感染症・食中毒を防ぐ!キッチン周りの正しい消毒方法【食器・まな板・包丁など】

感染症はキッチンから広まる
この事実、皆さんはご存じでしたか?

「感染症は手洗い・うがいで予防するものじゃないの?」
「キッチンは毎日きれいにしているけど…」
と思いますよね。
実は、きれいに見えるキッチンにこそ細菌やウイルスが繁殖していて、感染症が広まりやすい場所なんです

この記事ではキッチン周り・調理器具の正しい消毒方法を、病院勤務経験のある調理師の視点から解説していきます。
正しい消毒をすれば、キッチンが原因の感染症はもちろん、食中毒も未然に防ぐことができますよ。

感染症や食中毒を防ぐ!おすすめの殺菌・消毒方法3つ

感染症や食中毒を防ぐには、原因となるウイルス・細菌を「つけない・増やさない・殺菌する」ことが大切です。

「つけない・増やさない・殺菌する」ためには、日頃からキッチン周りや調理器具を正しく消毒する必要があります。

家庭でもできるおすすめの殺菌・消毒方法は、以下の3つ。

家庭でもできる殺菌・消毒方法
  • 熱湯・煮沸消毒
  • アルコール消毒
  • 塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)消毒
まずは、それぞれどのような消毒方法なのか、簡単にご紹介していきます。

【1】熱湯・煮沸消毒|お手軽だけどコツが必要

熱湯・煮沸消毒
誰でも手軽に取り入れられる方法が「熱湯・煮沸消毒」です。
特別な薬剤を購入しなくても、鍋と水さえあれば消毒できます。

しかし、ただ「熱湯をかければよい」「煮沸すればよい」わけではありません。
以下のような「温度と時間」を守らなければ、きちんとした殺菌効果を得られないんです。

消毒方法 温度 時間
熱湯消毒 80度以上 10分
煮沸消毒 100度以上 5分

手軽な方法ですが、温度管理ができない場合は殺菌作用が弱まってしまうので注意しましょう。

おすすめは「沸騰を確認してから10分加熱し続ける」方法。
こうすると「80度以上10分」を保ちやすいので、十分な殺菌効果が得られます。

【2】アルコール消毒|水分はNG!乾いたところにふきかけよう

アルコール消毒
「アルコール消毒」は、今や当たり前になった殺菌・消毒方法ですよね。

直接スプレーするだけ殺菌できますし、食品添加物に指定されているので、口に入るものにかかっても心配ありません。

ただし、アルコールは水分が大敵
アルコールをかける場所が濡れているとアルコール濃度が薄まり、殺菌効果が弱まってしまいます。

殺菌効果をきちんと発揮させるためには、アルコール消毒したい場所の水分をあらかじめ拭き取っておきましょう

おすすめは「濃度70%以上95%以下のアルコール」。
感染症の原因となるウイルスを無毒化する効果があります。

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【3】塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)|濃さと時間がポイント

塩素系漂白剤
家庭でもよく使われる「塩素系漂白剤」。
医療現場や給食調理の現場では「次亜塩素酸ナトリウム」という名前で殺菌・消毒に使われています。

塩素系漂白剤は用途に合わせて水で薄め、そこに消毒したいものを浸して使用する薬剤です。

商品によって薄め具合と浸しておく時間が異なるので、あらかじめ確認しておきましょう。
薬剤の濃さや浸す時間が異なると、十分な殺菌効果を得られなくなってしまいます。

おすすめは「泡タイプの塩素系漂白剤」。
薄める必要がなく直接スプレーして使えるので、家事のなかに手軽に取り入れられますよ。

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キッチン周り(食卓・調理台など)の消毒方法

こちらでは、キッチン周りの消毒方法をご紹介していきます。
食卓や調理台など広い面を消毒したい場合には、アルコール消毒をおすすめします
キッチン周りのアルコール消毒
ポイントはアルコール使うときに「乾いた清潔なふきん・ペーパーで拭き上げる」こと。

普段からキッチンで使っているふきんは、湿っていたり、すでに菌が繁殖している場合があります。
せっかく殺菌効果の高いアルコールを使っても、細菌が繁殖したふきんを使っては逆効果。

食卓や調理台をアルコールで消毒するときは、次のいずれかの方法で拭き上げましょう。

キッチン周りのアルコール消毒方法
  • 乾いたふきん・ペーパーにスプレーして拭く
  • 直接スプレーして拭き取る
  • さっと拭くだけなら、キッチンペーパーやティッシュを使うと清潔さも保つことができるので簡単です。

    食器の消毒方法【熱湯・煮沸 or 塩素系漂白剤】

    食器の消毒は、離乳食期の赤ちゃんがいる場合などを除いて、頻繁にする必要はありません。
    ただし、家庭内の誰かが感染症にかかっている場合、できるだけ毎食ごとに食器を消毒すると感染リスクが低くなります。

    おすすめの消毒方法は「熱湯・煮沸」か「塩素系漂白剤です。
    ただし、食器類の素材によっては向き不向きがあるので、事前に確認しておきましょう。

    食器の消毒方法【1】熱湯・煮沸消毒方法と注意点

    素材 熱湯・煮沸可否 注意点
    陶磁器 急激な温度変化に弱いので、鍋などに入れた状態から加熱する必要がある
    ガラス 特になし
    プラスチック 基本的にはNG
    耐熱温度が100度以上なら可能だが、長時間加熱すると変形の恐れがある
    × 変形や塗装が取れる恐れがある
    メラミン樹脂 煮沸消毒は可能だが、100度以下で2~3分に留める(※)

    陶磁器やガラス食器は、急な温度変化にさえ気をつければ傷む心配はありません。

    プラスチックや木、メラミン樹脂などの素材は、場合によって傷んでしまう可能性があります。
    表にある注意点をしっかり守りましょう。


    参考資料
    ※国際化工株式会社「メラミンウェアQ&A」検索日2021/2/9


    食器を熱湯・煮沸消毒する手順

    手順1
    煮沸消毒する鍋の底にふきんを敷く
    食器を熱湯・煮沸消毒
    食器が入る大きさの鍋の八分目まで水を入れ、底に清潔なふきんを敷く。
    底にふきんを敷くことで、加熱中に食器が鍋と擦れ、傷ついたり欠けたりするのを防ぎます。
    手順2
    空気が入らないように食器を入れ、火にかける
    食器を熱湯・煮沸消毒
    斜めに食器を入れると空気が入りにくくなります。
    食器が水面から出ないように、水の量を調整してください。
    手順3
    沸騰してから10分以上煮沸する
    食器を熱湯・煮沸消毒
    水が沸騰したら、全体的にポコポコと煮立つ状態(80度以上の目安)を10分以上維持します。
    火を弱めすぎると80度を下回ってしまうので、注意しましょう。
    手順4
    トングなどで食器を取り出し、清潔なふきんの上で自然乾燥させる
    食器を熱湯・煮沸消毒
    トングもあらかじめアルコールなどで消毒して、清潔なものを使ってください。

    食器の消毒方法【2】塩素系漂白剤で消毒する方法と注意点

    素材 塩素系漂白剤可否 注意点
    陶磁器 土鍋の底のようにザラザラした質感の場合、臭いが残る場合がある
    ガラス 特になし
    プラスチック 特になし
    漆器は×
    場合によっては黒ずみや変色が起こるので、目立たないところで試すとよい
    メラミン樹脂 × 表面が劣化して汚れが付着しやすくなるのでNG

    木製食器に塩素系漂白剤は使えますが、素材によっては薬剤が染み込んで匂いが残ったり、変色する場合もあります。
    匂いや変色が気になる場合は、使用を避けましょう。

    食器を塩素系漂白剤で消毒する手順

    手順1
    塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)を指定の濃度に薄める
    食器を塩素系漂白剤で消毒
    商品の説明どおりに原液を薄めます。
    液が濃すぎると食器を傷める原因になるので注意しましょう。
    手順2
    食器を薄めた塩素系漂白剤に浸ける
    食器を塩素系漂白剤で消毒
    熱湯・煮沸消毒と同じく、空気が入れないように液の中へ沈めます。
    手順3
    指定の時間が経過したら、流水でしっかりすすいで乾燥させる
    食器を塩素系漂白剤で消毒
    塩素系漂白剤の成分が残らないよう、しっかりと洗い流します。
    皿の裏面などは特に注意しましょう。

    洗い終えたら、清潔な場所で乾燥させます。

    乾燥させる間に成分は蒸発するので体に害はありません。

    まな板・包丁の消毒方法【アルコール or 塩素系漂白剤】

    まな板・包丁の消毒は、1日1回を目安におこないましょう
    特に生肉や生魚を扱った日は、食中菌が付着している可能性が高く、必ず消毒したいタイミングです。

    おすすめの消毒方法は「アルコール」と「塩素系漂白剤
    ただし、ステンレス製の包丁以外は塩素系漂白剤NGのことが多いので注意しましょう。

    熱湯消毒はNG
    熱湯をかけて殺菌する方法は、殺菌に必要な温度と時間(80度で10分または100度で5分)を保ちづらいので、あまりおすすめしません。

    まな板・包丁の消毒方法【1】アルコール消毒する方法と注意点

    まな板は材質によって、アルコール消毒に向かない場合があります。
    事前に確認しておきましょう。

    まな板の素材 アルコール 注意点
    プラスチック 水分をしっかりと拭き取る
    ゴム 特になし
    使用できるが、徐々に傷む可能性がある

    包丁の主要な素材である鋼、ステンレス、セラミックなどはすべてアルコール消毒が可能です。

    まな板・包丁をアルコール消毒する方法

    まな板・包丁をアルコール消毒
    まな板→包丁の裏→包丁の表の順でスプレーすると、包丁の置き場に困りません。

    料理に使ったあとのまな板・包丁は、しっかりと洗剤で汚れを落として水分を拭き取ったあと、アルコールをかけてください。

    アルコールは口に入っても問題ないので、そのまますぐに使用しても大丈夫です。
    匂いが気になる場合は、ペーパーなどで軽く拭き取ってから使いましょう。

    まな板・包丁の消毒方法【2】塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)で消毒する方法と注意点

    まな板・包丁はそれぞれ塩素系漂白剤との相性があります。
    特に包丁は、素材によってサビの原因になってしまうので注意しましょう。

    《 まな板の素材別注意点 》

    まな板の素材 塩素系漂白剤 注意点
    プラスチック 特になし
    ゴム 特になし
    × 漂白剤が染み込んでしまうのでNG

    《 包丁の素材別注意点 》

    包丁の素材 塩素系漂白剤 注意点
    ステンレス すすぎ残しがサビの原因になるので、よく洗い流す
    セラミック 特になし
    × ステンレス以外の金属はNG

    まな板・包丁を塩素系漂白剤で消毒する方法

    手順1
    水気を切ったまな板・包丁に、泡タイプの塩素系漂白剤をまんべんなくかける
    まな板・包丁を塩素系漂白剤で消毒
    先にまな板にスプレーし、その上に包丁を乗せてスプレーすると手間がかからず簡単です。

    また、シンクに直置きするとシンクが塩素系漂白剤で傷んだり、シンク側の細菌がまな板に付いてしまいます。
    写真のようにまな板を洗い桶などの上にまたいで置くと安心です。

    手順2
    指定の時間が経過したら、流水でしっかり洗い流し、乾燥させる
    まな板・包丁を塩素系漂白剤で消毒
    塩素臭やサビの原因にならないよう、流水しっかりとすすぎましょう。
    すすぎ終えたら水気を切って乾燥させておきます。

    まな板と包丁を塩素系漂白剤で消毒する場合、泡タイプのものを使うと簡単です。
    液体タイプの塩素系漂白剤を使う場合は、手順2の部分では以下のように対応してください。

    まな板
    清潔なふきんかペーパーをかぶせ、その上から薄めた液をまんべんなくかける
    包丁
    包丁が収まる容器に液を作り、そこに浸す

    まな板の除菌・漂白に便利な漬け置き容器

    病院の厨房では、まな板を液体の塩素系漂白剤に浸けて消毒しています。しかし、家庭のキッチンで浸け置きスペースを用意するのは難しいですよね。
    そこでおすすめするのが、こちらのまな板専用つけ置き容器。
    横幅が約50センチ、高さが約30センチあり、大きめのまな板もすっぽり入ります。
    上部にはストッパーがついているので、まな板が浮いてしまう心配もありません。

    また、奥行きが約12センチあるため、おたまなどの調理小物もつけ置き可能。
    省スペースながらキッチンのあらゆるものが消毒できる、おすすめ商品です。

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    チタン製の包丁は消毒いらず!?

    チタン製の包丁
    「チタン製の包丁」は、ステンレスやセラミックと比較するとあまり聞き慣れませんよね。

    実は、チタン製の包丁はやや刃こぼれしやすいものの、次のようなうれしい特徴があるんです。

    チタン製の包丁の特徴
    • セラミックより軽い
    • 錆びない(酸化被膜に覆われているため)
    • 抗菌効果がある
    注目すべきは3つ目の「抗菌効果」。
    チタンには、光が当たると物質の化学変化を速める「光触媒ひかりしょくばい」というはたらきがあります(光触媒について詳しくはこちら)。

    このはたらきにより、光が当たったチタンは空気中の酸素・水と反応して”活性酸素”を発生させ、有機物を分解してくれるんです。

    有機物には目に見えない汚れや細菌も含まれるため、それを分解してくれるチタンには抗菌効果があるんですよ。

    必要だとわかっていても、毎日の消毒は手間がかかるもの。
    手軽に細菌対策をしたいという方は、抗菌作用がある調理器具を購入してみるのもおすすめです。

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    参考資料
    ※家事大百科「チタンの包丁|包丁の種類とお手入れ方法」検索日2021/2/9

    さいごに

    感染症や食中毒の原因になる細菌・ウイルスが繁殖しがちなキッチン。
    この記事では、そんなキッチン周りや食器や調理器具などのアイテムを正しく消毒する方法をご紹介しました。

    家庭でできる消毒方法は、以下の3つです。

    キッチン周り・食器・調理器具の消毒方法
    • 熱湯・煮沸消毒
    • アルコール消毒
    • 塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)消毒

    キッチン周りの中でも、特に食卓・調理台、まな板・包丁は菌が繁殖しやすいポイントです。
    作業前と作業後にアルコールで消毒するだけでも効果は十分あります。

    ぜひ手軽な方法から、日々の生活にキッチンの消毒を取り入れてみてくださいね。

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