優れた吸水性や速乾性で話題の珪藻土。
それまで布製しかなかったバスマットの素材として着目され、珪藻土バスマットは一躍有名になりました。
実は、その珪藻土よりも「すごい」と言われる素材があるんです。
それがこちらの「エコカラット」。
一見すると珪藻土と似たような素材のようですが、実は全然違う素材なんですよ。
今回はこのエコカラットとはどういった素材で、一体何が珪藻土よりもすごいのか、開発者の方にインタビューを行いました。
エコカラットってどういう素材?
と、疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれません。
「エコカラット」はまったく新しい素材ではなく、建材として作られたもの。
そのため、「名前を聞いたことはある」という方もいて当然なのです。
エコカラットとは
エコカラットは元々、住宅用設備機器メーカーである「LIXIL(リクシル)」によって開発された建材の一種。
空気を吸放出する微細な孔が開いているのが特徴で、湿度が高い日には湿気をジメジメとした吸収し、逆に空気が乾燥している日は湿気を放出して湿度を一定に保つ働きがあります。
そのため、「調湿壁」とも言われているんですよ。
参考資料
※LIXIL(リクシル)「エコカラット|コンセプト」検索日2021/7/7
※LIXIL(リクシル)「エコカラット|機能紹介」検索日2021/7/7
エコカラットはこうして生まれた!【開発者インタビュー】
そんなエコカラットが今、大きな注目を浴びています。
理由は、エコカラットが建材の域を飛び越え、生活雑貨として販売され始めたからです。
大ヒット商品を多数生み出す「マーナ株式会社」
エコカラットの生活雑貨シリーズを手掛けるのは、マーナ株式会社。
最近ではコンビニでも見かけるようになった、あのシュパットを製造しているメーカーです。

ハウジーのライターさんや収納の専門家の中にも愛用者が多いです。
マーナの「水筒すき間洗いブラシ」が紹介されている記事を見る
水筒でいくら節約になる?水筒の選び方と『水筒という家事』のお悩み解決アイテム
開発者の方にインタビューを実施しました
今回は、マーナさんでエコカラットシリーズを始めとする商品の開発に携わる方にインタビューを行いました。

谷口諒太さん
開発部 プロダクトデザイナー
エコカラットの他に調味料ポットや「きれいに暮らす。」、「清潔謹製」などのシリーズの開発を担当。
エコカラットシリーズはこうして生まれた!
まずは、元々建材であったエコカラットを、どうして生活雑貨の素材として取り入れよう!ということになったのか、気になる経緯について聞いてみました。
谷口さん
話を聞いてみると、珪藻土の約5倍もの吸・放湿性という高性能の素材であることに驚きました。
市場には珪藻土の商品は多数発売されていましたが、エコカラットの性能を活かした生活雑貨ができたら面白いと感じました。
LIXILさんと共同開発というだけあって、商品化に至るまでには様々なやり取りが行われたようです。
谷口さん
商品開発のファーストステップとして、エコカラットの特性を理解する為、壁に使用されているタイルをサンプルでいただき、それを社内でアイデアに適したサイズにカットして、様々な環境・条件で使用しました。
壁材として作られた素材を生活雑貨に加工するのは、今まで誰もやったことないことにチャレンジすること。
いろんな実験を重ねられて商品化されていったのですね。
話を聞いて気になったのは、珪藻土を超える吸水性・放湿性があるという点。
珪藻土もエコカラットもよく似た見た目をしていますが、いったい何が違うのでしょうか。
続いては、珪藻土とエコカラットとの違いについてご紹介します。
エコカラットと珪藻土との違い
エコカラットと珪藻土、見た目はよく似ていますよね。
しかし、似ているのは見た目だけ。実はまったく違う素材なのです。
珪藻土がどんな素材なのか、詳しく知らない方のために、まずは珪藻土がどんな素材なのかについて解説します。
珪藻土の特徴
珪藻土は、大昔のプランクトン(珪藻)の殻の化石が海や湖の底に積もってできた堆積岩です。
この珪藻土も小さな孔が無数に開いていて、みずから吸水・放湿する性質をもっています。
岩石であるということから、繊維を含まないので、菌が繁殖する場所がなく、カビやダニなどが発生しにくいという特徴も。
そのため、バスマットなど毎日水に触れるアイテムの素材として一躍注目を浴びました。
珪藻土バスマットと布製バスマットの比較記事を見る
【珪藻土VS布のバスマット比較】どっちがおすすめ?メリット・デメリットを徹底調査
珪藻土とエコカラットの吸水力の違い
谷口さんによると、エコカラットと同じ吸水性や速乾性のある素材として、珪藻土を比較対象として吸水性の実験をされたそうです。
谷口さん
どちらも似た機能を持っているとはいえ、その性能の違いはご覧の通り!
相対湿度を50%から90%に上げ、24時間放置したところ、珪藻土の約5倍も湿気を吸湿するという結果に。
※LIXILが行った実験結果です。お部屋の使用状況や家具配置、気象などの環境変化によって実験結果は多少異なる場合があります。
吸水力の違いは「孔」の数と大きさにアリ?
珪藻土とエコカラットは、どちらも湿気を吸い込む目に見えない孔が開いているとご説明しました。
しかし、この「孔」の数と大きさには異なる点があります。
目に見えないような微細な孔は「細孔」と呼ばれ、この細孔は大きさによって、
- 50nm以上…マクロポア
- 2~50nm…メソポア
- 2nm以下…ミクロポア
※nm(ナノメートル)…10億分の1メートル
珪藻土は堆積した土地(産地)によって孔の数と大きさには多少の違いがあります。
しかし、LIXILによって開発された多孔質セラミックスであるエコカラットの細孔は、なんと1nmで最も小さい「ミクロポア」と呼ばれるもの。
さらに、細孔も珪藻土のようなバラつきがなくまんべんなく豊富に開いているため、珪藻土を超える優れた吸水力を発揮するというわけです。
参考資料
※EM珪藻土「EM珪藻土の特長|産地」検索日2021/7/7
※LIXIL(リクシル)「エコカラット|機能紹介」検索日2021/7/7
耐久力は劣る?エコカラットの弱点
ただし、エコカラットは何もかも珪藻土より優れているわけではありません。
谷口さんには、エコカラットの「強いて言うならデメリットになる」ということも聞いてみました。
谷口さん
そのため、珪藻土に比べると耐久性がデメリットとなります。
珪藻土も決して壊れないということはありませんが、バスマットとして人が乗れるほどの耐久性はあります。
しかし、エコカラットは「多孔質セラミックス」。食器などと同じく、扱いには気を付けなければいけないようです。
谷口さん
珪藻土バスマットの代わりにエコカラットバスマット、というわけにはいかないのは少し残念ですが、珪藻土より優れた吸水性や速乾性を活かして、「エコカラットシリーズ」にはたくさんのアイテムがあります。
まずは、開発者の谷口さんにエコカラットシリーズで最も反響のあるアイテムは何か、聴いてみました。
エコカラットシリーズの人気アイテムはコレ!
谷口さん
普段、水筒やボトルを洗って、逆さに置いて一晩経っても水滴が残っていることに不満をお持ちの方が多くいらっしゃいました。
水筒にボトル乾燥スティックを入れておくだけで、短時間で水滴がなくなることで、反響をいただけたのだと思います。
ボトル乾燥スティックの使い方は、洗ったあとの濡れた水筒に刺して置いておくだけ。
高い吸湿性で周囲の湿気を効率よく吸収するので、水滴に直接触れていなくても水筒が乾いてしまうのだとか。
ボトル乾燥スティックを使って水筒を乾かしてみると…?
今回、毎日水筒を使っているという整理収納アドバイザー「まい」さんにご協力いただき、注目のボトル乾燥スティックがどれだけ早く水筒を乾かせるのかを試していただきました。
水筒は毎日使うもの。乾かないとずっと水切りカゴやトレーに置きっぱなしになってしまいます。
ずっと濡れたまま放置しておくのは、衛生的にも気になりますよね。
なかなか乾かない水筒にお困りの方は、ぜひこちらの記事もチェックしてみてください。

面白いアイテムばかり!エコカラットシリーズのおすすめアイテム
エコカラットシリーズには、他にも面白いアイテムがたくさんあります。
その優れた吸水・速乾性を活かして、暮らしのプチストレスを解消してくれるアイテムばかり!
ここからは、ボトル乾燥スティック以外のおすすめアイテムをご紹介します。
「エコカラット」の洗面トレー

「エコカラット」のコップスタンド

「エコカラット」の水切りトレー

「エコカラット」のドライキーパー

「エコカラット」のトースト皿

おわりに
今回は珪藻土より優れた吸水性を誇るエコカラットについて、開発者の方に直接お話を伺いながらご紹介してきました。
谷口さん
「水筒がなかなか乾かず片付けられない…」
「歯ブラシやコップは雑菌が気になるので早く乾かしたい…」
などのお悩みを抱えている方は、ぜひ一度エコカラットシリーズを試してみてくださいね!

