使わない日はないくらい私達の生活に欠かせない調理器具といえば「オーブンレンジ」です。
毎日使用している分、汚れもたまりやすくなっていますが、お手入れはしっかりできているでしょうか?
酷い汚れは、機能の低下や故障の原因につながることもあります。
今回はこびりついて落ちにくいと思われがちなオーブンレンジの上手なお手入れ方法をご紹介します。汚れの種類別に、レンジクロスやアルカリ電解水、重曹などを使った効果的なお掃除についても詳しく解説していきますね。
目次
お手入れ前に知っておきたいこと
お手入れは取扱説明書に従って行うのが一番安全です。
ただ、ほとんどの商品は「水拭き、または中性洗剤でのお手入れ」を推奨しています。
庫内の部品がアルカリや酸、エタノールなどにより変質してしまうのを防ぐためです。
以下の画像を見て下さい。
これは以前、私が酷い汚れを落とすためにアルカリ性の洗剤を使用しすぎたために起こしてしまった事例です。アルカリ剤によって庫内の遠赤ヒーターの塗料が剥がれてしまいました。
製品の安全性と汚れ落としのバランスは、このようにとても難しいという注意点があります。
今回ご紹介する方法は、中性洗剤では落ちない酷い汚れに対応するためアルカリ性や酸性の洗剤を使用します。
変質事故が起こってしまうリスクがあるという点、ご利用の際は基本的に自己責任による使用になるという点をご理解ください。
オーブンレンジの主な汚れは3種類
オーブンレンジにつく汚れには主に3種類あります。
庫内に食品が飛散してできる「油汚れ」、油分を含んだ調味料が吹きこぼれてこびりつく「コゲつき」、本体外側につく「ホコリ汚れ」です。
それぞれの汚れの種類と、汚れレベルに応じた方法をご紹介していきます。
庫内の汚れ1:蒸気と時間でじっくりゆるめるのがコツ
ついたばかりの汚れであれば、洗剤を使ったお手入れは必要はありません。
蒸気と汚れをからめとる効果のあるレンジクロスだけで綺麗になります。
なるべく洗剤を使わないこの段階ですむように、小まめにお手入れするようにしましょう。
「汚れレベル1」ついたばかりの油汚れ
<用意するもの>
・ゴム手袋
・広口の耐熱容器
・水
・レンジクロス
<お手入れの手順>
【1】 広口の耐熱容器に水を入れて5分ほど(沸騰して蒸気が出る程度の時間)加熱します。
そのまま15分ほど放置し、庫内に蒸気を行き渡らせます。
扉や内部に細かい水滴がつくくらいまで放置します。
【2】加熱したお湯にレンジクロスを浸して絞ります。火傷しないようゴム手袋をするなど気を付けてください。
【3】受け台や丸皿などの小物類を取り外し、レンジクロスを使って天面、奥、側面、底面を拭き掃除します。
蒸気の力を利用すればレンジクロスだけでも洗剤なしで汚れを落とすことができます。
重曹を入れた水を加熱して掃除する方法もありますが、加熱すると炭酸塩に変化し水溶液のアルカリ度が上がります。
まずは真水の蒸気で掃除をしてみてください。軽い汚れであれば十分落ちます。
【4】 取り外した受け台と丸皿も蒸気で汚れがゆるんでいます。食器洗い用洗剤とスポンジで洗いましょう。
庫内の汚れ2:しつこい油汚れの落とし方と注意点
「汚れレベル1」のお手入れをしてもベタついた油汚れが残っていたら洗剤を使用します。
「汚れレベル2」ベタベタした油汚れの落とし方
<用意するもの>
・レンジクロス
・アルカリ電解水(スプレー)
<お手入れの手順>
【1】レンジクロスにアルカリ電解水を吹き付け、気になる汚れを拭いていきます。汚れに直接吹き付けず、必ずクロスの方に付けて使用します。アルカリ度が高いのでゴム手袋などをして作業しましょう。
【2】アルカリ性のアルカリ電解水は油汚れにとても効果がありますが、その分塗装が剥がれるなど部品が変質することがあります。
特に汚れ防止のためコーティング加工をしてある部位、センサー、ヒーター、開口カバーなどに触れないよう注意しながら作業します。
【3】水拭き用にもう一枚別のクロスを用意し、洗剤成分が残らないようしっかり拭き取りもう一度最後に水拭きをして仕上げます。
庫内の汚れ3:重曹ホイップによるコゲつきの落とし方
アルカリ電解水で拭いても残ってしまうコゲつきは、繰り返し吹きこぼれた汁や食品、油分によるアルカリ性(水垢と同じ)と酸性(油汚れ)が混在する汚れです。まず水垢に有効なお酢で汚れをゆるめてから重曹で擦り落とします。
「汚れレベル3」頑固なコゲつきをお酢と重曹の力で落とす
<用意するもの>
・食酢、お湯(1:1)
・キッチンペーパー
・液体石けん(台所用中性洗剤でもOK)小さじ1
・水 小さじ1
・重曹 大さじ2
<お手入れ手順>
【1】 食酢とお湯1:1で希釈した液に浸したキッチンペーパーをコゲに3分程度湿布してアルカリ性の汚れをゆるめます。
食酢とはいえ酸性成分なので長時間放置しないよう注意してください。
【2】湿布していたキッチンペーパーでこすると半分ほど汚れが落ちます。残った頑固なコゲは重曹で擦り落とします。
【3】液体石けん(台所用中性洗剤でもOK)小さじ1・水小さじ1に対し重曹大さじ2を合わせ、泡だて器で空気を入れながら泡立ててホイップ状の重曹を作ります。重曹をそのまま使うより空気が入るので、傷がつきにくく上手に擦ることができます。また石けんの界面活性作用は油汚れにも効果があります。
【4】重曹ホイップをコゲに湿布して3分程度染み込ませます。その後、ラップを丸めたもので円を描くようにやさしく擦ります。力を入れすぎないようにしてください。
【5】コゲが落ちたら水拭きでクエン酸や重曹をしっかり拭き取って仕上げます。
このように、2段階の方法で黒いコゲつきも落とすことができました。
力を入れすぎたり、固めのスポンジやブラシを使うと、以下の画像のように表面コーティングが剥がれてしまうことがあります。注意しましょう。
忘れがち!本体外側の汚れの落とし方
レンジの裏側がゴミ、ホコリなどによってふさがれてしまうと、火災の原因になることがあります。
掃除しづらい場所ですが、定期的にホコリを取っておきましょう。
<お手入れ手順>
【1】本体の外側のホコリ汚れは固く絞った清潔なクロスで水拭きをし、乾拭きをして仕上げます。
【2】 側面や裏側にある吸気口や排気口もしっかり拭き掃除しましょう。
まとめ
一度、スマートフォンの懐中電灯機能を使って、電子レンジの内部を奥まで照らしてみてください。
綺麗だと思っていても奥や天井など見えにくい場所に飛び散った汚れが見つかり、想像以上の汚れに驚くことがあります。その汚れを放置したまま使用すると、頑固な汚れに進化してしまいます。
しつこい汚れになる前に、小まめなお手入れをして清潔な庫内をキープしましょう。

