私たちの生活の中には様々な香りがあります。とくに生活の中で気になるのが、ファブリック類につくニオイ。
例えば、普段身に着けている衣類やマスク、肌に触れることが多いソファー、布団などが挙げられます。
洗濯をすればニオイはとれますが、洗濯できずにサッと一瞬でニオイを消臭したいときもありますよね。
そんなときに役立つのが、精油で作る手作り「アロマスプレー」です。
今回は、初めての人でも簡単に作れる「アロマスプレー」の作り方やおすすめの香りと効能、使い方などを詳しくご紹介します。
目次
アロマスプレーにおすすめの4つの香りと効能
「アロマスプレー」を一本作っておけば、マスク、衣類、布団、カーテン、車内などあらゆる所で使えるので、とても便利です。
好きな香りの精油をブレンドして、ファブリック等にスプレーすれば、いつもお気に入りの香りの中で生活することができますよ。
スプレーづくりに使う精油は、好みで選ぶのも良いですが、せっかくなので「アロマスプレー」作りにおすすめの4つの香りと、それぞれの効能について解説します。
精油の香りは、「ハーブ系」「フローラル系」「柑橘系」「樹脂系」「スパイス系」「樹木系」「オリエンタル系」と7つのグループに分けられます。
- ハーブ系
スパイシーで、スッキリとした香り。植物の花や葉から抽出された精油。 - フローラル系
植物の花から抽出した精油で、一部は葉や茎から抽出される。華やかな香り。 - 柑橘系
柑橘系の果物をベースにしたさわやかな香り。 - 樹脂系
木の樹脂から抽出された精油。ウッディで少し重たい香り。 - スパイス系
料理の香辛料として使われているスパイスが原料の精油。 - 樹木系
樹脂、枝、葉などから抽出された精油。ウッディでさわやかな香り。 - オリエンタル系
東南アジアや中東の植物から抽出された精油。
【おすすめの香り1】ティートリー、ティーツリー(tea tree)

殺菌・消毒・抗菌・鎮痛効果があります。アロマでは殺菌効果のある植物として有名です。
体の免疫機能を高め、細菌、真菌、ウイルスなどによる感染症に効果的でかぜの予防にも役立ちます。
(敏感肌、アレルギー肌の方は使用を避けてください)
【おすすめの香り2】ラベンダー(lavender)

ストレスを軽減したり、痛みを和らげます。オールマイティに使えて「万能精油」と言われる精油でリラックス効果があります。殺菌効果もあるので掃除にも使えます。
(妊娠初期や低血圧の方は使用を避けてください)
【おすすめの香り3】ユーカリ(eucalyptus)

主な作用は殺菌・抗ウイルス、抗菌、鎮痛など。のどの痛みを緩和して、鼻の通りをよくするのでかぜや花粉症に役立ちます。
【おすすめの香り4】ペパーミント(peppermint)

主な作用は胃健、殺菌、鎮痛など。主成分はメントールで清涼感がほしい時に利用できます。胃腸の不調や頭痛、花粉症、鼻づまり、眠気覚まし、乗り物酔いのときに役立ちます。
※参考文献:『アロマテラピー外来が教える メディカルアロマ&ハーブのセルフケア事典』菅野 かおり (著), 釜野 聖子 (監修) アスペクト(2011/05/25)
手作り「アロマスプレー」の材料と主な道具について
アロマスプレーに使いたい香りの精油が決まったら、さっそく作ってみましょう。
材料さえ揃えれば、とても簡単に作れますよ。
用意するもの
- 無水エタノール
- お好きな精油
- 精製水
- ビーカー
- 計量スプーン
- スプレー容器
アロマスプレー作りに必要なモノは?
「無水エタノールって?」とか「精製水とは?」という方のために、ここではさらに詳しく、アロマスプレーの材料についてそれぞれ解説していきます。
無水エタノール
無水エタノールはアルコール度99%以上と一番濃度が高いので、好きな濃度に調整しやすいです。
揮発性があり燃えやすいので、蓋をしっかりしめて火の近くに保管しないようにしましょう。
油溶性の精油と精製水は分離する性質なので、それらを混ぜ合わせるための基材として使用します。
薬局で50ml入り1200円前後で購入できます。
精油(エッセンシャルオイル)
精油とはエッセンシャルオイルとも呼ばれ、植物の花や葉、果皮、樹皮などから抽出された100%天然成分の物です。
ただし「アロマオイル」の名称で販売されている製品は、人工的な合成香料を含んだオイルで、精油と同じ効果は期待できません。
購入前に必ずパッケージを確認して、「精油」(エッセンシャルオイル)を選ぶようにしましょう。
アロマスプレー作りには、それほど量は必要ありません。小さい3ml入りの精油がだいたい500円前後くらいの価格なので購入しやすいですよ。
精製水
精製水とは、無色透明、無味無臭で純度の高い水です。薬局などで手に入ります。
軟水のミネラルウォーターでも代用できます。50ml入り100円以下で購入できます。
ビーカー
ガラス製やプラスチック製の物で、注ぎ口つきのものがオススメです。
飲み薬のミニ計量カップ等でも代用できます。
(写真では大きめのビーカーを使用していますが、もう少し小さい方が注ぎやすいと思います)
計量スプーン
ステンレス製の物がオススメ。
エタノールや精製水を計量します。オイルは1滴(約0.05ml)ずつ入れて、何滴加えたかで計量します。
スプレー容器
アロマは紫外線や日光に当たると劣化するので、遮光瓶のスプレーがオススメ。
使用する分だけ耐エタノールのプラスチックのスプレーに移し替えてスプレーすることもできます。
遮光瓶は30mlサイズのものが1本500円前後で、アロマオイル取扱い店やネットで手に入ります(通販の場合、送料などは別途かかります)。
マスクスプレーや消臭スプレーなど「アロマスプレー」の作り方と手順
今回は、布マスクなどにおすすめの風対策にも良いおすすめのアロマでつくる「マスクスプレー」と、お好きな香りで気になる香りを消臭できる「消臭スプレー」の作り方の2種類のスプレーの作り方の手順をご紹介します。
風邪や花粉の気になる時期におすすめ!マスクスプレーの作り方
花粉の時期にも鼻の通りをよくしてくれるスプレーです。風邪予防にもなるので、季節を問わず1年中使えます。
マスクスプレーにおすすめなのが、ユーカリとティートリー。
精油6滴をユーカリのみ6滴、ティートリーのみ6滴など好きなブレンドに変更できます。
乗り物酔いしやすい人はペパーミントを多めにできます。
また、香りが物足りないと感じる場合は、ペパーミントをラベンダーに替えてもOK。
お好きな組み合わせと配分で作れますが、濃度が高くならないよう、精油は全部で6滴までにしてくださいね。
マスクスプレーの材料
ここでは、使い切りやすい30ml分の分量のアロマスプレーの作り方を紹介します。
マスクスプレーの材料
- 無水エタノール(5ml)
- 精製水25ml
- 精油 6滴(※下記の中からお好きな組み合わせでどうぞ)
- スプレー容器
※おすすめの精油……ユーカリ、ティートリー、ペパーミント(ラベンダーでも可)。
- ユーカリ 3滴
- ティートリー 2滴
- ペパーミント 1滴
マスクスプレーの作り方の手順




香りを楽しむ「消臭スプレー」の作り方
こちらの「アロマスプレー」は、お好きな香りを入れて、香りを楽しみながら消臭するスプレーです。
消臭、防臭作用のあるオイルは、ユーカリ、レモングラス、ヒノキなど。
殺菌効果があるオイルは、ティートゥリー、ラベンダー、ペパーミントなど。
布団や枕カバーなどにスプレーしたいという場合は、リラックス効果もあるラベンダーがおススメです。
【香りつき消臭スプレーの材料】
先ほどのマスクスプレーとは違って、こちらは広範囲で使うため、少し多めの50ml分の分量を紹介します。
消臭スプレーの材料
- 無水エタノール 5ml
- 精製水 45ml
- 好きな精油 10滴
【消臭スプレーの作り方と手順】
- ビーカーにエタノールを入れる
- ビーカーに精油15~20滴を入れて混ぜる。
- ビーカーに精製水を入れて混ぜる
- スプレー容器に移してラベルを貼る。
- 冷暗所に保管して2週間以内で使い切る。柑橘系やティートリーを使用した場合は冷蔵保管します。
手作りアロマスプレーのコストはどのくらい?
材料を最初にそろえるのにはお金がかかりますが、スプレーの中身はとても安くできます。
今回つくった中身は、マスクスプレーは約59円、消臭スプレーは約170円でできました。
手づくりアロマスプレーは、玄関マットや、クローゼット、リビングのソファーやカーテン、寝室や子供部屋の布団やぬいぐるみまで、気になる場所に幅広く使えます。
安く作ることができるので、たくさん使っても安心ですよね。
手作りアロマスプレーの主な使い方
吹きかけるだけで手軽に好きな精油の香りが楽しめる「アロマスプレー」が完成したら、さっそく実際に使ってみましょう。
エタノールと精製水はよく分離してしまうため、よく振ってから使用する必要があります。
アロマスプレーの使い方
スプレーする前に、必ず容器ごとしっかり上下に振ります。
マスクスプレー
マスクスプレーを利用するときは、外側から2プッシュ、スプレーします。
装着すると精油の香りが広がります。
消臭スプレー
消臭スプレーを枕に2プッシュ、スプレーしました。
今回はラベンダーの香りをつけたので、ラベンダーの香りが部屋にいっきに広がりました。
手作りアロマスプレーの使用および取扱いに関する注意点
簡単に作れて色々と便利に使えるアロマスプレーですが、取り扱いに少し気をつけて頂きたい点がいくつかあります。
安全に使うためにも、必ずさっと目を通しておいてくださいね。
決められた容量・濃度・用途を守る
精油は濃縮された成分のため、必ず薄めて使います。
原液は基本、肌につけられません。また飲用もできません。
特にボディオイルや化粧水、アロマスプレーなど、精油が体に触れるような使い方をするときには、精油は全体の容量の1%の濃度を目安に使います。
肌につける場合は必ずパッチテストを行ってからにしてください。
(肌刺激を受ける場合があるため、異常があればすぐに使用をやめてください。)
また、柑橘系などの光感作がある精油は、紫外線に当たると皮膚トラブルが起こるので、肌に直接使用した後は直射日光はさけましょう。
精油の保管に関する注意点と使用期限
精油は光、熱、湿度、空気に弱いため、高温多湿をさけて冷暗所に保管します。
柑橘系、ティートリーは冷蔵庫保管で半年ほどもちます。その他の精油は10度以下の所で保管し、1年以内に使用してください。
その他の注意点
3歳未満の乳幼児には、精油は使用しないでください。
また、幼児やペットの手の届かない所に保管するなど注意してください。
猫は精油で中毒をおこす危険性があります。
特に柑橘系やティートリーが苦手なので、必ず別の部屋へ移動させてから使用しましょう。
精油やスプレーを火の近くで使用するのも厳禁です。
手作りアロマスプレーのまとめ
精油でつくる手作りのアロマスプレーは、合成の香料とはちがい、本物の草花から抽出した香りなので自然の香りが楽しめます。
ブレンドすることで好きな香りを作ることができるのが、手作りのメリット。
ニオイがこもりがちで気になる場所に使ってみてくださいね。
スプレーするだけでなく、日頃から部屋の風通しをよくしておくことも大切です。
精油のパワーを味方につけて簡単・安全なスプレーを作って暮らしに役立てましょう。

