エアコンをつけても「なかなか部屋の温度が下がらない!」なんてことはありませんか?
家の中には、ドアや窓などから屋外の熱が出入りしています。
しっかりとドアを閉めていても部屋の温度が下がらないのは、部屋の窓から屋外の熱が侵入しているからなんです。
そこで便利なのが、窓に貼る「遮熱シート(遮熱フィルム)」です。
遮熱シートはその名の通り、窓から伝わる熱を遮ることができる窓貼りシートですが、他にも遮光機能・目隠し効果のあるものも。
今回はそんな遮熱シートについて、窓ガラスへの貼り方や窓に貼ったときの効果などをご紹介します!
窓用遮熱シートとは?遮熱の仕組みをメーカーに聞いてみた
窓に貼る薄いフィルム状のものを「窓貼りシート」と呼びますが、その中でも遮熱機能に優れたものが「遮熱シート(遮熱フィルム)」です。
部屋の窓に貼ることで、部屋の温度上昇を緩和する効果があります。
なぜ窓にシートを貼るだけで部屋の温度が下がるのか
夏の暑さ対策として着目される「窓」。
なぜ窓際の暑さ対策が効果的なのか、数多くの窓貼りシートを製造しておられるメーカー:明和グラビアさんに聞いてみました。
明和グラビアさん
夏に侵入する日射熱の70%は窓などの開口部から入ってくることが分かっています。
冬に窓から逃げ出す熱の割合も高いですが、夏に窓から侵入する熱は、屋根や壁などから侵入する熱の割合をはるかに超えています。
そのため、窓貼りシートやすだれ、オーニング等を使用して窓から侵入する日射熱を減らすことが、部屋の温度を下げるのに最も効果的なのだそうです。
気になる遮熱シートの遮熱の仕組み
窓貼りシートの中でも遮熱機能に優れた遮熱シート。
なぜ薄いフィルムを張るだけで窓から侵入する熱を遮るのか、遮熱の仕組みも教えていただきました。
明和グラビアさん
省エネ・節電にもつながる!
窓からの熱を効率よく遮断することで、エアコンの冷房効果もアップ。
設定温度が高くても部屋が涼しくなるので、節電にも期待が持てそうですよね。
「断熱シート」とは何が違う?遮熱と断熱の違い
冬に窓際から伝わる冷気をシャットアウトする窓用断熱シートというアイテムもあります。
遮熱シートと同じく窓に貼るものですが、そもそも遮熱と断熱の違いは何でしょうか。
遮熱シートが屋外からの日射熱を反射・吸収するのに対し、断熱シートは室内の赤外線を反射して、部屋の暖かい空気が窓から逃げていかないようにする機能があります。
(プチプチと同じ形状の断熱シートの場合は、空気を含むことで窓から熱を逃げにくくします。)
断熱シートは冬の寒い時期に使うものなので、夏の強い日射熱を反射・吸収する機能は遮熱シートほど高くありません。
一方、遮熱シートは屋外からの日射熱は遮ってしまうものの、断熱シートと同じく部屋の暖かい空気が窓から逃げていくのをシャットアウトすることができるため、冬の間も暖房効果を高めることが期待できます。
遮熱・断熱両方の機能を兼ね備えたタイプも

そのため、遮熱と断熱両方の効果が期待できます。
窓用遮熱シートには、先ほどご紹介した「ミラータイプ」の他、貼りやすい「メッシュタイプ」や「粘着タイプ」、貼ったときに気泡が目立ちにくいタイプなど、様々な種類が展開されています。
ホームセンターなどで目にした際は、機能や張り方の違いなどもぜひチェックしてみてくださいね。
遮熱シートの貼り方とキレイに貼るコツ
今回は遮熱シートを実際に窓に貼ってみました。
ここからは、遮熱シートの貼り方を写真付きでご紹介します。
貼り方のコツも記載していますので、上手く貼れるか心配な方は参考にしてくださいね。

室内の窓ガラスの表面は、ホコリや水分、油分などで見た目より汚れています。
これらが付着していると遮熱シートを上手く貼れないので、あらかじめ雑巾などの布でキレイに拭き取っておきます。
その印に合わせて、ハサミで遮熱シートを好みのサイズにカットしていきます。

窓に直接遮熱シートを押し当て、カッターで不要な部分を切り取る方法もありますが、大きい窓だとカットしている最中にズレてしまうのでおすすめできません。
マーカーで印を付けるときも含め、遮熱シートを床に広げて作業するとやりやすいですよ。
少し手間に感じるかもしれませんが、サイズをぴったりにすることで仕上がりに違いが出てきますのでここは頑張りましょう。

貼りたい窓ガラスの表面に霧吹きなどを使って水を吹き付けます(水を使わずに貼れるタイプも存在します。詳しくは後述します)。

遮熱シートの保護シールをはがし、窓ガラスに貼り付ける面を確認します。
間違った面を貼り付けても意味がありませんので、必ずどちらの面なのかを確認をしましょう。


水をつければ何度でも貼り直しがきくので、焦らず丁寧に行ってくださいね。
また、粘着力が足りない部分は、さらに水を吹き付けることでしっかりとくっつきます。
貼った直後は、ガラス面の水がまだら模様のように見えますが、乾けば気にならなくなるので安心してください。

必要な部分に貼り付けたら、後は完全に水が乾いて密着するまで放置します。
万が一剥がれてしまっても、水を付けてもう一度張り直せばOKです。
1人でも十分貼れましたが、2人で協力して貼るともっと楽にキレイに仕上がるかな、と感じました。
遮熱シートをキレイに貼るコツ
遮熱シートをキレイに貼るコツは、貼る前に水を「たっぷり」吹き付けること。
窓ガラスの表面から水が垂れるくらい、しっかりと吹き付けてくださいね。
また、貼っていくときは空気が入らないように、手の平を内側から外側へ滑らせるのがコツ。
遮熱シートには若干の伸縮性があり、水でスライドするので少々のズレは貼りながらリカバリーできました。
水を使わずに貼れるタイプも
実は、今回使用した遮熱シートは、水がなくても貼ることができるメッシュタイプと呼ばれるもの。
空気が抜ける穴があいていることで、気泡ができてしまっても空気が抜きやすくなっています。
水を使わない場合は、スクイージーやタオルなどを押し当てながら貼ることで、キレイに空気を抜くことができますよ。
遮熱シートって効果ある?窓際の暑さを検証
遮熱シートを貼ったら本当に窓際の暑さが軽減されるのか、手元の温度計で検証してみました。
遮熱シートを貼る前の窓ガラス近くの測ると、温度は36度ありました。
窓際ということもありかなり高めです。
遮熱シートを貼ってから30分後の温度を測ってみると…
温度は28度!遮熱シートを貼るだけで8度も温度が下がりました。

商品パッケージには「-7度」と記載されていたので、それよりも効果が出た結果に。
日光の当たり方や室内の環境などで効果に多少の違いはありそうですが、実際これほどの差が出るとは思っていなかったので驚きました。
今回検証したのは6月なので、日差しがきつくなる夏本番にはもっと効果が期待できそうです。
遮熱シートを貼ってみた感想
体感としては、肌がじりじりとするような暑さから、エアコンなしでも爽やかさを感じるようになりました。
また、部屋の床を見ると、貼った場所と貼っていない場所の日光の当たり方が歴然でした。
日光を遮るので室内が若干暗くなるものの、遮光カーテンと比べると同じか少し明るいと感じるくらい。
日中、目隠しのために白いカーテンを閉めたままにしている方も多いと思うので、それほど暗さは気にならないと思いますよ。
ただし、カーテンのように開けたり閉めたりできるわけではないので、調光したいという方にはピンポイントでの使用がおすすめ。
西日が強い場所だけ、人目につきやすい場所だけ、窓の一部分だけなど、貼る場所を工夫をするとより便利に使えると思います。
遮熱シートを選ぶときのポイント5つ
サイズや機能、デザインが豊富にある遮熱シート。
初めて知った人は特に、どんなものを選べば良いのか迷ってしまいますよね。
失敗しないポイントは、使うシーンや欲しい機能などを具体的にイメージして、自宅に合ったものを選ぶこと。
まずは「ここに貼りたい」という場所を思い浮かべて、それぞれのポイントを押さえていきましょう。
ポイント【1】貼れる窓かを事前確認する


遮熱シート特有の熱を吸収する機能で、窓ガラスが蓄熱し膨張することによって、ヒビ割れが起こる可能性があるためです。
貼る予定の窓が、遮熱シートを貼っても問題ないかどうか確認するようにしましょう。
ポイント【2】遮光機能・目隠し効果などの機能性
遮熱シートを貼ることで得られるメリットは遮熱効果だけではありません。
外からの目隠し効果が期待できるものや、窓ガラスが割れた際の飛散防止ができるものなど、機能性にも注目してみましょう。
ちなみに、今回検証に使った遮熱シートには目隠し機能が付いていました。
実際、部屋の中からは外が見えますが、
外から部屋の中は全くと言っていいほど見えませんでした。
夜間など、外の方が暗い場合は部屋の中が見えますので、カーテンは閉めるようにしてくださいね。
ポイント【3】窓のサイズに合っているかどうか
基本的に遮熱シートはハサミやカッターで簡単にカットできます。
しかし、窓よりも小さいサイズを選ぶと取り返しがつきません。
遮熱効果をしっかりと感じたいなら、窓より少し大きめを選び、窓のサイズにぴったりと合わせてカットしましょう。
購入前に窓のサイズを測っておくことが失敗を防ぐコツですよ。
ポイント【4】部屋のデザインに合うか
遮熱シートには、さまざまなデザインがあります。
インテリアやカーテンと馴染みやすい無地、キャラクターや柄入り、ステンドガラス風など、部屋の雰囲気に合ったものを選びましょう。
おしゃれな柄入りならインテリアのアクセントとしても目を引くので、手軽に雰囲気を変えられるDIYグッズとしてもおすすめです。
ポイント【5】貼り方が難しくないかをチェック
遮熱シートには、「水で貼るタイプ」と「シールで貼るタイプ」があります。
小さめの窓へ手軽に貼るならシールタイプがおすすめ。
カッターを使えば、貼った後でも窓枠に合わせてカットできるので便利です。
一方、大きめの窓に貼るには、失敗したときにリカバリーできないので不向き。
よっぽど慣れていないと空気が入ってしまったり、斜めに歪んでしまったりすることもあります。
貼り方に自信がない方、賃貸住宅にお住まいで窓に痕を残したくない人は「水で貼るタイプ」がおすすめです。
失敗しても納得がいくまで貼り直すことができますよ。
おわりに
窓際からの熱を遮る遮熱シートについて見てきましたが、いかがでしたか?
実際に貼ることで室温に結構な差が出ることが分かりましたね。
暑い夏の冷房対策として、屋外からの目隠しとして、万が一の飛散防止として。
自宅に合ったデザインを選び、窓のおしゃれを楽しむのも良いでしょう。
さまざまな用途で活躍する遮熱シートで、この夏を爽やかに、快適に過ごしてくださいね。

