薬味の代表格といえば大根おろし。
よく焼き魚や天ぷらに添えられているのは、大根に含まれるジアスターゼという酵素が消化を助けてくれるから。この酵素は加熱するとこわれやすいので、生で食べるからこそ効果があります。
大根おろしと一緒に食べるとよりおいしいというのはもちろん、脂ののったお魚も、油を吸収した天ぷらを食べても胃もたれしにくい!
これはちゃんと理にかなった食べ合わせの術なんです。
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大根おろし器比較
目次
大根おろしのはじまりは?
そんな大根おろし、江戸時代には、もうすでに食べられていました。
大根をおろすのに使われていたのは、材質は銅、形は末広がりのちりとり型のおろし金。
そう、まさしくコレ!
そのころから大根おろしが食べられていたこともびっくりですが、材質と形が今も変わらずあることがすごいですよね。
銅のおろし金は持ち手とすりおろす面の色が違います。
持ち手のほうが10円玉でおなじみの銅の色。
銅には抗菌作用がありますが、錆びやすいので、すりおろす面は錫でメッキ加工されています。
今は、プロの方や大根おろしにこだわる方が、一生ものの道具として求められることが多いとか。
それだけにお値段は高めで、このおろし金は8000円くらい。
ちょっとビックリしますね。
価格、材質、形の違うもの大集合!おろし金とおろし器の違いは?
とはいうものの、今や、おろし金は100円ショップにもあります。
値段の幅が広くて、材質や形もさまざまなんです。
今回、比較のために集めたのは、こちらの7種類。
①セラミック大根おろし器(パール金属株式会社)
②KITCHEN FILE おろし器(貝印株式会社)
③銅おろし金 ダンチュウ(和平フレイズ株式会社)
④スピーディおろし金(株式会社ミネックスメタル)
⑤アーチ型おろし器(株式会社マーナ)
⑥おろしプレート セレクト100(貝印株式会社)
⑦鬼オロシ(有限会社田宮忠)
※(カッコ)の中はメーカー名、取り扱い先、以下省略。
むかしは銅製が主流のおろし金。
いうまでもなく、おろし金の「金」とは、金属製というところからきています。
最近は、プラスチック製でもおろし金という方もいて、その境界はあいまいなのですが、やっぱり、金属製のものをおろし金というほうがしっくりきますね。
おろし金のトゲトゲした刃の構造は?
さて、金属製のおろし金といえば、トゲトゲした刃を思い浮かべませんか?
こちらは③銅おろし金 ダンチュウの刃ですが、触ると痛いくらい。
実は、これにはひとつの法則が。
よく見てみると互い違いになっていますね?
これは、大根をするときの前後の動きどちらにも大根が引っかかるようになっているんです。
こういう金属の板を掻き起した刃のことを、目といって、この目を作ることを目立てといいます。
金属でも、こちらはアルミ製の②KITCHEN FILE おろし器。
同じくトゲトゲの刃があって、互い違いになっていますね。
でも③銅おろし金 ダンチュウの刃より小さくて、鋭さはそんなに感じられません。
くらべてみると、刃のとんがり具合が全然違います。
この刃の大きさや角度で大根おろしの仕上がりが違ってくるそう。
プラスチック製にも工夫がたくさん!
では、最近多いプラスチック製の刃はどうなっているの?
ということで、⑥おろしプレート セレクト100を見てみると、三角錐のような刃がまっすぐ立つようについています。
刃は穴をはさむように向かい合わせになっていて、刃の大きさも大きいものと小さいものがありますね。
規則正しく並んでいるようで、少し変化がつけられているのは、大根をスムーズにおろすための工夫。
刃が規則正しすぎると、大根に一定の道ができてしまい、おろしにくくなるからなんです。
一度使うとはまる!?セラミックおろしや鬼おろし
金属製やプラスチック製が多くをしめる大根おろし器の中には、こんな材質のものが。
こちらは、①セラミック大根おろし器。
刃は、先端が丸めの三角錐で、放射状に並んでいます。
きっかけはともかく、セラミック製のおろし器を一度使って、ずっと愛用しているという方は多数。
こちらは竹製の⑦鬼オロシ。
鬼おろしは鬼の刃を連想させるところからその名がついたそうですが、確かに!
こんなギザギザの大きな刃で、大根がおろせるの?と心配になりますが、ザクザクとした食感で大根本来の味が楽しめると静かなブームになっています。
総勢7種類の材質と刃の形、価格をまとめました。
次回は、いよいよ大根をおろしてみます!
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