【一年草】ってどんな植物?特徴や定番の品種、二年草・多年草との違いもご紹介!

たくさん咲いたジニアやセンニチコウ

園芸店などにたくさん並べられている花の苗。植物の名前とともに「一年草」や「多年草」と書かれているのを目にしたことがありませんか?

意味はなんとなく想像できそうですが、詳しくは知らないという人もいるかもしれませんね。

そこで今回は「一年草」とはどのような植物なのかについてご紹介。
主な特徴や代表的な品種、「二年草」や「多年草」との違いなどを詳しくお伝えしていきます。

また、一年草を植えるメリットについてもお話しますので、これからガーデニングをしてみたい人はぜひ参考にしてくださいね。

一年草とは?春まきと秋まきの特徴

黄色とピンクの花
まずは一年草がどのような植物なのかについて紹介します。

およそ1年で枯れてしまう「一年生植物」

一年草とは「一年生植物」ともいい、種をまく→発芽→開花→結実(種ができる)→枯れるというサイクルが1年以内に行われる植物のことをいいます。
寿命が1年以内と考えるとわかりやすいかもしれません。

1年で枯れてしまいますが、種をとればまた翌年にまいて育てることも可能です。

小学校でも栽培することの多いアサガオは一年草で、種をまいてから生長→開花→種を採取するまでのイメージがわきやすいと思います。

「一年草」は園芸上の区分のひとつ
一年草の中には本来は多年草だけれども、日本の気候にあわずに一年草となってしまう品種もあります。そもそも一年草や多年草は園芸上での区分のひとつで、植物の性質ということではないんです。

品種は春まきと秋まき2タイプ

一年草は、種が発芽するための温度や耐暑性、耐寒性などの違いによって、春に種をまく「春まき一年草」と、秋に種をまく「秋まき一年草」とに分けられます。

春まき一年草

たくさん咲いたジニアやセンニチコウ

春まき一年草のジニアやセンニチコウ

春まき一年草とは、4~6月くらいに種をまき、初夏~夏にかけて開花し、晩秋頃には枯れてしまう植物で夏の花のことです。

メキシコやブラジルなど、熱帯・亜熱帯地方の気温が高い地域を原産とした品種が多いため、暑さに強くて寒さに弱い特徴があり「非耐寒性一年草」とも呼ばれます。

どちらかといえば濃いピンクやオレンジ、黄色などビビッドな色合いの花を咲かせるものが多く、夏らしいイメージもあります。
代表的な品種は後ほどご紹介しますね。

秋まき一年草

ネモフィラの花

秋まき一年草のネモフィラ

秋まき一年草とは、9~10月くらいに種をまいて発芽し、冬を越してから開花する植物。初夏頃を目途に枯れてしまう春の花のことです。

ヨーロッパや地中海沿岸など温帯地方を原産とする品種が多く、寒さに強くて暑さに弱い特徴があるので「耐寒性一年草」とも呼ばれています。

春まき一年草と比較するとブルーやピンク系のパステル調の色合いの花が多いので、春らしさがありますよ。

二年草とは?2つの意味

ジギタリスの花

二年草のジギタリス

二年草は二年生植物ともいいます。一年草に比べるとあまり聞きなれない種類ですね。そんな二年草には2パターンの意味があるのでそれぞれご紹介します。

1年で開花~結実までしないもの

二年草の1つ目の意味は、「1年以上かけて生長し、2年以内に枯れる植物のこと」。

種をまいた最初の年には茎や根、葉だけが生長し、そのまま冬を迎えて休眠。そして翌年の春~夏にかけて開花し、結実したら種を残して枯れてしまう植物を二年草と呼びます。

例えば一年草と二年草の種を春の同じタイミングで植えた場合、一年草はその年の秋までに開花して枯れ、二年草はそのまま年を越して翌年に開花します。

主な品種はジギタリスカンパニュラなど。

秋まき一年草を二年草と呼ぶ場合も

二年草の2つ目の意味は、「秋まき一年草のこと」です。
秋に種をまいて冬を越し、翌年になって花が咲く植物も二年草と呼ぶことがあります。

これは、年を越すことで二年目になるからということなんだそう。ちなみにこの場合の二年草を「越年草(えつねんそう)」「冬型一年草」ともいいます。

多年草とは?地上部が枯れても捨てないで

多年草は一年草や二年草と違って、何年も枯れずに花を咲かせる植物です。

ガーベラやマーガレット、ハーブ類のほかチューリップやヒヤシンスなどの球根植物も多年草です。

外国の原産地では多年草でも、日本の気候にあわず枯れる品種は一年草の扱いとなってしまいます。

多年草は冬の過ごし方によって2タイプに分かれ、その内の1つが「宿根草(しゅっこんそう)」と呼ばれるもの。また、多年草=宿根草と捉えている場合もあるようです。

「多年草」と呼ばれるのは常緑多年草のこと

マーガレットの花

多年草のマーガレット

一般的に多年草と呼ばれているのは常緑性の多年草のこと。冬の間は地上に葉や茎を残したまま休眠して耐える種類です。
気温が上がって生長期を迎えると大きくなっていき、開花します。

「宿根草」とは宿根多年草のこと

アジサイの花

宿根草のアジサイ

宿根草は、冬の間は地上部の葉や茎が枯れてしまい、根だけが土の中で生き残っている宿根多年草というタイプの植物。

冬は枯れてしまったように見えるのですが、春になると新しい葉がでてきて花が咲きます。アジサイは冬になると地上部が枯れますが、梅雨頃になると毎年大きな花を咲かせてくれますね。

冬の地上部の状態によって多年草と宿根草とに分類されていますが、常緑性の多年草のことを宿根草と呼ぶ場合もあるようです。どちらも「何年も枯れずに花が咲く植物」という風に覚えておくといいかもしれません。

宿根草の注意点
宿根草は冬に地上部が枯れるので、初めて育てる品種の場合は誤って捨ててしまうことも……。
植える時に宿根草とタグに書かれているものなら、冬に葉が枯れても捨てずに春を待ちましょう。

一年草を育てるメリット

一年草は一年で枯れてしまうのでもったいないと思うかもしれませんね。しかし一年草にもいろいろなメリットがあるんです。

特にガーデニング初心者なら一年草から始めるのがいいかもしれません。そのメリットについて紹介します。
 

一年草を育てるメリット
  • 片付けが楽で寄せ植えしやすい
  • 時期によって違う見た目の花壇が楽しめる
  • 花つきがよく、大ぶりで鮮やかな花も多い
  • 生長が早く楽しく育てられる
  • 種や苗が比較的安価で手に入れやすい

【一年草のメリット1】片付けが楽で寄せ植えしやすい

寄せ植えにしたパンジー

一年草で寄せ植えにすると、枯れるタイミングがだいたい同じなので片付けやすいメリットがあります。同じ鉢のものが全部枯れてしまうと次の準備もしやすいですね。

多年草だと植え替えたり冬越しの準備をしたりと作業が発生するので、手間に感じることも。
特に初心者の場合は、一年草だと気軽にガーデニングを楽しめておすすめです。

【一年草のメリット2】時期によって見た目の違う花壇に

いろいろな花の寄せ植え

春まき一年草が枯れたら秋まき一年草を植えて……とローテーションしていくこともできます。
春と秋で切り替え、季節によって違う見た目が楽しめますね

また、毎年同じ花を咲かせる多年草とは違い、その時の気分で違う品種にすることもできるので、毎シーズン新鮮な花壇やプランターになります。
いろいろなパターンの寄せ植えを楽しみたいという時にも一年草がおすすめです。

【一年草のメリット3】花つきがよく、大ぶりで鮮やかな花も多い

赤いジニアの花

一年草はその1年間に子孫を残そうとしてエネルギーをたくさん使うため、花がつきやすいです。
次々とたくさん花を咲かせて、種をいっぱい残そうとするためですね。また、大きくて鮮やかな花をつけるものも多いです。

一方で多年草は、初めの数年は花が咲きにくい場合もあります。そのため、花がどんどん咲いていく様子を楽しめるのも一年草のメリットといえます。

【一年草のメリット4】生長が早くて楽しく育てられる

たくさん咲いた黄色のジニア

一年草は、発芽から枯れるまでのサイクルを1年以内に行うので生長が早いです。
一方で多年草は生長がゆっくりで、環境に適応していくと丈夫になって大きく育っていきます。

グングン生長する様子を楽しみたいなら一年草の方がおすすめ。また、種をとれば翌年も育てられます。
子どもと一緒に植物を育てる時にも、一年草の方が目に見えて生長がわかるので楽しめるはず。

【一年草のメリット5】種や苗が比較的安価で手に入れやすい

園芸店の売り場に並んだパンジーの花苗

一年草は種や苗がリーズナブルなのもメリット。多年草に比べて気軽に購入できるので、万が一枯れてしまった時のことを考えても挑戦しやすいと思います。

うまく育てられるかわからない……と不安になってしまう初心者さんなら、まずは手頃な一年草から始めてみるのはいかがでしょう?

春まき一年草の代表的な品種をご紹介

それではここで、春まき一年草の主な品種をご紹介します。

園芸店などでも苗が登場しますが、春まき一年草は種から開花までが比較的早いので、種まきからスタートしてみるのもおすすめです。

暑さに強いので春~夏のお庭やベランダを彩るのに向いています。

ジニア(百日草)

オレンジのジニア

ジニアは百日草(ヒャクニチソウ)という名前もあるメキシコ原産の一年草。
ジニアエレガンスやジニアリネアリスなどさまざまな品種があり、一重咲きのものもあれば八重咲きタイプもあります。

カラフルで夏の花壇の定番でもあり、開花期が5~10月ごろと長めなのが特徴です。

センニチコウ(千日紅)

紫・ピンク・白のセンニチコウ

センニチコウは細長い茎の先端についた苞(ほう)という部分がピンクや紫、赤、白などの色づく品種です。
開花期は6~10月ごろまでで暑さにも強く、変わった形なので寄せ植えのバランスを取りたい時にも向いています。

ドライフラワーにしてもきれいな色が残るので、鉢で楽しんだあとはカットして部屋に飾ることもできますよ!

マリーゴールド

マリーゴールドの花

黄色やオレンジの鮮やかな花を咲かせるマリーゴールド。野菜と一緒に植えると病気や害虫を抑え、元気に育てられるコンパニオンプランツとしても知られています。

特にトマトやナス、ピーマンなどのナス科の夏野菜を家庭菜園したいという場合は、ぜひマリーゴールドも一緒に植えてみてください。
もちろん、寄せ植えを楽しむお花としてもおすすめですよ。

ケイトウ

赤紫のケイトウ

ケイトウは漢字で書くと「鶏頭」で、ニワトリのトサカに似ていることからこの名前がついたそうです。
ケイトウは7~10月頃まで開花を楽しめ、夏の暑さにも強いのが特徴。

真夏の炎天下でも元気に咲いてくれるので、花の元気がなくなる夏の花壇を彩ってくれます。ドライフラワーにもおすすめの品種です。

ニチニチソウ(日々草)

ピンクや紫のニチニチソウ

ニチニチソウはホームセンターの園芸コーナーなどでも安価で手に入る定番のお花。
もともとは熱帯原産の多年草ですが、日本の気候では冬を越せないので一年草として扱われます。

5~10月ころまで次々に花が咲くので日々草というのだそう。暑さに強く、手入れもあまり要らないので初心者にもおすすめですよ。

アサガオ

紫のアサガオ

夏の風物詩ともいえるアサガオ。朝に咲いて夕方にはしぼんでしまいますが、どんどん花をつけるのが楽しい品種です。

ツル性の植物なのでグリーンカーテンとしても活用でき、日除けの対策にもなります。
小学校でも栽培するくらいなので育て方は簡単。花も大きく鮮やかなので真夏のガーデニングにおすすめです。

ヒマワリ

ひまわりの花

夏の花といえばヒマワリですね。こちらも春まきの一年草で、開花期は7~9月ごろの暑い季節。
背丈が2~3mの大きなヒマワリを真夏に目にすることもあると思います。

そんなヒマワリも種から簡単に育てられるので初心者向きです。種がたくさん収穫できるため、翌年にまた種をまいて育てる楽しみもあります。

秋まき一年草の代表的な品種をご紹介

つづいて秋まき一年草の主な品種をご紹介します。春ごろに花が咲くものが多いため、春先になると開花苗も出回ります。

しかし、秋から種をまいてスタートすると、育つ期間が長くなるので大きく生長して花をたくさん咲かせることができますよ。

パンジー・ビオラ

紫のビオラ

パンジーやビオラは、11~6月ごろまでと開花時期がとても長いのが特徴。冬の間も楽しめるお花です。
ちなみにパンジーとビオラの違いは花の大きさ。パンジーは5㎝以上、ビオラは3cm以下で分けられます。

パンジーやビオラは種まきの温度管理が少し難しいので、10月頃から出回り始める苗を購入するのが簡単でおすすめです。

デイジー(ヒナギク)

ピンクのヒナギク

デイジーは和名を雛菊(ヒナギク)といい、小さくてかわいらしい花をつける品種。
ヨーロッパ原産で本来は多年草ですが、日本では暑さに耐えられないので秋まき一年草として扱われます。

開花期が12~5月ごろまでで、一重咲きや八重咲など種類もさまざま。苗もたくさん出回りますが、種から育てるのも難しくなくて初心者向きです。

キンギョソウ(金魚草)

色とりどりのキンギョソウ

金魚に似た形状の花をつけることからキンギョソウと名付けられた品種です。
地中海原産で本来は宿根草ですが、暑さに弱いため秋まき一年草として扱われます。また、寒冷地では春まきすることもできますよ。

開花期は4~6月ごろ。ボリュームがあって鮮やかなので寄せ植えにもぴったりですね。そして、見た目はもちろん香りも楽しめます。

デルフィニウム

デルフィニウムの花

ブルー系の美しい花を咲かせるデルフィニウムは、切り花としてもメジャーな品種。
ヨーロッパ原産で本来は多年草ですが、日本の暑さに耐えられないので一年草扱いになっています。

開花期は5~6月と短め。つぼみの形がイルカに似ていることから、ギリシャ語でイルカという意味のDelphisから名前がつけられました。
稲穂のように先端にいくつもの花を咲かせ、爽やかな雰囲気があります。

スイートピー

スイートピーの花

スイートピーは4~6月ごろに開花する花。フリルのようなかわいい花を咲かせ、春らしいパステルカラーのものが多いです。
また、品種改良が進んで最近では濃い色のものも登場しています。

そんなスイートピーはマメ科の植物で、ツル性なので支柱やトレリス(格子状の垣)を使ってツルを誘引して育てます。
また、甘い香りがするのでポプリにしたり、ドライにしてスワッグにアレンジしたりといろいろ楽しめますよ。

ネモフィラ

ネモフィラの花

ブルーのかわいらしい花が地面に広がるように咲くネモフィラ。全国的にもネモフィラの名所がたくさんあることで知られています。
4~5月ごろが開花期の秋まき一年草ですが、こぼれ落ちた種からもよく育つので、地植えにした場合は毎年咲くことも多いです。

初心者でも種から育てやすいのでおすすめ。ほふく性なので横に広がるようにして生長しますが、プランターやハンギングバスケットで育てると溢れるように咲くので素敵です。

ポピー

ポピーの花

細い茎の先に鮮やかな小さい花をつけるポピー。ケシ科の植物で、3~5月ごろに開花する品種です。
色のバリエーションが豊富なので、好みのものを選べる楽しさがあります。また、日光が好きな品種のため、しっかり日の当たる場所で管理することが大切です。

種からも育てやすくて丈夫なので、初心者でも挑戦しやすいですよ。フィンランドのブランド、マリメッコの定番柄「Unikko(ウニッコ)」もポピーがモチーフになっています。

一年草で華やかな庭を楽しもう

今回は、一年草について詳しく紹介しました。
二年草や多年草との違い、一年草を育てるメリットがわかれば、ガーデニングを始める時にどんな品種にすればいいか選びやすくなると思います。

一年草には春まきと秋まきがあるので、いつからスタートするかにあわせて花の種類をチョイスするといいですね。

いろいろな花を育ててみたいという時は、ぜひ一年草を加えて華やかなベランダや庭にしてみてください。

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