー製と同じくデザイン性が豊か
  • 電子レンジで使用可能

密閉性が高く高温調理もできる素材「鋳物ホーロー」

鋳物ホーローは無水鍋の鉄板ともいえる種類。

鋳物ホーローの特徴は熱伝導率、保温性の両方が高く、機能性に優れている点にあります。
鍋本体やフタに重みがあることで密閉性が高く、熱を逃しにくいという利点も。時短調理も可能です。

デザインもおしゃれなので、見た目にこだわりたいという方にもオススメです。
ただし、落とすとヒビが入りやすく、錆びやすいという注意点も。耐久性が気になるものの、魅力的な素材です。

鋳物ホーロー製の無水鍋のメリット
  • 熱伝導率と保温性に優れている
  • 他の素材より熱が逃げにくいので時短調理に向いている

軽くて丈夫!「アルミとステンレス」は使い勝手が良くて便利

アルミとステンレスは、共通の特徴として使い勝手が良くて便利という点が挙げられます。
 
まずアルミの特徴は、熱伝導率が高いという点。加熱するとムラなく全体的に熱が伝わるため、調理時間を大きく短縮できます。
高温で調理すると焦げ付いてしまう可能性もありますが、無水鍋は低温調理が基本なので大きな心配はありません。
まさに無水鍋に適した素材といえるでしょう。
 
また、軽量なので持ち運ぶこともでき、料金も無水鍋の中では安価なのも良いですね。

アルミ製の無水鍋のメリット
  • 熱伝導率が良く時短調理に向いている
  • 軽量で持ち運びが楽
  • 他の素材に比べると安価なものが多い
ステンレスは、丈夫で長持ちすることが最大の特徴です。
アルミに比べて熱伝導率は下がるものの、一度温めれば長期間にわたり温かさを保ってくれる特徴も。
 
高温では焦げ付いてしまう可能性もありますが、アルミと同様に低温調理が基本なうえ、多層構造のものなら焦げ付きにくく、手入れもしやすいという利点もあります。
アルミ製の無水鍋のメリット
  • 丈夫で長く使える
  • 多層構造のものなら焦げ付きにくい

デザイン重視?コスパ重視?おすすめの無水鍋をチェック

これまで解説したように、無水鍋にはさまざまな特徴があり、種類もたくさんあることがわかりました。
その上で、デザインを重視するのか、コスパを重視するのかは人ぞれぞれでしょう。
 
そこでこちらでは、さまざまなメーカーによるオススメの無水鍋をピックアップし、特徴なども解説します。

「HALムスイ」の無水鍋

最初に紹介するのは「無水鍋」の商標登録をしている「HALムスイ」。
 
1953年に日本で初めて無水鍋を製造したことで有名で、現在は「KINGシリーズ」と「HALシリーズ」を中心に展開しています。
KINGシリーズは、1953年に製造された「キング印 無水栄養ナベ」を現代版に復刻したもので、製造時と変わらない基本的な構造や機能、シンプルなデザインを大切にしています。
サイズは、18cm・20cm・24cmの3つから展開されています。
 
HALシリーズは無水鍋の良さを活かしつつ、使いやすさや手軽さに焦点をあてたシリーズ。
昔ながらの無水鍋のデメリットを改善し、現代の生活に馴染むようにデザインされています。
こちらのシリーズは、万能鍋と片手鍋の2種類があり、取っ手やフタも選択可能です。

「ル・クルーゼ」の無水鍋

「ル・クルーゼ」の無水鍋
ル・クルーゼ(LE CREUSET)は1900年代初頭にフランスで生まれ、今でも世界的に愛されている老舗ブランドです。
 
鋳鉄ホーロー鍋としての強みがあり、料理研究家やシェフ、料理人など多くの業界人に使用されています。
 
ル・クルーゼ(LE CREUSET)の無水鍋は、初心者におすすめな「ココット・ロンド」、日本で大人気の「ココット・エブリイ」などがあります。
こちらの無水鍋はIHにも対応しているため、多くの家庭で使用されています。

「バーミキュラ」の無水鍋

バーミキュラ(Vermicular) は、愛知県名古屋市の「愛知ドビー」が製造販売している鍋ブランド。
 
密閉性が高く、素材の水分のみで調理できる無水鍋が最大の特徴です。
日本の職人が1つ1つ手作りしているため、愛用者も多い印象です。
 
バーミキュラ(Vermicular) の鋳鉄ホーロー鍋は、カラー・サイズともに多くの種類があり、気に入ったものを見つけられるでしょう。

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「和平フレイズ」の無水鍋

「和平フレイズ」の無水鍋
和平フレイズ株式会社は1951年に新潟県で創業した、キッチンウェアの製造販売を行うメーカーです。
 
「調理用品は毎日の生活を楽しくする役割を担うモノ」という創業当初の考えから、お客様のニーズをとらえた製品を幅広く扱っています。
 
無水鍋では「軽ラクポット」というシリーズを展開しており、ガス・IHの両方に対応しているなど利便性も申し分ありません。
他メーカーに比べ比較的手に入れやすい価格なのも特徴です。
マットなデザインで色もおしゃれなので、無水鍋を試してみたい方にはオススメのメーカーです。

「富士ホーロー」の無水鍋

「富士ホーロー」の無水鍋
富士ホーローは東京都に本社を置く、鍋製品を中心としたメーカーです。
サイズは多くの種類があり、直径27cmの大容量のものが一番人気。家族で使用したい方や友人などと食事を楽しみたい方などにおすすめです。
 
煮たり揚げたりなど無水鍋の基本的な性能はもちろん、蒸したりすることにも向いており、主張の少ないデザインも魅力の1つです。
ガス・IHの両方に対応しているため、多くの方が使用できるでしょう。

「アイリスオーヤマ」の無水鍋

アイリスオーヤマは宮城県仙台市に本社を置き、生活用品の製造販売を行う企業。
さまざまな商品を販売しているため、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
 
アイリスオーヤマも無水鍋を販売しています。
5,000円前後で入手できるものもあり、比較的取り入れやすいことが特徴です。
「無水鍋を試してみたいけど、高額なものはちょっと」という方にオススメのメーカーです。

無水鍋でかんたん&ヘルシー料理を作ろう!

無水鍋は料理初心者でも簡単に活用することができ、かつおいしく調理できる優れもの。
栄養素も十分に摂取できるため、様々な場面でおすすめしたい鍋です。
 
無水鍋を選ぶ際は、密閉性や熱伝導率、デザインなどの特徴を考慮し、それぞれの用途にあったものを選びましょう。
レシピも調べればたくさん出てくるため、楽しんで料理をしてくださいね。


参考資料
Vita Craft(ビタクラフト)公式サイト「ビタクラフトジャパン株式会社 武庫川女子大学国際健康開発研究所 共同記者発表会」(検索日:2020/9/11)