ペティナイフや包丁でも野菜の皮むきができるとはいえ、やっぱりピーラーが1つあると何かと便利ですよね。
皮むきだけでなく、スライスしたり、ジャガイモの芽を取ったり、ごぼうをささがきしたり。
お料理をよくされる方ほど、上手に使いこなしておられることが多いキッチン道具がピーラーです。
でも、自分の手にしっくりくるピーラーに出会うのって、意外と難しかったりするんですよね。
それに、できれば「切れ味・安全性・お手入れのしやすさ、コスパなどにもこだわりたい!」とも思ったり・・・
今回は、ピーラーを選びに迷ったときのヒントになるよう、ピーラーの主な種類・特徴の比較、おすすめの人気アイテムなどを詳しくご紹介します♪
ピーラーとは?
ピーラーとは、別名「皮むき器」とも呼ばれる、野菜や果物などに刃を押し当てて食材の皮むきを行う調理器具です。
名前の由来は英語の動詞 「peel(皮をむく)」が語源。
皮むき以外にも、スライスやジャガイモの芽取り、ごぼうのささがきなどの用途にも使えます。
形状は日本ではT字型(あるいはU字型やY字型とも呼ぶ)が一般的ですが、海外などではナイフに似た形状のI字型も人気です。
刃の部分の素材は、ステンレス製やセラミック製のものが主流です。
ピーラーの主な形状と特徴
私たちがピーラーと言われて一番に思い浮かべるのは、おそらくT字型のピーラー1柄の先がT字形に広がり、先端に柄と直交する方向に差し渡すように刃が付いているものではないでしょうか?
でも最近では、海外で主流のI字型もよく見かけるようになりました。
まったく見た目が違う、この主な2つの形状のピーラー。使い方や構造の特徴など、色々と違いが気になりますよね。
ここでは、それぞれの形状と特徴について、見ていきたいと思います。
T字型ピーラーの構造
日本でもっとも使われているのが、このT字型のピーラーです。
刃の部分にはすき間があり、上下に別れています。一般的には上側の部分で皮がむけるようになっています。
下側の分の名称は「アゴ」と呼ばれ、野菜などの食材を固定するという働き(役目)があります。この機能のおかげで、食材に刃を当てて軽く手前に引くだけで、簡単に皮むきができます。
※中には上下両方とも刃がついている両刃構造のピーラーもあり、利き手が左だという方におすすめです。
- 軽い力で簡単に皮がむける
- 面の広い大きめの食材や、硬い食材にむいている
- 安定感があり、比較的安全。お子さんやお料理初心者もOK
小さく丸い食材には少し使いづらいと感じるかもしれません。
T字型ピーラーは初心者さんにもおすすめ
お子様やピーラーに慣れていない方が使う場合、I字型よりはT字型ピーラーの方がおすすめです。
刃の部分に安全カバーのついたものや、ハンドル部分の太さや形状などにもいろいろなバリエーションがあるため、使う人に合ったものを選ぶとよいでしょう。
また、食材を手に持って、もう一方の手にピーラーをもって使うこともできますし、手で持ちづらい形状の食材であれば、まな板など安定した場所に食材を置いて使うこともできるため、とても汎用性が高いです。
「なんとなくピーラーを使うのが苦手」「怖い」という方は、まずは安定した場所に食材を置いて使ってみるとか、T字型のものでもやや食材に合わせたカーブのあるもの、小回りの利く小さめのサイズのものを選ぶと使いやすいですよ。

I字型ピーラーの構造
一方で、欧米を中心によく使われているのが、縦型に刃がついている、I字型のピーラーです。
初めて使う時には、少し戸惑うかもしれませんが、慣れるとペティナイフを使う感覚で、するすると果物や野菜の皮をむくことができます。
大型のものが多いT字型に比べて小回りが利くため、小ぶりの野菜や果物の皮むきなどに適しています。逆に言うと、サイズが大きい食材にはあまり向いていないとも言えます。
ちなみに、欧米でこういう形が主流になったのには、日本とは異なり、まな板をあまり使わない習慣があったためと言われています。
- 包丁と同じ要領で使える
- 小回りが利き、小さい食材や丸い食材に使いやすい
- 収納場所に困らない

使う人を選ばないユニバーサルデザインのキッチングッズを次々と生み出しているNY生まれのOXO(オクソー)社が始まるきっかけとなったのも、実はこのタテ型ピーラーにあります。
OXOの創始者サム・ファーバーが、関節炎を患っている奥さんがキッチンツールを使う際にとても苦労している姿を見て、「なぜ身近なキッチンツールで手を痛めることがあるのだろう?」「なぜもっと使いやすいツールがないのだろう?」と考え、もっと使いやすいピーラーを作ることを約束したそうです。
編集部Uchida
ピーラーの刃の材質と特徴
ピーラーの刃の材質について、日本で一般的なものとしては、鋼やステンレスといった金属製のものと、セラミック製のものが挙げられます。
切れ味はいいけど錆びやすい鋼、軽くてお手入れが簡単なセラミック、さびにくく丈夫で衛生的なステンレス。
これらの詳しい特徴やメリット、気をつけたいポイントなどを詳しくみていきたいと思います。
鋼・ステンレスなど金属製ピーラーの主な特徴
まずは、鋼やステンレスといった金属製のピーラー全般の特徴について挙げていきます。
鋼やステンレス製のピーラーは、材質そのものに重みがあるため安定して使いやすいです。何と言っても一番のメリットは、切れ味のよさ!
ストレスなくスルスルっと皮むきができるので、手早く調理できます。
- 比較的切れ味が良い
- 丈夫で壊れにくい
- 耐熱性に優れてる
気になるデメリットと気をつけたいポイント
ただし、耐久性があるとはいえ、使ううちに少しずつ切れ味は落ちていってしまいます。
また、ステンレスは金属の中ではさびにくい方ではありますが、調理後のお手入れが十分でないとさびてしまうことはあります。
鋼は特に錆が出やすいので、注意が必要です。
使った後は、しっかりと丁寧に水気をぬぐっておくようにしましょうね。
セラミック製ピーラーの主な特徴
セラミック製のピーラーは、鋼やステンレス製のピーラーに比べて大変軽量です。
金属特有のにおいがないため、食材へのにおい移りの心配がありません。
さびる心配もないため、お手入れも簡単です。
- 錆びにくい
- お手入れが簡単
- 金属臭が移らない
ステンレスほどではないですが、切れ味がよいのも特徴です。
気になるデメリットと気をつけたいポイント
セラミックはステンレスより刃こぼれしやすいという特徴があります。固い食材への使用にはあまり適していません。
また、セラミックには硬いのに割れやすい、というデメリットがあります。
落とす、ぶつけるなど強い衝撃を与えると欠けてしまうこともあるので、気をつけてくださいね。
これはニンジンなどに含まれるβ-カロテンという栄養素の色素が原因。β-カロテンは水に溶けにくく油に溶けやすいという脂溶性を持っているので、色がついた場合はサラダ油をなじませてから、食器用洗剤で洗うと元の色に戻ることがあります。
後悔しないピーラー選びのポイント
次に、実際にピーラーを選ぶときのポイントを見ていきたいと思います。
実店舗のお店でも通販でも、ピーラーは商品パッケージに入った状態で並べられており、切れ味などを実際に使い比べてみたりするのは難しいですよね。
でも、例えば刃部の材質やサイズについての情報が書かれていたり、ぱっと見た目の刃部やハンドル部の形状から、ある程度、どんなピーラーかを知ることができます。
ここでは、ぜひチェックしておきたい4つのポイントをご紹介します。
- 刃の形状
- 握りやすさ
- サイズと収納性
- お手入れのしやすさ
【1】刃の形状
先ほど材質の違いについてご紹介したように、切れ味にこだわるなら刃の材質をチェックするのは大事。
そして、材質以外で剥きやすさを左右する要素は「刃の形状」です。
どんな食材に使うことが多いかによって、使いやすい刃の形状は変わります。
例えば・・・
ギザギザしている串刃タイプは、食材の表面に刃が引っかかりやすく、表面がツルツルしていたり柔らかい食材の皮を剥きたいときに便利です。
串刃と平刃(通常のピーラーの刃)が組み合わさっているものだと、さらに広い用途で使えそうですね。
【2】グリップの握りやすさ
意外と見落としがちなのが、ピーラーの「握りやすさ」。
ピーラーは濡れた手で扱うことも多いため、グリップに滑りにくい工夫がされているかどうかは、かなり重要なポイントです。
また、長時間握っていても指が痛くならないように、グリップの太さなどが使う人の手のサイズに合っているかどうかもチェックするとよいでしょう。
【3】ピーラーのサイズと収納性
T字型はI字型に比べて大きいサイズのものも多く、特にキャベツなど大きな野菜を千切りにしたい場合などは、かなり大きなサイズのものが必要になります。
しかし大きなサイズほど、収納に困ったりするので、例えばグリップ部分に穴が開いていて吊り下げ収納ができるかどうかや、しまう時に危なくないようにカバーがついているかどうかなど、しまいやすさにも気をつけて選ぶと後悔がありません。
また、とにかくコンパクトに収納したいという場合には、I字型のほうがおすすめです。
【4】洗いやすさ
調理の時短にもなるピーラーですが、使い終わった後のお手入れが大変だったり洗いにくい素材だったりすると、結局家事の負担になってしまいます。
なので、ピーラーを選ぶときは洗いやすさにもぜひ注目してみましょう!
洗いやすい素材かどうかや、刃に皮などが詰まりやすくないかなどに注目して選ぶとよいです。
普段、洗い物はほとんど食洗機(食器洗い乾燥機)にお任せ!という方は、食洗機に対応したピーラーであるかをチェックするのも大切ですね。
【編集部セレクト】おすすめのピーラー15選
ここで、編集部が選んだおすすめのピーラー商品をご紹介します。
人気ブランドや安心の定番シリーズ、他にもお洒落なものや少し変わった機能のピーラーもあります。
気になったものがあれば、ぜひ一度チェックしてみてくださいね。
迷ったらこれ!人気&定番ピーラー
貝印、マーナ、Joseph Joseph 、OXOなど人気かつ定番ブランドのピーラーから、T字型・I字型のおすすめをそれぞれご紹介します。
日本の人気ブランド
波型の持ち手で握りやすい「貝印 セレクト100」のT型ピーラー

切れ味がとてもよく、力を入れずに皮が薄くむけます。むいた皮が食材とくっつきにくいように溝加工がされており、ストレスなく調理できます。
波型の持ち手で握りやすい「貝印 セレクト100」のI型ピーラー

丸い食材を剥くのが得意で、特にりんごやじゃがいもの皮むきや野菜の面取りにもおすすめです。
食器洗浄乾燥機も使用可能。
場所を取らない「マーナ」の立つピーラー

グリップ部分が握りやすく、力が入りやすい形状なのもポイント。
便利な芽取りと、ごぼうなどの皮むきに使えるこそぎ刃がついていて、使い勝手がよくおすすめです。
海外の人気ブランド
「OXO」の原点!タテ型ピーラー

初めてI字型を使う人にもおすすめ。切れ味の良いステンレス製の刃を使用しています。
無駄なく皮の部分だけがきれいにむける設計になっており、包丁を使うときと同じ手軽さで、均一な厚みで皮をむくことができます。
3WAYで使える「Joseph Joseph」のY字ピーラー

錆びにくいステンレス刃を使用しているため、衛生的でお手入れも簡単。
直線の皮むき・荒めのすりおろし・ジャガイモの芽取りができる3WAY仕様。
切れ味にこだわる方におすすめのピーラー
貝印の包丁のブランド「関孫六」は、刀工兼元の2代目、孫六兼元の名にちなんでおり、最上の切れ味を誇っています。
切れ味にこだわりたい方やプロ仕様のピーラーをお探しの方に、特におすすめです。
キャベツの千切りにぴったり!「関孫六 ワイドピーラー」

皮むきだけでなく、キャベツの千切りや大根のかつらむきも可能です。
小さいけど切れ味抜群!「関孫六 コンパクトピーラー」

便利な芽取り機能付きです。
フルーツナイフ以上に便利な「関孫六 縦型ロングピーラー」

キャベツを千切りしたいときや大根のかつらむきなどをする際に便利に使用できます。
刃カバーが付いているので、手を切る心配もなく収納時も安心です。
見た目も重視!お洒落で使い勝手の良いピーラー
木製ハンドルが素敵な「モクハウス」のピーラー(株式会社サンクラフト)

刃の部分にはステンレス鋼を使用。使い勝手や機能性にも優れています。
カフェ風キッチンを目指している方にもおすすめです。
可愛いだけじゃない!実は機能的な猫デザインのピーラー(貝印株式会社)

ネコ耳のぼうし型カバー付きなので、収納や出し入れのときにも安心。
持ち手の裏側は、生姜などをすりおろすのに便利な薬味おろし仕様になっています。
キッチンになじむ白いセラミック製皮むき器(パール金属株式会社)

刃がセラミック製でサビないので、シャープな切れ味が持続します。
ジャガイモの芽取り機能が付き。
※食器洗い乾燥機は使えません。
ちょっと変わったおもしろピーラー(千切りピーラー・トマトピーラーなど)
千切りに便利な「野菜しりしりピーラー」(アーネスト株式会社)

面倒な千切りが簡単に作れるので、千切りすることが多い人におすすめのピーラーです。
やわらかい皮がするっとむける!「下村トマトピーラー」(下村企販株式会社)

果物ナイフのように皮むきできるピーラーです。むきにくいトマトや桃などの、やわらかい皮をむくのにぴったりです。
千切りと平切りの「2WAYピーラー パーム」(アーネスト株式会社)

これ1つで千切りと平切り、両方できるピーラーです。
皮むきから細切りまで幅広い用途で使用でき、とても便利です。女性の手にも負担が少なく、調理できる使う人にとって優しいピーラーです。
くるくると楽しく調理!回転式の「アップルピーラー」(パール金属株式会社)
![リンゴの皮むきが簡単にできる!アップルピーラー]()
お菓子作りなどで、リンゴをたくさん皮むきしないといけないときなどに便利なアップルピーラー。くるくるとハンドルを回すだけで簡単に皮がむけます。
さいごに

ピーラーを使うのが何となく怖いという方は、意外と多いです。
私も実をいうと、以前はピーラーに対する苦手意識が強く、可能な限り包丁で全て済まそうと思っていました。
でも、それってピーラーが自分に合ったサイズじゃなかったり、切れ味の悪いピーラーを使っていたために余計な力が入り過ぎていたり……という原因があったんです。切れ味が悪いと、刃先は滑りやすくなるので気をつけたいですね。
切れ味のよいピーラーは、本当に驚くほど軽い力で、スッと食材の皮がむけます。
ぜひ、一度ご自分に合ったものを選んで使ってみてくださいね♪

