35度を超える猛暑日や、氷点下近くになる真冬日が多くなってきている昨今。
このような過酷な環境の中で快適に過ごすために、エアコンは必需品です。
しかし、エアコンを使うとき「電気代」が気になりませんか?
快適さのためにエアコンは必要ですが、「もう少し電気代が何とかならないかな」と思う方も多いはず。
そこで注目したいのがエアコンの室外機カバーです。
室外機カバーは屋外に置かれているエアコンの室外機専用のカバーのこと。
室外機を目立たなくするカバーや、屋根だけをカバーするタイプなどがありますが、果たしてこれらは本当に効果があるのでしょうか。
こちらの記事では室外機カバーを設置するメリットや選び方、正しい設置方法などをご紹介します。
目次
室外機カバーはあった方がいい?設置するメリット
室外機は直射日光や雨風に晒される屋外に設置されているケースがほとんど。
まずは、そんな室外機にカバーをするメリットを説明しますね。
- 電気代節約につながる
- 見た目がよくなる
- 積雪から守れる
- 強風から守れる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
室外機カバーのススメ【1】電気代節約
冷房をつけているときは、室内の熱を室外機から逃がしています。
このとき、直射日光によって室外機が温められていると、熱を逃がすのにより多くのパワーが必要になり、電気代が余計にかかってしまうことになります。
室外機カバーを設置すれば日光を遮られるので、「少ないパワーで熱を逃がせる=電気代の節約」になります。
室外機カバーのススメ【2】見た目がよくなる
室外機は無機質であまり見た目がよくないと感じる方もいるでしょう。
せっかくエクステリアにこだわっても、室外機のせいで景観を崩していることもありますよね。
室外機が見えにくくなる室外機カバーがあると、見た目が大幅によくなります。
ただし、後ほど説明しますが、室外機を隠したいからと完全に室外機を覆うカバーを選んでしまうと、カバー内に熱がこもって電気代が上がりかねないので注意しましょう。
室外機カバーのススメ【3】積雪から守れる
積雪から室外機を守れるのも、室外機カバーを設置するメリットです。
積雪が多い地域では、雪が積もって室外機が埋まってしまうこともあります。
吹き出し口が雪で塞がってしまうと効率よく熱が取り込めないだけでなく、暖房がうまく運転させられない原因になりかねません。
積雪が多い地域だけでなく、雪が多いと予想される年は室外機カバーの設置を検討するとよいでしょう。
室外機カバーのススメ【4】強風から守れる
室外機が停止している状態で強風(風速30m以上)が吹き込んだ場合、プロペラが逆回転するケースがあります。
逆回転するといつもと違う力がかかるので、プロペラが破損したり、最悪の場合エアコン室外機自体が故障したりする可能性があるのです。
室外機カバーを設置していれば、風の吹き込みが弱められます。
【素材別】室外機カバーの選び方
室外機カバーは様々な素材で作られています。
こちらでは室外機カバーの素材による別の特徴と選び方をお伝えします。
室外機カバーには「屋根をカバーするタイプ」と「全体をカバーするタイプ」があるので、それぞれの主要な素材をご紹介します。
屋根カバータイプの室外機カバーに多い素材
屋根カバータイプと全体カバータイプでは、主要な素材が異なります。
屋根カバータイプの室外機カバーに多い素材は、こちらの3種類。
- アルミ製
- プラスチック製
- 金属製
屋根カバータイプ:アルミ製
アルミ製の室外機カバーは、軽いので誰でも簡単に設置できます。
リーズナブルな価格で販売されていることが多く、気軽に取り入れられるのもメリット。
さらに軽くて薄いので、取り外している時も保管場所を取りません。
- 軽い
- 安価
- 収納場所を取らない
軽いので、風で飛ばされたりすると危険です。
カバーの固定方法をチェックし、しっかり固定しておけるものを選びましょう。
- 室外機より大きめサイズを選ぶ
- カバーの固定方法をチェックする
屋根カバータイプ:プラスチック製
プラスチック製の室外機カバーの場合も、軽くて扱いが楽です。
アルミ製よりすこし価格は上がりますが、それでも安めの価格で購入できるのも魅力。
アルミ製より強度があるので、落下物などから室外機を守れるのもメリットでしょう。
- 軽い
- 落下物などから室外機を守れる
- 比較的安価
アルミ製の室外機カバーと同様に、室外機より大きめのものを選びましょう。
プラスチック製のカバーは固定をしっかりしないと、風などでガタガタと音がすることがあります。
飛んでいくと危険なので、固定が簡単かつしっかりできるものを選びましょう。
- 室外機より大きめのものを選ぶ
- 固定が簡単にできそうなものを選ぶ
屋根カバータイプ:金属製
金属製の室外機カバーはとにかく頑丈で、劣化もすくないので長年使えるのが特徴です。
プラスチック製はものが落ちてくると割れることもありますが、金属製のカバーなら破損しにくいでしょう。
価格は高めですが、長く使えることを考えると、コスパがよいと思います。
- 頑丈
- 長年使える
- 上部からの衝撃に耐えられる
金属製のカバーの場合、室外機に直接取り付けるタイプと、壁面に金具を固定するタイプがあります。
直接取り付けるタイプの場合は、室外機のサイズと商品サイズが適合しているか確認しましょう。
壁面に固定するタイプは、壁に穴をあけても大丈夫かどうか確認が必要です。
全体カバータイプの室外機カバーに多い素材
続いて全体カバータイプ。主な素材はこちらの3種類です。
- 木製
- 金属製
- ソフトカバー
全体カバータイプ:木製
木製の特徴は、ナチュラルでかわいい見た目を活かせるところ。
無機質な室外機も木製のカバーで覆うことでオシャレにかわいく見せられるので、庭やベランダの外観にこだわる方におすすめです。
もし室外機カバーの色に飽きた場合は、自分で塗り直すのもよいでしょう。
- ナチュラルな見た目で景観を損ねない
- 色の塗り替えもOK
ただし、木製の室外機カバーの場合は雨や直射日光にさらされるうちに、劣化が進みます。
ほかの素材より耐久性が劣ることも覚えておきましょう。
- 内寸と室外機の大きさをチェック
- 柵と柵の隙間をチェック
全体カバータイプ:金属製
金属製の室外機カバーは、耐久性に優れているので、上にものを置いても平気です。
また、金属製なのにナチュラルな雰囲気の木製っぽく見えるデザインのカバーもあります。
「耐久性がほしいけど、メタリックな見た目よりかわいい見た目がいい」という方は、木目調のアイテムを選ぶのもおすすめです。
- 耐久性バツグン
- 金属製に見えない見た目のものもある
少し価格がアップするかもしれませんが、より耐久性に優れたものを選ぶならステンレス製がおすすめです。
逆に、そこまでの耐久性を求めないのであれば、他の金属でも十分でしょう。
金属製のものは、ルーバーの向きや可動域もチェックしておきましょう。
ルーバーが自由に可動できるものだと使い勝手がよくなります。
- 金属の種類をチェックする
- ルーバーの向きや可動域をチェックする
全体カバータイプ:ソフトカバー
室外機全体をカバーするタイプの中には、アルミシートやポリエステル製のものもあります。
完全に覆うので運転時の使用はできませんが、使用しない時期のホコリや雨除けにはうってつけです。
また、安価で保管場所を取らないのも特徴です。
- 安価
- ホコリや雨からしっかり守れる
- 保管場所を取らない
ソフトカバーの場合、サイズ調整ができないので室外機とカバーのサイズをよくチェックしておきましょう。
木製のカバーに限らず、全体カバータイプに言えることですが、カバーの内寸と室外機の大きさをよくチェックしておきましょう。
室外機側面のでっぱりなどが原因で、カバーが使えないケースがあります。
また、先ほども説明したように、柵と柵の隙間が狭すぎると電気代アップの原因になりかねないので、隙間が広いものがおすすめです。
【目的別】室外機カバーの選び方
どういった目的で室外機カバーを付けたいかによっても、選び方が変わってきます。
こちらでは、目的別に室外機カバーを選びたい方向けに、どういったタイプがおすすめかをご紹介しますね。
目的【1】直射日光から守りたい
室外機の天井部分をガードできれば、室外機の温度を下げられるので、屋根カバータイプまたは全体カバータイプの天井にあまり隙間がないものがおすすめです。
目的【2】雨や雪から守りたい
雨や雪から室外機を守りたいのであれば、屋根カバータイプのプラスチック製か金属製、または全体カバータイプがおすすめです。
目的【3】強風から守りたい
強風の吹き込みからファンを守りたいときや、強風による飛来物から守りたいときは、全体カバータイプがおすすめです。
ただし、ソフトカバーは強風の吹き込みからは守れますが、飛来物を防ぐには適していません。
目的【4】景観をよくしたい
室外機を隠して見た目をよくするなら、全体カバータイプの木製や金属製がおすすめです。
目的【5】ホコリや異物の侵入を防ぎたい
使用しないときに、ホコリや異物の侵入を防ぐなら全体カバータイプのソフトカバーがおすすめです。
ただし、使用時には外すようにしましょう。
室外機カバーを設置する際の注意点
室外機カバーの設置方法によっては、逆に電気代が上がったり、空調がうまく作動しなかったりする可能性があります。
ここからは、室外機カバーを設置する際の注意点などをお伝えします。
注意点【1】隙間が必要
室外機カバーには、室外機全体をカバーするタイプと、屋根だけカバーするタイプがあります。
全体を囲うタイプを設置する場合、ルーバーにある程度隙間がないと空気の吸い込みや排出を妨げる原因に。
ある程度柵に隙間があるものを選ぶか、運転時にはカバーを外すようにしましょう。
また柵に隙間があまりないカバーの場合は熱がこもりやすくなるので、逆に電気代が上がる可能性もあります。
注意点【2】使用時にはカバーを外したほうがベター
室外機全体をカバーするタイプの場合、エアコン使用時にはカバーを外しましょう。
先ほども説明したように、カバーのせいで空気の吸い込みや悪くなったり、熱がこもったりするからです。
取り外すことを考えると、できるだけ取り外しが楽なカバーを選んでみてはいかがでしょうか。
注意点【3】室外機のサイズに合ったものを選ぶ
室外機カバーを購入する際の基本ですが、必ずサイズを測ってから購入しましょう。
サイズが合わないものを無理に取り付けると、故障の原因になるだけでなく、かえって冷暖房の効率が落ちてしまいます。
注意点【4】室外機本体から距離が取れるものを選ぶ
屋根だけのタイプだと問題ないのですが、全体を囲うタイプのものの場合、室外機本体とカバーが近すぎると排熱の効率が落ちたり、排気の妨げになる可能性があります。
可能であれば、室外機本体から30cm以上距離が取れるものが好ましいです。
カバーが本体から離せない場合、ルーバーの隙間が広いものを選んでくださいね。
室外機カバーの正しい設置方法
こちらでは屋根カバータイプと全体カバータイプ、それぞれの室外機カバーを正しく設置する方法をお伝えします。
屋根をカバーするタイプ
室外機の屋根をカバーするタイプの場合、付属のベルトで固定または磁石で固定することが多いです。
ベルトの場合、室外機の前後にベルトを通して、縛って固定したりスナップボタンを留めたりします。
ベルトにゆるみがあると、風に影響される可能性があるので、しっかり留めておきましょう。
全体をカバーするタイプ
室外機全体をカバーするタイプは商品によって異なりますが、基本的にそのまま室外機にかぶせるだけでOKです。
カバーの足元が砂利や芝生など、不安定な場合は背が低いカバーを選びましょう。
背が高いものを設置する場合、固定しないと転倒する恐れがあります。
固定具が付いているものやアジャスター付きで高低差のある場所でもグラつかないものがいいでしょう。
節電効果バツグンな「室外機カバー」のおすすめアイテム
ここからは室外機カバーのおすすめアイテムをいくつかご紹介していきます。
まずは、節電効果を期待する方におすすめの室外機カバーをピックアップしてみました。
【屋根カバータイプ/アルミ製】バックルでワンタッチ取り付け

パネルの奥行きが広く、室外機のファンにしっかりと日陰を作ることができます。
【屋根カバータイプ/アルミ製】磁石でピタッと取り付け
ひさし付きのこちらの商品は、強力な磁石で固定する仕組みになっています。
ベルトで固定するより、さらに簡単なので気軽に取り入れられますね。
厚み15mmのパネルがしっかりと断熱してくれるので、節電効果が期待できます。
【屋根カバータイプ/プラスチック製】幅の調整が可能

室外機の大きさに合わせて幅の調整ができるので、さまざまな室外機に対応できるのも魅力的です。
【屋根カバータイプ/金属製】カスタムもOK
アルミ製の室外機カバーなので、強度はバツグン。
直射日光もしっかり反射するので、節電効果もあります。
こちらは基本タイプなので屋根と足のみですが、オプションで棚板なども販売されているのでカスタムもOKです。
【全体カバータイプ/金属製】金属に見えない見た目がオシャレ
室外機の屋根部分をしっかりガードしているので、節電効果が期待できます。
アルミ製なので、耐久性もバツグン。
また、アルミ製でありながら木目調なのも特徴です。
ルーバーの向きが自由に調整できるのもおすすめポイント。
【全体カバータイプ/木製】ルーバーが開閉可能
こちらの商品は、ルーバーが開閉可能なので直射日光を遮るだけでなく、雨風からもしっかりと室外機を守れます。
ナチュラルな天然木材が見た目をかわいくしてくれるのもおすすめポイントです。
ガーデニング用品が置ける「室外機ラック」のおすすめアイテム
「せっかくなら室外機カバーの上のスペースを有効活用したい」と考える方におすすめなのが、室外機にラック機能が付いた「室外機ラック」です。
こちらではガーデニングでも使い勝手がよいアイテムをいくつかピックアップしています。
【全体カバータイプ/金属製】広い棚のおかげで使い勝手◎
こちらの商品はルーバーの間隔が広く、給排気を妨げにくくなっています。
天井部分をしっかり覆っているので、節電効果も。
棚の幅が広いので、大きめの植木鉢を置いてもOKです。
【全体カバータイプ/金属製】男前インテリア風でオシャレに見せる

高さは166cmあるので、ガーデニング用品やグリーンなどいろいろなものを置けますよ。
【全体カバータイプ/木製】モダンデザインのカバー
縦格子のモダンなシルエットが特徴的な室外機カバー。天然木を使用しているので温かみがあります。
プランターなどを置けるスペースもありますよ。
【全体カバータイプ/金属製】耐荷重15kgでたっぷり収納

【全体カバータイプ/金属製】シンプルモダンな見た目がGOOD
シンプルかつスタイリッシュな見た目で、室外機をオシャレに見せます。
角度のついた網目のおかげで、熱を逃がしつつも、雨は入れないという絶妙なつくりになっているのも◎。
天面の耐荷重は約10kgなので、グリーンや洗濯用品などいろいろなものが置ける便利なスペースになります。
【全体カバータイプ/木製】逆ルーバーで熱がこもりにくい
木製のナチュラルな見た目で、エクステリアやグリーンに違和感なく溶け込みます。
逆ルーバーなので熱が上に逃げ、周囲の植物を枯らしにくいのも特徴。
また、ベランダなどに設置した場合も熱がこもりにくく、快適に過ごせます。
室外機カバーが取り付けられない時の代用品
室外機カバーの設置方法やおすすめアイテムをご紹介してきましたが、室外機が置かれている場所や室外機自体の種類によっては、室外機カバーが取り付けられない可能性があります。
そんなときは、室外機をしっかりカバーできて省エネができる代用品を使ってみてはいかがでしょうか。
こちらでは室外機カバーが取り付けられない時に便利な代用アイテムをいくつかお伝えします。
【1】サンシェードやアルミシートを利用
室外機の上に、サンシェードやアルミシートを取り付けるのも節電につながります。
車用や100均のものでもOKです。飛ばないように、ロープやベルトなどで固定しましょう。
【2】すだれを利用
手に入れやすい材料なので、思い立ったらすぐ作れるのがうれしいですね。
すだれを室外機の上に乗せるか、室外機に対して斜めに立てかけてください。
こちらも飛ばないように、固定が必要です。
【3】グリーンカーテンを利用
エコな日よけとして定着している、グリーンカーテン。
アサガオやゴーヤ、ヘチマなどさまざまな植物が利用されます。
そんなグリーンカーテンを室外機のそばに設置すれば、室外機の日よけ代わりになるのです。
本物の植物を育てられない方は、フェイクグリーンカーテンでもOK。
【4】植栽を利用
室外機に影ができる程度の大きさの植栽を植えるのも、日よけになります。
室外機から1m程度離した場所に植えましょう。
ちなみに、植栽の種類は何でもOKですが、落葉樹がおすすめです。
落葉樹なら夏は葉が茂って日よけになり、冬は葉が落ちて日光が当たります。
【5】遮熱シールを使用
室外機の周辺に何も置けないときは、室外機の上に貼り付ける遮熱シールを利用してみましょう。
見た目はただの白いシールですが、20度以上も表面温度に違いがあります。
遮熱シール+先ほど紹介した商品を組み合わせるのもおすすめです。
室外機カバーを利用して賢く省エネ
室外機カバーを目的に応じて正しく使えば、省エネにもつながります。
そのためにも、下記のようなポイントをしっかり抑えて室外機カバーを選んでくださいね。
- ルーバーの幅が広めのものにする
- 節電のためなら屋根カバータイプ
- 室外機本体に近すぎないものが好ましい
室外機カバーを利用して夏冬の電気代を賢く抑えましょう。

