園芸店や100均などで観葉植物の苗がたくさん並んでいるのを見ると、「植物を育ててみたいな」と思う人も多いのではないでしょうか?
でも、うまく育てられるか不安で、なかなか手を出せない場合もあるかもしれませんね。
そこで今回は、初心者さん必見の観葉植物の育て方や育てやすい品種、揃えておきたい便利なアイテムなどについて解説します。
観葉植物はきちんとお世話してあげると、1年中ずっと緑の葉っぱをつけてくれるのでインテリアに彩りを添えてくれますよ。
ぜひこの機会に、お部屋にグリーンを取り入れてみませんか?
目次
観葉植物の育て方【その1】植え替えの方法
観葉植物を育て始めるなら、まずは好きな苗を選ぶことからスタート。
園芸店で大きな鉢の立派なものを選ぶのもいいですが、気軽に始めるなら100均の小ぶりな苗でも十分です。
最近ではたくさんの種類の観葉植物が揃っていますし、リーズナブルなので気軽にトライしやすいのもメリット。
購入する時は、葉っぱが枯れたりしおれたりしていないか、虫がついていないかをチェックして、元気そうな苗を選びましょう。
苗の植え替えに用意するもの
買ってきた苗は小さなビニールポットに植えられていることがほとんど。
このままではすぐに根詰まりを起こしてしまって大きく育てられないので、ゆったりと根を張れるサイズの鉢や花壇に植え替える必要があります。
植え替え用の鉢だけでなく、作業に必要な道具もあわせて用意していきましょう。
まずは、下記のものを準備してください。
用意するもの
- 観葉植物用の土
- 鉢
- スコップ
- 鉢底ネット
- 鉢底石
- 割りばし
- 新聞紙
- ジョウロ
鉢底ネットとは、鉢底の穴をふさぐための目の細かいネットのことです。このネットを敷くことにより、水やりをしたときに土の流出や、害虫が鉢内に侵入するのを防ぎます。三角コーナーや排水溝のネットなどで代用することもできますが不織布タイプは水はけが良くないため避けてください。
鉢底石とは、鉢底の通気性と保水性をうまく保つために鉢底に敷く石のことです。手ごろな小石や砂利で代用できなくもないですが、市販の鉢底石のほうが植物の根があたっても負担が少なく、通気性や保水性に優れています。最近は鉢底石不要と書かれた粒状培養土なども売られています。
観葉植物の植え替えのやり方
必要な道具を揃えたら、さっそく植え替えを始めましょう。
ベランダなどで行う場合は、土がこぼれると掃除が大変なのであらかじめ新聞紙を敷いておくのがおすすめです。

始めに鉢を用意します。鉢はお好みのデザインで選ぶのも大切ですが、サイズも考えておきましょう。
生長することをふまえて、今より1~2周りほど大きな鉢に植えるのがおすすめ。
あまりに大きすぎる鉢だと土が多くなり、根が全部の水分をなかなか吸いきれなくなります。
そうすると、土が湿った状態が続いて根が呼吸できなくなってしまい、根腐れする恐れがあるので注意が必要です。

まず、鉢の底に鉢底ネットを敷きます。底にある穴の数や大きさにあわせてハサミでカットして使いましょう。

その上に鉢底石を入れていきます。
底が見えなくなる程度の量が目安ですが、小さい鉢に鉢底石をたくさん入れると土の量が減ってしまうので、入れすぎにも注意しましょう。

次に苗をポットから抜きます。この時、根がぎっしり詰まって硬くなっている状態なら、少しほぐしておきましょう。
3分の1くらいの土を根を傷つけないようにやさしく落とします。難しい場合はそのままでも大丈夫。

鉢底石の上に少しだけ土を入れたら、苗を一旦入れて位置をチェックします。
苗の土の表面が鉢の縁から1~2cmほど下になるように高さを決め、その高さになるように鉢底石の上に土を入れていきましょう。
苗を置いて位置を調整したら、周りに土を入れていきます。
土を入れたあとは割りばしでやさしくつついて、土の中で隙間ができないようにするのがポイントです。
観葉植物用と書かれている土には肥料が含まれているので、別で肥料を用意しなくても大丈夫ですよ。

土を入れ終わったら、ジョウロで水やり。鉢の底から水が溢れ出るくらいにたっぷりとあげましょう。
鉢や葉っぱに土がついている場合もあるので、水で流すようにしておくといいですね。
水やりしたあと、土が沈んでしまったら少し足してから再度水やりしておきます。
植え替えをしたあとの植物は弱っている状態なので、直射日光の当たらない場所でしばらく様子を見ましょう。
土が乾くまで水やりを控えることも大切です。その代わり、葉っぱに霧吹きで水をかけておきます。
1週間ほどは場所を変えずに管理してから、置きたい場所へと運びましょう。
観葉植物の育て方【その2】日々の管理の方法
観葉植物を育てる上で気にしておきたいポイントは水やりと置き場所です。
水やりの頻度や与え方、どんな場所に置くかによって、どれだけ元気に育つかが左右されます。
植物の品種によって多少異なる部分もありますが、まずは基本的なことを知っておきましょう。
観葉植物の水やりの方法とコツ
植物をお世話するときに欠かせない水やり。
でも、意外と「水やりのタイミングなどがよく分からない」という悩みもよく聞きます。
ここでは観葉植物の水やりのコツについて詳しくご紹介します。
土が乾いたら、たっぷりの水を与える
基本的な水やりの仕方は、土が乾いてから鉢底から溢れるくらいたっぷりと水を与えること。
土の表面の色が変わって乾いていることを確認したら水やりします。
乾いているかどうか見分けにくい場合は指でちょっと触って確認し、表面がさらっとしていたら水やりのタイミングです。
水を与えることで新鮮な空気を土の中に送るので、鉢底から溢れ出るまでしっかり水やりするのがポイント。
葉っぱではなく、株元めがけてジョウロで水をあげましょう。
受け皿に溜まった水は必ず捨てる
鉢底から溢れて受け皿やプランターカバーに溜まった水は必ず捨てましょう。
そのままにしておくと土が乾きにくくなって根腐れしたり、虫がわいてしまう恐れがあります。
葉水を与えて病虫害を防ぐ
水やりと一緒に、霧吹きで葉っぱに水をかけることも大切。これを「葉水」といいます。
観葉植物は葉っぱからも水を吸うので、葉水を与えるとイキイキと元気になりますよ。
また、病虫害を防いだり、ホコリを落としたりといったメリットも。
梅雨などの湿度の高い日は頻繁にしなくても構いませんが、基本的に葉水は毎日与えるのがおすすめです。
葉っぱの裏にもかけるようにしましょう。
観葉植物に適した置き場所の選び方
観葉植物をインテリアとして置く場合は、おしゃれにディスプレイできる場所に持っていきたいですよね。
しかし植物も生きているので、元気に育てるには適した場所に置くことが大切なんです。
置き場所を考える時は「光・風通し・気温」に注目しましょう。
基本的に育てやすい場所は、直射日光が当たらない明るい場所で、風通しがよくてあたたかいところ。
具体的にはレースカーテン越しに日光が当たるような明るい日陰が管理しやすいです。
気を付けたい置き場所
直射日光は葉焼けを起こしてしまうので注意しましょう。
また、風通しがよくて空気が循環する場所だと、病虫害を受けにくくなります。
ただしエアコンの風には要注意。直接風が当たらないかどうか確認してください。
エアコンの風が直接植物に当たると、植物が乾きやすくなってしまい、気温も急激に変化するため元気がなくなってしまいます。
そして、観葉植物は熱帯地方原産のものが多いので、あたたかい場所を好みます。
冬の間は屋外に出さず、あたたかい室内で管理するようにしましょう。
観葉植物を上手に育てるコツ
観葉植物の基本的な育て方を知ったところで、もっと元気に生長させるためのコツをお伝えします。
コツを知っておけば、枯らしてしまう可能性を減らせるはずです。
育てている品種の特徴を知る
観葉植物と一言でいってもその種類は実にさまざま。品種ごとに見た目はもちろん、育て方も異なります。
日光が好きな植物もあれば、日陰に強い植物も。
また、水が大好きなものもあれば、控えめの水やりで平気なものもあります。
「なんとなく」で育て始めて失敗する前に、どんな品種なのか知っておき、正しく育てていきたいですね。
苗を買った時に品種の名前と簡単な育て方がタグに書いてありますが、できれば育て始める前にネットなどで調べておくのがおすすめ。
間違ったお世話の仕方で失敗してしまうリスクが少なくなります。
季節にあわせた育て方を
観葉植物は初心者でも比較的育てやすいですが、季節にあったお世話の方法を知っておくことは大切なポイントです。
上手な水やりのタイミングとコツ
観葉植物は春~秋が生長期。その間は土の表面が乾いたら水やりし、葉水も忘れずに行います。
また、夏の暑い時期は、気温が高くなるお昼前~夕方ごろに水やりすると、土の中が蒸れて枯れてしまう場合があります。
室内でも気温が高くなるような場所なら、涼しい朝のうちに水やりするのがおすすめです。
冬のお世話には特に注意が必要
そして、冬になると植物たちは休眠します。
緑の葉っぱをつけていても眠っている状態なので水やり頻度は控えめにし、土の表面が乾いて数日たってから水を与えます。
ただし、与える水の量はしっかりと。鉢底から溢れるくらいにあげましょう。
また、寒い季節は置き場所にも注意。
玄関など暖房があまり効いていない場所は気温が低くなりがちなので、あたたかい部屋で管理することが大切です。
定期的な植え替えを忘れずに
観葉植物はずっと同じ鉢に植えっぱなしにせず、定期的に植え替えをする方が元気に生長してくれます。
何年も同じ鉢に植えたままでいると土が硬くなってしまい、水分や養分をうまく吸収しにくくなることも。
また、土の中が根でいっぱいになる「根詰まり」になる場合もあります。
鉢を持ち上げた時に、底から根が伸びている場合は根詰まりのサインなので、植え替えるようにしましょう。
根詰まりが見られなくても、水やりした時にすぐ浸み込んでいかないなら植え替えがおすすめ。
できれば1~2年に1回は植え替えるようにすると元気に育ってくれるはずです。
植え替えをする時期は5~9月ごろまで。
休眠期の寒い季節は避け、あたたかい生長期に植え替えをするようにしましょう。
枯れる兆候?観葉植物の変化には早めに対処
葉っぱが落ちる、枯れる、茶色や黄色になってしまうなど、明らかに異変を感じたら早めに対処することが大切。
植物の異変は、主に以下の理由があげられます。
- 水のやりすぎで根腐れを起こしている
- 水切れしている
- 肥料不足
- 根が伸びすぎている
- 虫がついている
- 病気になっている
そのまま放置したり、間違った管理を続けて枯らしてしまう前に、早めに原因を調べて対処することが大切です。
ネットで簡単に調べられるので、様子がおかしいと感じたらすぐに調べて対処するのが枯らさないコツですよ。
初心者におすすめの育てやすい観葉植物の品種
観葉植物の種類を好みの見た目で選ぶのももちろんでいいのですが、枯らしてしまう心配がある人は最初に丈夫な品種を選んでおくのがおすすめです。
丈夫な品種の植物は難しい管理がいらないので、初心者でも気楽に育てられます。
ここで、おすすめの育てやすい品種を紹介していきましょう。
切れ込みのある葉っぱが特徴の「モンステラ」
南国の雰囲気が味わえるモンステラは葉っぱの切れ込みが特徴的。
小さな苗で購入した時は切れ込みが入っていないこともありますが、大きくなってくると独特の形になっていきますよ。
気根という茎から伸びる根を生やすのが特徴で、その姿を楽しむのも魅力の1つです。
土でも水でも元気に育つ「ポトス」
つる状の植物であるポトスも初心者におすすめの育てやすい品種。
鉢植えはもちろん水耕栽培※(水栽培)でも育てられます。
根腐れの恐れもないので、枯らすのが心配な人は水耕栽培から始めてみてはいかがでしょうか?
ポトスは耐陰性があるため半日陰でもよく育ち、置く場所も選びやすいですよ。
※水耕栽培とは:土を使わないで、植物を栽培する方法のこと。水以外に栄養分を必要とする植物については液体肥料を水に溶かして与えます。
明るいところが好きな「フィカス・アルテシマ」
フィカスとはゴムの木のことで、品種も豊富です。
その中のアルテシマは葉っぱの斑模様が魅力の人気のある種類。
フィカス・アルテシマは明るいところが好きなので、直射日光の入る窓辺がおすすめです。
屋外で管理しすれば日光がよく当たって葉っぱもイキイキとします。
ただし寒さに弱いため、冬になったら室内で育てるようにすることが大切です。
ユニークな形の幹がかわいい「ガジュマル」
丸みのあるユニークな形をした幹が特徴のガジュマル。
沖縄ではキジムナーという精霊が宿るともいわれ、海外でも神聖な木とされているんだとか。
そんなガジュマルは熱帯地方原産の品種なので、あたたかくて日光のある場所に置くのがおすすめです。
レースカーテン越しに日光が当たるところで管理してあげましょう。
空気清浄効果のある「サンスベリア」
肉厚で細長い葉っぱが密集して育つサンスベリア。
夜の間に二酸化炭素を吸収して酸素を作るので、空気清浄の効果があるといわれています。
また、マイナスイオンを放出するので、癒しアイテムとしておすすめ。
丈夫な品種で虫もつきにくく、育てやすいのも魅力です。

揃えておきたい便利なおすすめアイテム
観葉植物を楽しく育てるならある程度道具を用意しておくといいでしょう。
そこで、あると便利なおすすめアイテムを紹介します。
水のコントロールがしやすい「ジョウロ」
水やりはペットボトルなどでも代用できますが、できればジョウロを用意しておきたいところ。
室内で水やりする時は水をこぼさないようにしたいですよね。
そんな時、先の細いジョウロなら水のコントロールがしやすく、株元を狙ってこぼさずに水やりできます。
また、容量はあまり大きくないものがおすすめ。
こちらは1.1Lのタイプですが水を入れても重くないので持ち運びが楽で、部屋に置いても邪魔にならないというメリットがあります。
葉水に欠かせない「霧吹き」
植物に葉水を与えるために、霧吹きは用意しておきたい必須アイテムです。
鉢が増えてきたり葉っぱの枚数が増えてきたりすると、たくさん水をかけないといけないので、ある程度の大きさのものを選んでおくのがおすすめ。
また、細かい霧状に噴射できるものの方が、まんべんなく水を吹きかけられます。
インテリアになじむ「鉢・プランターカバー」
水やりすると鉢底から水が溢れるので、受け皿や鉢カバー(プランターカバー)が必要になりますね。
「鉢カバー」とは、植物を直接植え込む器よりもひとまわり大きめの鉢のこと。
これらがあると、植木鉢と違って水抜きの穴が開いていないため、水やりの時に周りが濡れません。
特に鉢カバーはおしゃれなものも多く、インテリアにあわせて選べるのが魅力です。
また、お部屋の模様替えをする時も、鉢カバーなら簡単に雰囲気を変えられます。
周りが汚れないので、持ち運びしやすいというメリットもありますよ。
移動が楽になる「キャスタ―付きプランター台」や「ワゴン」
底にキャスターがついたプランター台は、大きく重たい鉢を楽に移動させるのに役立ちます。
葉っぱを日光浴させる時や鉢の下を掃除したい時、プランター台に乗せているとスムーズに動かせますよ。
また、小さな鉢はキャスター付きのワゴンにまとめて管理すると、移動も手入れもラクになります。
窓際に植物の置き場所がない場合にもおすすめです。

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いかがでしたか?
観葉植物の植え方から管理の方法、おすすめ品種など、上手に育てるために必要な情報をまとめてお伝えしました。
観葉植物を育て始めると生長していく様子が感じられて、毎日のお世話がきっと楽しくなるはずです。
この機会にぜひ、グリーンのある暮らしにトライしてみませんか?

