不織布

不織布

キーワード解説
不織布とは文字どおり「織らない布」のこと。繊維を絡み合わせて作られる。編物やフィルムでもなく、繊維を何らかの方法で絡ませたり、接着したりしてシート状にしたもの。

不織布の特徴


不織布とは何でしょうか?
日本の工業分野における基準であるJIS(日本産業規格)において

繊維シート、ウェブまたはパットで繊維が一方向またはランダムに配向しており、交絡、融着、接着によって繊維間が結合されたもの。ただし、紙、織物、編み物、タフト及び縮絨フェルトを除く(JIS‒L0222)

というふうに定義されています。

もっとも簡単に不織布の特徴を言うと「織っていない布である」ということです。
また、不織布はたくさんの穴がある多孔質(ポーラス)で、通気性、保温性、吸水性に優れています。裁断してもほつれないという特徴もあります。
さらには、使用する素材によって、補強性や導電性、柔軟性、熱安定性など、さらにその素材の持つ特性も加えることができます。

不織布は糸を織って作られた通常の布に比べると、低コストで大量生産ができるというメリットがあります。一方で、破れやすく強度的には普通の布に劣るというデメリットもあります。
※最近では製造技術の向上により、耐久性・強度が高い不織布の製造も可能になっています。

製造方法によって不織布自体の密度や厚さも柔軟に変えることができるため、応用範囲が広く、さまざまな用途に利用できる非常に便利な存在です。

製造方法

不織布の製造方法には、接着剤で固めたり、水流の圧力によって絡み合わせる方法、熱によって固まる特性で結合させる方法、細かい繊維同士を絡み合わせシート状にするなどがあります。不織布の製法は多岐にわたり、使用する素材が繊維状であれば、あらゆるものを製造することができます。そのような理由からさまざまな特徴を持つ不織布を製造することができているのです。

また、原料は綿などの天然繊維からポリエステルなどの化学繊維まで、多くの素材を使うことができます。目的や用途に合わせて素材や加工方法を選び、様々な形に加工されています。

不織布の主な種類

不織布には大きく分けて「乾式不織布」と「湿式不織布」という2つの種類があります。それらの違いは製造方法にあります。

乾式不織布

乾式不織布の製造方法は主にカードと呼ばれる機械でウェッブ(波)状に形成し、それをニードルパンチと呼ばれる針で突き刺したり、熱で溶かしたりして繊維同士を結合させてつくります。
見た目は布のような風合いで、主に衣料・衛材などに使用されています。

湿式不織布

湿式不織布の製造法方は紙漉きの方法にとてもよく似ています。水と繊維を混ぜ合わせて網状のネット上に漉き上げ、圧縮や熱などで脱水するという方法です。
見た目は紙と同じような風合いで、均一なシートが得られるという特徴があります。主に医療・工業用に使用されています。

不織布は布よりも紙に近い存在?

不織布という名前から布の一種のように思われがちですが、実は不織布は紙の一種とも呼べる存在です。
一般的に、
「繊維を糸状にして作られたもの」=布
「繊維を加工せずにそのまま作られたもの」=紙
と定義されています。

もともと紙を作るための繊維は植物繊維のみでしたが、現在では合成繊維や金属繊維なども使用できるくらいに技術が発展しています。

そこで、紙の種類を大きく2つに分け、植物繊維のみを用いて作られたものを「紙」、それ以外の合成繊維や金属繊維を混ぜて作られているものを「不織布」と呼ぶようになりました。

日常生活にある不織布

不織布は私たちの日常生活のどんなところに使われているのでしょうか?
「私たちの周りに不織布なんてあるの?」って思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも実は、不織布は意外と身近にあり、知らないうちに使っていることが多いです。

例えば・・・

身近な例では、ウエットティッシュや空気清浄機のフィルター、マスク、紙おむつなどは不織布で作られています。

他にも台所用品では、コーヒーフィルター、水切り袋、ティーバッグ、キッチンペーパー。お掃除用品でいうなら、掃除機のパックも不織布が使用されています。

このように不織布には幅広い用途があり、日常生活の広いシーンで使われているのです。

不織布
破れやすい不織布