夏に大活躍したエアコン。
「また使う時にお掃除しよう」と、メンテナンスをせずに放置していませんか?
季節の終わりにお手入れをせず、ホコリが入り込んでしまったエアコン内部には、嫌なニオイの原因にもなるカビが繁殖してしまいがちです。
次に使う時に、エアコンから出る風が「なんだかカビ臭い!」となってしまう前に、きちんとお手入れをしておきましょう。
特にしっかりとエアコンのお手入れをしておきたいのは、結露がおこりやすい夏の終わりです。つまり、秋が一番の掃除時!
今回は、基本的なフィルターの掃除方法はもちろん、家庭でできるエアコン内部のホコリ取り、お掃除の頻度を少なくする汚れ防止のアイデアなどをご紹介します。
目次
エアコン掃除が必要な理由とは?
まずは、エアコンの仕組みについて簡単に見てみましょう。
エアコンは、内部にある熱交換器の役目であるフィンを温めたり冷やしたりすることで、暖かい空気や冷たい空気を出しています。
梅雨から夏にかけては、特に熱交換器(フィン)が冷えているので、エアコン内部の空気も冷やされます。
すると、冷やされた空気中の水蒸気が水に代わってしまい、結露しやすくなります。
そこにカビの栄養分となるホコリが入り込むと、カビ発生の三大要素(湿度、気温、栄養分)が揃い、内部でカビが繁殖してしまうのです。
内部のホコリをしっかりとっておくことが重要
フィンは熱を交換する機能をもっているため、エアコンの冷却効率や暖房効率に大きく影響するパーツです。
結露やホコリが溜まった状態のまま放置しておくと、蓄積されたホコリが風をせき止めてしまうため、エアコンの効きが悪くなってしまいます。
また、エアコンをつけた際に、エアコン内部で発生したカビを部屋中にまき散らしてしまうことにもなりかねません。
こういった事態を避けるためにも、定期的にしっかりとお掃除する必要があります。
エアコン掃除の掃除頻度とおすすめの時期
エアコンのフィルター掃除の頻度は、使用シーズン中は2週間に一度が良いと言われています。
そんなに頻繁にできないという方は、最低でも月に1度のペースでお掃除を。
エアコンを使用するシーズン前のお掃除も欠かせません。使っていない間にもホコリがたまっているので、お掃除してから使用しましょう。
エアコンの熱交換(フィン)の掃除は冷房が終わった秋などの時期に、年に1度行うとよいでしょう。
吹き出し口のカビ取りは、使用頻度にもよりますが、エアコンを使用する前の梅雨の季節と利用した後の秋の年2回。
我が家では、内部のホコリ取りや前カバーのお手入れと同じくらいのペースで行っています。
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- フィルター掃除(シーズン中)……2週間に1度
※頻繁にできない場合は最低でも月に1回
- エアコンを使用するシーズン前のホコリ掃除……年2回
- エアコンの熱交換(フィン)の掃除……年1回(秋がおすすめ)
- 吹き出し口のカビ取り……梅雨・秋の年2回
- (内部のホコリ取りと前カバーのお手入れ)……年2回
エアコンを掃除する前の注意点と必要な道具
エアコンを掃除する時には、掃除機以外にもいろんな掃除用具を使うと便利です。
室内にある「室内機」だけでなく、屋外にある「室外機」もしっかり掃除しましょう。
エアコン掃除に使う道具
- 脚立
- 掃除機(ハンディタイプがオススメ)
- 中性洗剤(台所用洗剤、お掃除スプレーなど)
- 古ハブラシ(柔らかいお掃除ブラシなど)
- フィン用スプレー「アース らくハピ エアコン洗浄スプレー」
- 使い捨ておしぼり
- 割りばし
- 輪ゴム
- アルコールスプレー
- 炊事用手袋
- マスク
室外機用の掃除道具
- 洗車ブラシ
- ほうき
エアコン洗浄スプレーについて
今回は、基本的なフィルターの掃除以外に、フィン用スプレーを使用した内部の熱交換器(フィン)のお手入れも行います。
ただし専門業者でないと手入れができない機種もありますので、あらかじめ、ご家庭のエアコンの取り扱い説明書を確認してくださいね。

エアコンの洗浄を目的としたスプレーにはいくつかの種類があります。(上の写真は今回使用する「フィン用(熱交換器)」の洗浄スプレーです)
主に「フィルター用」「フィン用(熱交換器)」「ファン用」の3種類ですが、このうち「ファン用」スプレーについては、精密機械であるエアコン内部に使うため、十分に取り扱いに注意が必要です。
ビニール製の袋などできっちりと周りを養生して、掃除後に洗剤や水気が残らないようにしっかりと洗浄や乾燥を行わないといけないため、一般家庭で行うのはかなり大変です。
今回は、一般のご家庭でも手軽に扱える「フィン用」のスプレーのみ使用していますので、お間違いのないようご注意ください。
エアコンを掃除する前の注意点
掃除を始める前に、お使いのエアコンの取扱説明書をよくご確認ください。
機種によってはカバーやフィルターなど各部品の外し方が異なる場合があります。
あらかじめ読んでおくと、スムーズに作業できます。
掃除中に誤って電源を入れてしまうと、思わぬケガや事故の原因となることがあります。
カビやホコリをしっかり除去!正しいエアコン掃除の方法と手順
それでは、実際にエアコンをお掃除していきます。
エアコンの下に埃や薬液がしたたることがあるので、タオルなどで養生しておきます。
換気をしながら、マスク着用、必要であれば炊事用手袋をつけておいてくださいね。
フィルターと前カバーのお手入れ
まずは、フィルター掃除と前カバーの掃除方法について、手順とコツを簡単に説明します。

フィルターの素材は柔らかいので、強モードでいきなり吸引せず、弱モードで優しく吸いましょう。

古ハブラシで優しく残っているホコリを落とします。しっかり乾かしてから戻さないとカビの原因になります。
フィルターを乾かしている間にカバーのお掃除を行ないます。

べたつきがある場合は、中性洗剤で洗うとスッキリします。

フィルターと同様に、前カバーもしっかりと乾かしておきます。
フィンの掃除方法
続いては、フィン(熱交換器)部分のお手入れです。デリケートな部分なので、手順に沿って丁寧に行いましょう。
スプレーを使用しますので、部屋の換気も忘れずしてくださいね。

フィンは繊細でつぶれやすいので、優しくフィンに沿ってブラシを動かしましょう。

汚れた水が排水できなくなるので1本全て使い切ってください。

お使いのエアコンの機種に送風機能があれば、使用すると内部までしっかりと乾きます。
洗浄液が室外機の排水管から流れてきました。ホース内に生えていた白いカビも放出されていました。
ホースに枯れ葉などがつまっていたら、割りばしでかき出しておきましょう。
エアコンの吹き出し口のカビ落とし方法
エアコンの吹き出し口を覗いたときに、黒いカビが見える場合があります。
ぞっとする光景ですが、ちゃんと手の届く範囲だけでも掃除して除去しておきたいですよね。
ここでは、ご家庭にあるもので簡単に行える、エアコンの吹き出し口のカビ落とし手順について解説します。
- アルコールスプレーを吹きつけた使い捨ておしぼりを割りばしに巻き付ける。
- 輪ゴムで固定する。
エアコンの室外機の掃除は必要?簡単なお手入れの方法
室外機は熱を放出したり、流れてきた熱をふたたび冷やしたりと熱のやり取りが行われている場所です。
室内のエアコンと同じしくみで、熱交換器のフィンがあります。
ここに汚れがたまっていると、熱が効率よく排出されません。
室外機周りを掃いて砂が入りにくくしたり、草をぬいて風が入りやすくしましょう。
また、ブラシ等でフィンについた枯れ葉や砂を払っておくと節電になります。
フィンに沿って、優しくブラシを使ってこすり落としましょう。
我が家では、写真のような洗車ブラシを使用しています。
節電に効果的なエアコンの室外機カバーの選び方&取り付け方をご紹介
エアコン掃除をプロに相談したほうがいいケースについて
エアコン内部で回っているファンにカビが発生している場合は、プロにお掃除を任せた方が、内部までしっかり分解掃除して汚れを落としてくれます。
今回行ったフィン掃除も、すでにカビが内部まで生えてしまっているような場合は、プロに任せた方がよいでしょう。
エアコンの内部に発生したカビが原因で病気になってしまうケースもあるようなので、体調が思わしくない場合は業者さんに頼むことをおすすめします。
<参照>「なんと業者さんにエアコンクリーニング頼んでみました!」(節約ママのこだわり掃除)
エアコンのカビを防いでキレイに使うためのポイント
キレイに掃除をした後は、なるべくこの状態をキープしたいものです。
ここでは、なるべくエアコン掃除の頻度を減らしつつ、なるべくカビの発生を防ぐ方法についてご紹介します。
エアコンフィルターでホコリの侵入を防ぐ
我が家では、100円ショップダイソーの「エアコンフィルター」を使用しています。
エアコン上部にある吸い込み口(部屋の空気を吸い込むところ)をこのフィルターで覆うことで、ホコリの侵入を防ぎます。
プリントされた模様が薄くなったら、取り換えの目安時期がわかるようになっています。
使い方は簡単。この「エアコンフィルター」はエアコン本体に付属のマジックテープを貼りつけておいて、そこにフィルターを貼り付けるというタイプになります。
エアコン上部にある部屋の空気が入っていくところ(吸い込み口)に貼り付けます。
上の画像は、フィルターを交換のために取り外してみたものです。
よく見ると結構汚れが目立ってますよね。このくらい、エアコン内部へのホコリの侵入を防いでくれている証拠です。
実際、これを設置してから内部のフィルター掃除が半分以下に減りました。
フィンにもホコリがつきにくいですよ。
エアコンの「送風機能」を上手に活用してカビ対策
エアコンには、風を送るだけの「送風モード」という機能があります。
あまり使ったことが無いという方も多いかもしれないですが、実はこの機能が、カビ対策にとても役立ちます。
特に、夏場に冷房を使用した後は、エアコンの送風機能を使ってエアコン内部を乾かし、結露が起こらないようにすると、カビが発生しにくくなります。1 運転後に30分~2時間くらいの使用が目安。
また、エアコンを使用しないオフシーズン中も、週に1回くらいのペースで送風運転をすると、エアコン内部をしっかりと乾燥した状態で保てるため、カビの発生を防げますよ。
※最近ではエアコン使用後にエアコンが自動で送風運転をしてくれるエアコンもあり、「送風モード」としてのボタンが無い場合もあります。
エアコン掃除についてのまとめ
エアコン掃除は家庭でできる掃除が限られています。
内部にホコリが入らないよう、フィルター掃除はシーズン中は小まめに行うのがポイント。フィンやファンが汚れにくくなります。
また、内部に結露が発生しないよう、冷房後は送風機能で結露を飛ばします。
冷房を利用したあとの、今の季節がエアコン掃除を効率よく行うことができます。寒くなる前にやっておきましょう。
エアコン掃除は高所での作業になるので、足場を固定して、ケガのないように注意して作業を行ってくださいね。

